黒髪ショートカット王子様系幼馴染のオレへの執着が怖い! 作:クリームパイ太郎
「なぁ、ちょっとコンビニ寄っていいか?
遠回りになっちゃうけど」
「あぁ、もちろん構わないけど?
通学路にコンビニがないってのは少しだけ不便なんだよね」
「そうか?
学園内に購買あるから、そこまで困ったことはないけど……」
「学園の購買は和菓子が充実していない。
というかほとんど無い!
スナックとかチョコばっかりだよ。
ボクにとっては歌舞伎揚げがあることが唯一の救いかな?」
「確かに。
小さい羊羹が陳列されているくらいだったような……」
「練羊羹だね。
せめて抹茶と芋くらいあってもよいだろうに」
「あれ、お手軽に食べれるからオレけっこう好きなんだが。
激しめの運動前のエネルギー補給って感じ」
「うん、そうだね。
消化も良さそうだし。
今度からボクの部屋にも常備しておくよ!
「べ、別に必要ないからっ!」
「ん?
あぁ、そうか。
基本的に食後とかおやつの後が多いから確かに必要ないかも?
でもほら!
即効性のエネルギー食があればさ、そのまま続けられてよくないかい?」
……必要かもって思ってしまった。
七月の初め、夕暮れの風が汗ばんだ肌を撫でていった。
昼間の焦げるような陽射しはようやく影をひそめ、街の空気にもわずかに、ほんのわずかに涼しさが混じり始めている。
どこかで鳴いているひぐらしの声が響いて、茜色の空がオレと王子様を見下ろしていた。
遠回りといっても家から数分の距離だ。
「そう言えば、何を買うつもりだい?
大概の物ならボクの家にあるけど」
「食玩」
「あぁ、あれか。
懐かしいね」
王子様と子供の頃に集めていた
たまたまネットのニュースで見たのだ。そのことは王子様も知っていて、昼休みに話題を振ったら殊の外盛り上がってしまい、無性に買いたくなってしまった。
「ちなみにボクは当時のモノをまだ所持しているよ。
キミが飽きてしまって放置していた分も一緒にスクラップして、押入の奥にしまってあるはずだ」
「たしか……けっこうなプレミアになっていたような」
「ふふ、売らないよ。
大事なキミとの思い出だからね。
ボクにとってはプレミア価格なんて比べ物にならないくらい貴重品だ」
王子様は物持ちもいいんだよな。
壊れるまで使い倒すし、修理できればするし。
古いものが好きなのか?とも思ったこともあった。
なぜかオレが使い古したモノを欲しがるし。
まぁ、深く考えてはいけないと最近になって理解してしまったが。
「さぁ、着いたぞ。
売ってるといいんだが」
王子様とだべっていたら着いてしまった。
ファ#レラレミラ~、ミファ#ミラレ~
夕方になり日中よりはマシになったとは言え、店内の涼しさは格別だ。
体内に溜まった熱を吐き出すように、王子様は深く呼吸していた。
王子様、わりと汗っかきだからな。
というか、水っぽいのだ、王子様は!
唾液も多いし、よく湿るしなっ!
「……なにか不埒なことを考えていないかい?」
「そんなことはないぞ。
早速食玩さがしてくるわ」
しれっと誤魔化して、オレはさっさと菓子コーナーへ向かった。
危ない所だった……
~つづく~