※この作品はR-18です。

【クズモブ転生】健全ゲームで『エロ同人』能力獲得したからクズ主人公から全ヒロイン奪うことにした   作:かくろう

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◇この主人公、どうすんべ?◇

 

「おい、何やってるんだお前ッ」

「あ?」

 

 そろそろ正門に差し掛かろうと言うところ、それをくぐり抜けた瞬間、それまで幼馴染み達とのお喋りに夢中になっていた主人公(アホ)がこちらに向かってツカツカと近寄ってきた。

 

 どうしたんだ急に?

 

舞佳(まいか)彩葉(いろは)先輩から離れろ」

「ちょ、ちょっとちょっと、どうしたんですからっ君」

「そうだぞ少年。顔が怖いぞー」

 

 舞佳(まいか)彩葉(いろは)もこれにはビックリしたようで、面食らったように戸惑った表情を見せていた。

 

「何か気に障るようなことをしたか?」

「何かしたか、だと?」

 

 何やら急激な喧嘩腰にムカつきよりも困惑の方が勝ってしまい、咄嗟の反応ができない。

 

 恐らく今の俺は「キョトン」というオノマトペがピッタリのマヌケな顔をしているに違いない。

 

「お前、当たり前の様に俺達の後ろからついてきてるけど、一体何の用だよ」

「いや、行く方向が同じなんだから当たり前だと思うが……?」

 

 本当にそんな程度の答えしか出てこない。

 こいつは何が言いたいんだ? マジで分からん。

 

 いや待てよ……。そういえばこいつ、校門に入った途端に何かが切り替わったようにこっちに向かってきたな。

 

「あ、そういうことか」

「な、なんだ急に」

 

 こいつが俺に突っかかってきた理由がようやく理解できて思わず声に出てしまう。

 

「いや、気にしないでくれ。それで? 俺にどうしてほしいって?」

「だから、舞佳(まいか)彩葉(いろは)先輩から離れろって言ってるんだ」

「すまん、一体何故なのか、マジで分からんのだが……」

 

「お前、霧島亮二だろ?」

「そうだが?」

 

「粗暴でサボり魔で女垂らしで有名じゃないか。そんな奴が舞佳(まいか)彩葉(いろは)先輩に近づくんじゃねぇ」

 

 やはりそうか。そしてコイツが急に幼馴染み達との会話を中断してこちらに意識を向けた理由もなんとなく分かった。

 

 『俺達は学校に到着するまで楽しく会話した』、のシーンが終わったからだ。

 

 ゲームのシステムから解放され、自由意志で動けるようになった主人公は、幼馴染みとその先輩の真ん中に堂々と歩いている見た目DQNを警戒したに違いない。

 

「ちょっとらっ君ッ。さすがに失礼だよそれはっ。確かに霧島君は粗暴でサボり魔で女垂らしですけどっ!」

「そうだそうだっ。確かに学園来ないし顔は怖いし女泣かせではあるけどっ」

 

 おいこら、全然フォローになってないぞ二人とも。

 

「少なくとも大して面識のないらっ君がそこまで言うのは失礼ですよ。舞佳(まいか)達は昔なじみなんです。旧交を温めていただけですから」

「そ、そうなのか? 彩葉(いろは)先輩は?」

「私は亮君とは幼馴染みなんだ。確かにさっき言ったことは間違いではないけど、流石に幼馴染みをいきなりディスられるのは、いくら君でもカチンとくるね」

 

 彩葉(いろは)は先ほどまでのゲームイベント時とは打って変わり、冷たく突き放すような、怒りの籠もった声と表情で主人公に苦言を呈した。

 

「な、なんだよ二人とも。そいつの味方すんのか?」

「別にどちらの味方とかそういう話はしてないけどね。君が失礼な事を言っているから、それを(とが)めているに過ぎないのだけれども」

 

 彩葉(いろは)が理詰めのように淡々と事実を述べていく。

 【以心伝心】によると、彩葉(いろは)は本気で怒っている。

 

 まあ彼氏がノーモーションでディスられたら腹も立つか。

 それを考えるとちょっと嬉しくなるな。

 

 舞佳(まいか)舞佳(まいか)で怒っている。しかしこっちはちょっと感情の種類が複雑だ。

 

 自分がなんで霧島()の為に怒っているのか、よく分からないでいるらしい。

 

「気にするな。全部事実で何も間違っちゃいないからな」

「なっ」

 

「宮坂ももう行った方がいいぞ。幼馴染みが困惑してるしな。彩葉(いろは)はどうする?」

「亮君の側にいるに決まってるじゃない」

 

 嬉しいこと言ってくれるな。幼馴染みとはいえ、彼女はゲームのサブヒロインとして彼らとの絆があるものだと思っていたが、どうやら昨日の洗脳種付けの深さが功を奏しているようだ。

 

 洗脳とは言っても、彩葉(いろは)の考えの根本は変わっていない。

 彼女は洗脳する前から俺のことが好きだったし、昨日のセックスの回数は十数回に及んだ。

 

 絆も深まった筈だ。

 

 そのためか親友(初音)の幼馴染みよりも、本物の幼馴染みの方を優先したのは当たり前ともいえるな。

 

「でも霧島君……」

「俺は気にしてねぇ。好摩(こうま)、だったよな。別にお前の幼馴染みに危害を加えたりはしねぇが、お前の言ってることも事実だから心配になるのも理解できる」

「な……なんだよそりゃ」

 

「俺は彩葉(いろは)と幼馴染みだから家が近くなだけだ。お前らの輪の中に割って入ろうって気はないから心配しなくていいぞ」

 

 最終的に輪の中に残るのはお前一人になるだけだ……。

 そういうのは輪とは言わないか?

 

「な、なんだとっ」

「ラクトッ。いい加減にしなよ」

「あ、あの……今のは、楽君が良くないと、思う」

「お兄ちゃん……謝ろ……ね」

 

「……チッ。悪かった」

「いいよ、気にしてない」

 

 こいつ舌打ちしやがったな。だがヒロイン達からの株はだだ下がりだ。

 

 果たしてこれがゲームシステムにどれほどの影響を与えるかは要観察だな。

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