【SO3】聖王国の紅刃が堕ちるとき~背徳の淫紋から始まる英雄救済譚~【IF】 作:ばんどう
(紋章陣の起動は問題なし、か……)
アレンは胸中でぽつりとつぶやいた。
ふたりの手首に刻まれたそれぞれの月が、青白い燐光を放っている。風の試練で紋章力の塊に触れたことで、アレンはやっとこの月の紋章構造を理解できたのだ。
クレアを見やる。月明かりのなか。クレアは礼拝堂の長椅子にアレンと並んで座り、かすかにうつむいている。緊張した面持ちだ。紋章解放を目の前でしてみせても、彼女は赤らんだ顔でそっと身動ぎするばかりで反応がない。
(そうだな、クレアさん。いまは――)
ふたりの距離をわずかでも縮めようと、彼女の肩を抱き寄せる。
月光を宿した長い髪が、ふっくらと突き出た乳房の上に流れ落ち、白く輝いた。その美麗な肉丘は、いまにもハーフカップの胸当てからこぼれ落ちそうである。
アレンは肉丘を覆う、頼りない布に指をかけたまま、自分の呼吸が荒くなるのを感じていた。クレアの白い肌は羞恥と興奮で首筋までほんのりと赤く染まり、唇がかすかに開いている。行儀よく並んだ白いエナメル質の光沢の奥で、赤い舌がちろりと物欲しそうにうごめいた。
琥珀色の瞳が、そっとアレンを見返して――すぐに逸らされる。いつも理知的に前を向いている彼女の瞳はとろんと潤み、直線を描く銀の眉がハの字に垂れさがっている。
(本当に、このひとは俺を追い詰めるのがうまい……)
うっすらと汗ばんだ彼女の肌が、手のひらに吸いつく。この布切れをさっさと取り払って、思う存分暴きたい。油断すれば喉元までせり上がる衝動に、思考を乱される。
だが、まだ早い――。
喉を鳴らして、自分に言い聞かせた。
王都に戻ったとき、彼女の身の潔白は、周囲の圧力から身を護る盾となるのだ。ここで理性を飛ばすわけには行かない。
念じているさなかにふと気配を感じて、司祭室の扉を見やった。入ってくる気配はなく、立ち去るわけでもなく、ただじっと留まっている。
目のまえのクレアが、戸惑いながら声を絞りだしてきた。
「アレンさん、おねがい……。いまは、今だけは……私だけを見て」
涙のにじんだクレアの懇願。アレンの衝動がさらに膨らんだ。
たった一枚の布越しで、これほど興奮させられるのだ。これをもし取り払ってしまったら――喉に力を込めて、それ以上の思考を無理やり意識の奥に押し込める。濡れた視線をくれる彼女に応えるように、銀色の頭に頬を寄せる。鼻先に触れた銀髪から、花の香りが立ちのぼっている。
白い首筋を伝って肩先に口付けると、吐息がこぼれた。息づく肉鞠が赤らんで、先端の尖りが布越しでもわかるほど、透けて見えている。
(もう、こんなに――)
触れてもいないのに兆している。貞淑な彼女に似合わない、欲にまみれた女の反応だ。
――王都に戻る、そのときまでは。
いまいちど自分に言い聞かせて、口を開いた。
「――クレア」
「…………はい……」
クレアがわずかに唇を開いて、うっとりと見つめてくる。
胸当てにかけた指をぴんと弾いた。角だった肉鞠の先端にかすかな刺激を送り込られて、彼女が呻き、抱きついてくる。一度だけでなく、二度、三度と、透ける乳輪を愛でるように胸当てをはじくと、布がこすれる刺激で、白い裸身がびくんと跳ねた。
「やっ……。アレンさん、……そんな……っ」
恥じらうように伏せた睫毛の奥で、熱を帯びた瞳がこちらをうかがっている。
「すごく、震えて……尖ってますよ、クレアさんのここ」
「だめ……。もどかしい……です……。ちゃんと、……ッ」
ざくんと波打つ銀髪の奥で、唇を濡らすようにして、クレアが言葉を詰まらせる。羞恥に染まった頬が、さらに赤みを増した。
弱々しく首を振る仕草とは裏腹に、彼女の呼吸は浅く、豊かな乳鞠が上下に波打つたび、汗の染みた薄布が紅潮した肌を透かしていく。
アレンは親指を薄布にかけたまま、やわらかな丸みを撫でおろした。胸当てがずり落ちて、押し込まれていた乳房が、ぶるんとまろび出る。形よくたわわに実った乳房は月光を浴びてほのかに輝き、頂点をきゅうと尖らせている。口に含みやすい控えめなサイズだ。充血して艶めいた突起は、まるで別の生き物のようにぴくぴくと震えていた。
「あぁ……っ」
クレアが抗議とも歓喜ともつかない声を洩らした。首に巻きついた腕がほどけて、尻の横にだらりと落ちる。快楽にとろけた体が長椅子の背もたれに沈み、はからずも胸を反らす態勢になってしまう。
アレンは左腕でクレアを抱き留めたまま、右掌で肉鞠の大きさを確かめるように緩々と揉みしだいた。敏感になった彼女が甘やかになき、油断したところで、人差し指の背で尖りの根元をひっかいてはなで上げる。
「そこ、んぅっ……」
クレアの背筋が弓なりにしなる。小さな乳嘴から透明な雫が一筋伝った。その筋のあとを追って、アレンが舌先を這わせる。
「ぢゅっ、……ちゅっ……じゅっ、ちゅっ、ずっ……!」
「んああっっ、ぁっ、ぁっ、!」
甘い。
淫紋とクレアの体臭が混じった露が舌のうえで蕩けていく。
音を立てて吸い立てると、乳嘴はさらに充血して涙をこぼした。淫紋により絞りだされる紋章力の塊は、発作と違い、自然な性的興奮で生まれる快楽の証だ。
この汁を吸うたび、肚の奥から紋章力が湧いてくる。凍り付いた力の回路が、全身をめぐり、細胞の隅々にまでようやく行き渡っていくのを感じる。
クレアが戸惑った視線を向けてくる。説明を求められているのは察したが、小ぶりな乳首がわななくさまに惹かれ、かまわず吸いついていた。
「んんぅぅっ、あっ、ぁっ、ぁあっ!」
肉の詰まった乳房は片手でつかみきれないほど豊満だ。突起から零れる甘露を塗り広げるように、もみこむと指がくい込む。色白の肌が彼女の淫液で艶めき、尖り切った左の乳首を舌でチロチロとあやせば、クレアの腰が震えた。そのくびれを抱き寄せて、乳首をぢゅっと味わいながら、もみこむだけでなく右の先端には指先でひっかくような刺激を与える。その刺激に慣れ切るまえに肉鞠全体をわしづかみ、力を抜いてつーっと指の腹を柔肌に這わせ、先端に集約していく五本の指でコリコリとつまんだ。
左右で異なるコントラストを奏でる愛撫に、クレアはすっかり溶け切って身もだえている。
「ぁっ、んんっ、はぁぁっ! ア、レンさ、っ……だめ、イッ……!」
そうやって張りのある乳房をたっぷりと堪能すれば、クレアの体がびくびくっと震えた。
ちゅぱっと音を立てて唇を離したときには、クレアが体を強張らせながら息も絶え絶えに、甘くねっとりとした瞳を寄越してくる。
「ふ、んん、はぁっ……」
「気持ちいいですか?」
つい、とろけた彼女に確認してしまうと、クレアはわずかに正気を取り戻してしまった。見る間に白い首筋が赤らんで、はくはくと唇を動かしている。
「……こ、こんなの……っ。……は……、っ、……はずかし、っ……」
消え入りそうな声でつぶやいて、両手でそっと顔を隠してしまう。
確かな戸惑いと、どこか幼い拗ねが混じった反応。それとは対照的に、くっきりとした二重瞼は淫らな熱にとろけ、潤んだ琥珀色の瞳が、指の隙間から続きを待ち望ぬようにきらきらと輝いている。
その反応が嬉しくて思わず抱きしめると、すかさず額を寄せてくるのがたまらない。
「この紋章を『解く』には、もっと恥ずかしいことをするんですよ」
「ぅぅ……、はいっ……」
クレアが小さくうなずき、うつむいてしまう。とはいえ今日この場において、そこまでを求める気はない。
(戦える程度の紋章力……)
それがどれくらいの行為で得られるものかは知れないが、少なくともクレアの誠意には応えねばならない。
充血しきった控えめな乳首が、アレンの唾液と淫紋の乳液にまみれて、胸板から腹筋を誘うようにシャツ越しに撫でてくる。その間にも、新たな雫が彼女の肉丘をすべり落ちていく。
糸を引くほど粘り気を帯びたそれを、わずかに身を離して指先ですくい取る。抱擁を解かれたクレアが、指の動きを追いかけた。
乳液に濡れた人差し指を口に含む。――やはり甘い。
こんこんと湧く紋章力の流れを感じていると、クレアがきゅっと
「アレンさんの、いじわる……」
抗議めいたクレアの視線。どれを『いじわる』と感じたのか、心当たりがありすぎて見当がつかなかった。
アレンはあいまいに微笑んで、クレアの頬を両手で包み込む。信徒席の長椅子に隣同士で密着したまま、キスをする。ついでに濡らした指先を、白磁のような彼女の肌をたどってくびれた腰へと這わせた。クレアの抗う姿勢は一瞬でほどけ、従順に瞼を伏せては指の動きに身を委ねるように艶めかしい声を上げる。やわらかく引き締まった彼女の下腹。パンティはほぼ紐状だ。これがシーハーツの常識かもしれなかった。秘苑の茂りにあてがわれた小さなデルタに触れるまえ、裾をそっと持ち上げると、雪白の肌が淡く光った。
「あん……っ」
なやましげな吐息が耳朶にまとわりつく。指先に触れてくる、こんもりとした肉土手は、頼りない布の奥で、熟れた熱気を湛えていた。
アレンの人指し指が、ぷりぷりとした陰唇の丸みを撫でる。
「ひぅっ!」
クレアがのけ反り、太ももをぎゅっと閉じる。たまらず上がった悲鳴だ。指先に感じる湿り気は、まぎれもなく彼女自身のもの。
もう完全に濡れきっていて、下着の体をなしていない。
「……すごいですね」
「うぅ、っ……言、わないでぇ……」
「嬉しいです」
羞恥に頬を染めたクレアが、すがるように胸板にしがみついてくる。ほぼ屈んで寄りかかっている彼女。くびれた蜂腰が、ぐいぐいと指先を迎え入れてきて、恥ずかしがるくせ淫靡に誘う仕草がかわいらしい。目のまえのこめかみに口付けた。さらに指腹で秘苑をさぐると、敏感な芽をかすめる。やわらかな膨らみと肉芽の狭間、大陰唇が透けた布越しに指を前後に滑らせてあやすと、クレアが感じ入って喉をそらしていく。
「んっ……はぁ……あ…っ」
クレアのみずみずしい唇から、あえかな息が洩れる。月明かりに照らされたローライズパンティは、もはや水気を吸って半透明だ。内側の鮮やかな桃色が浮かび上がる。パンティの前後を握って、やわらかい恥丘に押し当ててこすると、彼女のヒップがいやらしく揺れた。
「んっ……ぁっ……! だめ、のに……きもち、いい……っ」
長い銀髪を波打たせて、クレアが快楽に震える。びちゃびちゃに濡れそぼった秘苑は物欲しそうにパンティをくわえこみ、布の摩擦でじりじりと芯をあぶられて、上ずった声をあげては途切れていく。
もはやパンティは意味をなさず、蜜に溶かされて指先にまとわりつくばかりだ。
「だめ……っ、あっ……! だめ、これいじょうっ……!」
切羽詰まった声でつぶやいの瞬間、アレンの人差し指がついに、布のなかにひそむ肉芽を捉えた。
「ひゃああああぁぁっ!」
腰が大きく跳ね、パンティが一層、陰部の割れ目をさらに広げた。たっぷりとした尻肉がほとんどあらわになり、ぶるりと突き出される。アレンの首にかかったクレアの腕に、力がこもった。
「んんんんっっ……! あっ、ああぁっっ!」
声がひっくり返って、クレアが足指をぎゅっと丸める。彼女の両足がぴんと突っ張り、全身、びくびくと痙攣する。肉鞠が上下に揺れた。長い銀髪がざくんざくんと波打つ。陰唇からは蜜がどっとあふれ、手首にまでも勢いよくかかっていく。
熱い蜜が糸を引き、手の甲から滴り落ちて、信徒席の木目をねっとりと濡らしていった。
「はぁっ……、はぁっ……、はぁっ……!」
クレアが細い喉を鳴らして、息を切らす。丸めきれずに小刻みに震える足指が、彼女の余韻を物語っていた。
ぐったりとした彼女の丸いヒップを抱えて、膝に乗せた。ズボンが濡れようが気にならない。クレアが息を整えながら肩先にしなだれかかってくる。彼女の琥珀色の瞳がぼんやりと濁っている。
アレンは小さく笑って手のひらに紋章力を集約させた。手首に刻まれた月の紋章陣が呼応して蒼く輝く。
「満たせ」
短い言葉とともに、手のひらのうえで澄み切った水が渦を巻き、透明な杯を形作っていく。縁から溢れそうに膨らむ水面は、宙に留まり、涼やかな光を反射した。
アレンは迷いなくそれを手に取り、喉を鳴らして嚥下する。冷たく、なめらかな喉越し。喉仏が上下するさまを見つめて、クレアの瞳が艶を帯びる。
「……ん」
長椅子の背もたれに腕を挟んで彼女の背中をもたれさせ、半ば押し倒すような態勢で口付ける。ぷっくりとした口唇はすぐに開き、舌が欲に導かれるように伸びてくる。冷水はふたりの舌でかき混ぜられ、またたく間にとろけて熱を帯びる。とろりと舌のうえで広がったそれを、唾液を絡めて舌先で押し流した。クレアは小鳥が啄む仕草でちゅっちゅと吸い付きてきて、喉奥で甘い水音をこぼす。白い首筋が艶めかしく震え、こくり、こくりと呑み下すたび、細い眉が切なげに揺れた。
「ん、ぅっ……」
二度、三度と口移しをくり返したあとも、彼女の唇は離れようとしない。口端から滴る雫が顎を伝って鎖骨に消えていった。
「……クレア」
呼びかけても彼女は小さく首を振り、細い腕でアレンの首に縋りつく。その細やかな拒絶が、かえって強い欲の兆しを示すのだ。
アレンは体を起こした。両膝に乗せた彼女を正面から見上げ、右手で腰を撫でさすり、むき出しになったまろやかなヒップの形を指先で確かめる。
「ん……っ、あ……」
甘い声が洩れた。
双丘の谷間を覆うティーバック越しに、濡れそぼった秘苑をゆるゆるとくすぐって、浅いところに気まぐれにもぐりこむ。彼女の体が反射的に跳ねる。わずかに腰を浮かせ、思わず脚を閉じようとする仕草が、かえってアレンの指を奥へと誘い、形のいい太ももで挟み込んでしまう。
「ひっ……んんっ……」
しとどに濡れた細い布をかき分けて、ぬめる入り口を探る。わずかに押し入っただけで、きゅう、と膣の環が指を締めつける。その反射的な収縮に、アレンは喉を鳴らした。
「あっ、ぁあっ……!」
浅く刺し入れた指が内壁を押し広げるたび、狭い膣道がきゅっと絡みつき、粘膜が吸い付いてはじゅぶじゅぶと淫らな水音を奏でる。
「……すごい……」
ついに、処女司令官の
抗いがたい興奮がアレンを呑み込んでいる。幻影の締め付けとは異なる、蜜にどっぷりと濡れた生身の肉壷。熱に浮かされた秘唇は充血しきってとろとろに熟れ、濃厚な女の香りが熱を孕んで立ちのぼる。
クレアは羞恥で震えているのか、快感に溺れているのか。白い首筋をカッと火照らせて、あえかな吐息を洩らすばかりだ。
指を浅く差し込んでは引き、また滑らせる。徐々に動きを速め、ちゅぷちゅぷと蜜を粟立たせる。ひとつ、ふたつと関節を超えるたび、狭い内側がぬめりを増して、指の動きを受け入れていく。
「んんっ……、だめ……っ」
口では拒みながら、彼女の腰が勝手に浮き上がり、逃がさぬように指を追う。浅瀬をくすぐる指先が少し深みに届くと、クレアの体がぴんと反る。
「んあぁっ、やぁっ……そこ……っ!」
アレンが手首をひねり、ざらりとした粒立ちをなぞる。砂糖菓子の表面のような凹凸は、周りのつるりとした感触とは明らかに異なる性感帯だ。
クレアが痺れに堪えきれず背を反らせ、熱く震える体を投げ出した。蜜に濡れきった膣が甘く痙攣して、指を押し出すように脈打つ。
「んんぁああっ! あっ、あっ……だめぇ……っ!」
涙混じりに喘ぐ。きゅん、と奥で締め付けられたかと思うと、波のような痙攣が連鎖して押し寄せる。膣が脈打ち、指を押し出そうと痙攣するたび、甘く濡れた水音が溢れた。
彼女の腰がくの字に折れ、声が喉で潰れ、全身がびくびくと震えながら、絶頂の奔流に飲み込まれていく。
しばらく体をぴんと逸らしていたクレアが、肩に額を寄せてきて、荒く息を切らす。その熱に濡れた花芯はまだ脈打ち、指を名残惜しげに締めつけては離すをくり返す。
「……本当に、すごいな……」
アレンもまた興奮で息を荒げながら、指を抜き取ろうとした。震える太ももがそれを拒むように内側へすり寄り、潤んだ瞳が切なげに見上げてくる。
「……もう、だめ……」
クレアのかすれた声が耳朶にかかる。彼女は甘えるようにアレンを見つめると、口付けてきた。アレンの首に回っていた腕をほどいてパンティの位置を直そうとしているように見えた。
そのとき、彼女の右手首に刻まれた月の紋章が、鼓動と重なるように脈打って、青白く光った。アレンがまたたく。クレアの細い指がズボンのベルトにかるや、ぷつん、と小さく音が弾け、はらはらと布がほどけていく。
これまでクレアに集中しすぎて一枚も脱いでいなかったのに、押し込められた剛直がズボンから解放され、ぶるりと屹立する。血管が浮き出た太竿は、アレンの興奮を示すようにほこほこと湯気を立てていた。
「っ……クレア……?」
「アレン、きて……」
クレアが息も絶え絶えのまま、そっとささやく。上官と部下ではない、一個人として発せられた切実な言葉に、心臓が脈打つ。その間に、彼女は羞恥と欲情で呼吸を荒げながらも、震える唇を噛んで、迷うことなく腰をずらし、露わになった昂ぶりに跨がっていく。
「――っ」
彼女の熱い雫が切先に触れただけで、アレンの息が詰まった。
考える余裕はなかった。クレアが自ら腰を落としていく。蜜に濡れた膣口はたっぷりとした前戯でぱっくりと開いている。くちゅっという水音を立てて亀頭を咥え込み、やわらかく飲み込んでいく。
「っ……うあ……!」
「ん、んんっ……あっ、ぁぁっ!」
処女の膣壁はぎゅうっと狭く、灼けるようにきつい。まだ肉傘も飲み込まぬうちに内奥は、やわらかな薄絹のような障壁で押し返してくる。目にまぶしいクレアの白い乳房が、ぶるんっと震える。
そのまま浅瀬で止まろうとしたアレンの腰を、彼女自身がしがみつくように押し込んでいく。
「っ!」
「ぃ……ぅっ、く、ぅぅぁぁっ……っ!」
声にもならない悲鳴を洩らしながら、クレアが目をつむって銀髪をなびかせ、うつむく。腰が小刻みに震え、痛みに歯を食いしばりながらも、ずぶり、ずぶりとゆっくり深く腰を沈めていく。ぎちぎちと食い千切られそうなほどのきつい締め付けだ。奥へ進むごとに抵抗するやわらかな薄絹の感触が破れんばかりに引き伸ばされていくのがわかる。
「ひっ……ぁぁああっ……!」
クレアが喉を仰け反らせ、悲鳴ともつかない声をあげた。月光が彼女の白い喉仏を青白く照らし出す。その刹那――二人の手首の紋章が蒼く輝き、プツリ、と鋭い感触が走った。
「くっ……ぅぅっ……!」
アレンの呻きが、崩れかけた
「ぁっ……ぅ……? ああ……っ……」
十分な愛蜜に満たされた膣道が、強烈な締め付けと甘やかな快感をもたらしながら肉槍を受け入れる。
クレアは目尻に涙を溜め、浅い呼吸を繰り返しながらアレンの顔を見上げる。琥珀色の瞳が困惑と陶酔で潤んでいる。処女を失ったばかりの痛みはいかほどか。それでも彼女は眉を限界まで折れ曲げつつも、微笑んでいた。
アレンはたまらず、彼女の火照った頬を両手で挟み込んだ。
「……クレア」
「アレン……もっと……奥まで……きて……」
途切れ途切れの懇願に、小さくうなずいた。もはや躊躇する理由がない。
クレアの細い腰を両手でしっかりと掴み、自分も少し前傾姿勢をとる。
「――っく!」
「すご……っ、まだ、入って……ぁ、あぁ……っ!」
クレアがため息にも似た喘ぎ声を洩らし、白い首筋をさらしてのけ反る。ずぶり、ずぶりとさらに受け入れていく秘裂がついに、根元まですべてを呑み込んでいった。深く穿たれた楔に、クレアが身体を強張らせる。痛みがあるはずなのに彼女は逃げることなく、むしろ自ら腰をくねらせてより深く迎え入れようとしている。
「――――っ!」
あまりの心地よさに、アレンの唇からも、湿った吐息が洩れた。
生温かい媚肉が、男根全体を包み込む。無数のひだが密着して、やわらかく握るようにしめつけてくるのだ。そのぬめぬめと絡みつく感触に、不意打ちとはいえ、まだ挿入しただけなのに暴発しかける。
「はぁっ……あ、あ……アレン……全部、入ってる……っ」
「……くっ……クレア……!」
歯を食いしばる。動かさずとも波打つように脈動する内部に男根を締め上げられ、ついにつながった実感が、胸のうちで波紋のようにひろがった。
すぐさま本能に任せて腰を打ち付けたい衝動を抑え、代わりに彼女の腰を優しく支えながら、ゆっくりと抜き差しを始める。最初は浅く、次第に深く。
クレアの腰を抱え込み、下からぐいと突き上げるように腰を送り込む。
「あっ……んんっ……!」
クレアの声が、礼拝堂の冷たい空気を震わせる。美しい銀髪がさらさらと揺れ、汗が飛び散った。真下から貫かれるかたちになり、クレアが動きを合わせて全身を弾ませる。ずり上げた胸当ての下で丸い乳房が上下に揺れ、月明かりを受ける銀の髪が乱れていく。
結合部では破瓜の血と混じり合った愛液が泡立ち、淫靡な水音を立てていた。
「大丈夫ですか?」
尋ねるアレンの声には余裕がない。アレン自身もクレアのきつい締め付けと熱い襞に翻弄されそうになっている。
「わからない……けど……奥が……ジンジンして……」
クレアは涙の滲んだ瞳でアレンを見上げ、戸惑ったように答える。初めて感じる種類の疼きに戸惑っているようだ。アレンは彼女の背中を撫でながら、少しずつ腰の動きを速めた。パンッ、パンッと肌がぶつかり合う乾いた音と、グチュッグチュッと結合部から漏れる粘着質な音が静寂を破る。
「ぁっ……あっ……んっ……!」
額に汗を浮かばせながら、クレアが甘い悲鳴を散らした。痛みが引いてきたのか、クレアの声に艶が乗り始めている。アレンの抽送に合わせるように腰を前後に揺らし始める。その拙いながらも必死な動きがたまらなく愛おしい。
「あっ……んっ……そこ……!」
ある一点を掠めた瞬間、クレアの反応が変わった。アレンは彼女の好む場所を探り当てたことを確信し、集中的にそこを責め立てる。クレアはアレンの背中に爪を立て、「あっあっ」と短い嬌声を上げながら身体をくねらせた。
クレアの変化に伴い、膣内の様子も変わっていく。最初の頃のぎこちなさは消え、今ではペニス全体を包み込み、奥へ奥へと誘い込むような蠕動を繰り返している。まるでアレンの全てを受け入れようとしているかのようで、その健気さがたまらなかった。
「はぁっ! あぁっ、きもち、……ぅっ、はあああっっっ!」
どんどんと愛蜜があふれてくる。信徒席に座ったアレンにまたがるクレアが、彼の首をかき抱きながら右に左に、くなくなと首を振る。互いに向き合ったまま、ただ互いの感触に溺れるように目を閉じる。
クレアが上下するたび、目の前で豊満な乳房がふるふると揺れる。その頂にある薄桃色の蕾は可憐に立ち上がり、アレンを誘惑しているようだ。たまらず片方を口に含むと、クレアの喉から甲高い悲鳴が迸った。
「ああっ! だめ、それぇっ……!」
舌で転がし、軽く歯を立てて吸う。嬌声はより甘く蕩けたものに変わった。同時にもう一方の手で柔らかな膨らみ全体を揉みしだけば、彼女の蜜壺がキュッと収縮し、アレンの肉竿を締め上げてくる。
「っ……! クレア……っ!」
思わず漏れた低い唸り声に、クレアがうっとりと目を細める。大胆な彼女は少しずつ積極的に、自分の感じる箇所を探すように腰をグラインドさせていく。結合部から溢れる蜜がさらに泡立ち、淫靡な音を奏でる。肉襞が竿に絡みつき、カリの段差に引っかかっては新たな愉悦を引き出す。
「あんっ……あぁっ! アレンっ……好きぃっ……!」
「ああっ……! 俺も、好きだ……っ! クレア!」
アレンが反射的に突き上げると、クレアの身体が大きく仰け反った。晒された白い喉にかぶりつきたい衝動に駆られる。
(このままじゃ、保たない……!)
彼女の小さな動き一つ一つが絶妙な刺激となり、アレンの射精感を煽り立てる。早鐘を打つ心臓が耳元で鳴り響き、視界が赤く染まるような錯覚すら覚えた。
「クレア……すまない……!」
断腸の思いで一度引き抜こうとする。だが、クレアが抱きついてくるほうが速い。
「やぁっ……離れちゃ……いやぁっ……!」
その懇願するような切なげな声と、全身で縋り付いてくる仕草に、アレンの最後の砦が決壊する。もう我慢できなかった。
「――ああっ!」
次の瞬間、獣のような咆哮と共に、アレンは下から激しく突き上げた。クレアの軽い身体は簡単に揺さぶられ、彼女の意思とは関係なく最奥を何度も穿たれる。
「ひっ! ああっ! アレンっ、激しっ……あああっ!」
ごちゅんっ、どちゅっ。
骨盤がぶつかる鈍い音と、粘っこい水音が夜の廃教会にこだまする。もはや周りの音は聞こえない。二人の荒い呼吸と嬌声だけが世界を支配していた。
「クレア……クレアっ……!」
名前を呼びながらアレンはただひたすらに腰を打ち付ける。クレアの膣は最初の頃よりもずっと馴染んで、やわらかな締め付けをもってアレンの全てを受け入れていた。
「だめ……わたし、もうっ……あっ、あっ、あああぁぁぁ―――っ!」
クレアが限界を迎えた瞬間、弓なりに反り返った背中が痙攣し、内部が狂おしいほどの収縮を繰り返す。それに導かれるように、アレンもまた極限まで張り詰めた熱塊を解放した。
「くっ……出る……っ!」
どくっ、どくんっ!
叩きつけるような勢いで子種が迸る。クレアの奥深くに注ぎ込む感覚と、彼女の体内の痙攣が最後の一滴まで搾り取ろうとするかのようで――アレンは目眩を覚えるほどの快楽に意識を奪われそうになった。
「はぁ……はぁ……」
荒い呼吸を繰り返しながら、アレンはゆっくりと脱力していくクレアの身体を抱きしめる。汗で濡れた銀糸の髪が額に貼り付き、そこにそっと口づけを落とす。
「……アレン」
腕の中でかすかな囁きが聞こえた。見下ろすと、疲労と恍惚の表情を浮かべたクレアが、とろんとした瞳でこちらを見つめ返していた。
「ありがとう……」
彼女がかすれ声でつぶやき、アレンの胸に頬を寄せる。その仕草があまりにも無防備で愛おしくて、アレンの心臓がまた違った意味で高鳴り始める。
(……まずいな)
これまでずっと抑制されていたからか。
クレアの貞操は、自分が奪ってしまったのだ。
想像を絶する幸福感と快美感に、一度放ったばかりだというのに、体内で再び欲望の炎がくすぶり始めているのを感じた。
「クレア……」
「ん……?」
不思議そうに見上げてくる彼女の唇に、もう一度、口づける。
「俺のほうこそ、愛させてくれてありがとう」
心の底からつぶやいた言葉を、クレアは穏やかな微笑みで受け止めてくれる。
静かな礼拝堂に、二人の体温と鼓動だけが響いていた。
クレアさんパートをこの話に一括しました。