黒髪ショートカット王子様系幼馴染のオレへの執着が怖い! 作:クリームパイ太郎
「15年だ!
15年以上かかってしまった。
ああ、あぁ! 感無量だよ。
言葉では言い表せない。胸がいっぱいだ」
カレが絶句している。
うん、キミが考えている通り、ボクのキミへの好意はキミが生まれた瞬間から始まったんだ。
「ふふ、その通りだよ。
ボクの頭の中を見せたいくらいだ。
キミのことでいっぱいさ」
昂ぶった気持ちが抑えられない。
踊り出したい気分ってのはこういう感じのことを言うんだろうね。
「キミとボクは恋人になって結ばれて、告白が成功したんだ!
……順番がばらばらだね?
まぁ、いいさ。
感想を聞かせてくれ!
ボクの方は今言った通りだよ
さぁ、恋人として何かないのかい?」
王子様っていっぱい言われてきたし、自覚的に行動もしてきたけど、ボクの内面はきっちり女の子なんだ。
少なくともカレの前では!
『ボクが女の子だってわからせて』
カレとの
ボクの長年の願望というか、希望。
自覚させて欲しかったんだ……カレに、ボクが女の子だって。
そして、カレはきちんとボクの希望に応えてくれた。
言葉の威力はすさまじく、カレの雄としてのたくましさに、ただただ翻弄されるだけで、ボクは女の子だって、きっちりわからせてもらったんだ。
ふふ、童貞を挑発しすぎたね。
そもそも余裕がなかったカレが、さらになけなしの理性もなくしてしまって、初めてらしくボクに全てをぶつけてきたんだ。
それはとても嬉しかった。
ボクの望む初めてに相応しい体験だった!
テンパっているカレはそれはもう可愛くて、ボクも余裕はなかったけど、あたたかな気持ちでいっぱいになれた。
「ひたすら気持ちよかった」
「ふふ、ボクはすごく痛かったよ」
そして至福の時間だったよ。
キミから与えられた痛みは、ひとつになったことを実感できこそすれ、辛さなんて全くなかった。
痛気持ちいい!
思わずカレを抱き締めてしまった。
カレは何も言わずに、ただボクの髪を撫でてくれる。
言葉よりもカレから気持ちが伝わってくる気がした。
「しかし、これはなかなか良いね。
キミの重さを身体に受けながら横になるこの感じは、実に良い」
カレの素肌、体温、鼓動、息遣い……全てが心地良い。
「すまん、重いか?」
ふふ、その重さが良いじゃないか!
ボクが女の子だって実感できることの一つだね。
「無理に起きなくてもいいさ、楽にしてくれ。
むしろ心地いい。
キミで作った布団があればいくら出しても欲しいくらいだ」
ボクの言葉になぜかカレは身震いした。
む、何か変なこと言ったかな?
まぁ、いいや。
今はカレの身体を堪能しよう。
ボクはカレの首筋に顔を埋めて、ぎゅっと抱きついた。
「抱き心地も良い。
やはりレプリカの抱き枕とは雲泥の差だ」
「……なんだよレプリカって?」
ボクの無聊を慰めるためのキミの代わりだよ?
「ん? あぁ、キミの等身大写真で作った……おっと!
まぁ、そんなことはどうでもいいじゃないか。
とにかくキミの抱き心地は素晴らしいってことさ」
「……オレも全部捨てるんだからオマエも怪しいものを処分しろよ?」
「だが断る!」
カレがげんなりした表情を浮かべてしまったけど、しょうがないじゃないか。
「キミのいやらしいコレクションは腹立たしいことにボク以外の雌猿の物だろう?
そんなモノの所持は認められないね。
しかし、一方でボクの宝モノは全部キミ由来のモノなので問題ないのだ」
「問題あるわ!
あと汚いから捨てろ」
「汚くない!
むしろそのほうが興奮する!!」
もう恋人同士なんだし、少しくらい要求を高くしてしまってもいいんじゃないだろうか。
具体的に言うと、まずは汗を舐めてみたい!
あとはなんと言っても精……
「ほ、ほ、本物がここにいるじゃないか」
「ふふ、テレながら言うのはとても可愛らしいね?」
もちろん、本物はこれからじっくりたっぷり賞味させてもらうよ。
それこそ毎日ね! ふふふ……
「くっ、だったら…」
「コレ以上の追求は受け付けないぞ。
その煩い口を塞いでやる!」
「させるか!」
ボクがカレと唇を重ねようとしたら、器用に首だけで躱されてしまった。
「ひどい!
恋人からのキスを避けるなんてキミは何を考えているんだ!」
「オマエのコトだが?」
「くっ!?
今のはきゅんってきた…」
「ちょ、締めるなって!
今は敏感なんだから…」
ボクの中にいるカレをきゅんきゅんと責め立てる。
「その台詞はボクが言った方が良いと思うんだが」
「うぁ、だから締めるなと!」
慣れてきたからね!
そこそこ器用に動かすことができるようになってきたよ。
これからもっと上手になっちゃうぞ!
「こうだね? こうすると気持ちがいいんだね?」
「お、オマエこのまま有耶無耶にするつもりだな!? 一旦やめろって!」
「ははは、ボクの中にキミの熱くて硬いモノを感じるよ!」
あぁ、なんて楽しいんだ。
カレと一緒の時間はただでさえ、ボクを幸せにしてくれるのに。
「あぁ、なるほど。
これがイチャつくってやつなのか」
これからは堂々と誰にはばかること無く、いつでもどこでもカレに甘えられるんだ。
「ふふ、キミとボクは恋人同士だ……」
思わずそんなことを呟いてしまった。
カレを見ると……うんうん、照れているね。
「……」
「……」
単なる沈黙ですら居心地がいい。
カレの鼓動、血の流れ、汗ばんだ肌。
そんな今までは直接感じることができなかったカレの音を、ゼロ距離で感じることができる。
満たされた時間だ。
このままずっと抱き合っているだけでもいいんだけど……
カレはまだ物足りなそうだ。
「キミの……まだ元気だね」
「あー、すまん。なんか全然治まらない」
「謝る必要はないよ。
……それだけボクで興奮してくれてるんだろう?
嬉しい限りだ」
「ああ、興奮が治まらない。オマエが可愛すぎる。こんなことは初めてだ」
「ふふ、そこまで直球で言われてしまうと照れるね。
その……足りないんだったら、ボクのことは構わないから、キミが満足するまで……」
あ、う、そのちょっと恥ずかしい。
最後まで言えなかったけど、ボクの言いたいことは伝わったはずだ。
さぁ、ボクのことを男らしくリードしてくれよ!
「あー、そうだな……」
ボクの中の
ボクに遠慮なんかせず全力でぶつかってきて欲しいんだけど、カレが気遣わしげな顔をしているね。
確かに疲労はあるけど、キミが望むなら続けたいんだよ?
しかし、ボクが無理をしていると思っているカレは、頑として受け入れないだろう。
「魅力的な提案だが、その前に……」
「ん? なんだい?
キミはどんなえっちな……変態的なことをするつもりだい?」
ボクはいつだってウェルカムだよ?
「変態的なことじゃないわ!」
「本当に?」
「……とにかく今は違う」
「今は?」
将来的にはするつもりなんだね?
いったいどれほどのことをされてしまうんだろう!
今から楽しみだね?
「う、……と、とにかく一回休憩だ」
「あぁ、キミがボクの中から出ていってしまう。
名残惜しいね」
ずっと繋がっていたいのに。
本当に名残惜しい。
「……ん」
カレが出ていってしまう瞬間、すごく淋しい気持ちになってしまった。
でも、カレがそばにいるから問題ないね。
よかったよかった。
「どっか痛いところとかないか?」
「なんというか、普段使わない筋肉を使ったせいで、太ももの付け根に今まで感じたことのない疲労感がある」
「ふむ、それ以外は?」
「あぁ、あとまだ中にキミがいるような感覚がある。
じんじんしてて……なかなか趣深い」
痛みの名残ですら嬉しさが込み上げてくる。
あと、まだキミがボクの中に残ってるみたいな感じがする!
これ、すごくいいぞ!!
ボクは間違いなくカレと一つになったし、ボクの身体は早速キミのカタチを覚えようとしているね。
「とりあえず大丈夫そうだな」
カレが安堵の表情を浮かべていた。
ふふ、暴走した自覚があるからなんだろうけど、ボクだって覚悟を持ってキミを受け入れたんだ。
そんなに簡単に怪我したりなんかしないぞ。
ふふふ、あぁ、さっきまでキミがここにいたんだね。
そして、キミと一つになれた
ボクは思わず自分の下腹部を触ってしまった。
なんとなくカレのあたたかさが感じられるような気がして。
そんなボクを、カレはものすごい顔で見入っていた。
目がえっちだ!
「すごかった……」
とどめに感想を伝えてあげよう。
さぁ、改めて暴走してくれよ!
カレが慌てて目を逸らして、あらぬ方向を向く。
ふふ、そんなことしたって無駄だぞ。
「ふふ、男の子ってこういうのが好きなんだろう?」
「好きだけど! 大好きだけど!
いったん落ち着かせてくれ」
「うん、ボク、やっぱり女の子だった…」
しみじみと言うボクに、カレの
青筋まで浮かべてまるで怒っているみたいだね?
擬音が聞こえてきそうだ。
ビキビキッ! ビギィッ! バッキーン!
みたいな?
カレのやる気も漲ってきたのか、目の奥にギラついた光が見えるようだ。
「はは、すまない。
さすがに挑発しすぎた。
襲いかかってくれてもいいんだけどね。
まずはキミの要望を聞いておこうかな?」
む、ここまで挑発して襲いかかってこないってことは、決意は堅そうだね。
ボクを大事に思ってくれることは嬉しいんだけど、キミの欲望を叶えたいっていうボクの気持ちも理解して欲しいかな?
今後、要調整だね。
無理矢理襲って欲しい時とか、強引に押し倒して欲しい時とか、いろえろなシチュエーションがあるだろうし!
カレはぐっと我慢する表情をしながら、ゆっくりと立ち上がり何度か深呼吸していた。
もう! 我慢なんてしなくていいのにねっ!
「ふふ、落ち着いたかい?」
「……少しだけな」
ジト目で睨まれてしまったけど、ちょっとゾクッとしてしまった。
さぁ、もっといちゃいちゃさせてもらおうかな?
ボクはカレへと甘えるように両手を突き出した。
「腕枕をして欲しい」
カレは改めてボクの隣に寝っ転がって、腕を投げ出してきた。
また一つ想像していたことが叶ってしまったぞ!
ボクはわくわくしながらカレの腕へと頭を乗せる。
手をつなぎたいな―、と思っていると、カレはボクの手を取り恋人繋ぎをしてくれた。
うわ、最早以心伝心だね!
嬉しくなってボクはカレの首筋に鼻先を擦り付けた。
あーもー! くんくんしてやるっ!
「はぁ、良い匂いだ。
……ホントに良い匂いだ」
カレの汗の匂い。
ボクの大好きな匂い。
うん、3日くらい入浴しなかったときの匂いも嗅いでみたいね!
今度お願いしてみよう。
「さて、ようやくピロートークだね。
脱童貞の感想など聞かせてくれないか?」
これは是非聞いておかねばなるまい。
ボクの肉体への評価に直結するし、カレとの相性……悪いわけはないんだけど、どれほど相性が良いか確認する必要がある。
「ただひたすら気持ちよかった。
すげー興奮した」
カレの言葉は嘘でもお世辞でもないね。長い付き合いだし、簡単に判別できる。
「ふふ、ボクも気持ちよかったよ。
大好きなキミのせいで処女なのに乱れに乱れてしまった。
まぁ、さっきも言ったけど、ものすごく痛かったけどね」
オナ……一人でするのなんて比べ物にならない!
正直な所、刺激が強烈過ぎてこのまま涅槃に旅立ってしまうのではないかと思ったほどだよ?
嗚呼、やっぱりカレとボクは相性抜群だっ!
カレーに福神漬? ちょっとロマンチックじゃないな……
SSIDに暗号化キー? むむ、ダメだな。もっと情緒的な方がいい。
ココアにマシュマロ? これは悪くないね。カレとボクの甘い関係を表すのにぴったりかも。
カレとボクはココアに溶けていくマシュマロみたいに、甘く混ざり合ってずっとずっと一緒に……とろとろと、どろどろと、ぐるぐる撹拌して、一つになるんだ。
「今更だが、大丈夫か?」
「うん、全身ガタガタだよ」
手を繋いでいたらカレに構って欲しくなってしまった。
「想像してたよりも力強くて、激しくて…乱暴で。
痛くて……痛いのに気持ちよくて。
気持ちいいのに苦しくて。
苦しいのにどこか
ぽつぽつと感想が漏れ出てきた。
「キミに、ボクが女の子だって
カレがなんとも言えない表情でボクを見ていた。
全部理解しているような?
今更言うまでもないってところかな?
ふふ、ボクを女の子にした張本人だしね!
「しかし、キミの余裕の無さっぷりには安心したよ。
なんせ途中から翻弄されっぱなしだったからね。
いやいやいや、閨ごとに関してはキミのほうが一枚上手だった」
いつものクセで思わずカレをからかってしまった。
カレが苦虫を噛み潰したような渋みのある顔をした。
「童貞丸出しだったけどね?」
「童貞だったからな」
「お、過去形かい?
脱・童貞した余裕かい?
男になって一皮剥けたってことかい?」
「気持ちいいだけだったから、実感はないがやり遂げた感はある」
「それはよかった。
ふふ、ボクにも達成感がでてきたよ。
うん!
キミはボクが男にした!」
「……そうだな」
「何はともあれ、これでボクも処女卒業だ」
うん、痛みと気持ちよさと今の言葉でようやく実感が湧いてきたね。
お互いまったく余裕のない、初めて同士に相応しい体験だった。
「童貞らしく、必死だったキミはとても可愛かったよ?」
「オマエだって乙女そのもののしおらしさだったよな?」
ふふ、いつもの王子様らしい余裕がなかったって言いたいんだろ?
キミは理解しているはずだけど、王子様なんてボクの外面だ。
内面はキミに言われた通り乙女なんだ。
「うん、事実、清らかな乙女だったからね。
ボクの純血はキミに、徹底的に蹂躙されて、決定的に散らされて、一点の曇りなく穢されてしまった。
どうだい?
男冥利に尽きるだろ?」
カレはぐうの音も出ないような顔をしていたけど、決して隠せない嬉しさが口のあたりに漏れ出ていたよ?
きっとボクも似たような表情をしているんだろうね。
「ふふふ、ボクがキミを男にした!」
「二回も言うな」
何度でも言いたいくらい嬉しいんだ!
なんせ15年来の目標だったんだからね。
「いいじゃないか。
嬉しすぎて調子に乗っているのさ。
天にも昇る気持ちってのはこういうことをいうんだろうね。
キミだってボクを
「そんなの嬉しいに決まってる」
「ふふ、どれくらいだい?
ちなみにボクのは十五年分以上の思いが詰まっているぞ」
「つきなみだが、全世界に向けて自慢したいくらいだ」
「オレは童貞を卒業したぞー、って感じかい?」
「ちがう。
大好きな人の初めてをもらったぞ、だ!」
「くっ! その言葉だけでもきゅんときてしまった。
もう二、三回処女をあげたいくらいだ」
シチュエーションを変えて何度も初めてを繰り返せたら良いのに!
カレの部屋、ボクの部屋、学園の教室、体育倉庫、図書室、ラブホテル……
うーん、いろいろ思い浮かんでしまうね!
まぁ、初めては一回しかないんだけど……
「よし、じゃあボクもキミの初めてをもらったって。
明日、朝一番に教室で自慢することにしよう!」
「さすがにそれはやめてくれ」
む! カレはちょっとげんなりして言ってきたけど、なんでだよ!?
朝一番で教室に乗り込んで、黒板にでかでかと書いてしまいたいくらいなんだぞっ!
「この嬉しさは言葉にしきれないよ。
二、三回処女をあげたいってのも割と本気さ。
初めての痛みはキミと繋がったことを感じさせられる衝撃的な痛みだった。
好きな人に与えられる痛みがあんなに甘美なモノだったとはね。
叶うことなら二度三度味わいたいくらいなんだが、キミに気を使わせるのも申し訳ないかな」
あの痛みとキミと初めて繋がれた実感を味わえるなら、何度でも繰り返したいよ!
本気だぞっ!
「ほら、何かないのかい?
ボクに言うべきことがあるだろう?」
ボクがこれだけキミへの好意を露わにしているんだから、キミからも言葉にしてくれよ。
期待でわくわくしながらまっていると、カレは押し黙ったまま無言で首を傾げていた。
「もう、なんだよ!
ボクがこれだけ『好き』って言っているんだ。
キミから言ってくれてもいいじゃないか!」
ボクがむくれると、カレが苦笑を浮かべた。
いつもの見慣れた仕草だけど、ちょっと照れているね。
もう! 早く言ってくれよ。
「何度も言われたい!」
「いてっ!?」
近くにあったカレの肩へと噛みついた。
三頭筋の歯ごたえが小気味よい。これはなかなか癖になる噛み応えだね。
「拗ねたオマエも可愛いな?」
その褒め方は新鮮で、今までカレに言われたことのなかった言葉だ。
不覚にもどきっとしてしまったけど、違うんだ!
ボクが欲しいのはもっと明確な言葉だよ?
「その言葉はとても嬉しいが、今欲しいのはそれじゃないね」
カレも理解している。
心の準備でも必要だったのかな?
カレはボクの目をまっすぐ見て言ってくれた。
「オレはオマエのことが好きだ」
うっはー!
かっこいい!! すごくかっこいいっ!!
きりっとした表情がボクの心にぐっさりと刺さった。
「うん!
ボクもキミのことが大好きだ!」
顔が熱くなるのを感じながら、ボクもすぐに言葉を返す。
言葉だけで伝えきれる自信がないね?
「ふふ、顔が赤くなっているよ」
「ああ、オレはオマエのことが好きだからな」
嬉し恥ずかしってのはこんな感じのことを言うんだね。
カレもボクも顔が真っ赤だ。
もっと恥ずかしいことをさっきまでしてたっていうのに!
それにしても……
「まったく!
キミはボクがあれだけアプローチを掛けていたのにね。
もっと早く告白するなり押し倒すなり夜這いをかけるなりしてくれてもよかったんじゃないのかい?」
もっと青々しい若さに正直になってもよかったんじゃないかな?
「オマエのいうアプローチとやらが露骨すぎたんだよ」
「ふむ、童貞には刺激が強すぎたってことか」
まぁ、これで童貞ではなくなったし今後は気にせずもっと強烈なサービスは続ける所存だ!
「そうだな。まぁ、処女ががんばりすぎたってことだ」
「む!」
「なんだよ?」
カレの挑発に過敏に反応してしまったけど、
「……ふふ」
「……はは」
カレとボクは同時に吹き出してしまった。
予定外だし予想外だったけど、なんとかカレとボクは結ばれることができた。
ボクの猛烈なアプローチに、カレは陥落寸前だったんだと思う。阻んでいたのは、生まれたときからの付き合いだったっていう近すぎる関係だったのかもしれない。
あとはきっかけだけだったんだろうね。
それが今日起きてしまったってことだ。
仮に今日が穏便に済んでいたとしても、誕生日か夏休みかクリスマスか……なんでもない普通の日かもしれない……カレとのゴールインは時間の問題だっただろう。
まぁ、ゴールはスタート地点でもあるのだけど。
「……待たせて悪かったな」
「いやいや、ボクの思惑通りなので問題ないよ」
まぁ、概ね思惑通りだから嘘は言っていない。
「ふふ、もちろんキミの態度と仕草でも十分伝わってきたんだけどね」
カレの匂いを確認する。
「言葉にされると格別だったよ」
うん、安堵しているときの匂いだね。
「オレはオマエが好きだ」
カレが自分に言い聞かせるように呟いた。
うん? どうしたんだろう?
「なんだい?
急に連呼して」
なにか急に考え込んでいるんだけど、なんだろう?
次の体位のことでも想像しているのかな?
「あー、その……なんだ」
正面からでも後ろからでも抱っこでもなんでもきてくれ!
「なんでオレだったんだ?」
意味が判らないんだけど、どういうことだ?
なんでも何もボクの相手はキミ以外いないだろう?
……ん、あぁ、そういうことか。
ボクがカレのことを好きな理由が知りたいってことだね。
カレが生まれたときから好きだったからね、ボクは。
すっぽりと頭から抜けていた。
理由が知りたいってのは当たり前のことだ。
顔が好きとか、性格が好きとか、勉強ができるから好きとか……そんな些細なことではないからね。
一秒、一秒、惚れ直していると言っても過言ではないよ!
それにボクは生まれた瞬間から鮮明な記憶があるけど、普通の人間が生まれたばかりのことを覚えているのは相当稀なことだし。
「ふふ、なんだか随分と可愛らしい質問だね?
キミの不安そうな仕草にボクの乙女回路はぎゅんぎゅんだよ?」
ちょっと眉尻が下がったカレの表情が本当に可愛らしい。
「茶化すなよ」
「うーん、そんなこと言われても、キミのことはキミが生まれた時から好きだったからなぁ」
「いやいや……」
カレが何かを言いかけて言葉を止めた。
むむむ、どうしたら伝わるかなぁ?
ボクにとってカレの存在はなくてはならないものなんだけど。
心臓とか、脳みそとか、脊髄とか。
水とか、空気とか、大地とか、太陽とか。
内臓でもなんでもいいんだけど、それがなかったら生きていけない、存在することすらできない重要な器官とか要素なんだ。
言葉にすると簡単すぎて重要さが伝わらないかもしれない。
どうやって伝えようか考えながらカレを見つめていると、カレの方から端的に聞かれた。
「マジで?」
「マジで!」
ボクは即答したよ!
大マジ、超マジ、真剣と書いてマジと読むね。
本気と書いてマジでもいいよ!
~つづく~