ドラゴンクエストー堕ちた光の戦士と女神の勇者ー 作:ルビス
「……んっ……ちゅ……あは……ちゅぱっ……」
先ほどまで屋敷一つが吹き飛ぶ大激戦が行われていた跡地の、そこからそう遠くない一軒の木造住宅の中で淫靡な声が響き渡る。
照明一つ点いていない部屋は夜と言う事もあって薄暗い。だがそのサキュバスさながらの人を欲情させる声の持ち主の周りだけが、まるでそこだけ神秘的な世界で隔絶されているかのように窓から差し込む月明りで照らされていた。
そこにいるのは二つの影。一人は簡素なベッドの上で眠るアメシストの輝きを内包した髪色を持つ、天使のような美しさと可愛さを持った裸の少女。もう一人は、そんな少女の上に馬乗りになり、その陶器のように白く透き通った肌に舌を這わせる、黒曜石を思わせる黒い髪と誰もが見惚れる容姿をした少女――――いや、少年。
眠る少女の体を貪るなど、誰が聞いても顔を顰め、強姦の文字を頭に浮かべるだろう。だがそれを、襲っている側の女神のような可憐さと、小悪魔のような妖しい雰囲気がその光景を神秘的な絵画の一枚へと変えていた。
「ふふ、可愛い……。はむ、ちゅ、ちゅる……」
少年の舌先が少女の胸の中央に輝くさくらんぼへと伸びる。綺麗なピンク色をした両者の唇と突起が吸い込まれるように重なり合い、卑猥な水音を奏でていく。
片方の乳頭を舌で転がしながら、もう片方はその細い指先で摘まみ、クリクリと感触を確かめるようにこねくり回す。
「あっ……ん、んんっ……」
その刺激に眠り姫となっていた少女の口から、愛らしい容姿に見合う可愛らしく加護欲をそそる声が漏れた。そしてその声は彼女を襲う少年の耳にも届く。口内で固さを増して来た小さな突起を悪戯するかのように、甘噛みする。
「んあっ……!」
その甘い痛みに、少女の体がぴくりと強ばりさっき以上の艶かしい声を少年へと届けていく。それに悪戯が成功した子供のように無邪気で、それでいて思わず見惚れそうなほど淫靡な顔を見せる少年を、誰が先ほどまで村人たちを助けるためにたった一人で魔物の群れと対峙した少年と同一人物だと思えるだろう。
無抵抗の少女を組み敷き、その女体を玩具のようにして遊ぶ少年こそが、ルビー。
正しくはルビーだった者だ。
「その唇も美味しそう……魔物に汚されちゃった所全部、私が上書きしてあげる♡」
口から出る言葉全てが魔性の響きを持っているのではと錯覚しそうなほど熱く、甘美な毒のような魅力を持っていた。それは平時のルビーが決して出さない声色で、同じ声なのに同一人物とは思えないほどにその根元の何かからして異なっている。
本来のルビーの声が春の温かい日向を思わせるほどに優しく澄みわたり、聞いた者の心を穏やかにさせる物ならば、今のルビーの姿をした何かの声は――夜。それも妖しく輝く月夜のような、人の背徳心を刺激し幻想に惑わす、そんな魔の魅力の籠った妖艶な声。
これがルビーであるはずがなく、そして事実今の彼は真実全くの別人なのだ。
使命に抵抗するルビーの意識を奪い、救済という陵辱を行うために呪いが生み出した、最も都合の良い理想の妖魔。そして最も特筆するべきはこのルビー、本来の彼と分けて淫魔と呼称するが、彼は使命を完遂するためにありとあらゆるセックステクニックを宿らされているのだ。
マリアの白い肌を舐めるその舌は彼女の最も感じる部分を的確に見つけて責めたてており、細い指先は巧みに彼女の性感のボルテージを高めて、しかし決して達してしまわない限界ギリギリを見定めて愛撫している。
まさしく淫魔と呼ぶべき、性行為をするためだけに生み出された存在。それが今のルビーの正体だ。
「そろそろ、起きてくれないとつまらないなぁ」
くちゅり。淫魔の指がマリアの蜜壺へと挿入される。その膣内は彼女を手籠めにしたハーゴットの逸物を幾度も受け入れたとは思えないほど狭く、咥えこんだ細指をキュウキュウと圧迫していた。
そしてそんなキツマンコの中で、女を堕とすことに特化した淫魔の巧みな指捌きが眠るマリアを目覚めさせようと発揮される。
「んっ……? あっ、ふあっ、ぁぁああああっ!?」
指先で膣肉を擦り、Gスポットを叩き、剥き出しにしたクリトリスを摘まみあげる。それらをほぼ同時にこなして、快感が逃げる隙を与えない。
そしてそんな快感の渦は、ほとんど暴力となって気絶したマリアの脳を揺さぶった。性感帯を一度に襲った刺激は、電流となってマリアの意識を覚醒、直後活動を開始したばかりの彼女の頭に、即イキレベルの快感を叩きこんだ。
目覚めた彼女の瞳は一瞬で絶頂の波に白目を向き、体は考えるより先に弓なりに曲がる。つま先を残して下半身が跳ね上がり、そのオーガズムの激しさを全身で表現するマリアの痴態。それを面白げに眺めた淫魔は、ニコニコと邪悪な笑みを貼り付けながら、体を痙攣させるマリアの顔へと色欲に染まった美貌を近づけた。
「おはよう、マリアちゃん。我慢できなくて先に君の体、堪能しちゃった♡」
唇と唇が触れ合いそうなほど近く、未だ意識のおぼつかないマリアに熱い吐息を投げかける。淫魔の美しい黒髪が重力に引かれて下へと垂れ、ベッドに広がるマリアの淡い菫色の髪と混じり合う。
それはまるでこれから行われることの暗示のようだ。
「はぁ、はぁ……えっ? 誰……なんで…………っ!?」
気絶から目覚めたばかりで混乱していたマリアの目が、少しずつ状況を理解して行っているのか焦点を取り戻していく。その目は目前で自分を組み敷くルビーの表情へと固定され、そして数瞬でその相手が自分を昏倒させた相手だと識別した。
マリアの弛緩していた手に力が宿り、相手を跳ね飛ばそうと飛び上がる。その判断と行動の早さはさすが勇者の子孫であり、また数多くの冒険を通して真に勇者の一人となった彼女だからこそだ。
だが所詮、それは起き抜けの咄嗟に放った反射行動でしかなく、そしてそんな攻撃が通用するほど彼女を倒した相手は甘くはない。
「きゃっ!」
抵抗する腕は瞬く間に掴み取られ、頭の上で両腕ともベッドに縛り付けられる。ならば足だと、マリアが下半身に力を入れようとした時には、その両足の上に淫魔の足がまるで絡みつくようにして動きを封じていた。
完封。そう表現しても過言ではないほどに、マリアの瞬時の反抗の全ては考えを読み取られていたかのように潰された。
「もぉ、無駄な行動なんてしないの。君はもう私に負けたんだから」
「くっ、主人に渡す前の味見でもするつもりですか? どこの誰に引き渡すつもりか知りませんが、何をされても私のご主人様への忠誠は揺るぎませんよ」
断固とした意志と覚悟を持って放たれたマリアの言葉。その勇んだ表情も合わさり実に迫力がありそうなものだが、それが全裸で今も絶頂した際の露が膣から漏れ出ている状態で言っているのだ、正直間抜けさの方が際立ち失笑物の絵となっていた。
「ぷっ、くふふ……!」
淫魔の口から声を押し殺した笑い声が漏れる。だがそんな様でさえ淫靡に映るほどに、その含み笑いと言う動作自体が空間に色欲の籠った空気を伝播させる。
その笑みはマリアの無様な啖呵によるものだが、それは彼女の状態とその内容の齟齬を愉快に思ったわけではない。彼女の語る内容自体が、てんで的外れで可笑しくてしかたないのだ。
「まーだ私が、どこかの国の回し者だと思ってるの? えーと、アリアハンとかサマンサって言ったっけ? 全然知らない単語出されて困っちゃうなぁ」
「そんな嘘が――――っ!」
「嘘じゃないよ。そんなに疑うなら、私の胸に聞いてみる?」
嘲るように、小馬鹿にするように嗤う淫魔の手が、掴んでいたマリアの片腕をゆっくりと自分の胸へと運んでいく。その際も当然マリアは抵抗を試みるが、どこにそんな力があるのかまるで片腕一本が巌の如くびくともしない。
そして誘導された手は、その誘い主の右胸、心臓があるであろう位置へと重ねられる。相手を舐め切ったにも程がある態度。もしここでマリアに少しでもMPが残っていれば即座にメラを放ち致命傷を与えられるが、そんな事が出来ない事が分かっているからこそやっているのだろう。それがマリアにも分かるが故に苛立ちが募らされる。
だがその怒りは、その対象の言葉によって一時霧散することになる。
「私は――俺は村人たちを助けるために魔物を倒した。それだけだ」
心臓の鼓動は変わらない。
それどころか村人を助けるためと言った瞬間だけ淫魔の雰囲気が、変わる。まるでそこだけは歪めることを許さないと言うように、その決意だけは呪いには奪わせないと言うように。
淫魔ではない彼の言葉。
それは事情を知らないマリアでさえも、嘘ではないと確信させるほどの重みがあった。
「なっ、まさかあなた異世界から来た戦士……!? なるほど……だからそれほどの力を持っていながら何も知らないわけですね」
マリアの驚愕に染まった表情が数秒と経たずに、思慮深いそれへと変わる。彼女は今の少しの情報でルビーがどういった立場の存在かの当たりを付けていた。かつての自分と同じ立場の人間なのだと。
「でしたらなおの事、無駄な抵抗ご苦労様ですね。かつての馬鹿な私のように、即座にあなたもこの世界の理によって敗北してただの雌に堕ちる事でしょう。この世界では、女は強い雄に所有されると決まっているのですから」
先ほどまでの屈辱をやり返すように、今度はマリアが馬鹿にするように嗤う。それは確信に近い、自分を倒した敵の無様な未来への嘲笑だ。きっとすぐに助けた村人に裏切られ、心も体も陵辱されて教団の者にプライドも尊厳も希望さえも完膚なきまでに破壊される。
そう、かつての自分のように。
だが、そう思い嘲笑うマリアの前で、再び淫靡な雰囲気を漂わせたルビーの体をした淫魔がより一層その目を滑稽な者を見るようなそれへと変える。
「何ですその目は? まさか、自分は魔物に負けないとでも? 残念ですが、あなたが女である限りこの世界では敗ける運命しかないんですよ。その美貌も、多少貧相ですがこの体もすぐに――――んひぃ!」
「そういう見当はずれの話はもうどうでもいいかなぁ。あなたを起こしたのは、こういう風に可愛い声をあげてもらうためでしかないの」
淫魔のその表情を驕りと考えたマリアの言葉は、もう話し合う気はないと言うようにその指で乳頭を弄られた事で霧散する。一瞬で再び思考を散り散りにされた彼女の目前で、小悪魔のように嗤う下手人が音楽を奏でるようにマリアの上半身で遊び始める。
「はうっ! や、止めな、ああっ! そんな、こんな簡単に、あくぅっ!」
そこからはもうこの淫魔の独断場であった。マリアは胸を揉まれれば甘い声を出し、脇腹をくすぐられれば反抗的な目をだらしなく歪まされ、耳元で熱い吐息を吹きかけられれば脳が犯されたように思考がかき乱される。
マリアの体の弱い所は、すでに知り尽くされていた。責められる彼女に、淫魔の放った言葉の意味を考える時間などなく、ただ翻弄されるしかない。
「お゛ぉぉ、待って、乳首に息吹きかけるの止め、あ゛ああっ!! 臍、ほじくられ、んいぃ――――!!」
みっともなく唾を垂らし、先ほどまでの敵意も忘れてあられもなく快感に喘ぐ姿に多少満足したのか、淫魔の責める手が止まる。
体を震わせ、はぁはぁと荒い息を吐くマリアの中では恥辱を感じる心と、それ以上に自分をここまで容易く感じさせる目前の存在に対する恐怖の念があった。
まずマリアはハーゴットのお気に入りであり、彼の専属奴隷だ。逆を言えばハーゴット以外に抱かれた経験が彼女にはないのだ。
そして、その件のご主人様である彼のセックスの技量はそれほど上手くない。それは彼があくまでも自分が気持ちよくなるためにマリアを使っているからであり、マリアを気持ちよくさせようなど欠片も考えていないのが大きい。最もそれはこの世界で生きる雄共通の考え方だが。
それでも彼女がハーゴットからの責め苦に感じるのは、最初のレイプの頃からそれを快楽だと感じるように調教されたからだ。だから彼女は犬プレイだろうが、どんなハードプレイにも興ずるし、それで興奮してアクメをキメることも出来る。
だがそれはあくまでハーゴットから齎される刺激のみであり、彼以外からの快感と言う物をマリアは悪堕ちしてから今日に至るまで受けたことがない。
だから彼女はハーゴット以上に自分を感じさせてくれる存在など居るはずないと考えていた。自分の体はご主人様専用で、それ以外の雄では満足するのも難しいだろうと。
その根拠が覆された。マリアは今まで上半身の愛撫だけで無理やり絶頂させられるほどの快楽を受けたことがないのだ。
「はぁ、はぁ、あなた……私を、どうするつもりなんですか」
ここに来てようやく、マリアはそんな初歩的な質問を投げかける。自分の主への愛を揺るがす存在に対する恐怖が、彼女にそんな今更な問いを口走らせてしまったのだ。
「あなたを改心させるの。薄汚い魔物たちからあなたを寝取ってあげる」
そしてその答えは、しかしマリアにとってはある種予想外すぎる物であった。
「はっ? 寝取る? 私を、ご主人様から?」
その意味を理解した瞬間、マリアの表情に再び強い敵対心と嘲笑が浮かび上がる。それは絶対に自分がお前に寝取られることはないと言う自信と、自分の主を侮辱された事の怒り。
ハーゴットの忠犬 マリアはその目に烈火の怒りを込めて、この雌ガキの不遜な思い上がりに声を荒げて反抗した。
「舐めないでください。雌の分際で私を偉大な雄であるご主人様から奪えると――――」
「ふふふ、あはははは!」
三度目の妨害。艶の籠った笑い声がマリアの怒りの声を押し潰し、部屋全体を包み込む。同時に、ふわりとマリアの鼻腔を嗅ぎ慣れた、しかし彼女が知った臭いとは比べ物にならないほど強烈な香りがくすぐった。
「まぁだわかってないんだ♡ ふふ、本当に間抜けなワンちゃん♡ あなたが言ったんですよ? この世界は女が強い雄に所有されるのが決まってるんだって♡」
その臭いが何であるのか。マリアの物覚えの良い記憶力は即座に答えを導いていた。導いてしまったからこそ、そんなはずがないと彼女の意識がその答えを否定した。
だってそれは、それは――――雌を調伏する雄の臭いだから。
「つまり、私に負けたあなたは――――強い雄である私に所有される雌なんです♡」
淫魔がマリアの真上でズタボロになった布の服を脱ぎ捨てた。一流の職人が完成させた陶磁器のように綺麗な淫魔の白肌が月明かりに照らされ、艶やかに輝く。興奮で浮かび上がった汗粒が、まるで宝石のように女神の玉体を輝かせて顕になった胸は女性とは思えないほど平たいのに、それを補って余りある美を表出している。
それは当然、下半身も同じで。元から服の切れ端から覗いていた太ももから先の根本、鼠蹊部周りはマリアをして口付けたいと思うほど蠱惑的な魅力を放っていて。その股座にある女陰はそれはもう絶景の美し――――べチンッ
「――ほえっ?」
間抜けな、気の抜けたような声がマリアの口から漏れた。淫魔の露出した股間からまろび出て自身の顔に貼り付けられたその物体によって、聡明な彼女の思考が完全に凍りつくほどの衝撃が齎されたからだ。
太く、大きな棒だった。一体どうやってあんな布の服に隠していたんだと思うほどに巨大で、雄々しくて、雌を魅了する存在感をマリアの五感全てに浴びせてくる肉の塊。
男性器が、この世界では雌を従える存在である事を示すチンポが、女神のごとく美しい淫魔の股間から生えていた。
「あっ……えっ……? へっ……な、なんれ……?」
あまりの目と自身の正気を疑う光景に、そして匂いだけで股から熱い汁を溢れさせて来る雄棒の香りに、先ほどまで淫魔に強い敵対心を抱いていたマリアの口が呆けたように呂律が回らなくなる。
目を白黒させ、それでもこのありえない現実を解決しようと優秀な戦士であるマリアの頭脳は必死に思考を回転させる。なんとか、この絶世の美少女の股間に雄の怒張が存在する答えを導き出そうと苦心して。
「は、ははは……わ、わかりました。そ、それは幻ですね? いつ、私にメダパニを使ったんですか? 弱った私なら簡単に騙せると思ったんですか? 浅はかでしたね。たとえ弱っても、ハーゴット様の雌犬魔法使いである私にそんなまやかしなど通用しませ――」
「ふぅん……? じゃあ、口にして幻か試してみる?」
「――――ッッッ!!?!?」
そしてようやく紡ぎ出したそれらしい憶測と言う名の逃避の答えは、唇に押し付けられた雄棒の強烈な生の感覚に思考ごと吹き飛ばされた。
(んオッ……♡ な、これすごイイッ……♡ 私の脳が、ハーゴット様に捧げた愛が犯されて……塗り潰されてる……♡ ああ、なのに……なのにぃぃ……それが、気持ちいい……!!)
嘲笑の表情を浮かべていたマリアの相貌が、一瞬で陶酔した雌の顔へと溶ける。どんな拷問にも屈さないと強い意志さえ感じられた彼女の勇士が、砂糖菓子よりも簡単に崩れ去った。
それだけの魅力と強烈さが、淫魔の肉棒にはあった。魔に犯され、深い快楽の底にまで堕ちた雌さえもを一瞬で虜にしてしまうほどの魔性の存在感。
「ほら、咥えて確かめてよ……雌犬さん?」
「――――ひゃ、ひゃい♡」
それに、マリアの雌は即座に屈した。何かそれらしい言い訳を考えるよりも早く、堕ちた雌犬王女は淫魔の肉棒へと口を這わせた。その頭に、彼女のご主人様であるハーゴットの事なんて欠片も浮かばなかった。
「んっ、んんんーーッッ♡♡」
口でその逸物を咥えた瞬間、ぶしゅっっ♡とマリアの股座から愛液が飛び散る。絶頂したのだ。ただ逸物を口にしただけで。まだ口内で味わった訳でも、喉奥まで受け入れた訳でもないのに。
淫魔の肉棒が口の中に触れた。ただそれだけで、マリアの脳はハーゴットに与えられた快楽が二度と思い出せなくなるほどの性的快感を脳に刻まれたのだ。
「もう、何をチンポに口付けただけで固まってるのかな? 雌犬のくせに、雄のチンポの咥え方も知らないんだ? じゃあ――――私が教えてあげる」
「…………っ!!」
妖しく、艶かしく、小悪魔のようにニヒリと笑った淫魔がそっと両手をマリアの後頭部に置いた。その意味を、何度もフェラチオをした事があるマリアは理解する。これは、雄が雌の口マンコを使う時のポーズ。男に傅くしか価値のない無能な女を、徹底的に雌として使い潰すイマラチオの合図。
過去にマリアも、ハーゴットによって何度もされた事がある。最初の時は苦しさしか感じなくて、幾度も酸欠になりかけた。やがて薬や魔法で脳を狂わされて、イマラチオ中の息継ぎの仕方を覚えてようやく気持ち良さを理解出来た。
だがそれでも、女性にとって性的快感とは程遠いプレイで、マリアにとってもご主人様に荒々しく使われていると言う状況に興奮しても、イマラチオ自体に性的魅力を覚えた事はない。
なのに、今。マリアの心は、これから始まる女の口を使った荒々しい陵辱への興奮で震えていた。ただ触れただけでこんなに気持ち良くなるペニスが自身の口内を蹂躙したら一体どうなってしまうのかなんて、考えただけで甘イキが止まらなくなって。
「そんなに期待した顔しちゃって……さっきの威勢はどこ行っちゃったんですか? よわよわのマリアちゃん♡」
「ふぅぅっっ……! ふぅぅぅっっ……!!」
嘲笑するような淫魔の声。それに快楽への期待でほとんど消え去っていた雌犬マリアのプライドが僅かとは言え復活した。怒りのこもった眼差しで淫魔を睨みつけ、鼻息荒く彼を威嚇する。その口に咥えた剛直を決して離すことなく。
ニタリと、悪魔が嗤った。
「うん、いいよマリアちゃん。そっちの方が、躾け甲斐があるもの、ね!!」
「んお゛ぉぉォォッ!!?」
後頭部を掴まれたマリアの顔が、勢いよく淫魔の腰元に叩きつけられる。口の浅いところで亀頭を咥えるだけだった巨大なペニスが、一突きで喉奥まで到達した。それはハーゴットでさえ届かせた事がないほど深くで、なのに驚くほど苦しさを感じない。
「ん、んぉ……ぉぉっ……ふううっ……♡」
むしろ、肉棒が当たる喉肉を通して不思議な安心感と心地良さがマリアの全身を支配した。ずっと、こうしていたい。このペニスに、一生喉奥まで串刺しにされていたい。
そう思ってしまうほどの幸福感が、彼女の心を覆っていた悪しきこの世界の理を無理矢理塗り潰して行く。
「どう? しっかり喉を締め付けて、私のチンポを感じてね。うん、そう……鼻で息を吸いながら、チンポの脈動にリズムを合わせて……ふふ、よく出来ました♡」
「♡♡♡」
さらにそこに、淫魔からの聞くだけで脳を幸せにするような優しい声が加わるのだ。女性の口を巨根で串刺しにしながら言っているとは思えないほど穏やかで心落ち着く、だけど少し揶揄いの混じった悪戯気な口調。
自然とその声に導かれるように言われた通り喉と鼻を動かせば、マリアの菫色の髪が、本当の犬猫にするように撫でられる。
それは字面は一緒ながら、ハーゴットがマリアにするような身勝手で粗暴な雄の、支配欲に塗れた手つきとは違う。小馬鹿にするような中に、確かにマリアへの愛情と労りを強く感じさせる親愛の表現。
それに、マリアは心からの喜びを感じてよりその愛情に応えようと口を窄めてしまう。つい先刻の睨みなんてなかったように、瞳に熱を込めて上目遣いで淫魔を見つめる。その表情に映る女神の笑みを、もっと私に向けて欲しいと強請っていた。
「じゃあ慣れてきたみたいだし……めちゃくちゃにするね♡」
「んっ――――ふぼぉっ♡」
そして最低限の確認の声と共に、マリアの口をマンコに見立てた口淫、イマラチオが始まった。
「んぼっ、じゅぶうっ、ふゴっ、んお゛お゛〜〜〜ッ♡」
マリアの顔が肉棒に沿って何度も淫魔の腰に叩きつけられる。魔法の詠唱を口にするマリアの美しいピンクの唇を赤黒い肉槍が蹂躙し、じゅぽっじゅぽっと卑猥な水音を鳴らしながら喉肉を何度も擦り上げた。
「〜〜〜〜ッッ♡♡」
その暴力的なピストンの、なんという気持ち良さか。突きの角度、力加減、舌肌から感じる熱い脈、何よりも女を堕とす事に特化しているとしか思えない大きさ。最強の雄チンポの持ち主だと信じていたハーゴットのそれが、急速に色褪せて行く。
マリアは知った。たった一人の男性経験で雄の全てを理解した気になっていた浅はかな小娘は、ようやく真に優れた雄とは何であるかを身をもって体感したのだ。
「アハッ♡ 良い雌顔だよ、マリアちゃん。魔物なんかの小汚い逸物との違いが、ようやく理解出来た? 君のご主人様は、こんなに口マンコだけで君を喜ばせてくれた?」
「んぶぶぅぅ――――ッッ♡♡」
ぶしゅっ♡ びしゃっ♡
返事は陰裂から飛び散った愛液が証明していた。イマラチオが始まってから小刻みな絶頂が絶え間なくマリアの意識を震わして、淫魔の魔羅による絶対的な雄の格付けを施される。
記憶から、ハーゴットとの淫行による快楽が抜け落ちて行く。まだ肉棒を膣で受け入れた訳でもないのに、今感じる快感だけで他のどんな性行もこれには敵わないとマリアの全神経が認めてしまう。
いやむしろ、ハーゴットの性技は本当に気持ち良かったのか?
マリアの中で、狂っていた何かが修復される音が響いた。
「マリアちゃんは雌犬だけど、とっても優秀なんだから。間違えちゃダメだよ♡ 魔物の汚チンポなんかで勘違いしないよう、たっっぷり矯正してあげる」
「――――ッッッ♡♡♡」
淫魔の蕩けるような声の音色と共に、イマラチオの速度と齎される快感が増す。今までのも、マリアが慣れるまでの準備運動でしかなかったのだと彼女は知った。加虐的な言葉に反して、その実とっても相手が一番気持ち良くなれるよう考えてくれてる淫魔のギャップに、快楽漬けにされた乙女の心が高鳴った。
どちゅっ♡ ぶちゅっ♡ ぐちょッ♡ ぐちゅっ♡
マリアの口内を、生涯二度と忘れる事の出来ないような熱と肉厚が蹂躙する。これが本当の雄なんだと、お前が今まで味わってきたチンポは偽物なんだって、雄弁にマリアの間違っていた価値観を正してくれる。
そして一突き毎にハーゴットから与えられたまやかしの快楽が、正しい認識の元修正されて行く。
ぶちゅっ♡ ぐぽっ♡ ぢゅぼぉぉっ♡
ハーゴットに便器のように扱われて、彼の尿を口で受け止めて飲み込んでいた日々。どんな果実ジュースよりも美味しいと思っていたあの黄色い雄汁が、汚水と呼ぶのさえ憚られる不味さと臭さをしていたのだと気づく。
びちゃっ♡ ぐちゃっ♡ ねちょっ♡
彼に首輪を引かれ、昼夜構わず野外でセックスをしていた日々。膣やアナルを盛りのついた犬のようにただチンポを突き刺して腰を振るしか脳のなかったあの性行で、どうして自分は気持ち良くなれていたのか。
ばちゅッ♡ バンッ♡ バチンッ♡
素晴らしい思い出の日だと思っていたハーゴットに処女を散らされたあの洞窟での強姦。それが、正しく吐き気を催すほど痛みと苦しさしかなかった物として書き変わる。あの瞬間のハーゴットが自身にした最低最悪の陵辱を思い出し、マリアの中で完全に消えて無くなっていた焔がチリッと再燃して――――だけど淫魔から与えられる快楽という名の幸せに押し流された。
「んぉぉおおお゛お゛お゛ーーーーッッ!!?!!?」
ぶしゃぁぁぁぁッッ♡♡♡
イマラチオされるマリアの体が、一際強く震えた。まるで魂が直接愛撫されたような感覚に、今日一番の……人生最高の絶頂が彼女の意識を明滅させ、蜜壺から特大の潮が吹いて数メートル先の壁まで届く。
それは、マリアと言う堕ちた光の戦士の心が、淫魔と深く繋がり合う事で浄化され、正しい在り方へと戻っている証左。悪しき者に汚辱され、真っ黒に染められた清い心。それを純白のベールで包み込み、妬ましい陵辱によって変えられていた認識を一つ一つ、魔物が彼女に与えた快楽を上回る幸せを与えて元に戻しているのだ。
堕ちた戦士を幸福で満たして救う。字面だけ見れば神聖ささえ感じられる言葉。だが実際は年端のいかぬ美少女の顔面を押さえつけて、赤黒い肉槍を何度も喉奥に叩きつけているだけ。
あまりに救済と言う言葉からかけ離れた光景なのに……だがなぜだろう。そこには、確かに淫猥さと神聖さが混じった美しさがあった。
「さあ、思い出してマリアちゃん。あなたは本当は、どんな雌犬だった? 私に教えてほしいなぁ?」
その理由は、全てマリアに逸物を突き刺す淫魔の絶世の美貌と、妖艶ながら思わず溺れたくなる魔性の雰囲気と言葉遣いにあった。彼の存在が、この陵辱劇と言って良い光景を神話の一場面を切り取った宗教画の一枚と言っても信じてしまいたくなるような幻想の美を作り出していた。
(ぁっ……ぁあ……♡)
それに、マリアは心の底から見惚れた。まるで女神⚪︎⚪︎⚪︎が自分を迎えに来てくれたような錯覚さえ覚えて。そしてそんな彼女の姿もまた、淫猥な光景を名画へと変えた。
女神に救われた聖女。名付けられるなら、そんな題名が付けられそうなほど恍惚とした表情を、マリアは自分の口で逸物を愛撫する淫魔に向けていた。
そしてそれを見て、淫魔もまたマリアの躾けが一つ終わった事を悟った。
「フフフ、射精するよ……その小さなお口で、一滴も残さず飲み欲してよ? 雌犬マリアちゃん♡ そうしたら……そのびちゃびちゃのおまんこ、愛してあげる」
(ーーーーーーーーあっ♡)
告げられた女神からの宣託に、聖女の顔が驚きで染まった。だがそれはすぐに歓喜へと変わり、次の瞬間には発情した雌犬のそれへと堕ちる。
そして同時に、ハーゴットの雌犬マリアは悟った。彼女の類い稀なる頭脳と未来予知じみた演算能力の全てが告げていた。
自分の終わりを。そして、その事に悔いなんて一欠片もなかった。
今まで淫魔にされるがままだったマリアの体が、彼の腰に抱きつくように両手を巻き付け、自分から頭を深く落とした。そして喉肉を亀頭に押し当て、頬裏と舌で肉茎を隙間なく締め付ける。絶対に、精液を漏らさないように。
そのマリアの行動に、満足したように笑った淫魔が腰の力を抜いた。刹那の時を置かず、マリアの口内でただでさえ大きな肉棒が膨らみ、彼女の小顔を押し上げて……そして破裂した。
びゅるるるるるる!!
「んぶっ、んんんんんんっっ!!!」
それはその巨根に見合った、量も勢いも凡人の比ではない白濁液の洪水だった。ドロドロに粘ついた精液が、マリアの喉奥へとびちゃびちゃと叩きつけられ、火傷しそうなほど熱いゼリーのような固形が喉肉にへばりつく。
一瞬、窒息するかもなんて恐怖が頭を過り、しかしそれもその粘着質さに反して驚くほど胃の中へと落ちて行く白濁液に不安が消える。女神の精液は、どこまでも雌を気持ち良くさせる理想のスペルマなのだと、マリアの中で淫魔への深い感謝の念が雨霰と降り注ぐ。
「んぐっ、ごきゅっ、ごきゅっ!」
さらにはその味もまた、病みつきになるほど美味で。マリアは精液がこんなに美味しいなんてと、熱に浮かされた思考で貪るように飲み込んで行く。その心の片隅にも、もう自分に精飲を好んで良くさせていたハーゴットの姿なんて思い浮かばない。むしろ、今のマリアに彼の精液を口にしていた事実さえも、この天上の聖液の前に塗り潰された。
「んじゅぅぅ……ちゅっ、ちゅぷっ……んんっ……♡」
どれだけそうしていただろう。射精が止んで、その亀頭から吐き出される精液を全て胃の中に注いでもマリアは肉棒から口を離しはしなかった。むしろさらなる二発目を求めて卑しくも舌先で尿口を擽り、上目遣いで淫魔へと慈悲を乞うていた。
それはまさしく、躾けの終えた雌犬の姿だ。ハーゴットの雌犬マリアは、淫魔専用の雌犬として寝取られた。二度と悪堕ちなんてしないよう、魂まで染め上げる快楽と幸せを刻まれて。
「これが、マリアちゃんのこれからの唯一のご主人様だよ。わかったら、ワンって鳴いて」
「ぁっ……ワンッ♡」
躊躇なく、マリアはあれほど口から離すことを忌避していた肉棒を手放すと、元気良く犬声を上げた。主人の命令は絶対だと、彼女の欲望を上回る絶対的な服従心がマリアの体を突き動かしたのだ。
「いい子いい子♡ じゃあちゃんと一滴も残さず飲み込んだご褒美として……こ・こ、チンポで気持ち良くしてあげる♡」
くぱぁと、淫魔の指がマリアの陰裂を広げてその媚肉を爪先で小突いた。それだけで彼からの快楽は全て無条件に受け入れる体勢を整えた彼女の体が、脳を甘く震わす電流に蕩けてしまう。口から、本当の雌犬のように舌を垂らして興奮の吐息を上げていた。
「さあ、足広げて?」
「は、はい……ワンッ!」
主人の命令に、忠犬は即座に股を開いて挿入しやすいようお尻を上げる。その際の返事を、人間の言葉で喋ってから慌てて雌犬としての正しい言葉遣いへと変えて。
そんな可愛らしい菫色の髪を伸ばした亡国の王女の姿に、淫魔がクスクスと笑いながら肉棒の先端を秘列へと近づけた。
「もう……あなたは雌犬だけど、ずっとわんわん言う必要はないんだから♡ 私が命令した時だけ、無様に鳴けばいいの。それ以外は、その可愛い声であんあん喘いでよ」
「ああ……♡ はい、わかりましたぁぁ♡」
耳元に口を近づけて囁くように熱い吐息と共にかけられた淫魔の言葉に、マリアは背筋を陶酔で身震いさせながら軽イキした。もう声を聞くだけで感じてしまうほど、彼女の性感は高められていた。
そんな彼女に、口にしただけで絶頂してしまうような魅力を持つチンポを膣に突き刺したら、どうなってしまうのか。
それを見たくて、淫魔がわざと焦らすように亀頭で彼女の割れ目を擦る。
「ーーーーっっっ!!」
ぶしゅっ、ぶしっ♡ とそれだけで彼女のお尻が震えて、追加の淫液を肉棒に吹きつけた。このまま続けたら、亀頭で筋を撫でられるだけで体中の水分を愛液として吹き出してしまうのではないか。そう思った淫魔は、その前に彼女の挿入時のイキ顔を目に焼き付けようとチンポを膣口に固定し、マリアの頬に慈愛の籠った手を置いて。
「挿れるよ、マリアちゃん♡」
「ひゃ、ひゃい……♡」
連続する小さな絶頂で呂律の回らない蕩けた顔のマリアからの了承の言葉。仮に拒否しても聞く気などなかったが、その淫らで加虐心の唆る返事に興奮して、淫魔は勢いよくその剛直を少女の秘部へと突き刺した。
「――――ォ゛ホオ゛ッッ♡♡♡」
腰を前へと突き出す。それだけで、雌を堕とす事に特化した淫魔の肉槍は、マリアの膣内の気持ちのいい所全てを極上の力加減で刺激しながら最奥、子宮口を亀頭でドチュンと押し上げた。
「……ぉ゛っ、ヒョッ…………!!」
その最早暴力と言って良い快感の波に、マリアの脳は一瞬で焼き切れた。結合部から大量の蜜液を垂れ流し、締まりを失った尿口から恥ずかしい粗相が決壊して流れ出す。意識を失った彼女の顔は、ムーンブルクの秘宝とまで国民から謳われた美貌は見る影もなく、白目を剥いて舌をだらしなく伸ばした無様なアヘ顔で固定されていた。
如何にマリアが光の戦士に相応しい強さを持った女性であっても、激戦の後の体力と声だけでイッてしまうほど鋭敏化した体で、雄の頂点と言って良いチンポの挿入に耐えられるはずがなかったのだ。
そして、一生の生き恥レベルのアクメ失神顔を見せるマリアの姿をその目にした淫魔は、繋がり合った性器から感じる少女の蜜壺の生暖かさに包まれて、気絶する彼女に構わずにその暴力的な腰振りを――――
「――――――――えっ?」
――――始めるまさにその瞬間に、ルビーは目を覚ました。
それは、救うべき対象である光の戦士が快感の末に気絶してしまった事から、呪いがひとまずの役目を終えたと鎮静化してしまったが故で。
でもそんな事を露知らないルビーは、目覚めたばかりの自身の現状を何の覚悟も準備もなく突きつけられた。
腰がこれからチンポを突くために後ろに下がった姿勢で。マリアの腰をガシリと掴み、これからその女陰を徹底的に犯してやると熱く勃起した肉棒が締まる膣襞を押し返す感覚を、再び動き出したばかりの思考が認識して。
自身の真下で、口にするのも憚られるような酷い姿で気絶するマリアと、その彼女の女性器を深く貫く自分の陰棒を見てしまった。
「………ぁっ……ぁぁああ…………あああああああッッッ!!!!」
自分が、決して取り返しのつかないとんでもない事をしてしまったと言う事実を理解して……彼の口から、この世界に来てから一度としてあげたことのないような絶望と後悔の絶叫が響きわたる。
それはノアニールの村の人たちの真実を知った時よりも、ルビーの心を打ち砕いた。自分が嫌悪していた、間違っていると信じていた女性を物のように使う陵辱行為。
それを正すためにしていた自分の行い全てに、自分で泥を塗ってしまった。
ルビーの頭に、これが呪いによって自分の意思と関係なく行われた事だから自分には関係ない、なんて思考はない。だってそれは都合の良い逃避だから。
どれだけ苦しめられ、意味もわからず目覚めた時から背負わされていた呪いであろうとも、それは自分の一部。ならばその呪いによって起きた事は全て自分の過失であると、ルビーの強すぎる責任感が彼を苛んでいた。
「ごめ、ごめんなさい……! ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!」
頭を抱えて、気絶するマリアに贖罪の言葉を何度となく繰り返す。
そこに、大量の魔物相手に果敢に戦った勇者の姿も、少女を快楽で溶かした淫魔の姿も存在しない。イケナイ事をしてしまったと親に泣き縋る子供しか、いなかった。今にも砕けてしまいそうなガラス細工のような少年しか、いなかった。
マリアを助け起こそうとし、しかし自分のような汚れた塵が彼女に触れて良いのかと手を止めて。しばらくの間、女神は卑猥な体液で濡れた聖女の前で同じ言葉を繰り返し繰り返し喋り続けた。
カザーブで起きた一夜の革命劇。その終わりは、一人の女神が流した後悔の涙によって終幕を告げた。
数多の魔物の命と淫猥な熱を吸い取って、暗く長い夜は明けていく。東から登って来た太陽が、雲一つとない空を青く照らす。晴れやかに、晴れやかに。地上で起きた諍いなど、何一つなかったように。