転生してから、俺の世界はコモンズという街だけだった。
だからこそ、この街の景色には大きな違和感があった。
周囲は、俺が住んでいた所よりも発展しており。見てみれば、その多くが何かの塾だと思われる。
「・・・デュエルモンスターズの塾か」
それらを見て、俺は、自分の身に何が起きているのか分からなかった。
それよりも、思ったのは。
「腹が減った」
そう、一日経過した事によって、感じた空腹。
この見た事のない街で俺の持つ通貨が使えない。
それによって、俺は空腹で倒れそうになる。
そうため息を吐いていると。
「お前!これをどこに売るつもりだ!」
「何、触っているのよ!」
聞こえてきた声。
見れば、そこには創作物でよく見られる光景だ。
女性が暴漢に襲われている。
それが、一体、誰なのか。
「お前、その写真をどこに売るつもりなんだ」
「スクープを売って、何が悪いのよ!第一、あんたらがそういう悪事をしているのが、問題なんでしょうか」
その女性は、どうやら新聞記者だと思われる。
その手に持つカメラを大事そうに抱きしめながら記者の女性を怒鳴りつけているのは背の高い男。
ただ、その身なりからはそれなりに金持ちな事は分かったのだが、それでもこんな場所で騒ぎを起こしているのだ。
何かしらあるに違いないのだろうと思う。
けれど、俺は今、腹が減っている。
減っていて。
「・・・おい」
「あぁ、なんだ」「誰?」
俺が話しかけると、両者がこちらを見る。
こちらに注目を集まっている間に、俺は女性の方を見る。
「あんた、その暴漢から救ってやる。代わりに飯を奢ってくれないか」
「いきなり、何を言っているのあんた」
「いや、腹が減って、つい」
俺がそう言うと、女性の方は驚いたように見つめる。
「何を言っているの、こいつらはねぇ「良いだろう」ちょっ」
俺が女性に言っていると、男の方が笑みを浮かべる。
「その代わり、お前が負けたら、そこにいる奴のカメラのデータは俺が貰うぞ」
「何を勝手な事を「良いだろう」ちょっ」
俺が代わりに答えると、彼女の方は驚く中、男は、その手にデュエルディスクを出していた。
そのデュエルディスクは、俺が持っている奴とも、カレン達の使っていたデュエルディスクではない。
「あんた、こうなった以上は絶対に勝ちなさいよ」
「分かっている」『ローズ』
俺は、そのまま指輪をセットし、構える。
「なんだ、そのデュエルディスクは」
「どちらでも良いだろ、お前を倒すには、十分だからな」
「・・・生意気な事を言うな、ならば、良いだろう!」
それと共に、俺達は、構える。
「「デュエル」」