※この作品はR-18です。

黒髪ショートカット王子様系幼馴染のオレへの執着が怖い!   作:クリームパイ太郎

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~9-①~ ボクが王子様でなくなったとき

 あぁ、なんてしあわせなんだ。

 

 カレと一つになれて、ようやくボクはヒトになれた気がする。

 

 この世に生を受けて、ボクがヒトになれたのは今この瞬間なんだと理解した。

 

 カレを受け止めて、欠けていたボクの一部が埋まったんだ。

 

 全部カレのおかげだ。

 

 カレこそがボクをボクにするための最後のパーツだったんだから。

 

 生まれ出た瞬間怒りを持って、カレに出会って喜びを知り、カレと過ごして楽しさを感じた。

 

 哀しさはカレを失ってしまうかもしれない恐怖だ。

 

 カレがこの世からいなくなるんだったら、ボクがボクでなくなってしまう。

 

 もしもそんなことになってしまったら、もうどうでもいいや。

 

 カレがいないんだったらボクもいらない。

 

 この世界にあるもの、全部いらない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなことを思ったけど、やっぱり今はしあわせすぎて、ただひたすらカレの体温を感じていたかった。

 

 そう……

 

 だってカレはこれ以上ないくらいボクの近くに――ボクの体内(そば)にいるんだから。

 

 あぁ、そうか。

 

 ボクはヒトになれたと同時に女の子にもなれたんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 カレが力尽きたようにボクへと倒れ込んできた。

 

 呼吸も乱れて汗だくだ。

 

 ボクはボクでカレを受け止めるだけで精一杯だったから、カレを気遣ってあげる余裕がない。

 

 でも、カレの重さは心地よく、男らしく硬い身体が頼もしい。

 

 肩甲骨の角張った感じとか肩鎖関節の尖り具合とか!

 

 そして何よりもカレの汗の匂いに包まれている感じが、この上もなく心地よい。

 

 カレと一つになれた余韻が残っていて、痺れるように身体を震わせる。

 

 ちょっとしたことで、敏感に反応してしまった。

 

 例えばカレの呼吸とボクの吐息が重なって、お互いの胸を圧迫しただけで、ボクは痺れるように気持ちいいんだ。

 

 そんなボクを知ってか知らずか、カレはボクの脇腹へ羽のように優しく触れてきたり、首筋をぺろりと舐めてきたり。

 

 これはあれかな?

 

 後戯ってやつかな?

 

 ふふ、もっと触ってくれよ。

 

 思わずカレの頭を抱きしめてしまった。

 

 胸の谷間でカレの顔を挟むと、ぺろりと汗を舐められる。

 

 恥ずかしかったけど、同時にカレにボクを食べてもらった時と同じ、とろりとした思いが溢れてきた。

 

「ふぁ……ん!」

 

 カレのアレがボクの中でびくりと動いた。

 

 ボクの中も簡単に反応してしまう。

 

 うぅ、かなり恥ずかしい。

 

 カレが悪戯の手を止めた。

 

 も、もう一回始めるのかな?

 

 どきどきしていると、カレが全体重を預けてきた。

 

 うわぁ……

 

 この感じ、最高!

 

 カレの全てを委ねられている感じが、蕩けそうなほど心地よい。

 

 しかも、カレにぎゅっとしてもらうおまけ付き!

 

 ボクはカレのモノになれたことを実感しながら、カレの体温に包まれていた。

 

 うん、カレもまだボクの中にいるし、やっぱり最高だ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふふ、ようやく……ようやくだ!

 ボクはキミのモノになれたんだっ!」

 

 カレのぬくもりを感じていたら、ふつふつと達成感が湧いてきた。

 

 思わず宣言してしまうほどの喜びだ!

 

「ふふ、まったくキミは待たせてくれるよ!

 一体どんな焦らしプレイだい?

 困ったものだよ。

 恋人同士になる前からマニアックなプレイを強要するなんて!」

 

「ぷ、プレイじゃないから!」

 

「そうだね。そういうのはこれから段階を踏んでやっていくんだね?」

 

「焦らしプレイは性癖じゃないから!」

 

「うん、確かにキミの持っているコンテンツにその手のプレイはなかった……少なかったね?」

 

「ぐっ!」

 

 不快ではあったけど、キミのコンテンツは完璧に研究し尽くしてしまったよ?

 

 同時に「こ、こんなことされちゃうんだ、ボク……」って感じでもあったけどね。

 

「まぁ、その件は今は棚上げしてあげようかな?」

 

 廃棄することは確定しているけど、主だったものをカレと一緒に確認するのも良いかもしれない。

 

 ボクの分析結果と答え合わせだ。

 

 とりあえず、カレの性癖については今のところは置いておこう。

 

 ボクはカレへと笑いかけた。

 

 ここまできたんだ。もうカレの好意は分かっているけど、やっぱり言葉にしてほしい。

 

 結果は出たけど、やはりカレから直接言葉を貰いたいという乙女心だ。

 

「さぁ、キミとボクはようやく結ばれたんだ。

 本来ならもっと前にやっておくべきことがあったと思わないかい?」

 

「む……」

 

 カレが神妙な顔になった。

 

 ふふ、ボクの言いたいこと、解ったみたいだね。

 

 きっかけはどうあれ、ボクの行為は褒められたものじゃ……でも全部カレのためだし、カレには褒めてもらってもいいじゃないだろうか?

 

 まぁ、世間一般的には……遺憾ではあるけど、やっちゃダメなこと……かも、しれなくもない、かもしれないね。

 

 いやしかし、これはカレと結ばれるための大事な過程の一つであったし、世間的には許されなくてもカレとボクの関係的には許されるんじゃないか?

 

 多少強引に、ボクの部屋に閉じ込めることになってしまったわけだけど、まぁ、カレの部屋との距離を考えたら、ほぼ同部屋みたいなものだよね!

 

 カレの日常生活は睡眠時間を除けば、ほぼボクと一緒にいるし、その睡眠だってボクとほぼ同じ時間なんだ。

 

 カレの入眠を見守ってからボクは床に就くし、カレの起床も必ず確認しているよ。

 

 おはようからおやすみまで、ボクと一緒だ!

 

 なんだ! まるで問題ないじゃないか。

 

 ちょっとカレの部屋と座標がずれてしまっただけだ。

 

 地球規模で考えたら誤差みたいなものだろう?

 

 睡……恋の秘薬も使っちゃったけど、そもそもカレも理解(わか)っていてボクの淹れたコーヒーを飲んでくれたわけだし。

 

 うん! カレとボクとの間で同意(コンセンサス)は取れているね。

 

 問題ない上にお互いの同意まであるんだから、カレとボク以外の存在からとやかく言われる筋合いもないじゃないか。

 

 ほんの少しだけ世の中の常識とは、髪の毛一本分くらい、いやいや蜘蛛の糸一本分……カーボンナノチューブの半分くらいズレてしまっているかもしれないけど、ボクの極大の気持ちは伝わったと思う。

 

 それくらいボクはキミに狂っているんだよ?

 

「あー、えっと……」

 

「うん!」

 

 緊張しているカレの表情はちょっと面白い。そんな顔も素敵だね。

 

 もう、ボクの返事なんてわかっているだろう? 早く言ってくれよ。

 

 でも判りきっていたとしても告白なんて緊張するものだと思う。ボクもドキドキしてきた!

 

 短い時間だったけど、これまで待ち続けた年月からすれば瞬きみたいなものだ。

 

 ボクはカレの百面相を見ながらじっと待つ。

 

 そして、ようやくボクの想いが実る瞬間がやってきた。

 

「オレ、オマエのことが好きだ」

 

「ボクもキミのことが好きだ!」

 

 即答してボクはカレに抱きついた。

 

 

 

 

 

 やったー!

 

 ぼくのうまれたときからのかれへのおもいがようやくみをむすんだんだ。

 

 

~つづく~

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