※この作品はR-18です。

ありふれぬ銀火竜で世界最強   作:坩堝の騎士王

6 / 9
……前話の下り……

ヒュドラ(?)
(この世に産まれた消えない罪)
「よく来たな侵入者!!ここで貴様は…」

煌黒龍
(全力全壊アタックでやっとどうにか出来る絶望(倒せるとは言ってない))
「俺が相手してやる」

ヒュドラ(?)
「」




最後の番人…

 

……リオレウスの背中に乗り、大穴を飛翔しながら下降していく。

冗談みたいに大きな体躯と翼なのにホバリング出来てる事も見事だが、既存の生物学者が泣き喚く程の質量が地面から羽ばたき1つで飛翔できてる事実がとんでもない。

 

ーグォォ(行くぞ)……

 

「宜しく。上から来る敵はカバーするから…」

 

「ん…任せて」

 

互いが信頼を寄せる、種族そのものがバラバラの変テコな一行。

翼をいっぱいに広げても、充分な大きさの大穴をグライダーの様に風の抵抗を受けて降下。暫く降下し続けると、石の床が見えて来た。

 

そこに着地して、周囲を見渡して安全を再確認したリオレウスは、雫とユエの2人に降りるように促した。2人が降りたのを確認するとリオレウスの全身が炎に包まれハジメの姿に戻った。

フロアの探索の為、お互いを視認出来る距離を探索し続けていく。

 

「!…南雲君!ユエ!ちょっとこっちに来て」

 

『雫?どうし…此奴は…』

 

「迷宮の魔物……」

 

「この子怪我してる…この大規模な攻撃に巻き込まれたのかな。ねぇ、この子助けたいんだけど……ダメ?」

 

『…構わないぞ?……試すか…グルル?グオッ!グオッ!』

 

ーコルルル?クワックワッ!

 

『グァル?!ゴルルォ…』

 

ー……クルル……コッコッコッコッ……

 

雫が見つけたのはラプトルの様な魔物……迷宮に大穴を開けた攻撃に巻き込まれ、崩落した瓦礫の上で横たわっていた様だ。

それを見兼ねた雫は、このラプトルを助けたいとハジメに頼み込んだ。

ハジメは承諾したが、この世界の竜種と話が通じるかどうかをこのラプトルで試そうと、竜の言葉でラプトルに話しかける。

ラプトルは話しかけた内容が分かったのか、ハジメと竜の声で会話を始めた。暫くして……

 

『…此奴を連れて行こう。会話を経て出た答えはな?雫……どうやらお前に仕えると言ってる。』

 

「南雲君…有難う」

 

『そうだな…此奴を連れて行くにあたって、少しばかり強くした方がいいかもな…』

 

するとハジメは、ラプトルに声をかけると、自分の掌を自らの爪で切って出た血をラプトルの口に突っ込んだ。

ラプトルは、いきなり口に突っ込まれた事と何かが身体を駆け巡りる痛みに身体を暴れさせて悶える。

暫くしてハジメは手を離す……ラプトルの身体に変化が訪れ、何と、鮮やかな緑色の羽毛が生えてきたのだ。

ラプトルは傷付き折れてしまった筈の脚に恐る恐る力を入れるとあっさりと大地を踏み締めて立つ事が出来た。そしてラプトルは、変わった自分の身体を見ながら雫に駆け寄るとじゃれ付き始めた。

 

『…生物濃縮が起きたのか?見事な毛並みになったな』

 

「先祖返り?」

 

「ふふ♪擽ったい。貴方は、私を選ぶの?」

 

ークワァァ!……コルル…

 

「……む〜( ー̀ ༥ ー́ )」

 

ハジメが飲ませた血は[竜の血]…自らの体内を流れる膨大な力の奔流と言える代物を、ハジメはラプトルに飲ませたのだ。

無論、身体回復の為だけではなく少しばかり身体を強化する目的で飲ませたがここまでの変化を起こすのは予想外だった。

暫く雫とじゃれ合うラプトルはユエを見ると、ユエに雫の匂いが付いてる事を確認。やがてユエもラプトルの意思に気付いたのかラプトルと睨み合う。それはもう一匹のメスを取り合うオス同士の喧嘩の如く。

それを遠目に黙認しながらも、ハジメは探索を続ける。

雫はラプトルを連れながら探索するが、やがて大きな扉を見つけ2人を呼ぶ。

 

「南雲君…ユエ!こっちに扉がある!」

 

雫の目の前には仰々しい大きな扉が存在しており、此処が大迷宮の最終地点だと見受けられる。

だが、今までのセオリー通りなら、この場には強大な魔物が鎮座している筈だが……魔物の気配すら見えないのだ。

フロアのあちらこちらに残る破壊痕をユエは訝しげに見ている。

 

「…?…魔法式が全く違う?…まさか、ハジメより強力なのがこの世界に居るの?」

 

ユエの見立ては大体当たってたりする。

 

 

 

 

数時間前…

 

 

 

最下層に黒い渦のような大穴が出来、その中から男がのっそりと出て来る。

逆鱗だらけの黒鎧。身体を覆える一対の翼、天を向く様に生えた天角、鰭が生えた尾。

竜人族の様でありながら竜人族では無い[龍]……其れもハジメの元いた世界で神に等しい力を持っている禁忌[煌黒龍:アルバトリオン]がオルクス大迷宮に顕現した。

突如として現れた存在。……絶望を具現させたソレは、大迷宮そのものがビビると云う異常現象を引き起こす。

 

『ふむ…姉上が[概念魔法]に興味を持ったが故に、ソレを吟味して来てと言ってきてはいたが……随分と辺鄙な場所に在る物だな。ん?』

 

祖龍の命でこの地に赴いたアルバトリオン。

大迷宮は、侵入者に試練を課す為にある魔物を召喚した。

其の魔物は昔、エヒト一派が反逆者達を斃す為使役していた[聖獣]と呼ばれた魔物の複製品だが、召喚された[聖獣]の全容を目の当たりにした其の瞬間……アルバトリオンはこの上なく大激怒した。

 

『《b》!!造龍ッッッッ…否…このトータスだかトーラスに存在する竜(・)人(・)族(・)と(・)云(・)う(・)種(・)族(・)の(・)良(・)い(・)所(・)を(・)剥(・)い(・)で(・)部(・)位(・)を(・)継(・)い(・)だ(・)の(・)か(・)?!』

 

様々な竜の特徴が見える頭部・歪に生えた歪んだ角・継ぎ接ぎの跡が見える体躯・角が甲殻を突き破るように聳える背中…大きさが歪み過ぎてる二対の龍翼・腹の方には飛び出した幾つもの小龍の手足。冒涜の坩堝…生命とは言えない死体。

世界は違えど[龍]である事に違いは無い。アルバトリオンは[聖獣]と称されたソレに憐れむように黙祷を捧げると目の前の[聖獣]を完全に敵と定めた。

 

グギャラララ*¥€$%#〒〆〆々!!!!

 

眼前のアルバトリオンを敵として認識したのか聞いた者が竦む様な悲鳴・怨嗟の混ざった絶叫を咆哮として、目の前の異質な存在を潰そうと向かって来た[聖獣]だったが……

 

『泡沫砲露』

 

アルバトリオンは左手に属性エネルギーを収束・圧縮させ極小の球を形成。更に、其の中で反発・増幅を繰り返した魔球を[聖獣]に放つ。

 

制御を辞めた属性エネルギーの弾丸は、元に戻ろうとするエネルギーで膨大な破壊力を生む。そこに属性それぞれのエネルギーが大瀑布の様に叩き付けられるのだから破壊力は押して知るべきだろう。

天地開闢にも等しいエネルギー衝撃波が天災の様に吹き荒れる…其のエネルギーの起点ど真ん中に居た[聖獣]は破壊の大瀑布を真正面から喰らい、痛みを感じる間もなくこの世から消えた。

 

それだけに収まらず、1度放たれたエネルギー波はフロアの天井を破壊しながら、天へと昇る。アルバトリオンがエネルギー波を回収し終わった頃には、零れた属性エネルギーがフロアに絶大的な破壊跡を遺し迷宮全体に甚大な被害を叩き出した後だった。

尚、大迷宮のシステム自体がアルバトリオンにビビりまくってる為、破壊跡がちっとも修復されない。

 

『…姉上に殺される……』

 

アルバトリオンはそう言い残し、来た時と同じ様に黒い渦の中に消えていった。

 

 

 

最下層で起きた事の顛末はコレである。

 

 

 

 

…雫の方に一通り探し終えたハジメとユエが辿り着くと同じく扉を見つめる。

又もや、ハジメは扉に手をかけるが……扉は魔力反応を見せず、ただ、ハジメの力に沿って大人しく開かれていった。

 

……扉の先には、明らかに整備の行き届いた場所。

そして目に入ったのは広場の真ん中にある円柱形の柱の上に浮いた煌々と輝く球体状の物体。僅かな温かみ、蛍光灯の様な無機質さを感じない明るさを放つ球体。

ソレは太陽の様だ。

 

『…太陽だと?!いや……人造の太陽か?…』

 

「…ん…流石、神に喧嘩を売った人達…」

 

「水の音がする…どっかに湧水……どころじゃ無いわね。2人共、あっち」

 

何かに気付いた雫が指さした方角を向いたハジメとユエは絶句した。部屋の奥の壁からは水が、滝のように流れ落ち、立派な川を形成していた。

更に魚も泳いでおり、地上から流れに乗ってここまで来たのかと見受けられる。

川から離れた箇所には何も植えられてはいないが剥き出しの土があった。

動物は居ないのだが、当分ここで生活するに足る環境だという事が知れた。

 

『住処である事には違いが無さそうだ。』

 

「…何かあるとしたら彼処の家屋らしい場所かな?」

 

そう言って、家屋の中に入る一行。

ラプトルは雫とハジメの言いつけを守ってるのか、外の川を興味深そうに眺めている。

貴族の家とも思える広さと頑丈な造りの家屋は、そこかしこに部屋があり……重要そうな本棚がズラリと並んでいた。そして道を抜けるとそこには大きな窪みが中心に有る少し広めの空間だった。ハジメが丸まって寝そべっても問題の無い大きさの窪みの端には口を開けた獅子の様な彫刻が存在していて、其れに凄い既視感を感じたハジメが自身の魔力を込めてその彫刻に送り込んでみると、何とお湯が口から窪み目掛けて放出され始めたのだ。

 

『…温泉かよ…』

 

「久し振りにお風呂入りたくなって来た。」

 

「雫。後で入ろ?」

 

『ほうほう……ユエは、お前と裸の付き合いをしたいそうだぞ?後で時間は設けるから今は探索だ。それ迄、我慢してくれ(´∀`*)ケラケラ』

 

「ちょっ?!」

 

ユエは、己の感情を否定せずに認めてくれてるハジメに対する株が上がっていた。

2階に上がると、いくつかの部屋があったがどの部屋も封印されていた。

そして3階に上がったハジメ達は、ひとつの大きな部屋に行き着いた。

扉を開けると、中央には4〜5mの緻密で繊細な魔法陣が存在しており、その向こうにはシンプルだが繊細な装飾の椅子に腰掛ける1つの遺体。

遺体は、白骨化しており黒と金の刺繍が刻まれたローブを羽織っていたが、遺体の様子から苦しまずに逝く事が出来たのだと予想出来る。

 

『コイツが、オスカー・オルクスなのか…何か伝えようと此処で屍となったのか?』

 

「どうする?」

 

『…俺が行く……2人は下がってろ。』

 

「ん…気を付けて。」

 

ハジメはすぐ様ブレスを吐ける様に口元から炎を零れさせながら、魔法陣に足を踏み出す。

その瞬間、魔法陣から光が爆ぜた。それは三人を飲み込んだが、それ以上に何かが頭の中に侵入して駆け巡るような奇妙な感覚に襲われた。

やがて、光が収まると魔法陣の中心に透けて見える人影が立っている事に気付く。目の前の骸と同じく黒と金の刺繍が刻まれたローブを纏った青年は静かに言葉を紡ぎ始めた。

 

=試練を乗り越え、よくぞ辿り着いた。私の名前はオスカー・オルクス。この迷宮を作った者だ。反逆者と言えば分かりやすいかな?。

 

その青年は自らをオスカー・オルクスと名乗った。

迷宮の作り主に会える…そんな事実に目を見開く三人。

 

=あぁ、質問は許して欲しい。コレは唯の記録映像のような物でね、生憎と君達の質問には答えられない。だが、この場所に辿り着いた者達には、この世界の真実を知って欲しい。その為に、メッセージを残すことにした。

 

そしてオスカー・オルクスの幻影は手を向ける。

するとハジメ達の脳内にエヒトや教会のやった所業…それによって弄ばれた数多の生命が映画の様に鮮明に映し出された。

やがて、その映像が終わった。

 

「…酷い…」

 

『…ガギザブザ(反吐が出る)ッッッッ』

 

「……私達の一族も…ううん…色んな種族が弄ばれて消えていった」

 

映像はおぞましいの一言で済ませるには凄惨で、ハジメも思わずハジメの世界の古代語で悪態をつく程だ。

 

=君達が、どの様な道を辿るかは私にも解らない。君達に神殺しを強要するつもりは無い。ただ、知っておいて欲しい。私達がどの様に、何を思い立ち上がったのかを…君に私の力を授ける。どうするかは君たち次第だ。

…願わくば、その力を悪しき為に使わない事を願っている。君達の自由な意志の選択の元に幸があらんことを……

 

そう締めくくったオスカーの影は消え、代わりにまた気持ち悪い感覚が脳内を駆け巡る。

雫とユエは、片膝をついて、ハジメは気分が悪そうに顔を顰めた。

 

『…【生成魔法】か…ざっくり言えば、俺の錬成スキルと噛み合う魔法か…』

 

「…それって[業火錬成]の事?確かに合いそうね……ユエは?」

 

「簡単なのは出来るけど、複雑なのは無理そう…」

 

『…取り敢えず、この遺体を弔おう。裏切られても、世界を憎まずに己の出来ることを成して後世に託した偉大な奴だ。[強者]として敬意を表せる。二人は構わないか?』

 

「「うん。大丈夫だよ。」」

 

そう決めた三人は、オスカーの遺体を庭園まで運び、その片隅に穴を掘り、遺体を寝かせると土をかけて埋め墓石を立てた。

そしてハジメは翼爪で墓石にこう刻んだ。

 

ー[オスカー・オルクス…ここに眠る]ー

 

墓石の前には、道中で拾った鉱石を利用して制作した人工花を添え、出来るだけ丁重に弔った。

そして浴場に出向くと先ずハジメが疲れを吹き飛ばすかのように浸かり、その後に雫とユエが一緒に入った。

この際に色々あった様だが其れは別の話。

雫とユエをオスカーの寝室で休ませ、ハジメは屋外に出て竜体化すると久々の外での就寝となった。

尚、丸めた身体にラプトルが滑り込み、共に寝る事になった。

 

 

 

 

 




ー新技集ー

【泡沫砲露】
アルバトリオンが人間態の時に繰り出す技。
属性エネルギーを氷・水を中心に固め、雷エネルギーで包み外張りを炎エネルギーで覆った。要するに、ミクロサイズまで圧縮した水蒸気爆弾だ。
恐ろしいのは本人がそれを小技感覚で放ってくる事。

……神域……
祖龍
「…ドウシテクレヨウカ((゚Д゚ メ )…」

黒龍・煉獄龍
「「(ガタガタガタガタ)」」

力を破壊され四肢を潰され地面に転がるエヒト
「(早く助けて!!ノイントー!エーアスト!)」

紅龍
「姉よ…真の神の使徒とやらの全駆除終わっ…oh......」

…インペリアルサイト(視界共有)で見てた祖龍様ガチギレ…
…ミラボレアスとグラン・ミラオス、あまりの殺意と軋む力場に恐慄く。
…真の神の使徒達に助けてもらおうとしてるこの期に及んで生き抜こうとしてるエヒト(まだまだ余罪ポロポロ出てきそう)。
…ミララースに真の神の使徒を残さず狩られた事を知り絶望が加速。




  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。