黒髪ショートカット王子様系幼馴染のオレへの執着が怖い! 作:クリームパイ太郎
「ふふ、おおよそ理解っているよ?
でも、キミの口から理由を聞かせて欲しい」
「む……」
自分のことなだけにカレも察しがついているのか、若干諦め気味だね。
さぁ、覚悟を決めて本当のところをボクに教えてくれ。
「キミが心中を吐き出してくれたら、ボクはとても嬉しいよ?」
「あー、その、なんだ……」
言い淀むカレはとても可愛らしい。
まるで恥じらう乙女のようじゃないか。
まぁ、カレの純潔はボクが散らしたんだけどね!
覚悟が決まるまで待ってあげてもいいんだけど、さっさと
よし!
「まぁ、話を蒸し返すんだ。キミにも何か見返りがあったほうがいいね?」
「ん?」
カレが分かりやすく反応する。
「答えてくれたら、キミの願望を一つ叶えてあげようじゃないか」
「え? まじで!?」
「……すごく喰い付きがいいね」
カレもなかなか現金だ。ちょっとサービスしすぎたかな?
でも、カレにする奉仕的な活動はボクの望むところでもある。
というか、むしろ今後はボクに依存するレベルでいろいろする所存だ!
しかし、ずいぶんと考え込んでいるね。
カレはうんうんと唸りながら思案している。
……いったいどんなことをお願いするつもりだろう?
「ず、ずいぶん考え込んでいるけど、いったいどんなことを……」
はやまったかな?
「……よし、決まったぞ!」
カレが会心の表情をボクに向けてきた。
カッコいいんだけど、この状況で発揮されても困惑するしかないよ?
「なんかものすごく良い笑顔だけど……い、いったいどんなことを思いついたんだい?
まぁ、どうせえっちなことなんだろうけど」
「うむ、マイクロビキニを着て腰ヘコちん媚びエロ蹲踞をオレに見せてくれ!」
い、意味がわからない言葉の羅列に圧倒される。
「え? マイクロビキニは理解るけど、腰……なんだって?」
「腰ヘコちん媚びエロ蹲踞だ!」
「な、なんか不穏な響きのする単語がくっついているけど、要はえっちなポーズをして欲しいってことかな?
そんなことなら全くもって構わないよ。
ボクの悩殺ポーズでキミをメロメロにしてあげようじゃないか」
うん、ボクの圧倒的な色香で魅了してやるぞ!
ただ、言葉の並びが不穏当にも程があるね。
とくに
「やり方は教えてくれるんだろう?」
「もちろんだ!
マイクロビキニはオレが用意するぞ!」
「む、なんか早まったことをしてしまったような気がしてきたんだけど」
「そんなことないぞ」
カレのさわやかな笑顔が、余計にボクの不安を煽ってくるね。
まぁ、カレに見せるんだったら、どんなえっちなポーズでも構わないんだけど、マイクロビキニだしなぁ……
「少し不安になってきたよ」
それはさておき。
カレに後払いとはいえ、ご褒美の約束もしたんだし!
「それじゃあ、教えてくれないか?
どうしてボク宛のラブレターを、キミ宛のモノだなんて偽ったのか」
「まぁ、その、アレだ……」
言い出しづらそうに、お茶を濁すカレ。
本音を吐き出すってのは、難しいモノだ。
でも、カレも自覚してるだろうし、早く吐き出して楽になった方がいいよね?
さっさと楽になって、今度はボクの
ちょっと先の未来を想像しつつ、ボクはにんまりとした笑顔をカレへと向ける。
顔をしかめて、ますます言いにくそうにするけど、カレはゆっくりと口を開いた。
「なんというか……」
「うん」
「オマエが……」
「なんだい?」
「……他のヤツから」
「うんうん」
「……ラブレターを貰っているのが気に入らなかった」
「嫉妬だね!」
よし! カレから本音を引き出したぞ!!
あぁ、あぁ!
カレもきちんとヤキモチを焼いてくれるんだね。
今まで、ボクが何度も告白されていることをカレは知っていたはずなのに、いまいち反応が鈍かった。
もちろん相手が女子生徒ということもあったからなんだろうけど。
でも、すごく不安だったんだ!
「……だ」
「ん? 聞こえなかったのでもう一度言ってくれないか」
「……そうだ!」
ふふ、開き直ったのかな?
カレは大きな声ではっきりと宣言した。
「オマエがモテることが気に入らない」
「それはモテるボクが羨ましいってことかい?」
「ちがう! オレのモノにちょっかいをかけてくる輩がすべからく腹立たしい」
うわっ!
オレのモノ、だって!!
「ん~~~~っ!!!!」
嬉しすぎて、言葉にならないよっ!
嫉妬の源泉なんて明白だ。
カレのボクへの好意だろう?
要するにカレは、ボクのことが、ずっとずっと大好きだったんだ!
「キミの妬心は確かに受け取ったよ!
あぁ、ボクは果報者だね。
嬉しすぎておなかの奥がきゅんきゅんしてしまう」
我慢しきれずボクは、カレの唇へボクの唇を押し付けた。
もっと、もっと!
なにかしたい! いっぱいしたい!
この嬉しさをカレに伝えたい!!
「あぁ!
もうたまらない!
キミのためならなんでもするし、なんでもしたいっ!」
さっきは勿体ぶって、「一つ願望を叶える」なんて言ったけど、ホントはそんな交換条件なんていらないんだ。
カレの望むことならボクはなんだってしちゃうぞ!
「あんまり迂闊なこと言うなよ。
ものすごいエロいことを要求するかもしれないぞ」
「それだって構わないさ。
……どうせしてくるだろ、えっちなこと?」
「あ、う……」
言葉に詰まるカレ。
ふふふ、コレはもう絶対えっちなことを想像しているね!
「ふふ、いったいどのくらいえっちなことを、ボクに要求するつもりだい?」
「お、オマエこそオレにして欲しいことあるだろ?」
「うん?
もう十分してもらってるさ」
「足りねえよ。
オレだってオマエに何かしてやりたい」
「んー、差し当たっては、その……」
「なんだよ、オレには難しいことなのか?」
「いや、そんなことはない」
せっかく、ようやく、やっとのことで恋人同士になれたのだ。
「その……デートがしたい」
「んん?
毎週遊びに行ってるだろ?」
「そうではなくて。なんというか……」
ほら! あるだろう?
友達以上恋人未満の幼馴染が、そんな関係を卒業してから初めて二人で遊びにいく感じの!!
「よし、デート行くか!」
カレも察してくれたようだ。ボクの目を真っ直ぐ見て誘ってきた。
「え? あぁ、うん。
……デート、行きたい!」
「エスコートは任せてくれ」
「うん、期待しているよ。
ああ、とは言ってもプレッシャーをかけるつもりはないんだ。
キミと一緒なら何処に行っても楽しいんだ。
それこそ近所の公園だって十分だ」
いきなり野外はハードルが高いね。
乗り越え甲斐がある!
「まぁ、初デートなので気張らせてくれ」
「ボクとしてはいきなりホテル直行というのも……」
これなら手っ取り早くていいし、ホテルデートってのもアリ寄りのアリだ!
「気張らせてくれ!」
でもカレは頑なにエスコートすることを譲るつもりはないみたいだね。
可愛いカノジョとしては、カレシを立てるのも務めだ。
「ふふ、わかったよ」
「あとは、そうだな。
どうしても行きたいところがあればデートコースに入れるぞ」
「うん! じゃあ、一つだけ……」
「なんだ?」
「最後はキミの部屋に行きたい」
「そんなことでいいならお安い御用だ」
まぁ、その、やっぱり最後は……ね?
あと、カノジョになったから改めてカレシの部屋に行きたい!
カレシの部屋でえっちな本を見つけてしまって、カレに取り返されそうになったところで揉み合いになって、足がもつれてベッドに倒れ込んでしまって、偶然押し倒された形になって良い雰囲気なるみたいな感じのイベントを起こしたい!
「キミの両親がご在宅だったらボクの部屋で」
「オマエの両親がいたら?」
「ボクの家は広いから多少大きな声を出してもバレないよ」
キミとボクで部屋の防音性能のテストをしようじゃないか。
「デートの確約も取れたし、明日からの学園生活に胸が膨らんでしまうね」
「十分膨らんでるけどな」
「大きいほうが好きだろう?」
まだ成長の余地もあるぞ!
「ああ、そうか。
ボクの今後の立ち回りも検討しないといけないね」
「ん?」
「さっきも言ったが、キミと結ばれたんだ。
もう王子様なんてやる必要ないからね」
「あー」
ボクの重さを受け止めながら、カレは何か考え始めた。
邪魔するのもなんなので、カレの匂いを堪能していよう。
くんくんすると汗の匂いが鼻を突く。
あぁ、脳みそ溶けちゃいそうだ。
さらにごつごつとしたカレの
と、そんなことをしていたら、カレは無意識なんだろうけど、ボクの下腹部へ触れてきた。
「うーん」
指先で触ったり、擦ったり、とんとんしたり、ぐりぐりしたり。
ちょっ!?
なんか! なんか、それダメだ!
下腹部からじんわりと広がってくる熱が、次第におなかの奥の方まで……
ボクを気持ちよくしようとか、責め立てようって意図は感じない。
あくまで思考に没頭している時の手慰みだ。
それなのに!
「ふぁ、ん!
ちょっとキミ、ドコ触って!? くぅ!
あ、ダメぇ! そこ弱いから!」
ボクの声が聞こえているのかいないのか!?
カレはますます深く思考していく。
それに合わせて、指の動きが強く激しくなってボクを昂らせる。
「ああああぁ! さっきからダメって言ってるのに!」
ボクの声が全く届いていない!
手のひらで押してきたり、捏ね回したり。
おなかをリズミカルに揺らされるのが、とくにやばいよ!
「ふぁ! ダメっ、イっ……」
「オマエ、王子様やめたいの?」
あ、あと少しだったのにぃ!
「あぁ、今止めたら……」
ボクは不満を込めてカレを睨んだんだけど、カレはどこ吹く風というか、ボクに何をしたのか気がついてもいないみたいだ。
「どうした?」
「うぅ、酷いじゃないかせっかく……」
ホントに酷いよぉ!
「せっかく?」
むぅ! いいさ、後から埋め合わせてもらおう。
「な、なんでもないよっ!
で、何の話だい?」
「うん? だから王子様をやめたいのかって?」
「別にどちらでもいいという感じではあるんだが、やめたからと言って振る舞いを変えるつもりもないし……」
というか、振る舞いなんて変えられない。
カレへの接し方は自然と変化してしまうだろうけど、他の有象無象なんてどうでもいい。
王子様を今までのように続けるつもりはないけど、付き合い程度は必要だろう。
「キミが望むなら、今後はラブレターなど受け取らないようにしたり、女子の告白にいちいち付き合ったりしないってところかな」
「あー……」
納得顔のカレを見つつ、今後の算段を考えてみる。
カレと付き合い始めたことは、学園内の噂として広がっていくだろう。
事実だから、カレと親密なところを見せていけば、告白なんてしてくる輩は徐々に減っていくんじゃないかな?
学園であからさまにいちゃつくのは問題があるにしても、自然と雰囲気とかはでてしまいそうだ。
……ボク、我慢できるかな。
「んー、まぁ、今まで通りでもいいんじゃないか?」
カレがそう言うなら、ラブレターなんかは今まで通り処理していくけど、カレとの時間を削られるから告白イベントはなるべく減らしていこう。
「じゃあ、女子からのものは今まで通り対処するよ」
「男子からのは?」
「うん? そんな汚物は今までも受け取ったことはないし、今後も受け取るつもりはないよ」
ボクの答えを聞くと、カレの表情に少しばかり暗い影が刺した。
なんだろう? 嬉しいんだけど素直に喜べていないような?
……あぁ、そういうことか。
ボクを手に入れて、徹底的に己の
まったく、そこは素直に喜んで欲しいのにっ!
「そんなことは気にする必要なんてないさ!
事実、ボクはキミのカノジョなんだからね。
その優越感には存分に浸って欲しい」
「……オレの心を読むなよ」
「ふふ、キミのことならなんでもわかるさ。
例えば……」
「お、お? うぉ!」
カレの首筋を舐める。
舌先でカレの汗を味わっただけで、ぞくぞくした。
「ほらほら、やられっぱなしでいいのかい?」
カレには自覚してもらおう。
キミが手に入れたボクは、ずっと以前からキミのモノになるのを待っていたんだってことを。
煽り倒した生意気なカノジョをわからせてくれよ。
ボクはカレの頸動脈に歯を立てて、弾力のある首筋を甘噛した。
「こんなナマイキなカノジョはわからせてやらないと!」
ついでだ! マーキングもしておこう。強めに吸い付いて、カレがボクのモノであることの痕を残す。
「キミのしたいようにしてくれよ」
カレの口元が大きく歪んだ。
いいね! ボクの考えがカレにも伝わったみたいだ。
「そうだなっ!」
カレが力強くボクの両手の手首を掴んで、ベッドに押し付けてきた。
「オマエが誰のモノになったのかわからせてやる!」
「うん。
わからせて……」
貪るように唇を重ね、狂ったようにカレを求めて、溶け合いながらボクを差し出した。
全部、全て、残さず奪ってくれ!
その瞬間、カレとボクの世界は完成した。ただ残るのは、カレの吐息と、ボクの叫びと、重なる鼓動と、柔らかく混ざり合う体温。
カレとボクは完全無欠に結ばれた。
「あぁ、気持ち良すぎてどうにかなってしまいそうだ」
「オレもだ。
全然、治まらない」
「こんなに素晴らしいことを15年間も保留していたなんて……
ボクはなんてもったいないことをしていたんだ。
さっさとキミを押し倒して、ボクの虜にしておくんだった!」
「……オマエは何歳でオレとするつもりだったんだよ」
「精通と初潮さえきてしまえばいつだっていいだろう?」
「生き物としてはそうなんだろうが……」
「ちなみにキミの精通は……」
「い、言わなくていいから!」
む、一番搾りを得られなかったのは痛恨の極みだったのに!
「キミのことならなんでも知っているよ、ボクはね」
「だからオレの心を読むなと」
「はは、分かってしまうんだから仕方ないさ。
もっとボクをめちゃくちゃにしたいんだろう?
続けてくれよ、キミが満足するまで」
「朝までだって続けてやる」
「ふふ、朝チュンだね?」
「それはちょっと違う」
「目覚めたらコーヒーを淹れてあげるよ。
もちろんキミのワイシャツを着てね。
彼シャツってやつだね。
一度はやってみたい」
「それは是非お願いします」
キミの癖のど真ん中だものね!
「さぁ、クライマックスだ」
カレにもボクにも余裕がでてきたぞ。
食事するように、勉強するように、遊ぶように、カレとボクは笑ったりフザケたりしながら目一杯、繋がれるんだ。
もう、今が何時なのかも、どうでもいいくらい楽しい。
「『激突! 種付けプレスVSだいしゅきホールド』って感じだね」
「……ムードを壊すなよ」
「はは、すまない……ん」
カレとボクはどちらからともなく唇を重ねた。
さぁ、始めようか。
キミとボク、どちらかが音を上げるまでの睦み合い。
この瞬間はボクだけのモノだ。カレの記憶にも、カラダにも、心にも、ボク以外が入り込む余地はない。ひとつになったカレとの熱は、永遠にボクへと刻まれて、初めてを終わらせた証になったんだ。
ちなみに、カレもボクも記憶が曖昧になるまで
我ながら節操がなかったと思うけど、ボクの生まれる前からの思いが弾けてしまった結果だから仕方ないよね!
異常なまでのカレのがんばりっぷりも、とても素敵だった。
そんなカレのことが嬉しくて、ボクも調子に乗っていろいろしてしまった!
うん、勝敗という意味では痛み分けってところだろうね。