赤馬に案内された場所。
そこはLDSの施設の一つ。
普段はあまり使われていないらしく、その場にいるのは対戦する俺と赤馬。
そして、観客は赤馬の付き人とフェルンだけ。
「観客はいないのは少し寂しいと思うか」
「そんなの関係ないだろ。これはエンタメデュエルじゃない。俺とお前。互いのデュエリスト同士の決闘だ」
そうして、構える。
「ならば、互いのデッキとデュエルディスクがあれば十分だ」
「・・・そうだな」
それと共に、俺達は構える。
そして、デュエルの開始の合図がする。
「「デュエル」」
それと共に、デュエルが始まりを告げる。
「私のターン。私は手札から魔神王の契約書を発動する」
赤馬の言葉と共に、その後ろに現れたのはまるで人の形をした泥。その泥が、石版を持ちながら、赤馬の後ろに立つ。泥が形成したその形は不気味で、一歩一歩重い足取りで進んでくる。
「魔神王の契約書の効果、自分メインフェイズに発動できる。自分の手札・フィールドのモンスターを融合素材とし、悪魔族の融合モンスター1体を融合召喚する」
その言葉と共に赤場は、その手には二枚のカードを見せる。光り輝くカードが彼の手に収まる様は、その場の空気を一層緊張感で満たした。
「融合召喚!生誕せよ!レベル8、DDD剋竜王ベオウルフ!」
それと共に赤場の手札から現れた二枚のカード。DDD制覇王カイゼルとDDリリスを見せる。その二枚が光を放ちながら渦巻きへと吸い込まれていく。
吸い込まれた2枚のカードによって誕生したモンスター。それは、青い毛並みに鎧を身に纏った狼。その威圧感は凄まじく、その眼差しは鋭くこちらを捉える。赤馬を操るモンスターの一体が、その姿を現した。
「へぇ、永続魔法を使った融合か」
俺は少し感心しながら言った。この手札を駆使する赤馬の動きには見事なものがある。
「まだ、始まったばかりだがね」
そう、赤馬はまだ終わっていない。彼の動きにはまだ余裕が感じられた。
「私はDDナイト・ハウリングを召喚。このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の「DD」モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの攻撃力・守備力は0になる。その効果で墓地に送られたDDリリスを特殊召喚する」
赤馬の言葉と共に、現れたのは巨大な口。その巨大な口から現れたのは、墓地に送られたばかりのDDリリス。リリスはゆっくりと浮かび上がり、その存在感を示した。
連鎖して召喚されたモンスターに対して、俺は驚きを隠せなかった。
「レベル3のDDリリスに、レベル4のDDナイト・ハウリングをチューニング!闇を切り裂く咆哮よ。疾風の速さを得て新たな王の産声となれ!シンクロ召喚!生誕せよ!レベル7!DDD疾風王アレクサンダー!」
その言葉と共に、白銀の緑色のマントを纏った騎士がその姿を現す。その姿は凛々しく、まるで風と共に疾走するような存在感を放っていた。
「融合とシンクロか、という事はエクシーズも合わせたデッキという事か」
俺はその動きを見て、自然と笑みを浮かべながら言った。
「やはり、そこまで理解しているか」
赤馬は冷静に答えた。
「あぁ、なんだって、俺も色々なデッキを使っているからな。それでエクシーズを使うのか」
その問いかけに対して。
「いや、私はカードを伏せて、これでターンエンドだ」
それと共に赤場のターンは終了する。彼の表情には余裕が見え、俺がどのような動きをするのか楽しむようだった。
「俺は次元の裂け目を発動。その効果は」
「墓地へ送られるモンスターは墓地へ行かずに、除外するだな」
「あぁ、そして、ここからがこのデッキの面白い所だ。まずはHL色欲チアガール まつりを召喚」
それと共に現れたのは灰色のポニーテールの少女。
彼女は軽やかな足取りで現れ、その優雅な姿が対戦相手の目を引いた。観客たちもその意外性に驚き、彼女の登場によってデュエルの雰囲気が一変する。
「HL」
そう、赤馬の場にモンスターと比べたら、可愛らしい容姿にデュエルを見ていた人達は驚きを隠せなかった。
しかし。
「まつりの効果で、デッキからHLを手札に加える。俺はHL狂気料理人 はあちゃまを手札に加える。そして、相手フィールドにモンスターが存在する時、このモンスターを手札から特殊召喚出来る」
その言葉と共に現れたのは金髪のロングヘアの少女。
彼女の登場によって、場の雰囲気は一層明るくなる。金髪ロングヘアは風に靡き、その優雅な動きはまさに舞台に立つ演者のようだ。
だが、赤馬は冷静な眼差しでその状況を見つめ、彼の言葉には鋭さが感じられた。彼は一瞬も動揺することなく、状況を分析し続ける。
「同じレベルのモンスターが2体、という事は」
「そういう事だ!俺は場にいるレベル4のモンスターでオーバーネットワークを構築!エクシーズ召喚!HL麗しの白狐 フブキ!」
その宣言と共に二人のHLは渦に吸い込まれる。その光景はまるで幻想的な舞台装置のようだ。渦から現れたのは一人の少女。白い狐耳が特徴的な少女は笑みを浮かべながら、現れる。その存在感は圧倒的で、見る者全てを魅了する。
「ランク4、一体」
赤馬の声には冷静さが混ざっていた。
しかし、俺の反応もまた、同じように冷静だった。
「フブキの効果。1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、デッキから「HL」と名の付くカードを除外する事が出来、除外したカードの種類によって次の効果を得る」
「除外したカードの種類によって、効果が変わる」
俺はその効果を説明しながら、自分の手札を見る。その一瞬の判断力と冷静さが試される瞬間だった。
「俺はHL紫電の魔女 シオンを除外し、モンスターカードの効果でエクストラデッキからモンスターを一体、除外する。この効果で、HL幻惑の黒狐 フブキを除外する」
「除外して、モンスター効果が発動される訳か」
赤馬は興味深げにその動きを見つめる。その目には鋭い洞察力が宿っていた。
「いいや、むしろ、本番はここからだ」
俺は自信に満ちた声で言う。その言葉には力強さと決意が込められていた。俺は一瞬も迷うことなく、自分の除外した二枚のカードを見せる。
「まつりは効果で除外された場合、相手フィールドの魔法・罠カードを一枚選択し除外する。よって、伏せられているカードを除外する。さらにシオンの効果で、相手フィールドに存在する魔法,罠カードを一枚選択し確認する。
確認したカードが魔法カードだった場合、そのカードを除外し相手に800のダメージを与える。また、罠カードだった場合、自身に800のダメージを与える」
その説明と共に、俺の心臓は高鳴る。この一瞬が勝負の鍵だ。
しかし、赤馬もまた冷静さを失わなかった。
「罠カード、契約洗浄を発動。自分の魔法&罠ゾーンの「契約書」カードを全て破壊する。破壊した数だけ自分はデッキからドローする。その後、自分はドローした数×1000LP回復する」
それによって、赤馬の場にいた魔神王の契約書は消える。
しかも、それによって、赤馬のライフとカードも増やしてしまう。
その言葉と共に効果は不発に終わった。
「あららぁ、不発に終わってしまったか」
俺は少し落胆しながらも笑みを浮かべる。しかし、その落胆は一瞬であり、その笑顔には依然として自信が込められていた。
しかし、その瞬間でも赤馬の冷静さは揺るぎないものだった。
「いや、恐ろしいな、そのデッキは。まさか除外する事で効果を発動するとはね」
赤馬は俺のデッキの動きを見て、驚きと興奮が入り混じった表情で笑みを浮かべる。
「未知のデッキだ、リンク召喚を目的でデュエルをしていたが、やはり未知の探求は」
そして、赤馬はこちらを見る。
その目には真剣さと挑戦への熱意が宿っていた。
「心が躍る!」
その本心を見て、俺もまた構える。このデュエルはまだ始まったばかりであり、未知への挑戦と興奮に満ちていた。