※この作品はR-18です。

ありふれぬ銀火竜で世界最強   作:坩堝の騎士王

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[爆蓮花]
魔力操作を応用した時限式の礫
地面を翼爪で叩き付けて前方の相手に礫を飛ばす。
その礫には爆ぜる魔力を流し込んでいる為相手に着弾次第爆発する。
爆導策ミサイルでハジメが思い付いた業。

彼は、クレバーな戦い方も直接的な肉弾戦も好む。


語らいと考察

 

グォォォォォォ!!!

 

勝利の咆哮を上げたリオレウスは、嗅ぎなれた匂いが寄って来た事に気付き其方へと顔を向ける。

 

「ハジメ君!!!」

 

「……凄い……」

 

吸血鬼の少女は目の前の光景に信じられない様な目を向ける。

雫は、眩い銀の装甲に身を包んだ飛竜……ハジメに駆け寄ると翼爪の手入れをしているハジメに話しかける。

 

「雫…この竜がハジメ……なの?」

 

「えぇ…そうよ。触れてみる?…それ位なら良い筈よ」

 

ーグルルルルゥゥ(構わんよ)…

 

リオレウスは吸血鬼の少女の手が届く位置まで頭を下げ、鼻先を突き出す。

少女は、恐る恐る手を伸ばし……意を決して触れる。

久しぶりに感じる温もりと、吸血鬼族だからこそ分かる血の脈動、更に目の前の竜は鳴き声で話す事が出来ないのに雫とは普通に話している。少女は、目の前の飛竜を驚きに満ちた目で見る。

 

ーグル??

 

「貴方……喋れないの?」

 

首を傾げたリオレウスがハジメの姿に戻ろうとした其の瞬間……

自分達の足下、恐らくは迷宮の下層部分だろうか、そこから膨大な力が競り上がって来るのを察知したリオレウスは跳躍し2人をその脚で掴むと階層の端まで下がった。次の瞬間、

 

ドッゴガァァァァンンン!!

 

迷宮を揺るがす轟音と数多の属性エネルギーが荒れ狂う滝を昇る巨大な龍の様にオルクス大迷宮を蹂躙しながらかけ登って行った。

 

衝撃波から2人を翼で護りながら、リオレウスも耐える。

しばらく経って、翼を除けて見ると、周囲には瓦礫や雷の火花、炎上している氷が付着する石柱が点在しており衝撃がせり上がってきた場所は奈落まで口を開けた暗闇となっていた。

炎を走らせてハジメの姿に戻ると、穴の底を見つめる。

 

周囲を見回していた雫と少女もハジメを見かねて此方へとやって来る。

まずコレをやったのは相応な強者なのだが……圧倒的な力は相応の理由があって奮われるモノであり、闇雲に振るう理由は生(・)物(・)に(・)は(・)無(・)い(・)。

それこそ、人の様な……そこまで考えてハジメは、かつての記憶から思い出す。

 

自らの世界には居る。絶対的な力を持つ彼等を……生物としての高みに座する彼等、"古龍"達を。

最悪が頭を過り、この世界に生まれて初めての冷や汗を垂らす。

 

「何よ……コレ…」

 

『…雫、小娘。恐らくこの穴を通れば、最下層まで直通で行ける筈だ。』

 

「……私、小娘じゃない。名前がある。雫に貰った、ユ(・)エ(・)って名前がある。」

 

『済まん。ユエ…良い名前じゃないか。』

 

「ん…(,,-ω-,,)」

 

「…ねぇ、南雲君…この穴を降りれば直通って言ってたけど、ソレは…元凶のところに行くって事になるのよね?」

 

唯でさえ、ベヒモスを嘲笑う強さの魔物が犇めくオルクス大迷宮……その最深部からこの地点まで届く大規模な攻撃を放った元凶と邂逅すると分かった為、青ざめた顔をする雫。だけど、その様子に対し名前を貰った吸血姫ユエは雫の手を握った。

 

「……大丈夫、こんなレベルの大技はそう何度も放てない。勝算はある筈。だから、行こ?」

 

『なら、降りる為の準備をするか…』

 

そうして、ハジメ達は準備の為この奈落階層を探索して回る事にした。

この階層には余り食料(ハジメにとって)が余りおらず、上層から逃げて来たのか一体のトレントが居た(果実が残った個体)為、上層に追い払う為ハジメが威圧を込めての咆哮を上げ、それにビビったトレントは果実を振り落として逃走した。

 

そして焚き火を囲み、座った雫はトレントの落とした2つの果実をナイフで切り分けるとユエとハジメに差し出す。

 

果実を食べるハジメをユエはじっと見つめる。ユエは竜人族よりも大きく、それでいて煌めく美しい銀の装甲に覆われてるにも関わらず、今の今まで見つからなかったハジメが不思議でならなかった。

 

「…魔力の痕跡が無い。貴方もだけど、雫も何者?どこから来たの?」

 

『…どうするか…よし。初対面の蟠りを無くして本音を話した方がいい。それが人間関係を円滑に進める方法だと聞いたからな。』

 

「南雲君…それ誰から聞いたの?」

 

『チビ先?』

 

「(^^;…愛子先生そんな熱血的な一面も有るのね…」

 

それから、三人はお互いの事を話し始めた。

先ず、ユエからだ。

ユエは十二の頃に、先祖返りによって魔力の直接操作や固有魔法「自動再生」に目覚めてから年を取ることが無く、更には全魔法の適正と云うインチキとでも言える様な能力で、僅か数年で当時最強の一角に……そして17の頃には、若くして吸血鬼族の女王に座した。

だが、欲に目の眩んだ彼女の叔父が起こした策略により化け物と言われのない烙印を押され処刑されそうになったが、「自動再生」により処刑する事も出来ずに此処に封印されたそうだ。彼女自体も、身内による突然の裏切りがショックで碌に反撃も出来ず混乱の最中に様々な封印術をかけられて、気が付いたら封印部屋に居たらしい。

これを聞いたのはさすがに不味かったのか、雫は話題を変える事にした。

 

「それじゃ、ユエって実年齢300年行ってる?」

 

「雫…同じ女でもマナー違反……」

 

「…あっ……ごっごめんね……」

 

『…その論法で行くと、ユエは俺より半分も歳上になるのか?…』

 

「…確かに…」

 

「…ハジメって何者なの?」

 

そうユエに問われ、ハジメは話す。

自らが、経験した140年に及ぶ壮絶ともいえる竜生、新たに人として生まれ変わった彼の己を曲げずに生きる生き方に救われた雫やここに居ない彼等の親友達、そして謂れの無い悪評や謗りを受けながら、いきなり飛ばされたこの異世界でその内の一人に突き落とされて、それでも尚2人でここまで来た事を……。

2人の話が終わった時、ユエの両目からパラパラと涙が零れてきた。

 

『!?』

 

「どうしたの!?」

 

「……ぐす…2人共辛い…私も辛い…」

 

どうやらユエは二人の為に泣いてくれているらしい。

少し驚いたハジメと雫の2人は、小さな子を慰める様に優しくユエの頭を撫でた。

 

『…俺達の為に有難うな。境遇からすれば一族全滅のユエがもっと辛いだろうに…確かに…俺の竜生は波乱万丈だったがその事に悔いは無い。まぁあ(・)る(・)意(・)味(・)焦(・)が(・)れ(・)て(・)た(・)人(・)と(・)し(・)て(・)産(・)ま(・)れ(・)て(・)、雫見たいな良い友と出会えたのは良かった。それに元々、仲の良いヤツらを除いたクラスメイトなんて仲間とも思ってない、敵とも認識してないからな。まぁ、俺達を突き落とした奴は真(・)面(・)目(・)に(・)殺(・)さ(・)ね(・)ぇ(・)と(・)駄(・)目(・)な(・)奴(・)と再認識したから…アレは明確に殺す。』

 

「……私とユエは、知ってるから良いけど、御伽噺の頂点に敵意と殺意向けられるって相当よ?…それに生き残っても、この世界から帰る方法を探さないといけないわね…」

 

スンスンと喉を鳴らしながらハジメと雫に撫でられていたユエは、雫が漏らした元の世界に帰るという言葉に反応した。

 

「……帰る?」

 

「元の世界には……是が非でも帰りたいわね。故郷に、家に帰りたいし…。」

 

『俺は元の姿と力を手に入れたとはいえ、父と母には会いたいんだがなぁ…どうしても寿命の差が…折角の人の身だ…風の向くまま世界各地を転々とするか。』

 

「私には、故郷も…家族も…もう居ない。」

 

ユエは、そう言うとしょぼんと項垂れた。

別段、雫は鈍感という訳では無いし、ハジメもそういった心が存在するから命を繋ぐ事が出来るのだと理解している為、ユエが特に自分達(何故か雫)に新たな居場所を見出している事を見抜いていた。だからこそ、また失ってしまうのでは無いかと不安になっていた事も察した。

すると、雫から驚きの提案が飛び出す。

 

「ねぇ、ユエも来ない?」

 

「え?」

 

雫のその言葉にユエは涙で潤んでいた紅い眼を丸くさせながら、驚いた。

その眼にドキッとしたのか、雫も顔を紅くしながら続けた。

 

「だから、私達の所にだよ。普通の人間しか居ない世界だし、戸籍とか人外には色々キツい世界だけど、今の私や南雲君も似た様なものだから大丈夫だよ。」

 

『…構わんぞ?存外、俺達の世界は退屈……はしないからな。』

 

暫く呆然としていたユエだが、理解が追い付いたのかおずおずと「いいの?」と問いかけた。キラキラと輝く彼女の瞳に苦笑しながらもハジメと雫は頷いた。

其の瞬間、花が咲く様な綺麗な笑顔で微笑んだ。思わず見惚れてしまう雫は、少しの間、惚けた表情を浮かべていたが、ハッとなると顔を背けた。

 

 

 

 

 

※おまけ①

 

「そう云えば、吸血鬼って血を吸うのよね?」

 

「ん…普通の食事でも栄養は取れるけど、血を吸った方が効率がいい。……雫の血は美味しそう」

 

「ピッ?!」

 

『吸血するにしても、俺達の世界の伝承にあった吸血鬼は、吸い尽くして死なせるとか、吸った相手を吸血鬼にするなんてのがあったがそんな事はしないよな?』

 

「何で、そんな事しないといけないの?…血を一定量だけ貰うのに吸い殺すのは勿体無いよ?」

 

「」

 

『成程な。雫…お前が良いと言うならどうだ?』

 

ハジメがそう提案した事に雫は戸惑うが、瞳を潤ませ見上げてくるユエの表情に根負けし、承諾した。

ユエは嬉しそうに雫に近付くと、優しく雫の首元に噛み付いた。

 

雫は少しだけ痛そうに顔を顰めたが、其れも一瞬のうちに終わり……やがてユエのやつれていた肌が艶々とし生気も戻ってきた様だ。ユエは雫の首元から離れると口元を拭き取った。

 

「…ご馳走様♡」

 

「は…ハイィ…」

 

因みにハジメは耳にちぎった布を詰め、腕を竜翼に変化させ視界を隔てていたので一部始終は見ていない。

 

 

 

※おまけ②

 

『…地上に出たとして、他の大迷宮を攻略しながらの旅になりそうだ。』

 

「途中で、クラスメイトと会えるかも……その際に何人かお陀仏になりそう……」

 

『…檜山共は野晒一択にするが…』

 

ハジメ達は地上に出た後、各所の大迷宮を攻略しながらの旅をする事を提案。

雫はその最中にクラスの皆と会えるのを期待していたが、ハジメと顔合わせした瞬間……絶対に何人かが消えると思って言葉に詰まる。

はっきりと言うが、ハジメの線引きはクラス内でも明確で敵か、味方かの二極しか無く、他の面子に到っては縄張りを彷徨う小動物扱いだそうだ。

檜山達四人組に到っては、殺すのは確定で、後は他の生物の糧となりゆっくり朽ちて死ね。とばかりに尊厳もへったくれもなかった。

 

ハジメは雫を見ながら、何かを思い出したかのように溜息をつく。

 

『…多分だが、今のお前にあったらとんでもない事になるぞ?』

 

「誰が?香織の事?」

 

『…オッパイ大魔神(谷口鈴)…』

 

「あっ|゚Д゚)))……忘れてた」

 

いっつも、白崎香織と八重樫雫にルパンダイブを敢行しては、龍太郎に受け止められるか、遠藤によってロイヤルリリースされる…それなのに大地に咲く雑草の様に幾度も立ち上がって来る……何が彼女をそうさせるのかハジメには全く理解が出来ないし分からない。

 

 

おまけ③

 

……ぎゅ〜…

 

「…」

 

…すりすり……

 

『…』

 

「なんか、ユエの距離がめっちゃ近い。」

 

『……恋慕?それに近い感情波を感じる。』

 

さっきから雫に抱きつき、頬擦りを繰り返すユエ。

ちょっと鬱陶しい顔をしながらも、その行為を受け入れている雫…時々目を逸らす雫に対し、意識されてると嬉しそうにスキンシップを始めるユエ。……その行為にハジメは人間の感情で言う所の恋…身も蓋もないが性欲をユエが雫にむけている事を察する。

 

「…ユエちゃん?私……女の子だよ?」

 

「……でも、私は雫が好き♡…大好きになった♡……それに私の時代には、女同士の恋愛とか結婚はあった。後継を何とかする魔術とかもあったし…頑張るから♡」

 

「えっ?……がっ、頑張るって……えぇ……」

 

「ダメ?」

 

「よ……宜しくね?」

 

『雫…前から思ってたが、押しに弱いな…』

 

人生は小説よりも奇なり……そういう言葉を産んだ詩人も中々の激動を生きたようだがここまでの激動は無いだろう。

女同士の番い……自分が目にするとは思わなかった。

 

ハジメは雫に春が来た事を喝采する…

 

 





南雲ハジメのクラス面評価

天乃河光輝…もう無理だろアイツ。

坂上龍太郎…親友、兼、良い運動仲間。

白崎香織…向けられた感情の事は分かるが、何が躊躇わせてるんだ?…

八重樫雫…親友。空気読みの才に長けている。

畑山愛子"先生"…自分とはまた違う[強者]

檜山大介他4人…会ったら殺す。こ(・)の(・)地(・)の(・)生(・)態(・)系(・)の(・)糧(・)に(・)な(・)れ(・)。

谷口鈴…今の雫にトップクラスで会わせたくないオッパイ大魔神…

中村恵里…企みか?




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