フレンドカップシップの準備の為に、俺は自宅のガレージに来ていた。
スタンダート次元に行っている間、そのままにしていたが、幸いと言うべきか。
大会に出るDホイールの整備に必要な物はほとんど盗まれていない。
このコモンズでは盗難があっても可笑しくないので、少し安堵していた。
その時だった。
「・・・今まで、どこに行っていたのよ」
ガレージに入ってくる声が聞こえる。
俺は、その声の主の方に思わず目を向けて。
「あっアキ」
そこには怒り心頭のアキが仁王立ちしていた。
「えっと、いやぁ、これはその」
スタンダート次元に行ったのは、事故のような所が大きかった。
だからこそ、こうして再会するのは、俺には少し気まずく感じられたのだ。
だから、思わず言葉を濁しながら答えて。
「・・・いきなりいなくなって」
アキがまくしたてるようにそう叫ぶ。
その剣幕に俺は何も言えず、ただ彼女の言葉を聞いていた。
「でも・・・私は貴方を心配していたのよ。貴方がいなくなってから・・・私・・・」
アキはそこまで言うと、俺の胸に顔をうずめてきた。
そんなアキに俺は何も言えず。ただ彼女の頭を優しく撫でてやるのだった。
「・・・悪い」
しばらくしてから俺は、アキに一言謝罪の言葉を告げる。
「バカ・・・」
その言葉にアキは、切なそうに小さく応えるだけだった。
それからしばらくの間、アキが落ち着くまで俺は彼女の頭を優しく撫で続けた。
「・・・もう大丈夫。ありがとう」
「そうか、なら良かった」
アキのその言葉に俺は安堵する。
「それで・・・貴方はこれからどうするの?」
「え?ああ・・・」
アキの言葉に俺は少し悩む。
「とりあえず、Dホイールの整備と大会に向けてデッキを調整だな」
そんな俺の言葉にアキが頷く。
「そう・・・なら私も手伝うわ」
「・・・いいのか?大会は?」
「ええ、私はもう大丈夫よ。それに、貴方の事だから、デッキの調整とか一人だと大変でしょ?」
そんなアキの言葉に俺は苦笑するしかないのだった。
「でも、どうして急に?」
「それは貴方が心配だったから・・・」
俺の質問にアキはそう答えると、少し照れた様子で視線を逸らす。
「そう・・・か、ありがとうな」
俺の言葉にアキは少し照れ臭そうに微笑みを返してきたのだった。
それから俺とアキはガレージの棚から必要な工具を取り出していく。
「それで、フレンドカップシップに出る方法、考えているの?」
「・・・そう言えば、まだだった」
「・・・馬鹿」
アキの言葉を聞いて、俺はまずはフレンドカップショップに出る方法を考える事にした。