※この作品はR-18です。

黒髪ショートカット王子様系幼馴染のオレへの執着が怖い!   作:クリームパイ太郎

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ボクは美容師さん(カレ専任)1

「髪の毛、伸びたかな?」

 

「ん?

 あ、そうか?」

 

 カレの少し伸びた髪を見て、なんとなく漏れてしまった言葉に、カレが律儀に返答してきた。

 

 日曜日の昼下がり。

 

 午前中は、昨夜の名残のせいか気怠げな身体を休めつつ、ボクの部屋で課題を片付けたりなんかしてカレと一緒に過ごす。

 

 こう、なんというか……まったりとしながら同じ空間にいるだけでいちゃついている感じが醸し出せるのはとてもボク好みだ。

 

 あっさりと午前中が過ぎて、昼食を摂ってからはカレと一緒にのんべんだらりとしていたんだけど。

 

 二食を摂って回復したのか、カレが熱心に予習を始めた。そんなカレをボクはうっとりと眺めていたら、ふと気がついたんだ。

 

 長髪とまではいかないけど、そろそろ前髪が邪魔かもしれない。

 

 カレは前髪を摘みながら長さを確かめていた。

 

「そろそろ散髪の時期かな?

 前回の散髪は56日前だね」

 

 長髪のカレも見てみたくはある!

 

 でも、カレの髪の毛が手に入らなくなってしまうしなー。

 

 毎度思うんだけどなかなか悩ましい。

 

「あー、もうそんな経っているのか。

 頼んでいいか?」

 

「もちろんいいさ!」

 

 そう!

 

 カレの髪はボクが切っているのだ。

 

 一年に数回しかない貴重な、カレの肉体(の一部)を自由にいじり倒せる宝石のような時間。

 

 始まりは中学生になったばかりの頃。

 

 ボクがどうすればカレと一線を超えられるか真剣に検討し始めた頃のことだ。

 

 カレの身体をボク以外の誰かが触れることに我慢ができなくなった!

 

 しかもある意味、何処の馬の骨かもわからない輩がカレの身体の一部を傷つけているとも考えられてしまう。

 

 そんなこと許せるわけがない!

 

 カレはボクのモノだ!

 

 そしてボクはカレのモノだ!!

 

 カレの毛髪――切った髪の毛とはいえ、絶対に誰にも渡したくないっ!

 

 当時、カレの散髪に付き合って行った理髪店で、無惨にも切られ床へと散らばっていく髪の毛を苦々しく見ていたものだ。

 

 あまつさえ、箒とちりとりで集めてゴミ箱へ捨てられてしまうんだぞ!

 

 ホントだったら抜け毛すら拾って集めたいくらいなのだ。

 

 ……流石に物理的に無理があるから諦めているし、お願いすればカレのことだから髪の毛くらいいくらでもボクにくれると思うけど。

 

 あ、今までボクが散髪したカレの髪はすべて真空パックして保管してあるぞ!

 

 中学生以前のモノがないことが非常に悔やまれるっ!

 

 とそんな感じで、由々しき事態であることを自覚したボクは、当時カレへとお願いしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

「髪の毛を切らせてくれないか?」

 

「……まぁ、いいけど」

 

「報酬に胸を触らせてあげるよ!

 最近大きくなってきたんだ」

 

「え、マジで!?

 って、そういうのはいいから!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 いずれ揉み倒してしゃぶり尽くすことになるんだし、3年後には実際してるし、早いか遅いかの違いでしかないんだから遠慮しなくてよかったのに。

 

 ボクのお願いにカレはなぜか不安そうにしていたんだけど、承知はしてくれた。

 

 まぁ、初めてのことだったから若干失敗してしまったことは、今となっては良い思い出だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「オマエ……これどうすんだ?」

 

 鏡を前に左右が不揃いな髪型を見てカレが途方に暮れていたけど、ボクの方は途方もない充足感だった!

 

 なんせカレのカタチを、直接ボクの手で、自由に変えることができたのだ!!

 

 いっそ官能的ですらある。

 

「なかなか良いと思うよ?

 ボクは大満足だ」

 

「そ、そうか?」

 

「うん!

 さあ、約束だ。

 ボクの胸を触るといい!」

 

「っ!

 い、いいから!

 大丈夫だから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分の容姿とか服装に無頓着だったカレは、ボクの答えに自信を持ったのか、満更でもなさそうに切り立ての髪の毛をいじっていた。

 

 次の日、当時の女子クラスメートからカレは奇異な目で見られてしまったんだけど、それはそれ!

 

 ボクとしてはカレにちょっかいを掛けようとする雌犬共から、カレを守ることができて一石二鳥だったしね。

 

 カレもどこ吹く風で、女子からの視線など気にも止めず過ごしていたよ。

 

 ……まぁ、流石に毎度失敗するのもカレに申し訳ないので、すぐにヘアカットの練習に着手したけどね。

 

 今ではカレの髪型を整えることに限って言えば、その道のプロと遜色ない自信があるぞ!

 

「じゃあ、今日は天気もいいし庭先でカットしようか?」

 

「オマエの家の?

 広いし外からも見えないから構わんが」

 

「ふふ、じゃあ道具を取ってくるから先に一階に降りててくれ」

 

「はいよ」

 

 軽い返事をしながら、カレは階下へと降りて行った。

 

「さて……」

 

 シザーバッグを棚から取り出して、カット用のハサミの具合を確かめる。

 

 手入れはきちんとしている。一点の曇りもない鋭い刃物だ。

 

 ヘアカット用のハサミ、梳きハサミ、バリカン、櫛にブラシ。

 

 あとはカレの髪を集めるために散髪用のケープを持って準備を完了だ。

 

 あ、しまった。

 

 天気が良かったから外で散髪する提案をしてしまったけど、地面に落ちてしまった髪が拾えないな。

 

 外はほぼ無風だからケープで受け止める分でよしとしよう。なるべく散らばらないように気を配ればよい。

 

 代わりに自然光でじっくりとカレの頭を観察できる。

 

 カレのつむじはきっと魅力的な渦をボクに見せてくれるだろう。

 

 それにカレとボクが恋人同士になってから、初めての散髪だ。

 

 カレシの身だしなみを整えるのはカノジョの務めだよね!

 

 身だしなみだけじゃなくて、できれば食事とか入浴とかすべてボクに任せてくれないだろうか?

 

 もっと細かいことだと、着替えとか歯磨きとかっ!

 

 あぁ、いいなぁ、歯磨き。

 

 あ~んって開けてもらったカレの口の中をじっくり観察してから、柔らかめの毛先の歯ブラシでカレの歯を一本ずつしっかりと磨き上げるんだ。

 

 歯茎も丁寧にマッサージして口腔ケアを完璧にしてあげたい!

 

 他にも帰宅したときの手洗いとかボクと一緒に洗うのとかありだよね!!

 

 こう……泡々になったボクの手で指と指を絡め合うようにもみくちゃにしながら、丁寧に洗ってあげるんだ!

 

 指の間を一本一本、爪の間も丹念に!

 

 雑菌なんて一粒子も残さないぞ!!

 

 いずれ実現してやる。

 

 今後の目標だね。

 

「よしっ!」

 

 ボクは気合を入れて、カレの待つ庭へと向かった。

 

 

 

 

 

 

~つづく~

 




Xに挿絵とか叡智な絵とかあります。

https://x.com/creampietaroV3
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