黒髪ショートカット王子様系幼馴染のオレへの執着が怖い! 作:クリームパイ太郎
「だいぶ涼しくなってきたね?」
「あぁ、そうだな。
やっと夏が終わった気がする」
月も変わり、ようやく秋の気配が感じられる気温になってきた。
リビングの窓を開けておけば涼やかな風が入ってきて心地よい。
ただ、エアコンの稼働率が下がったかというとそんなこともなく、夜は相変わらずフル稼働だった。
窓を開けておくと声が……ね?
ボクの前に居るカレは、夏真っ只中と変わらずTシャツにハーフパンツという薄着の格好だ。
なんとも目の保養になってボクとしては嬉しい限りだ。
部屋着だからなんだろうけど、ちょっと首元がよれたシャツのせいで、時折鎖骨とか胸板とかがチラ見えしてしまうんだ。
漫画を読んでいるだけなんだけど、ボクを誘惑しているとしか思えないんだよね。
そんなあられもない格好でボクの部屋でくつろいでいるんだ。
襲ってしまってもいいんだろうか?
もちろんキミの部屋でボクがあられもない格好をしているときは襲ってくれて構わない!
ただなぁ、襲うのも悪くないんだけど、出来れば襲われたいなー。
獣のように荒々しくカレに押し倒されたい!
ふーふー呼吸を乱して、血走った目をして、ボクを組み伏せた上に、力強く手首を押さえつけられて、強引に唇を奪われたい!
もしくは、唇を奪われる直前に覚悟を決めたボクが、身体の力を抜いてそっと唇を差し出したら、カレも我に返って急に優しげな感じになるのも捨て難いね!
むむむ、この二択はなかなか難しいぞ。
どっちも選びたいけど、同時には選べないし。
そんなことを考えていたら、カレの訝しんだ様子に気がついた。
「なんだ?」
どうやらボクは、カレの艶姿に見惚れてしまっていたらしい。
カレが不思議そうな顔をボクに向けてきた。
そんな表情もボクにとっては魅力的に映ってしまう。
嗚呼、キミは罪作りなヒトだ。
ボクをこんなにどきどきさせて。
捕まえちゃうぞ!
ちなみに罪状は、ボクをむらむらさせた罪!
ボクの胸の中で無期懲役だ!
えっちに誘ってきたキミが悪いからしょうがないよね?
「いや、なんでもない。
温かい物でも淹れてこようか?」
「んー?
まだ寒くないぞ?」
カレも割と暑がりだからね。
薄着でいたいのだろうけど、風邪でもひいてしまったら大変だ。
まぁ、もしもカレが体調を崩したとしても、ボクが全力をもって看護するけどね。
病気の時は安静にすべし!
カレが指一本動かさなくていいように、飲み物はボクが飲ませてあげるし、食べ物はボクが食べさせてあげるよ。
もちろんスプーンなんて使わないぞ!
全部ボクから口移しだ!
………………すごくいいんじゃないか?
今までカレが病気になったときは、お見舞い程度しかできなかったけど、これからはボクが手厚く看病できる!
そういう関係だ、カレとボクは。
食事のお世話だけに留まらないぞ!
病に臥せっていても新陳代謝はするからね。
カレの身体を清潔にするのもボクの役目だ。
ふふふ、丁寧に、丹念に、入念にカレをきれいきれいしちゃうぞ!
頭のてっぺんからつま先まで。
身体の溝という溝をね!
耳の後ろ、首筋、脇、おへそに……おちん……ふふ、口には出せないけれどカレの一番敏感な部分もボクが、細心の注意を払って、ぬかりなく、心を込めて舐め……拭いてあげるぞっ!
でも、ちょっとくらいなら舐め……いやいや!
それにそれに!
カレが動けないってことは、必然的にトイレなんかも……
「お、おい!
大丈夫か?」
「んぁ?
なんだい?
キミが風邪をひいてしまってもボクが万全の看護をするから安心してほしい」
「なに言ってんだ、オマエ?」
心配と呆れが半分ずつの微妙な表情のカレが、ボクの視界に飛び込んできた。
「あぁ、いや、なんでもないよ?
キミこそ大丈夫かい?
目の前にチャンスが転がっているんだよ?
ボクがぼんやりしていたんだ。
悪戯の一つもしたらいいじゃないか?
そう!
無防備なボクを一気に押し倒して、強引に唇を奪い、シャツを捲りあげ、ホットパンツを引きずり下ろして……」
「や、やらんわ、そんなことっ!」
カレは顔を真っ赤にして目を逸らした。
それはそれで残念なんだけど、不埒な妄想をしていたことは誤魔化せたようだね。
よくよく考えてみたら、カレには病気になって欲しくないから、あんまりよいことではないね。
反省、反省。
反省はするけど、カレが風邪をひいてしまったら必ず実行しよう。
「で、なんの話をしてたんだっけ?」
妄想が捗りすぎて、脳がオーバーヒート気味だ。
「いや、特になんの話題でもなかったが。
涼しくなってきたなって話をしてただろ?」
そうだった。
カレと秋らしいことをしたいな、と思って話題を振ったんだった。
「うん。
初秋の涼やかな風が夏の名残を攫っていったんだ。
月も変わったんだしそろそろ秋らしいことでもしないかい?」
「ふむ。
なんでいきなり詩的になったのかはさておき、出掛けやすくはなったよな」
ボクは乙女だから、たまに詩的になってしまうのだ。
「うんうん!
キミの冬物の服を買いに行ったりしてもいいんじゃないかな?
ボクにコーディネートさせてくれよ。
衣替えだ」
是非ともキミを着飾らせてくれ!
お揃いのセーターでペアルックとかいいよね!!
あ、でもセーターだったらボクが手編みで作った方がいいかな?
ボクの
「それは嬉しんだが、ちょっと小遣いが……」
「うーん、それは仕方ないね」
カレはアルバイトをしたがっているんだけど、ボクが渋っている。
だって、カレと一緒に過ごす時間が減っちゃうじゃないか!
別にデートだってお金が掛かるところに行きたいわけじゃないし、カレとだったら近所の公園でもいいくらいなんだ。
おうちデートで引き籠もっていたって構わない!
むしろその方が余計なモノに邪魔されず、カレと二人きりの世界で……ふふふ。
まぁ、手編みのセーターで決まりだね!
ペアルックもできるし、カレの冬着を新調できるし、ボクの想いも篭められるし一石三鳥だ。
「じゃあ、秋といえば何があるかな?」
ここはカレと一緒に決めていこうじゃないか。
「え?
あー、そうだな。
やっぱ秋といえば食べ物だよな。
食欲の秋!」
「いいね!
ちょうど鹿児島産と茨城産のさつまいもが届いていたんだ。
煮て良し焼いて良しだね。
焼き芋が定番かな?
天ぷらもいいね。
スイートポテトも捨てがたい」
「おお!」
「もちろんボクが作るよ。
焼き芋だったら、キミの家の縁側で落ち葉を集めて焼いてもいいし」
「いいな、それ。
焼き芋なんて久しくやってない」
「秋の味覚は他にもあるよ?
栗おこわにサンマの塩焼きなんて最高じゃないか。
果物だったら梨と柿だね。
ボクは梨が好きだ」
「知ってるよ。
うむ。
やはり秋は食欲だ!」
「うんうん!
食欲を満たしたら、次は性欲ってことだろ?
さぁ、ボクのことも食べてくれよ?」
「そんなことまで考えてねぇよ!」
なぜか怒られてしまった。
さっきからカレは顔を赤くしてばっかだけど、照れ屋さんだね?
「……食べてくれないのかい?」
「食べないとは言っていない」
そっぽを向いて、ぼそりと言うカレに心のなかでにんまりとしてしまった。
「よし、言質も取ったし後で食べてもらうにしても。
秋といえば他にもあるよね?」
「そうだな。
メシを食ったら運動だろう?
スポーツの秋!」
「っ!!
ふふ、もう、キミは素直じゃないなぁ。
それって要するに夜のスポーツを、
あぁ、ボク、キミの持久力についていけるんだろうか?
秋の夜長に全力疾走(意味深)だ!」
「全力疾走(意味深)じゃねぇよっ!」
「じゃあ、夜に限定するのはやめようかな。
スポーツの日は1日中
「い、1日中か……」
カレのアゴ先にたらりと汗が流れた。
ふふふ、その日は食べ物や飲み物なんかも手間がかからないようにあらかじめ用意しておかないとね。
作りたての物を食べさせてあげたいけど、作っている時間が勿体ない!
ここはボクの料理の腕の見せ所だね。
時間が経過しても美味しい物を作り置きしておこう。
むむ、また食欲の秋っぽくなってしまうね。
「さぁ、まだあるだろう?
寒くなる前にいろいろとやっておこうじゃないか?」
寒くなったらなったでカレと密着する理由が簡単に作れるからいいんだけどね。
……いや、暑くてもカレとは密着するけど。
「そ、そうだ!
1日中家でセッ……スポーツするのも悪くないんだが。
やっぱデートもしたくないか?」
「それはもちろん!」
「紅葉狩りなんてどうだ?
ハイキングならスポーツの秋にも合ってるし」
「え?
……あぁ、なるほど。
それはいいね。
ふふ、キミもなかなか上手な隠語を思いつくものだ」
「い、隠語?」
カレが困惑した顔で聞き返してきた。
まったく、しらばっくれなくてもいいじゃないか?
「大丈夫だよ?
キミの
ぞくぞくしてきちゃうよ、ボク」
ボクは慈しみをもって、カレへと笑いかけた。
あぁ、キミの好きなプレイくらい全部受け止めてあげるよ?
「な、何を言っているんだ、オマエ?」
「うん、みなまで言う必要はないよ?
紅葉狩りってアレだろ?」
カレから与えられる甘美な刺激を想像すると、我知らずほっぺたが熱くなってしまう。
ボクは自分の頬を両手で隠して、身をくねらせてしまった。
だって、カレからこんなに熱くリクエストされてしまったら、カノジョとして応えないわけにはいかないだろう?
「ボクの臀部に真っ赤な
もう、そんな遠回しな言い方しなくたって、ボクはいつだってウェルカムだ!」
「ち、違うわーーーっ!」
カレは焦ったように否定してきたけど、事実を突きつけておこうかな?
「でも、ボク……叩かれたことある」
「あ、う……」
カレは言葉に詰まって、口をぱくぱくさせていた。
もう、さっきからボクは構わないって言っているんだから良いじゃないか!
それに、なんというかもっとこう強引っていうか、カレの思う様に振る舞ってほしいというか。
口答えするボクの口を強引に塞ぐとか、問答無用で押し倒すとか!
いきなり組み伏せて、四つん這いにさせたあげく、ボクに腰を高々と突き出させて、ぺろりと剥いてから、それこそ真っ赤な紅葉を貼り付けてやればいいのだ!
例えばこんな感じっ!
「おら、生意気なカノジョにはお仕置きしてやる!」
「うわー、いきなり何を!?」
「口答えばかりしやがって!
今からオマエは『はい、わかりました』以外の言葉を言うな!」
「そんな、ひっ!?」
反論しようとしたボクのお尻を、カレはいきなりひっぱたくんだ!
「うるさい。
オレの言ったことを聞いてなかったのか?」
「ぐす……
はい、わかりました」
「よし!
まずは、そこの壁に手をついてケツを突き出せ」
「あ、うぅ……はい、わかりました」
ボクが怖ず怖ずと壁に手を置いて、カレの大好きなお尻を差し出すと、カレは有無を言わさず引きずり下ろすのだ!
乾いた空気がボクの肌を撫でて、ボクの羞恥心を煽る。
カレは満足気に口の端を釣り上げて、ボクへと触れてきた。
「ふぁ……」
「お仕置きだからな。
覚悟しろよ?」
「……はい、わかりましたぁ」
カレは優しげにボクの肌を撫でる。それはこの後のお仕置きの激しさを予感させるには十分だった。
「いくぞ……」
「はい……わかりました」
そして、響き渡る快音と確かな痛み。
「ひぃん!」
「そら、一回じゃ終わらないぞ!」
先程よりも激しい音が響くけど、ボクにはもうすでに痛みとは別の感覚が芽生えていた。
「まだまだ行くぞ!」
「ふぁん!
はい、わかりました!」
その後、何度も
「ダメだろ?
お仕置きされたんだから、ちゃんと反省しないと?」
ボクの様子をつぶさに観察していたカレが、ボクのことをも弄ぶように声をかけてくる。
ボク自身も自覚があって、何も言えず、ただただ甘美な刺激に震えていた。
「気持ちよかったか?」
何枚もボクへと貼り付けられた紅葉を、指先で優しく撫でながらカレが確認してくる。
「うん、ボク、お仕置きなのに……」
「よし、続きをするぞ。
今度はオレを気持ちよくしろ」
「……はい、わかりました」
「すごく、いい……」
「……は?」
紅葉貼り付けプレイ、すごくボク好みだっ!
カレの責めっ気を喚起しつつ、ボクがさりげなく受け身に回れば、カレも乗ってくるだろう。
「さて、いつやろうか、紅葉狩り?」
ふふふ、カレのことだ。きっとボクの機微をしっかりと見極めて、巧みに法悦の境地へと誘ってくれるに違いないよ!
た、楽しみすぎるーーー!
「お、おお!
別にいつだっていいが、次の休みに晴れたら行ってみるか」
……ん? 行くって? どこに行くつもりだい?
あぁ、そうか。
たまにはキミの部屋でもなくボクの家でもなく、別の場所で……ってことかな?
せっかくだし、ちょっと背伸びした格好で外泊というのも良いかも知れない!
同意書は……まぁ、うちの両親にでも書いてもらおう。
なぜかカレとの交際にはものすごく賛成されているし。
うわー! 今から待ち遠しいぞっ!
「うん、キミの服はこっちで用意しておくよ。
ボクの父の物を拝借すれば、なんとかなるだろう。
裾直しくらいだったらボクでもできるし」
「ん?
別にオマエの親父さんに服を借りる必要ないぞ?
動きやすい格好の方がいいだろ?
それくらいならオレも持ってる」ー
う、動きやすいって……いったいどんな激しいことをするつもりだい!?
ボク、どきどきしてきちゃったよ?
「あぁ、うん。
それならキミに任せるけど。
ボク、キミを満足させられるようにがんばるね?」
「んん?
なんのことだ?
まぁ、いいか!
紅葉狩りかー。
あんまり興味なかったけど、オマエと行くんだったら絶対楽しい!
こ、恋人同士なんだしな!!」
「ふふ、そうだね。
恋人になったんだから、
「あぁ、そうだ。
今から楽しみだな?」
「うんっ!」
ふふ、なんだ。カレもノリノリじゃないか!
これは内装とか設備とか入念に調べて、それとなくカレに共有しておこう。
初めてのホテルデートで、すごくいい感じにカレと過ごせそうだ!
~つづく~