黒髪ショートカット王子様系幼馴染のオレへの執着が怖い! 作:クリームパイ太郎
「マジで!」
唖然としているカレに、ボクは即答した。
ふふ、疑ってはいないね。ボクが本気で言っていることはしっかり伝わったみたいだ。
「嘘でないのは判るんだが……」
疑問を持つのは仕方ない。理由がわからないんだから。
うーん、でもなぁ。
カレが生まれた瞬間どころかカレが『発生』した瞬間から好きになってしまったのは、紛れもない真実だしね?
どうやって伝えたものか……?
今、このときに、ボクがキミのことを好きなんだから、理由なんてどうでも良いと思うんだけど。
うーん、少しカレの立場になって考えてみよう。
カレがボクのことが好きだって気持ちは、カレの中にある事実だけど。
ボクがカレのことを好きだってことは言葉にしただけだ。
好きになった理由はなんだろう?
いつからだろう?
物心ついたときには一緒にいたし、今日の今日まで寝る時間以外のほとんどの時間を一緒に過ごしてきたけど、きっかけが不明だ。
いつのまにか?
長い時間を一緒に過ごしてきたからありえるだろうけど。
それにしては好意の純度が高すぎる!
もはや水よりも濃いのでは?
こんなところかな?
カレにとっては明確な理由が必要なのかな?
理由が判らないのはあたりまえなんだけどね。
なんせカレが生まれる前のことだから。
あぁ、そうか。
これからもボクと一緒に在り続けるために必要なんだ。
奥ゆかしいカレのことだ。
いつか、ボクがカレから離れていってしまうのが怖いのかもしれない。
全く、そんなことありえないのに……
むしろカレがボクから離れてしまうことの方が不安だよ!
まぁ、そんなさせないけどね。
ふふ、もしも万が一……万に一つどころか素粒子レベルの可能性すらないけど、そんなことになったら、物理的にカレを……
おっと、今はそれよりもカレの話を聞かないと。
「はは、今更それを聞くんだね」
「あぁ、オマエをオレのモノにしたからな」
ふぁっ!? それ、ものすごくかっこいい!
ろ、録音したいからもう一回言ってくれないかな。
後から絶対に録音させてもらおう。
「ふふ、そうだね。
ボクの身体でキミの触れていない場所などないかもしれない。
それこそ身体の中まで、ね」
そうなのだ!
まっさらな新雪に、最初の足跡を落としたのはキミだ。
真っ白で汚れ一つ無かったボクに痛みで刻まれたキミの痕。
生まれてからずっと守っていたものは踏み荒らされて、キミの痕跡だらけになってしまったけど。
ボクのとっておき。
キミに汚されるためだけにとっておいた無垢を寿ぐ白布だ。
ふはははは! 今日一日でボクはカレの色に染められてしまったよ。
「あー、まぁ、そうだな」
「うん、ここはキミのでいっぱいさ!」
下腹部の奥が、きゅんと熱い。
「あ、でもまだキミのを飲んだことないから、身体の中は全部とは言い難いかも?」
「くっ! 今から飲ませてやろうか…」
「望むところさ!」
テイスティングは絶対にさせてもらうぞ!
しかもこれから毎日だ!!
それこそ一舐めしただけで、キミの健康状態が判るくらいになるまでだぞっ!
ふふふ、体操着やパンツでアレだけ刺激的なんだ。
キミの濃縮還元汁を口内で直接受け止めてしまったら、どうなってしまうんだろう?
どんな味がするのかな?
香りは?
栗の花に近いって聞いたことあるけど?
鼻腔から突き抜ける香気を想像しただけで……あぁ、あぁっ!!
……はっ!?
想像に浸ってる場合じゃない!
実物がすぐそこにあるじゃないかっ!
しかも、未だに臨戦態勢だし。
さっそく味見させてもらおうじゃないか!!
「さぁ、こちらに差し出してくれ!」
「い、今はいいから!」
えー。
「しかし、まだ硬いままじゃないか。
……と言うか、大丈夫なのかいそれ?」
「わからん。
萎える気配がない」
カレも理解しているのかもしれないね。
カレとボクは一つになるために生まれてきたんだから。
一回や十回でおさまるはずがないんだ。
「まぁいい。
何度か出せばいずれ治まるだろう?
手、口、胸……試す場所はいくらでもあるね?
キミのコレクションには足もあったかな?
あぁ、腋で……なんてのもあったけど、なかなか奇抜だね?
ボクでもできるだろうか?
そうそう、それとキミが持っているコンテンツで一番多いジャンルのア……」
「い、今はいいからっ!!」
最後まで言わせてもらえなかった。
恥ずかしがらなくてもいいのに。
ボクだってカレとしてみたいことはいっぱいあるからね!
カレの所持コンテンツは腹立たしくもあるけど、カレの嗜好を知る上では役に立ったかな。
それにしてもなかなか折れないね?
見たところ青スジが浮かぶほど猛り狂っているようなんだけど?
我慢なんかしてほしくないなぁ。
ボクもしたくないし。
あ、焦らしプレイは可!
「む、こんなことなら最初に飲んでおけばよかった。
しかし、一番搾りはやっぱり……で受け止めたいだろう?」
ふふふ、受け止めた瞬間にボクは女の子であることをわからせられてしまったよ?
そう! 女の子わからせ汁だっ!
女の子に生まれてきたことを感謝してしまうくらい、素晴らしい体験だった。
ふふふ、ボクのセリフにカレもぐっときているみたいだね?
「まぁ、長い付き合いじゃないか。ボクの予定とは違ったけどちゃんと結ばれたんだ。
今更どうでもよくないかい?」
だって、どんなことがあろうともボクはキミを離しはしないのだから。
「知りたい」
「なかなか強情だね。
うーん。
……じゃあ、キミはボクのどこが好きなんだい?
教えてくれたらボクも答えるよ」
「全部だ」
ボクの要望に、すぐさま応えが返ってきた。明確な、それでいて揺るぎがないカレの意思にボクの方が動揺してしまった。
ボクはカレが生まれた――発生したときから好きだったから、とっくに覚悟なんてできているんだけど、カレがここまで固い決意を持っていたなんて。
これからじっくりと外堀を埋めて、周りを固めて、包囲して、逃げられないように、ボクの
もうすでに、そんな必要もないのかもしれないね。
「そ、即答!?
でも、ちょっと雑な答え方だね?」
雑でもなんでもいいんだ。嬉しすぎて鼻の奥がちょっと痛い。
「雑な答え方とか言いながらも顔を真っ赤にしているところが好きだ」
「くっ、我がことながらチョロすぎるな、ボクは」
そんなの当たり前なんだ! だってボクは15年以上待っていたんだからね。
さっき初めて『好きだ』ってはっきりと言われたんだ。
チョロくもなるさ!
カレがアゴを引いて、ボクの顔をじっと見つめてきた。
「笑っているところが好きだ。
怒っているところが好きだ。
晴れの日に機嫌が良いオマエが好きだ。
雨の日に憂鬱そうにしているオマエが好きだ。
春にオレを誘ってくれるオマエが好きだ。
夏場の暑さでまいっているオレにくっついてくるオマエが好きだ。
秋に体重を気にするオマエが好きだ。
冬に寒そうにしているオマエが好きだ。
何か考え事をしているときの仕草が好きだ。
髪をかき上げたときの仕草が好きだ。
歩いている時の姿勢が好きだ。
丁寧に食事をする姿が好きだ。
毎朝オレに笑いかけながら挨拶してくれるところが好きだ。
さりげなくオレに触れてくるところが好きだ。
オレへの不利益がないように注意してくれるところが好きだ。
いつもオレの勉強がおろそかにならないように気にかけてくれるところが好きだ。
毎日オレのために食事のバランスを気にしてくれているところが好きだ。
オレの好みを把握しているところが好きだ。
オレの世話を焼いてくれるところが好きだ。
オレの気を引くためにエロい誘い方をしてくるのが好きだ。
オレは子供の頃からオマエのことがずっと好きだった。
とにかく好きだ。
オマエが好きだ。
大好きだ」
ちょ、ちょちょちょ!
溢れてしまう!
キミの口からそんなにいっぱい『好き』を伝えられてしまったら、ボクの気持ちが溢れてしまう!
カレの真剣な眼差しがボクを射貫く。全身が甘く痺れて目の前がちかちかした。
とろとろに溶かされてしまったのはボクの方だ。
そんな内心をなるべく表には出さないように堪えながら、熱くなった顔をボクはぱたぱたと扇いだ。
だって我慢しないと、二度三度どころか際限なくカレを求めてしまう、絶対に。
それだとカレの疑問に答えられなくなってしまうからね。
ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ我慢しよう。
しかし、念願叶ってカレと結ばれた後なのに、意中の人から好意を明確に伝えられることがこれ程嬉しいとは……
やはり体験してみて初めて分かる事もあるものだ。
初めてのときの痛みと一緒だね!
痛い、痛いと聞いてはいたけど、痛みだけでなく痛いけど気持ちがいいなんてことがあるのだと知ることができた。
カレから与えられる刺激だと痛みすら気持ちいいという事実。
ふふふ、今後のプレイの幅がすごく広がってしまうね!
~つづく~