※この作品はR-18です。

【クズモブ転生】健全ゲームで『エロ同人』能力獲得したからクズ主人公から全ヒロイン奪うことにした   作:かくろう

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◇作者より◇
 ※不穏なワードは出てきてますが、(霧島亮二視点で)寝取られや脳破壊展開は一切ありません。ゲーム攻略感覚でご覧ください


◇とりあえず現状把握とヒロインに会ってみた◇

 俺は日付を確認して今日がゲームでどの辺りなのか確認した。

 

 『さくさく』は2年生4月の新学期から、年を明けて桜咲く次年度3月末までの期間が描かれる。

 

「今は4月後半に入った所……と言うことはゲーム冒頭か」

 

 というか……。

 

霧島(きりしま)亮二(りょうじ)って学園生だったのか」

 

 主人公と同じ学園に通う生徒だったのは予想外だった。

 圧倒的不良のオーラ満載なので道行く人々が避ける避ける。

 

 どうやらこの男、母子家庭に育った不遇の身であり、父親が若い女と蒸発。

 

 母親もスナック勤めではあるが、客でもある彼氏のところに入り浸って碌に家に帰って来ない。

 

 一見するとグレても仕方なさそうに見えるが、亮二(りょうじ)亮二(りょうじ)で一人なのをいい事に家に女を連れ込んではよろしくやっている事が多々あったらしいので、あまり同情はできなかった。

 

「お……?」

 

 自分の記憶と状況をぼんやりしながら考えていると、教室の外から何やら騒がしい声が聞こえてきた。

 

 ザワ……

 

 人々の注目する声が聞こえてくる。

 そこには一際目を引く集団がこちらに歩いてくるではないか。

 

(おおおおっ、あれは……)

 

「まったくぅ。ラクトって昔からちゃんと起きないよね。わざとやってる?」

「んなわけあるか。悪かったっていってるじゃねぇか」

「毎朝起こしてあげてるこっちの身にもなってほしいわね」

 

 ハーフアップのロングヘア。桜色の髪に花柄のリボンアクセサリーを付けた可憐な美少女。

 

 ゲームのタイトルを象徴する可憐さを表した鮮やかなピンク色だ。

 華奢な肩から伸びる全体的に細い体に特徴的な胸部の膨らみ。

 全体的にバランスの取れた女らしいプロポーションが眩しい。

 

『佐藤 優奈(ゆうな)

 

 「花咲く季節と桜色の乙女」におけるメインヒロインだ。

 主人公とは幼稚園からの幼馴染み。

 

 品行方正で真面目。学園のアイドルであり、男子にも女子にも高い人気を誇る美少女。

 

 料理上手で面倒見が良く、寝ぼすけでズボラな主人公を何かと気にかけ、毎朝起こしに部屋までやってくるほどの仲だ。

 

 使い古された設定ではあるが、王道中の王道を行く最強のヒロインだ。

 

(しかもあれは……)

 

「いやはやぁ。らっ君の寝起きの悪さは筋金入りですからねぇ。幼馴染みに甘えて起こしてもらえるのを楽しみにしてるんでしょうよ」

「バカ言ってんじゃねぇっ。好きで寝起きが悪い訳あるかってのっ」

「あんまり寝てばかりだと頭がパーになりますよ」

舞佳(まいか)にだけは言われたくねぇなぁ。胸と頭の成長が中学校で止まってる舞佳にはぁ」

「むきーーっ、おっぱいは関係ないじゃないですか!」

「イテッ、蹴りはよせっ、蹴りはっ」

 

 健康的な足が覗くミニスカートがヒラヒラと舞い踊っている美少女。

 はつらつとした足取りと、ピコピコと揺れる鮮やかなライトグリーン色のポニーテールの可愛らしさのバランスは神懸かっている。

 

『宮坂 舞佳(まいか)

 

 近所の格闘ジムの跡取り娘。主人公に思いを寄せており、照れ隠しにお見舞いされるハイキックは、ひらりと舞い上がるスカートから覗くパンチラショットと共にゲームの名物となっている(全年齢なので当然見えない角度だが)。

 

「お兄ちゃん……いつも優奈(ゆうな)お姉ちゃんの朝ご飯食べられて、羨ましい……」

「それならいっその事うちに住むか? 小雪なら大歓迎だ」

「はうぅ……お兄ちゃん、いいの?」

「おおいいぞ。お前は妹みたいなもんだからな」

「……ぷぅ……また妹扱い」

 

白峰(しらみね) 小雪(こゆき)

 

 アルビノカラーの薄幸美少女。

 そんな言葉が似合う小柄でか細い女の子が主人公の後ろをピタリとくっ付くように歩いて、淡雪のような白銀色の髪を揺らしている。

 

 去年の夏祭りに主人公に買ってもらったヘアゴムを大事に使っており、髪を結わえてツーサイドアップにしていた。

 

 体があまり丈夫ではなく、入退院を繰り返しているせいもあってか、周りと比べて成長が遅いのが悩みの女の子だ。

 

 実は人見知り克服のために始めたインターネット配信が大成功しており、VTuberとして大人気になっているのだが、それが発覚するのはゲーム後半になってからだ。

 

「ほ、ほら、らく君はおおらかだからぁ。でも毎朝優奈(ゆうな)ちゃんを困らせちゃダメだよ」

「それなら初姉(はつねえ)が起こしにきてくれたら幾らでも起きられるのになぁ」

「も、もうっ、らく君ったらそうやった直ぐに私のことからかってぇ。怒るからねっ、ぷんぷん」

 

 おどおどした態度と軽い猫背はコンプレックスを隠す為。

 

 優しげに垂れ下がった目尻、ぷるんと柔らかそうな唇。

 華奢な肩、細い腰のくびれ、相反するようにむっちりとした太もも。

 

 そして彼女を象徴する大いなる果実。驚きの105㎝(Lカップ)の大爆乳は、制服の前ボタンを左右にギチギチと引っ張るパツパツ描写がエロい。

 

 その誰もが目を引く爆乳と、エロスを凝縮したようなピンク色の髪と白いヘアリボンが特徴の美少女。

 

 一人だけエロゲの世界から迷い込んで来たのでは? と言われる淫乱ピンクと名高いオドオドお姉さん。

 それが彼女『桃園(ももぞの) 初音(はつね)』である。

 

 ピンク色の髪であることから、彼女こそメインヒロインだというファンもいるほど人気が高い。

 

 メインヒロインの優奈(ゆうな)と髪色がやや被っているのには秘密があるのだが、実は元が姉妹だったからって死に設定のせいだ。

 

(およっ、鬼沢(おにさわ) 彩葉(いろは)じゃねぇか)

 

「おうおう少年。あんま皆を困らせるなよぉ。モテるのも今のうちだけだぞ」

彩葉(いろは)先輩に言われても説得力ないなぁ」

 

 初音(はつね)の親友である鬼沢彩葉(おにさわいろは)

 飄々(ひょうひょう)とした態度だが皆のまとめ役をするしっかり者。

 

 面倒見が良くて良い女なんだが、残念ながら彼女は攻略キャラではない。

 

 ギャル風のメイクと赤い髪が特徴の今っぽい感じの風貌は、さくさくヒロインの中では少々異色だ。

 

(さくさくのヒロインそろい踏みじゃねぇか。感動的だな)

 

 現実の世界において白やピンクの髪色は文字通り色物である筈なのに、見事なまでに景色に溶け込んで違和感なくそこにいる。

 

 それがゲームの世界が現実になったことを証左しているようにすら思える。

 

(セントヴィーナス学園美少女四天王勢揃い、か……)

 

 さくさくの攻略ヒロインはこの学園において美少女四天王と呼ばれるほど注目の的となっている。

 

 ポンチョ風のブレザーとチェック柄のスカートを組み合わせた如何(いか)にもギャルゲーっぽい制服は、彼女達の魅力を一層引き立てている。

 

 このゲームは彼女達四人の攻略ヒロイン。五人目の隠しヒロイン。

 そして彩葉(いろは)を始めとする数々のサブヒロイン達で構成されている。

 

 学内にいるのは彩葉(いろは)を含めて二人だけ。

 

 三年生の校舎から見下ろす校庭には、もう一人の姿も確認できる。

 

(本当にゲームの中に転生しちまったんだなぁ)

 

 そしてそんな恵まれた環境にいながら、そのことをまったく自覚していない冴えない男。

 

 このゲームにおける主人公の姿を、俺は複雑な感情で睨み付けた。

 

 特徴のない黒髪。隠れ気味の目。ヒロイン達よりも少しだけ高い背丈に中肉中背よりはほんのりと筋肉質に寄った体。

 

 The・主人公と言った感じの凡庸的な男。

 

(今の時点じゃ優奈(ゆうな)に対してほのかな恋心を抱いているのみ、か)

 

 ゲームにおける主人公は、ヒロインに対してどういう好感度を抱いているかを終盤まで明瞭にしない。

 

 かろうじてメインヒロインである優奈(ゆうな)に対して、憎からず思っていることが示唆されるのみだ。だがその実はメインヒロイン以外にも全員のことを憎からず思っている。

 

 ギャルゲーによくありがちな設定だ。それ自体が悪いとは思わない。これが現実でなければな。

 

 彼女達が一年後に不幸にならない為には、あの男から引き離すより他はない。

 

(悪いがお前はこれからの人生で別の誰かと添い遂げてくれや)

 

 主人公には好摩(こうま)楽人(らくひと)というデフォルトネームが設定されている。

 

 優奈(ゆうな)がラクトとあだ名で呼んでいたことから、この名前になっていると思われる。

 

 均衡の取れた美少女。

 健康的な美少女。

 儚げな美少女。

 隠しきれないエロスを覗かせる美少女。

 垢抜けた美少女。

 

 飛びきり可愛いヒロイン達。魅力的な制服のデザイン。

 【花咲く季節と桜色の乙女】というゲームが、【エロゲ予備軍】なんてスラングで呼ばれる所以だ。

 

 自分の中にムクムクとせり上がってくる欲望の衝動を自覚する。

 

 エロ同人というふざけ倒した名前のスキルが発動する条件さえ整えば、彼女達を俺の好きにできる。

 

 俺にはそれができる。

 

 俺は別段あの男に不幸になってほしいとも思っていないし、ヒロインと幸せになるなら、それはそれでいいと思っていた。

 

 だが来年の今頃、彼女達の誰か、もしくは全員が不幸になる可能性を孕んでいるのなら、それを放置することはできないのだ。

 

 さくさくにはバッドエンドというか、誰とも恋人になることなくエンディングを迎えるパターンがあるのだが、その際はヒロインの誰とも連絡が取れなくなる。

 

 行方不明。しかもアイツはそのことを「まあそのうち連絡くるだろ」と楽観的だ。

 

 そして、主人公の家に1枚のDVDが入った郵便物が届いて暗転。The endの文字が浮かんでスタッフロールという流れだ。

 

 その中身がなんなのか、触れられることはない。

 何周プレイしてもその答えが示されることもない。

 隠しヒロインを含めた全員のゲームCGをコンプリートしても同じだった。

 

 そして家の付近で見かける怪しい男。それがこの俺、霧島(きりしま)亮二(りょうじ)という男だ。

 

 だけどそれで終わり。

 彼女達がどうなったのか。その後主人公のところに戻ってきたのか、そうじゃないのか。

 

 設定資料でも、ファンディスクでも触れられることはない。

 

 『花咲く季節と桜色の乙女』なんてファンシーな名前の全年齢恋愛シミュレーションのくせに、こんな不穏なエンディングを準備する脚本家の神経はどうなっているのだろう。

 

 このゲームが【エロゲ予備軍】などと呼ばれるのには、こういったネガティブな事情も含まれているのは確かだ。

 

 それは何故か?

 

 先ほどのDVDの下りを聞いて、勘のいい人、もしくはその手のジャンルに見識のある人間ならピンときたことだろう。

 

 これはアダルト作品において、いわゆる『寝取られ』ものでよくある手法の一つだ。

 

 俺が最も忌み嫌うジャンルであるため詳しく言うのは怖気が立つのでやめておこう。

 

 しつこいようだが"さくさく"は全年齢向けであり、アダルトな要素は含まれていない。

 

 まあ恋愛ものらしくラッキースケベ的な展開はあるものの、一線を越える性的な描写は描かれないのだ。

 

 果たしてあのエンディングが何を意味しているのかは分からないままだ。

 

 だけど、そんな不穏すぎるエンディングで、『いかにも』な男として登場するこの霧島(きりしま)亮二(りょうじ)という男は、やはり薄い本の界隈ではもっとも竿役に選ばれる男でもある。

 

 やはり決めたぞ。今この場に転生した以上、そんな不穏な未来はぶっ潰してやるさ。 

 

 俺は自分が正義だとか正しい行いをしているなんて思い上がっちゃいない。

 

 なにせ【エロ同人】なんていかがわしい以外の要素を含まないチートスキルでヒロインを横取りしようってんだ。

 

 ヒロインとセックスしないなんて展開は初めからない。

 

 

 せっかく死んで生まれ変わったんだ。好きなようにやってやるさ。

 

 校舎に入っていく主人公達。

 そんな彼らを見送り、まずは誰から接触しようか考えを巡らせていた。

 

(ん? そういえば、この霧島亮二って奴……舞佳の実家のジムに通っていたのか?)

 

 記憶の中にある亮二と舞佳の意外な接点。

 それを自覚した瞬間、俺の中で急速に計画が組み上がっていく。

 

(よーし、まずは舞佳(まいか)に接触してみるか)

 

 俺は第一の攻略ヒロインを、格闘ジムの健康美少女、【宮坂(みやさか) 舞佳(まいか)】に狙い定めた。

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