黒髪ショートカット王子様系幼馴染のオレへの執着が怖い! 作:クリームパイ太郎
「まぁ、これで学園の王子なんて演じなくてすむとなると、なかなか気が楽になるね」
「え? アレってオマエの素じゃないのか?」
意外な事実だ。アレが演技だったのか?
コイツならそれくらいやってのける気はするが、全部演技とも思えない。
「まぁ、素でもあるんだけど意図的に王子様然とした振る舞いをしていたのも事実だよ。
キミと結ばれたのだし、別に女子達に愛想を振りまく必要もなくなった」
む、王子様の言っていることがよくわからない。
「まぁ、ボクが王子様なんてものを演じていたことには理由があったということさ」
ちやほやされるのが楽しかったとか?
うーん、それはないか。
オレが言うのもなんだが、コイツの執着は全部オレへのモノで、女子達からの好意はいらなかっただろう。
「なんだよ、教えろよ」
「んー…
まぁ、いいか。
簡単に言ってしまえば、キミに悪い虫がつかないようにしていたんだよ」
「…なん、だと」
「女子生徒をボクの虜にしておけば、キミの良さに気がつく女子がいなくなるはずだ。
少なくとも可能性は減らせる」
オレの良さなんてものには心当たりはないし、15年のオレの人生で女にモテたことなど一度もない。
「オマエが女子を独占するということは、オレ以外の男子も同じ目にあうということなんだが」
「まぁ、そうだろうね。
キミがボク以外の女から色目を使われることからしたら、些細なことさ」
学校の男子は涙目だな。
「それにボクだって全女生徒を網羅することはできないし、できるとも思っていないよ。
王子様なんて呼ばれているけど、ボクは女の子だからね」
「知ってるよ」
「ふふ、わからせた張本人だものね」
落ち着きかけていたんだが、またムラムラしてきてしまったぞ。
「普通にボクみたいな人間に興味がない女子だっているさ。
その他の男子生徒たちは勉強なり部活なりをがんばって青春を送っていれば、おのずとカップルなどできてくる。
ボクの影響など些細なものだ」
些細ということは絶対ない。
オマエは己の存在感のデカさを自覚した方が良い。
「とにかくボクにとって重要なのはキミだ!」
「なるほど」
よくわからん。
「それに女生徒から王子様扱いされて人気者になるのはあくまで次善の策で、一番にやらなければならなかった事は他にあったんだ」
「なんか嫌な予感がしてならないんだが…」
「ボクを中心とした女生徒とのコミュニティを形成することで、キミの評判を伝搬しやすくするのが目的だったのさ」
「な、なんだそれは?」
え!? どういう意味? オレの、評判?
「うん、キミの女子生徒からの好感度が一定以上に上がらないように調整していたんだ。
なかなか苦労したよ?
好感度が下がりすぎても、キミへの風当たりが強くなってしまうしね。
そのあたりの微妙なさじ加減は難しかった。
まぁ、上手くいかなかったとしても、好感度が上がらなければ問題ないよ」
問題あるわっ!
「ま、まさか…」
「キミの魅力はボクだけが理解っていればいい!
だが、気がつく輩は気がついてしまうかもしれない。
そのあたりへの保険の意味も兼ねているんだ」
「クラスの女子から、風当たりが強かったのって…」
「まぁ、概ねボクのせいだね」
オレは恐ろしさにわなわなと震えていた。
「具体的にはキミに下着を見られたり、透けブラを凝視されたことをボクがリークすることによって、キミが助平だという噂が女生徒たちの間で流れて、女生徒が近寄りがたくなったんだ」
「濡れ衣だ!」
「ボクの下着を毎日見ていたじゃないか?」
「パンツを見せてきたのはオマエだろうが!」
「…見たくなかったのかい?」
見たいに決まっているだろう!
「つまりクラスの女子から微妙に避けられていたのは…」
「うん、絶妙なコントロールだ」
「たまに、他のクラスとか上級生から変な目で見られていたのは…」
「ボクが流した噂に尾ヒレ、背ビレ、胸ビレが着いた結果だろうね。
だいたい意図した通りだよ?」
オレは愕然とした。
いや、いいんだ。コイツと結ばれた今となっては、どうでもいいと言ってしまってもいいくらいではあるんだが。
もう少し穏便なやり方があったのではないか?
「ほ、他にはどんな風評を撒き散らしたんだ?」
「…知りたいかい?」
意味深な視線を向ける王子様。
な、なんか聞くのが怖いんだが、確認をしないと明日からの通学に支障をきたしそうだ。
「そんなに警戒しなくても大した噂は流してないよ。
…それにもう遅いし」
「お、オマエ…」
「おまえ、だなんて。まるで夫婦みたいじゃないか。
いささか照れるね。
なんだい、あ・な・た?」
「い、今はそういうのいいから」
あと、今までも散々言ってきただろうが!
「あぁ、ご主人様のほうがよかったかな?」
「ぐっ、首輪つけるぞ、こんにゃろ…」
「そして、夜の校舎を全裸で徘徊させる気だね?
当然リード付きだ。
キミはリードを持って、羞恥に震えるボクに対して、言葉にするのも憚られるような恥ずかしい命令を下すんだろ?
今から楽しみだね?」
「オマエ、オレのことをどれだけ変態扱いすれば…」
「でも、好きだろう?
しっぽとか…」
「ぐ、む…」
図星を突かれて二の句が継げない。今更ながらにオレのコレクションをコイツに抑えられたのは致命傷だった。
「ふふふ、ホントに大した流言ではないよ。
まずは…」
王子様の語る内容にオレはただ愕然と聞き入るしかなかった。
別にモテたかったわけではない。
モテたかったわけではないが、なんかこう…腑に落ちない!
オレはコイツの流した噂の絶妙さに戦慄した。
男子なら皆持っていそうなスケベさ加減を強調しつつ、嘘ではないが真実とも言い切れないようなオレの行為を…例えば王子様の胸の谷間を凝視したとか…クラスの女子どもに伝えて、オレの評判を下げたりしていたのだ。
そして、オレへの風当たりが強くなりすぎたときには、学園の王子様として軽くオレを褒めるような言動をして調整するという…
コイツの悪辣な手腕が狙い通りの効果を上げて、女子のオレへの心象は見事にコントロールされていたのだ。
「うん、キミにはボクだけがいれば良いし、キミはボクだけを見ていれば良いんだ」
うっとりと、それでいてどろりとした瞳で、オレに笑顔を向けた。
そんな不吉すぎる雰囲気すらも、オレはすんなりと受け入れて、それでもいいかと思ってしまう。
「あぁ、そうか。
すまない。
今のは少し語弊があるね」
王子様は己の言葉を否定して言い直した。
「ボクが、キミに、ボクだけを見てほしいんだ」
そんな顔で言われたら、もうオマエ以外見なくてもいいだろうって思えるよ。
そもそもオレはオマエ以外に――
「それにキミは女子に興味ないだろう?」
疑問符はついているが、王子様は断言した。
確信に満ちた笑顔。
さっきまで二回も膣内に出したし、今も王子様の女体でバッキバキだ。
そんなオレが女に興味がないとは?
「は? そんなことないが?」
「正確にはボク以外の女には興味がない…だろう?」
見透かされているどころではない。
今更ながら痛感させられたが、コイツの流言飛語のせいでクラスどころか全学年女子から風当たりが強かったにも関わらず、オレはまったく痛痒を感じていなかった。
普通だったら精神に大きな傷を負っているのでは…
オレは女子から距離を取られていたことにすら、ほぼ気がついていなかった。
王子様ファンの女子からしたら、自分たちの憧れの王子様をエロい視線で見ている男が王子様と親しげにしていたら殺気の一つも飛ばしたくなるだろう。
なんて…なんて綱渡りな学園生活だったんだ。
ようするに、コイツからの気持ち以外はまったく興味を持っていなかったのだ、オレは。
好意も敵意も関心も、オレにとっては王子様が居さえすればまったく関係がない。
考え込んでいるオレに対して、王子様は勝利を確信した顔で質問してきた。
「では、クラスにいる女子の名前を言ってみてくれないか?
誰でもいいし、名字だけでもかまわない」
「…あー、えっと、す、鈴木さん」
「ふむ、髪が長くて小柄でなかなか可愛らしい子だね。
ボクのファンの一人でもあるよ。
英語が得意で、なかなかスタイルもよい」
「そ、そうそう。そいつだ」
「まぁ、そんな女子はいないんだけどね」
にっこりと笑って王子様は言い放った。
「…はは、オレの負けだよ」
お手上げだ。
オレはコイツにゾッコンどころの話ではなく、イカれているだけでもなく、そもそも他の異性が視界に入ってすらいなかった。
女子も男子も意味がなく、大好きなコイツとそれ以外ってことだ。
オレが学園に通うのも勉強するのも運動するのも遊ぶのも食事をするのも眠るのも息を吸うことすら、全てコイツと一緒にいるためだ。
王子様の言った『運命』ってやつは、ホントにあるのかもしれない。
「オレはオマエ以外に興味がない」
「はうっ!」
王子様がオレに馬乗りになったまま身悶えした。
む、オレが真面目に考えて出した結論だったのに、なんだそのエロい仕草は!
「わかってはいたけど、言葉にされるとやはり嬉しいね」
「オマエさえいればいい」
「あ、嬉しすぎるけど…」
「オマエでないとダメなんだ」
「くぅ、面白がって言っているのはわかっているのに!」
「失礼な、本気だぞ」
「あぁ、もう!
ホントにキミはボクを喜ばせることしか言わないね!」
「オマエさえいれば他に何もいらない」
「うん、ボクもキミがいればそれだけで良いんだ」
王子様がそのままオレに倒れ込んできた。
「もう、この気持ちをどう言葉にしていいかわからないよ」
問答無用で王子様からキスされた。
オレの胸板に王子様の大きなおっぱいが当たり、柔らかく押しつぶされる。
その感触とキスした興奮で、オレのイチモツがビクリと反応し、王子様の尻にぺちりと当たってしまった。
「…っぷはぁ、まったく、キミのここは全然萎えないね。ホントに大丈夫なのかい?」
「ホントな。
ここまで萎えないのは初めてだ。
異常は感じないから大丈夫だと思うが」
萎える気配がないことが、すでに異常事態といえばそうなのだが。
「すぐにでもキミを楽にしてあげたいけどね。
その前に聞いておかないといけないことがある」
む、なんだ?
「まあ、大したことではないよ。
キミが貰ったというラブレターの件だ」
王子様は笑顔だが、有無を言わせぬ迫力があった。
すっかり忘れていた。
やばい、どうしよう…?
挿絵はあったほうがよい、それが例えAIの画像であっても
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あり
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なし
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AIでもあり
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AIではなし