1話目からぶっ壊れた原作……
アイスボーンにイャンガルルガが居たならクック先生出してもいいよねとぶち込みました。尚、この後も続投が決定。
銀火竜リオレウスの姿ととなっていたハジメは、傍に歩み寄って来た親友:八重樫雫を見下ろした。まさかこんな形で正体を明かさねばならないとはと思いながら。
ーボワァァァァ…………
力を抜いたハジメ……火竜の身体が炎に変わるとホロホロと崩れ、火の粉が羽根のように舞いながら集束して人の形をとる。やがて、炎は南雲ハジメとなって行き、辺りを焼く熱が収まると人間の姿に戻った南雲ハジメが気まずそうに、雫の前に立っていた。
「びっくりさせて済まない。だが、確りと俺だ。八重樫雫が知る南雲ハジメ本人だ。」
「……ほんとに南雲……君なの?」
「あぁ…証拠なら、お前の部屋にある数多のぬいぐるみのメーカーを総て言っ「ストップストップ!それは言わなくていいから!?」…OK、信じてくれた様だな」
南雲ハジメと白崎香織位しか知る者が居ない八重樫雫の黒歴史を明かそうとした途端、その言葉をかき消す様に遮った八重樫雫。
暫く深呼吸をして、気持ちを落ち着けた八重樫雫は、神結晶を見つけた時とは比較にならない驚きを声に出した。
「うっ…嘘でしょぉぉぉぉ!!!!!」
八重樫雫の絶叫が収まり落ち着きを取り戻したのを確認すると、二人は周辺の手頃な岩に腰掛けた。
周囲に獣の残骸はあるが、どれもこれもハジメが口から炎を噴いて滅却した為、周囲には焼けた煙の匂いしかしなかった。
「…南雲君、さっきの姿は何?まさかステータスプレートで不明の部分が発動しちゃったの?」
「いや?そうじゃないと思う。そう云えば確認をしてなかった。見てみるかな?」
そう言ってポーチに入れていたステータスプレートを取りだし、八重樫雫にも見えるように掲示してみた。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
南雲ハジメ/銀火竜リオレウス 年齢140+17歳 男
レベル:測定不能
筋力:測定不能
体力:測定不能
耐性:測定不能
敏揵:測定不能
魔力:測定不能
魔耐:測定不能
技能:言語理解(獣語理解)+竜体化+竜種の頂き
+魔力操作+魔力吸収+業火顕象+業火錬成+魂の■■
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「……どうなってるの?錬成師としての面影が、業火錬成しか無いのも凄い気になるんだけど…後、この黒字何なのよ。」
八重樫雫にそう突っ込まれながらも、ハジメは自分の力が戻っている事を確信していた。
狭い場所なので己の領域はここでは使えないが、何分地に足つけて闘う方法は幾らでもある為、本領を魅せるのはまだ先だと思った。
だが、ステータスの文字化けは生ける災害に切った切札……自らの生命を削ったアレと認識。
そう考えていると、雫から質問が飛んできた。
「南雲君、貴方を疑ってしまうのだけれど、このステータスの銀火竜って何?それに年齢に見合わない精神の理由もコレなのよね?」
「雫、さっきの俺を見て怖くないのか?アレが俺の本性だぞ?」
「…南雲君がさっきのドラゴンでも、私と会った南雲君と変わりないでしょ?それの何処に恐怖する必要があるの?」
「……成程、俺はビビっていた様だ。何時か、ソレを話して友達が居なくなるという恐怖に…良いぜ。俺の真実について話してやる……」
そう言うと、ハジメは話し始めた。自らの過去を……
曰く、有る世界の有る大陸・緑豊かな土地でリオレウスとして産まれた彼。
幼い頃から、遥か地の底を流れる豊富な龍脈のエネルギーと、潤沢な生物資源をたっぷりと取り込み、親の愛も受けながら成長。その頃には、末として産まれた自分は他の兄弟達の赤い鱗とは違う白銀の鱗を持つ所詮、希少種に進化していた。
そして、親元を離れる巣立ちの時になると親の元から飛び立ち、自分で新しい縄張りを見つける旅に出た。
そうして見つけた新しい土地……人からは【新大陸】と呼ばれた1番大きな大木の頂上付近にねぐらを作り、そこに定住。様々な敵との邂逅・戦闘、撤退を繰り返しては力を増して勝利を繰り返し、やがて、古代樹の森で王座を取るに至った。
森で頂点となった彼は一定の環境が維持されるこの森で、森林資源を捕食したり、偶に王座を取ろうとやって来る
ある時、謎の音が大地を揺るがした日……少しばかり時が経った日、森の生物達を食い荒らす胞子に覆われた古龍が襲来。
彼は知らぬ存在であったが、その古龍は本来地底をねぐらにし落ちてくる死体を分解する新大陸の生と死のサイクルの根幹を担う古龍種:屍套龍ヴァルハザク…
後に[死を纏うヴァルハザク]と呼ばれた龍は彼が縄張りを示す警告を無視した挙句、彼を敵と看做して襲って来た。
そこからは森にも生物にも優しくないかの古龍を排除の為、抗戦。途中、目覚めた新たな力[纏炎状態]と呼ばれる其の身に纏う焔でヴァルハザクの出す瘴気を無害化しながら特攻を繰り返し、結果的に古代樹の森の1区画を焦土に変える激闘の末、かの生物が瀕死になるまで追い込み、息の根を止める事に成功。
死体は陸珊瑚の台地まで持って行き、谷底へと落とした。
が、問題はその後……汚染された領域や侵食された生物達は、領域に住む蛮顎竜アンジャナフや知らぬ間に定住していた怪鳥イャンクックに手が足りないと言い、付近を彼らと共に炎で滅菌消毒した。植物の灰と死した生命のエネルギーを起爆剤としてこの森はまた生まれ変わる。其れを理解している銀火竜の苦肉の策だった。
苦節あって、元凶を叩いた後は古代樹の森で変わらぬ日々を過ごし身体と内包するエネルギーを大いなる大地に還元して自らは死した。だが、こうして生まれ変わっていると、雫に語った。
……まさか一番の理解者である自分の友達の中の1人が、常識も何もかもぶっ飛ばした世界での幻想種と呼ばれた存在の一種だとは思いもしなかった八重樫雫は沸騰しそうな思考を何とか落ち着けて、親友に向き直る。
「…それじゃ、貴方は他の世界で生きたドラゴンそのもので、死んでから私達の世界に産まれた……という事で良いのね?その事両親には話したの?」
「いや?話してないな。この事は流石になぁ……うちの両親なら順応しそうだ。」
八重樫雫が知る南雲夫妻は確かに、この話を与太話と捉えずに真摯に聞いてはくれそうだ。だけど、其れはそれぞれ違うライトノベル作家である夫妻に新たなネタを供給する事に繋がる。
「改めて聞くが俺が恐ろしいか?」
八重樫雫はその言葉に一瞬だけ硬直する。
「俺は人では無いしましてや価値観が底から違う幻想の生物。無論、生命を沢山奪ったし、殺す事もした。だが、これだけは信じてくれ。俺は産んでくれた両親やせっかく得た親友を害する事はしない。友を害する敵は薙ぐだけに留めてきた……これからもお前達を害する気は毛頭無い。」
そう言う南雲ハジメの眼は竜種の様な三白眼だったが、何者にも染らぬ青空の眼は真剣そのものだった。
「…南雲君、見くびらないで貰えるかしら。確かに南雲君が人間じゃない事には驚いたわ……だけど、それだけで縁を切る程、友達としては腐ってないし南雲君が居たから今の私に成れたの。それに殺したと言ってるけど、其れは生きる為に食う事と自らの縄張りを守る為に殺したのでしょ?殺しを楽しむ外道だったら、戦争の参加に反対したりしない。生命を奪う事が重い事を知っているからね。」
「……」
「だから私は拒絶しないわ。貴方も私達の事を信じて?貴方よりは若いけど、少しでも貴方の力になれると思うの。私達は友達なんだから…」
そう語る八重樫雫の姿に、南雲ハジメは眼に薄らと涙を浮かべた。
その口から出た言葉は謝罪でも無く、感謝の言葉だった。
「有難う。
「処で雫よ。その背中に背負ってるのは何だ?」
しんみりとした雰囲気から一転した様にハジメは雫の後ろに背負われたソレを指摘する。
ソレを思い出した雫は、思い出したかのように背中のソレを自らの正面に置くと包み込んでいたビショビショのストールの結びを解く。
「この石をさっき岩穴に隠れてた時に偶然見つけたの。石から流れる水を舐めたら魔力と傷が治ったのよ!多分、講義で習った[神水]と言うやつよ。」
「……確か俺の住む森には
色々話して打ち解けたのか乱雑ではあるが、雫の頭をガシガシと撫でるハジメ。達成出来た事は確りと褒めるハジメの其れは変わっておらず、むず痒くも心地良いその褒め殺しを甘んじて受けている雫。
それから暫くして、ハジメは焼け残った兎の肉……恐らく後脚を手に取ると戻って来て
[部分変化]で右手を翼爪に変えるとサクサクと解体し始めた。
「南雲君?!何してるの!」
『…どうかとは思ったが、食べる物はこれしか無い。食わねば死ぬからな。』
「でも…魔物の肉には猛毒があるって…」
『毒も喰らう。栄養も喰らう。全てを噛み締めて己の血肉に変える。…刃牙と言う漫画で知った格言と同時に俺が俺に課した掟でもあるからな。……俺は大丈夫だが、雫はなぁ…』
「…[神水]で中和しながら食べてみるわ」
食べやすく割いた肉を熱した石の上に置き、焼いていく。
衛生がどうのこうのとかは、この際無視。
辺りには香ばしい匂いが充満し、二人はその匂いに唾を飲む。
夫々が切り分けられて焼かれた肉を手に取ると……まずは自分からとハジメが噛み締める。じゅくっと肉汁が迸るが当のハジメは苦い顔をしていた。
『…ぬぅ……兎とはいえ
兎の肉の味はランゴスタより不味いと苦言を零したハジメ。
だが、贅沢は言ってられないと、ハジメは雫の持つ一切れ以外を文句言わずに食べ尽くした。
……哀れな事に、迷宮の魔物の味は羽虫以下だと言われた。
「南雲君……ランゴスタって何?」
『後で教えてやる。雫、お前も食べてみろ。神水を口に突っ込む準備は出来てるから。』
…そうやって神水を手に救い雫の口に叩き込む準備の出来てるハジメは覚悟の準備を急かした。意を決して雫は、肉を口に入れると咀嚼した後に飲み込んだ。
「……まっっずぅぅ…コレでそのランゴスタ以下って…えぇ…」
そう言う雫だが、突如として身体に違和感が走り、ピリピリとした痛みが伝わって来た。
「……あぐぅ?!、っっうっ…ぐぅ……」
ハジメは雫に駆け寄ると直ぐに神水を飲ませた。
その直後、雫は調子を取り戻したのか回復した。
『雫、大丈夫か?』
「う…うん…今のが副作用なのかな?」
『かもな。今の俺には毒は効かなかった様だ……が、それにしてもお前の身体付きが何やら良くなってるな。それに赤い線が模様の様になってる…』
「…///エッチ…それはほんとなの?」
そう言われた雫は、自分の体を確認する。
言われてみれば、筋肉が付いた感じがするし……若干、衣服がキツくなった感じも……ハジメは耳と目を塞いで後ろを向いてくれていたらしい。
そしてその腕には、うっすらと赤い線が走っており、気になった雫は自分のステータスプレートを確認してみる。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
八重樫雫 17歳 女 レベル28
天職:剣士
筋力:180
体力:400
耐性:390
敏揵:350
魔力:400
魔耐:400
技能:剣技・銀火竜の加護(ダメージ軽減+エネルギー吸収)
・魔力操作・空歩・言語理解
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「……えぇ(困惑)……」
雫は呆れるしか無かった。剣士だったとはいえ天之河を超えて等いなかったはずだ。
魔物の肉を食べた事でステータスの上昇と[魔力操作]と言うのが増えたのは理解しよう。[銀火竜の加護]と[空歩]とはどう云うモノかと初めに聞けば、あの兎は空中を蹴って飛びかかって来たと言う事から、そういう技だと理解。
[銀火竜の加護]については分からないが、先ずは[空歩]を試してみようと足の裏に魔力を貯めて一気に解き放ってみた。
すると……足元に集まった魔力がゴバッ!という地面の陥没音と共に、爆発。そのままの勢いで天井にぶつかると思われたが、ハジメが、足首を掴んだ事で天井まで激突するような事は無かった。
『…おっと……』
「!!きゃあ///」
咄嗟に掴んでは貰ったが、バランスを崩してしまったハジメの顔を下敷きにしてしまった雫。
以前と比べ肉感が増した尻は、ドニュンと言う擬音がなるレベルの靱やかさと程よい固さを持ってハジメにのしかかる。
『…( '-' )……』
「ごめんなさい 南雲君……」
恥ずかしさで顔を真っ赤に染める雫を他所に、
[銀火竜の加護]
銀火竜リオレウスに連なる眷族に与えられる加護。
ダメージ軽減+エネルギー吸収の他、火属性魔法等の攻撃力超上昇を齎す。