※この作品はR-18です。

ライナは負けヒロインなんかじゃないっス!   作:情緒不安定ゾンビ

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理性よ、しばらく休んでいると良い

 ディックバルトでもどうにもならなかったよ……。

 

 いやだって! ライナに俺の顔を抱え込まれるような形になったわけでだな!

 更に濃くいい匂いがするわ、人肌のぬくもりを感じてしまうわ、『んー? やっぱよく見えないっスねぇ……』なんてわざとらしく言いながら深く覗き込むようにされればささやかながら確かな膨らみが上からあたってくるわで……。あっさり終わった先ほどと違い、梵天でふわふわこちょこちょされたりもしたしさ……。

 まあ、普通に勃ったよな。

 誰だよ耳かきなら健全とか言ったの。俺だよ。嘘じゃん。普通にいやらしい気持ちになったわ。

 

「モングレル先輩、終わったっスよー?」

 

 結果、ライナにこうして呼びかけられても身動きが取れなくなっている俺、というわけだ。

 背中を丸めて隆起した部分をできるだけ庇ってはいるのだが、いつまでライナが気づかないでいてくれるかはわからない。

 さっきから幾度脳内でディックバルトを数えても、一向に萎える気配がしない。

 それどころか脳内に増殖したディックバルトが、『――モングレルよ……、女人に恥をかかせては――、イケないぞ……――』『――抱かない理由はないと思うが……――?』なんぞと四方八方からアドバイスしてくる始末だ。さっさと据え膳を食えという圧をかけてくる。

 うるせえライナはプロのお姉さんではないし、この場に避妊具なんてねぇんだよ! 手を出すなら責任を取るべきだし、結婚するにしても子どもはまた別問題なわけでだな……。

 クソ、どうしたら良いんだ! いっそ寝たふりでもするか? いやそれは無理だよなぁ……。

 

「モングレルせんぱーい、どうしたっスか? ……先輩、なにか動けない理由でもあるんスか?」

 

 ギクリ。

 ライナの鋭い指摘に、俺は露骨に肩をはねさせてしまった。ああ、これもう、ごまかしようがないな……。

 

「い、やその。なんだ、離れがたいというか、その、な?」

「んふふ、私の太もも、そんなにお気に召したっスか? もっと触ったりしてもいいんスよ? ……太ももだけじゃなくて、他のところも。どこでも」

 

 しどろもどろな俺と、余裕たっぷりのライナ。

 

「ライナ、女の子が、どこ触ってもいいなんて言うんじゃありません……」

「言うっスよ。こっちはもう、そのつもりで来てるんスから。……今の耳かきで、モングレル先輩も、けっこうそのつもりになった、ってことっスよね?」

 

 ライナは状況を察しているのだろう。

 悪あがきの説教も軽く流され、いよいよ追い詰められてきた。

 

「モングレル先輩、耳かきは終わったっスから、次は眉間のマッサージでもどうっスか? 先輩、さっきからなんかぎゅーって眉間にしわを寄せてるっスから、ほぐした方が良いんじゃないスか?」

 

 などと言いながらライナはぐいぐいと俺の肩を押し、仰向けにさせようとしてきている。

 

「ライナ……、その、眉間のマッサージはやらなくていいからさ……」

「あれー? モングレル先輩、顔は上を向いたのに、なんで腰から下は横向きのままなんスか? 腰、痛めちゃうっスよー?」

「……見苦しいモノを見せる事になるからだよ……。ちょっと本当にかんべんしてくれ……」

「ふふ、ふははっ! これ、私の勝ちって事で良いっスよね? モングレル先輩は、私に色気を感じてくれたんスね? そんな事になっちゃうくらいに!」

「……ああ、お前は魅力的だよ、ライナ。俺にはもったいな……っ!」

 

 バッ、と口の前に手のひらを差し入れて、どうにか防いだ。

 危なかった。

 

『俺にはもったいない』と言おうとした瞬間にムッとした表情になったライナが、『そのうるせぇ口を塞いでやる』とばかりにキスをしかけてきたのだ。

 防がれたライナは、実に不満そうな、じっとりとした目で俺を睨んでいる。

 

「ライナ、本当に、これ以上はやめにしよう」

 

 いい加減腰も痛くなってきた俺は、ライナの口をおさえた手でゆっくりと彼女を押しのけてから身を起こした。

 そのままライナに背を向ける形でベッドの上に座り込めば、背後からキレた人間特有の感情を押さえ過ぎて逆に穏やかに凪いだような声が聞こえてくる。

 

「モングレル先輩、ガンコっスね。いいっスよ。そっちがそのつもりなら、こっちにだって考えがあるっス」

 

 軽くトンと音が鳴ったそちらを見れば、床に脱ぎ置かれたライナのショートブーツがある。

 それからすぐに、しゅるり、ぱさり。

 はっきりと、背後から衣擦れの音が聞こえた。

 

「ライナっ!? な、なにをして……」

「本当は先輩に脱がせてほしかったんスけどねぇ。乙女にここまでさせるって、けっこうひどくないっスか?」

「ひどいと思う。思うよ。だから、ライナは俺なんかもう見限っても良いんじゃないかなぁ!?」

「いやっス。モングレル先輩のガンコなところも、めんどくさいところも、そういうの全部ひっくるめて、どうしたって好きっスから」

「いや、ガンコなのはどっちだよ……」

 

 会話を交わす間も、ライナは躊躇いなく動いているようだ。

 服を脱ぎ捨てる音、動く気配、ふわりただよう香り、ライナの少し緊張のにじむ息遣い、その全てが、彼女の現状を想像させてくる。

 

「……ね、モングレル、せんぱい」

 

 泣きそうな声で、ライナが俺の名を呼んだ。

 あれだけ勢いよく脱いでいればおそらくはもう、残っている服など一枚もあるかどうかというライナが。

 その呼びかけは、振り返ってこちらを見てくれと懇願しているように、俺には聞こえた。

 

 見たいか見たくないかでいえば、当然見たい。

 見るべきか見ざるべきかといえば、ライナにここまでさせておいて見ずに逃げるべきではないだろう。

 見て良いか悪いかでいえば、ライナが良いというのであれば、良いのだろう。

 

 俺は、ごくんと唾を飲み込んでから、そっと問いかける。

 

「ライナ、……見て、良いんだな? 止めなきゃ、振り返るぞ?」

「……っス」

 

 小さく聞こえたのは、静止の声ではなかった。

 

 俺は一つ深呼吸をしてから、ゆっくりと振り返る。

 するとベッドの、俺が普段寝起きをしているベッドの上に、全裸のライナがいた。

 ぺたりと横すわりをして、恥ずかしそうにうつむいて、胸を腕で隠して。

 そこからちらりとこちらに視線だけを寄越したライナは、俺と目が合うなり、照れくさそうにはにかみ笑う。

 

「……綺麗だ」

 

 あまりに月並みな言葉しか出て来なかった自分に、少し呆れた。

 それなのにライナは、健気にも嬉しそうに笑みを深めてくれている。

 

 本当に、綺麗だ。

 薄暗い部屋の中、浮かび上がるように白い肌。

 細く華奢でありながらも、女性らしい曲線を描く肢体。

 汚してしまいたくなるくらいに無垢で、手を伸ばしてしまいたくなるくらいに瑞々しい裸体だ。

 その上その表情が、俺への好意を隠そうともしないそのまなざしが、あまりにも美しくて。

 

 ぐらりぐらり、理性が揺れる。

 触れたい。触れたい。この純真な少女の肌を味わって、貪って、自分の痕跡を刻みつけたい。そんな衝動で、理性が揺れる。どうにも惹きつけられてしまう。

 挿入さえしなければ、ギリギリセーフなのではないか。ギリギリまでなら、触れても良いのではないか。そんな身勝手な考えが、もっともらしく思えてしまう。

 

「ね、モングレル先輩。……私が今日ここに来た理由、覚えてるっスか?」

 

 上目づかいでそう問われ、俺はとうとう、心の中で白旗をあげた。

 俺の理性よ、もう疲れたよな。しばらく休んでいると良い。

 

 

 

 

 

 自分だけが全裸なのは、不公平だ。

 そう訴えられて、俺も素直に服を脱いでからライナに触れた。

 見つめ合って、手と手を触れ合わせて、抱きしめあって。

 肌と肌が触れ合っているだけで心地良くて、満たされて、いつまでもこうしていたいという感情を覚えて、そうして自覚する。

 

 ああ、俺はライナのことが好きだと。俺が好きなのは、ライナだと。

 

 そう認めてしまえばたまらない気持ちになって、そっと抱擁を解き、俺はライナに問いかける。

 

「……なあライナ、本当にもらってしまって良いんだな?」

「ふふ、いいっスよ。私のぜーんぶ、もらっちゃって欲しいっス。こっちは最初からそのつもりで来て……ぁ」

 

 そのやわらかな頬に手を添えれば、ライナは言葉を途切れさせた。

 そのままきゅっと瞳を閉じたライナはこれからされる事をわかってそれを受け入れようとしてはいるのだろうが、緊張から身を固くしわずかに震えている。

 キスすらも初めてなのかと聞くことはしないが、経験があるにしたって慣れてはいないのだろう。

 かわいいな、と、素直に思う。こうも健気にされては、愛しくて仕方がなくなる。

 

 こつりと額と額を合わせ、互いの呼吸を混ぜ合わせること、三度。

 少しライナの震えが落ち着いたところで、俺はそっと、彼女の唇を奪った。

 

 ……触れるだけのキスだけでまたこんなにガッチガチになっているってのに、『夜這いしに来た』ねぇ。

 どれだけ大変な決断をしてくれたことかと考えると、たまらない気持ちになる。

 

「ん、ん、ん……。はふ、……ふっ!?」

 

 慣れない様子のライナがおそらく息が苦しくて開けた唇に、たまらない気持ちのまま思い切り舌をねじ込んだ。

 驚きで硬直をした彼女が抵抗もできないのをいいことに、好き勝手に彼女の口内をねぶる。角度を変え舌と舌をこすり合わせ、歯列をなぞり、同時に唇で甘噛みめいた動きも交えと、好き勝手に。

 ロリ……ってわけでない。ライナは成人女性だ。だかしかしライナは小柄で顔も小さいせいか、舌も小さく口内も狭く、それらを貪っていると手を出しちゃいけない存在に手を出している感があまりに強い。ロリってわけではないんだが。

 

「んぅ、……ン、ふ……っ」

 

 時折鼻から抜けるような甘ったるい声が、ライナからあがる。ちゅ、くちゅ、と響くキス自体から生じる音と混じり合い、興奮と高揚が煽られていく。

 気づけば身体の強張りもとけ、ライナはくたりとこちらに身を任せるようになっていた。

 彼女の後頭部と背中にまわった俺の手で、なんとか支えられているような状態だ。

 そのままゆっくりとベッドに横たえさせても、ライナはされるがままだった。

 

 こくんと喉を鳴らし、ライナは俺の物も混じった唾液を飲み込んだ。

 そこで、名残惜しさから緩慢な動きで唇を離す。

 軽い酸欠もあるのかぽやーっとしているライナの髪をくしゃりと一度撫でてから、俺はちゅ、ちゅ、と、跡がつかない程度に加減しながらあちこちにキスを落としていく。

 

「あ、ぁ、もんぐれるせんぱぃ、くすぐ、ふぁっ……!」

 

 頬、顎、首筋、鎖骨、乳房、助骨、腹筋、腰骨、太もも。

 上に下に右に左に唇で触れれば、時折ぴくりとライナが身体をはねさせる部分があった。

 続いて反応のあった辺りを中心に左の掌でライナの体を撫で回しつつ、右手を彼女の胸の頂へと伸ばす。

 ピンと立ち上がった部分はあえて避け、くるりとその周囲を撫でながら、ふにふにとそのやわらかさを楽しませてもらう。

 

「ひゃっ……! あ、あの、……胸、あんまりなくて、ごめんな……」

「謝る事じゃないさ。そりゃ、デッカイとどうしても視線は留まるけどな。触れたいかどうかは、誰の胸かで決まるもんだよ。大きさの問題じゃない」

「ふぁ、ァ、そ、そっスか……? ぅ、ぅンッ……」

 

 会話の間に乳輪だけでなく乳首そのものもこねてつまんでとしてみたが、そこまで劇的な反応はなかった。

 まあ、乳首だけでイケるなんてのは、相当な熟練者か乳首の才能に恵まれた一握りの人類だけだろう。

 弄っているこちらとしては、感触と視覚のたのしさはあるんだけどな。

 

 だが、その鈍いようなもどかしいような快感は、今のライナにはちょうど良かったのかもしれない。

 抵抗なく心地よさそうに、どこかリラックスしてすらいそうな表情で受け入れてくれている。

 

 これなら、下を触っても平気か……?

 

「あ……、ま、まってもんぐれるせんぱ、ァあっ……!」

 

 ぬちゃり

 俺の手の動きを察知したライナが止めようとしたが間に合わずに触れてしまった彼女の秘部は、しっかりとはっきりと、ドロッドロに濡れていた。

 かっわいいでやんの。

 顔を真っ赤にしたライナに非難がましげにジトリと睨まれるが、そんなのは気にもならない。

 

「ま、まってっていったのに! ひど、ひどいもんぐれるせんぱいひどいっスぅ!」

「ごめんごめん。いやでも、俺としては嬉しいよ。ライナが俺を受け入れようとしてくれている証なわけだし」

「ぅうー……。にしたって、はずかし、っい!? あ、ぁ、ダメッ、ひっ、アッ、あぁっ……!」

 

 ちょっとすねただけの表情のライナの文句は軽く流して、ぬちぬちと泥濘の表面を撫でつつ、花芽を押しつぶした。

 

「あっ、んン、ア、ぁあッ、……ッつ!?」

 

 ますます溢れてくる愛液の助けを借りて、指を一本だけ中へと滑り込……ませようとしたのだが。

 狭い。狭すぎる。

 ギチリと閉ざされたソコに抵抗され、ライナも痛みを感じたらしく一瞬眉間に皺を寄せ、短い悲鳴めいた声をあげた。

 まだ、中指の第一関節までも入っていないような状態なのだが。

 しっかりぬかるんではいる。閉ざされてはいるが、孔がないわけではない。力を込めれば進入できなくはないだろうと思う。

 だが、そうするのはかわいそうなのではないかというくらいに、狭い。

 

「……ゃ、めないで……」

 

 とりあえず一旦中指は撤退させようとした瞬間に、半泣きのライナが小さな声で訴えてきた。

 

「別に今日最後までしなくたって、責任は取る。無理はしなくても……」

 

 そう伝えてみても、ライナは半泣きのままゆるゆると首を振る。

 

「大切にしてくれるのは、距離をとられることでもあるから。嬉しいけれど、もどかしくて悲しいっス。……モングレル先輩と、今日、ここで、ひとつになりたい……っス」

 

 ……ああ、もう。本当に、こいつはどこまで健気でかわいいのだろうか。

 既成事実がなきゃ今夜にでもレゴールを捨ててどこかに逃げそうってのは自分でもやりそうだなと思うので、それを看破しているってのもあるのかな……。

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