これは、音無たちが西方海域を攻略した後に特別任務として北方水姫を倒すべく、ガダルカナル島への攻勢遮断作戦を実行した時のこと。
その中途で遭遇した『防空巡棲姫』を倒したことで、音無たちの艦隊にアメリカの防空巡洋艦『Atlanta』が着任した。
これは、その直後の物語である。
Atlantaは着任してすぐ、音無という男の人柄に触れることになった。
それは、Atlantaが着任して3日後に始めて秘書艦を務めた時のことだった。音無はAtlantaの苦手なことについて話をしていたのだ。
「そっかぁ……アトランタは夜戦が苦手なのか」
「そ。日本のDestroyerのせいで痛い目に遭ってね……」
Atlantaは悩まし気に首を傾けながら言った。少し体を揺すると、6千t級という日本の球磨型から始まる5500t級に毛が生えた程度の排水量というには巨大な乳房がブルンと弾む。
毎晩毎晩様々な巨乳爆乳美乳貧乳を見ている音無としては、薄手の服で目立つ乳房についつい目が行ってしまうところである。
もっとも、それでも話をすることは忘れないあたり慣れていると言うべきか。
「確か、暁と夕立、だっけ?」
「らしいね。名前までは知らなかったけど……あと戦艦に命中弾喰らった。いくら古くても、14インチ以上の巨砲積んでる戦艦に防空用の巡洋艦ごときが勝てるわけないでしょ」
この時Atlantaに命中弾を出したのは、金剛型2番艦の比叡らしい。本人も『あ~、ありました!』と後に語ってくれたが。
「そりゃそうだよなぁ……いくら多数の主砲を積んでいるって言ったってその口径が駆逐艦と同じ5インチ砲じゃ話にならないよなぁ……」
「そう。駆逐艦や軽巡くらいなら数の暴力で潰せるけどさぁ……ホント、キツイよ」
気怠そうに言うAtlantaは声こそクリアでキレイだが、そんな苦労をしたせいかかなりのダウナー系らしい。
しかし、そんな気怠そうな雰囲気とは裏腹に仕事はきちんとこなす上、意外にも面倒見がいい。
自分を振り回したNightmareこと夕立や暁、比叡ともすぐに仲良くなったようだ。
本人曰く、『あんなのと毎日絡んでいられるってすごいね……』とのことだが、音無に言わせれば艦娘たちとの激しい夜の方がよっぽど『大変』である。
もっとも、着任したばかりのAtlantaに対してそんなセクハラ発言はとてもではないができない、と思っている辺り気遣いのできる男である。
とはいえ、Atlantaとて着任してすぐ、同じアメリ艦娘であるHornetとSaratogaから様々な艦娘と関係を持っていることを聞かされた。
「へぇ~。じゃあ提督さんはSister SaraたちとSexすることが大事なんだ……ちょっと信じられないけど」
「そうね。私は鹵獲改装されたわけじゃないけど……Saraたちの苦悩は察するに余るわ。わ、私も……提督とのSexにすっかりハマっちゃって……」
顔を真っ赤にしつつも嬉しそうに語るHornetの姿を見て、Atlantaは驚きを隠せなかった。
Hornetはこの鎮守府の航空母艦としては古参であるが、船としての建造年代はAtlantaの竣工の竣工時期と2ヶ月くらいしか変わらないため、実は年齢という意味ではそれほど変わらないのだが。
「ふーん。提督さんって、いわゆる『スケベ』なの?」
Atlantaの疑問にHornetは『あはは……』と苦笑した。
「そうねぇ……スケベかって言われるとそうとも言えるしそうでないとも言えるのよねぇ……」
「え、そうなの?」
「えぇ。最初こそチトセやムツたちと流されるままに関係を持っていた感じがあったけど、イセたちと出会って彼女たちのメンタルを崩さないように、側に居なきゃいけないって保護欲が強くなっちゃって、艦娘の気持ちを大切にしなきゃって思うようになったのよ。そうしたら、Sexを断れなくなって色んな娘と関係を持つようになったの」
「そ、そうなんだ……」
提督と艦娘が肉体関係を持つことは珍しくないとはいえ、とっかえひっかえと言っていいほどの数を侍らせているのは中々ない。
「それに、イセたちから補給を続けていたからっていうのもあるけど……補給液の影響で提督は精力や体力もとても上昇しているのよ」
「もしかして……提督さんって結構エロスギラギラ?」
Hornetは『そうねぇ』と苦笑した。
「彼女たちの溜まった補給液を吸い出さなければいけないから、どうしてもそれで感情が昂りやすいのよ」
「じゃあ、やっぱり大変は大変なんだ……」
「Atlantaはどうなの?提督のこと、どう思う?」
Atlantaは『んー』と少し考えた。
「確かに、毎晩エッチなことをしているっていう割にはすごく真面目だし、出撃や遠征とか、色々と考えているっていうのも分かる。それに……すごく優しい」
Atlantaが顔を赤らめてモジモジしながら言うと、Hornetも『あぁ、やっぱりね』とにやけてしまう。
「な、なに?その『分かってる分かってる』みたいな顔は……バカにしてんの?」
「うふふっ……ごめんなさい。あなたのそんな顔を見たらなんだか妙に可愛く見えちゃって……」
「む~……」
Atlantaが『ぷく~』と顔を膨らませるが、そんな顔も可愛い。
しかし、それはそれとして音無への評価を改めて考える。
「ま、まぁ……本当はNight Battleは怖いけど……もし提督さんがあたしを抱きたいって言ってくれるなら……まぁ、いいかなって思う」
顔を赤くしながらも自分の胸を『むぎゅう』と抱き締めてその時を想像するAtlantaを見たHornetは、やっと満足そうな顔を見せた。
「そう。そうなのね。まぁ、あとはあなた次第だから。『ここだ』って思った時に告白した方がいいわよ」
「え、それって結構難しくない……?」
その一歩を踏み出す勇気が欲しい、というところか。だが、Hornetは『ダメダメ』と続けた。
「提督の周りにどんだけ抱かれたい艦娘がいると思ってるのよ。駆逐艦なんかも含めれば10人や20人じゃきかないのよ?本当に『ここだ』って思ったら、すぐに行動しないと機会なんて訪れないわよ?日本の諺でも『思い立ったが吉日、それ以降は凶日』って言うしね」
「うぅっ……そりゃそうかぁ……」
正確には『思い立ったが吉日』だけで、その後の言葉はとある漫画の影響を受けた秋雲から聞いた言葉であった。
だが、Hornetの言うことも正しい。
一人前のレディー(笑)の暁や、見た目も中身も天真爛漫な幼女であるマエストラーレ級の子たちですら音無と男女の仲になることを望んでいる、といえばその人気がうかがえる……ただし、その子たちは未だに言い出せていない組だが。
その点、成熟した見た目を持つ巡洋艦以上の艦娘の方が思い切りいい部分が多いのだ。それを考えると、改めて如月が大胆だったということがよく分かるだろう。
「そっかぁ……そう、だよね……よし、あたしも頑張ろう」
「そうそう、その意気よ」
「明日から」
最後の一言に思わずズッコケてしまったHornetであったとさ……。
しかし、ことはそう簡単ではなかった。
翌日からAtlantaがなにかと音無に声をかけようとしたのだが、その度に他の艦娘と絡んでいたのだった。
「Hey、テートクぅ‼久しぶりにワタシとNight Battleしてほしいデース‼」
「ちょいちょい提督ぅ。この天霧も混ぜてくれよな~」
「お、おい提督‼この摩耶様を忘れるなよなぁ‼」
「あぁら、司令官ったらぁ~如月のことも、わ・す・れ・な・い・で・ね?」
そんな感じでなにかにつけて多くの艦娘が音無に絡んでいるため、Atlantaが口を挟む余裕が中々ないのである。
「うぅ~……これってちょっとキツイなぁ……」
結局、数日間もの時間を過ごしたAtlantaだったが、残念なことに音無に声をかけることはできなかった。
だが、明日は自分が秘書艦になる日である。それを利用すれば、音無にモーションをかけることも十分できるだろうと判断していた。
「明日こそ……明日こそ……」
そう心に決めて食堂で食事を摂っていたのだが、それ以上の考えが浮かばない。
「あれ、アトランタじゃない?」
声に振り向くと、そこに駆逐艦らしい少女が3人現れた。
「あなたは確か……アキグモ、だっけ?」
「そーそー。よろしくねー」
「アタシ巻雲でーす。よろしくお願いしま~す」
「風雲です。どうかよろしく」
いつものように軽い調子の秋雲と、その仲間である巻雲と風雲の3人である。
「えぇと、なんの用?」
前述の通り、Atlantaは暁と夕立に夜戦で翻弄された経験があるからか、駆逐艦が苦手という一面がある。
「いやね~、アトランタってまだ鎮守府に馴染んでないみたいだからさー。お近づきの印にって思ってね~」
秋雲が差し出したのは、紙に包まれた薄いなにかだった。
「よかったら、部屋に戻ったら見てみてよー。ウチのことが少しは分かると思うからさー」
正確にはHornetからあれこれと聞いている為ある程度は分かっているのだが、より分かるものがあるというのならばそれはありがたいと思った。
「あ、ありがと。じゃあ、せっかくだから読ませてもらうね」
「まぁ、本来ならそんな程度じゃ人様に見せられるもんじゃないんだけど……よろしくねー」
Atlantaは部屋へ戻ると、秋雲からもらったモノを見た。
「これ……本、だよね?それも、Comic……」
読み進めていくと、Atlantaの顔がどんどんと赤く、そして青ざめていく。
果たして、内容は一体どのようなものだったのか……
その翌日、秋雲は今後書く予定の同人誌の内容をチェックしていた。
「む~……もうちょっと過激なエロスが欲しいんだけどな~……」
「秋雲ってば……もうちょっと普通なの書けないの~?」
風雲が呆れているが、秋雲は真剣そのものだった。
「あのねー。エロス、リビドーは人間の本能だよ~。それを前に押し出すことでより興味を惹けるんだよ~」
呆れるしかないが、風雲はふとあるモノが目に留まった。
「ねぇ秋雲、これってなんだっけ?」
「え?あぁそれ?妙高さんと大淀さんから依頼されてた、2人のオカズ用のハードSMプレイ同人誌だよ。浣腸ボテ腹やムチに荒縄、ロウソクや鹵獲した輸送ワ級の艤装を使ったネタまでエログロのオンパレードだよ」
風雲がまだ真っ白な表紙のそれを見てみると、『え?』と素っ頓狂な声を上げた。
「全然違うじゃない。これ、『タウイタウイのチャイチャパラダイス!』って書いてあるけど……」
「え!?そんなの残ってたの!?」
「ほら、これ!千歳さんたちが写ってる!」
秋雲が急いでチェックすると、そこには音無が千歳を始めとする様々な艦娘たちととても楽しそうにイチャラブしているエロ同人誌があった。
エロスはエロスだが、ハッピーな雰囲気の漂ういい意味でのエロさであった。少なくとも、ハードなSM要素など一切ない。
「……う~ん……アトランタにハードSMの本を渡しちゃったかもしれない……」
「えぇ~!?」
その頃、秘書艦を務めているAtlantaは、まともに音無の顔を見ることができなかった。
「……なぁ、アトランタ。なんだか妙に距離が離れてないか?」
音無にそれを指摘されると、Atlantaは『ビクッ』と肩を震わせた。
「……や、あの、その……」
「?……俺がなにかしたか?」
「ふぇ、あ、あの……」
Atlantaはモジモジしていたが、意を決したらしくなにかを取り出した。
「て、提督さんって、こういうのが好きなんでしょ‼アキグモが『人には見せられない』って言ってた‼」
「ん……?んなぁっ!?」
音無が、Atlantaが取り出した『秋雲の同人誌』を見て、思わず目が飛び出さんばかりになり、あんぐりと口を開けてしまった。
『て、提督っ……もう、妙高のタンクは満杯ですぅっ……♡それ以上入りませぇんっ……♡』
大量のミルク(直前の描写から、恐らく鹵獲改装組から絞り出した大量の母乳)を浣腸され、お腹がパンパンに膨れ上がりながら開脚状態でつるされていることで感じているらしい妙高。
しかもその直後、大量の膣内射精でさらに腹が膨れ上がり、破裂寸前にまでなっていた。
『あぁダメェっ……大淀、それ以上爆撃を受けたら大破着底してしまいますぅ……♡』
バックから挿入され、時にゆっくりと、時に激しく大量のロウソクを垂らされて顔を赤らめている大淀の艶姿。
ロウソクで感じながら膣を締め付けたことで音無の射精を促し、リットル越えの大量精液を子宮で飲み干すことになる。当然、妙高ほどではないが臨月の妊婦並みに腹は大きく膨れ上がっていた。
そして最終的に、2人は音無専用の肉奴隷に堕ちていくというストーリーであった。
「あ、あいつめ~……‼」
その数分後、自室から逃げようとした秋雲と風雲は、駆け込んできた音無の姿が目に入った。
音無は軍服を着て、手には龍田の薙刀を持っていた。
「うわ、間に合わない‼」
「秋雲ぉ~‼とんでもないことをしてくれやがったなぁ‼大バカ娘ぇぇぇっ‼」
「だから堂々と人様に見せるようなものじゃないって言っておいたのに~‼うわぁ~‼」
結局、誤解であることが理解されるまで秋雲は追い回されるのだった。
そして、Atlantaの誤解を解くのにはさらに時間がかかったという。
もっとも、お陰でAtlantaは妙高と大淀が特別だということをようやく理解したのだった。
「……よかった。あんな激しいの、流石にムリ。絶対ムリ……」
音無が本心からそういうのにハマっているわけではないということに、心から安堵したという。
お陰で、また機会があったら音無にモーションをかけようと決意したのだった。
……懲りずに部長オチです。
まぁ、秋雲ならいいよなぁ、と思いまして……なお次回、アトランタは……ひひひ