※この作品はR-18です。

黒髪ショートカット王子様系幼馴染のオレへの執着が怖い!   作:クリームパイ太郎

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ボクの仕掛けるラッキース◯ベ2

 隣のカレの家へと訪れて、インターホンを鳴らす。

 

 すぐにスマホが鳴動して、カレからメッセージが届いた。

 

『カギ空いてるから入ってくれ』

 

 不用心だなと思いつつも、通い慣れているカレの家だ。

 

 何かあったらカレの部屋に仕掛けてある監視カメラ……もとい見守りカメラからアラートが発報するしセキュリティは万全といってもいい。

 

 しかし、用心するに越したことはない。

 

 ドアを開けて中に入って、しっかりとカギを掛ける。

 

 チェーンロックも忘れずに。

 

 ふふ、これで少なくともこの家のカギを持っているカレの両親くらいしか開けることはできないね。

 

 そして、カレの両親が今夜帰らないことはリサーチ済みだ。

 

 な、なにか起きてしまってもおかしくないね?

 

 ボクはうきうきしながらカレの待つ二階へ上がる。

 

 カレの部屋の前で深呼吸して、ドアをノックした。

 

「入るよー」

 

「おー、ちょっとま……」

 

 いつもの流れでノックから、ろくに返事も待たずにカレの部屋のドアを開けた。

 

 開けてしまった!

 

「あ……」

 

「すまん、着替え中だ」

 

 ボクサーブリーフ一枚のカレの裸体が視界に飛び込んできた!!

 

 一瞬を無限に切り刻み、数学的詭弁で成り立つアキレスと亀の逆説がボクの脳内をかき混ぜる(混乱)

 

 と、とにかくボクは、数年ぶりに拝んだカレの裸体を脳裏に焼き付けた。

 

 数年前の子供のころとは違い、しっかりと成長していて、年相応の骨格と筋肉が目に眩しい。

 

 一気に心拍数が跳ね上がる!

 

 鼻血が出そうだ。

 

 こ、これこそラッキー◯ケベじゃないか!

 

 すらりとした立ち姿に頭をがつんと殴られたような衝撃を受けた。もう今すぐにでもしゃぶりつきたい!

 

「悪い、悪い。

 風呂入ってたらオマエが来るギリギリになってしまった」

 

「わ、悪いなんてそんな……」

 

 準備万端なのはカレのほうじゃないか!

 

 これはもう襲ってしまってもいいのだろうか?

 

 しかし、カレは恥ずかしそうにする様子もなく、部屋着に着替えてしまった。

 

 あぁ、勿体ない……

 

 カレの裸体が目に焼き付いて離れない。

 

 画像や映像とはやはり違う!

 

 生のカレからしか得られない成分が間違いなく発生している。

 

「よし、じゃあすまんが、よろしく頼む。

 課題がちょっと難しくて……」

 

「ふふ、キミは相変わらず語学が苦手だね」

 

 平静を装ってはいたけど、ボクは暴走しそうな気持ちを抑えるのに必死だった。

 

 ありていに言ってむらむらする!

 

 あんなえっちなモノ見せられてしまったら仕方ないのだ!

 

 だってカレの生着替えなんだぞ!!

 

 辛抱堪らないとはこんなことを言うんだと実感したよ。

 

 ボクは脳のリソースの10%でカレに課題をアドバイスしつつ、残りの90%をフル稼働させて脳内妄想に耽ってしまった。

 

 

 

 

 

 

 ドアを締めながらボクはしどろもどろに言った。

 

「ぼ、ボクの方こそすまない。

 返事を待つべきだった」

 

「おいおい、オレとオマエの仲だろ?

 そんなの気にするなよ」

 

「で、でも……」

 

「それに初めて見たってわけでもないんだしな」

 

「それは子供の頃の話だろう!

 は、早く服を着てくれよ」

 

「なんだ?

 照れてるのか?

 ほれほれ」

 

 見せびらかしてくるカレに、ボクは真っ赤になって顔を背けてしまうんだ。

 

 でも、見たいという気持ちは強くて、横目でちらちらと見てしまう。

 

 カレはにやりと笑うとボクへ近づいてきた。

 

「あ、や、やめてくれ……」

 

 逃げ道は自ら閉めてしまった。カレが迫ってきて、ボクは背後のドアへと追い詰められる。

 

 壁ドンならぬ、ドアドンだね!

 

「逃げるなよ。

 オレの気持ち、判ってるだろ?」

 

 やおらカレは真剣な顔になってボクを見つめてきた。

 

「気持ちって……」

 

「ちょうどいい。

 そろそろオマエをオレのモノにしてやろうと思っていたんだ」

 

 そう言うと、カレは強引にボクをベッドへ押し倒した。

 

「きゃぁ!」

 

「はは、王子様のくせに可愛い声を出すじゃないか?」

 

「ぼ、ボクは歴とした女の子なんだ」

 

「ああ、知ってるよ」

 

 カレがボクの胸を鷲掴みにしてきた。

 

 でもその手はあくまで優しげで、ボク自身を確かめるように柔らかい。

 

「だから、優しく……あ……」

 

 ボクは言葉の最後まで言うことはできず、カレに唇を塞がれた。

 

 

 

 

 

 

「……いい」

 

「ん? なんのことだ?」

 

「あ、いや。

 なんでもないよ。

 そこのスペル間違ってるね」

 

「お?

 あ、ホントだ。

 サンキュー」

 

 思わず漏れてしまった感嘆の言葉をカレにツッコまれてしまったけど、なんとか誤魔化せたね。

 

 カレの前なんだ。妄想は程々にしておかないと。

 

 ラッキース◯ベからカレとボクが結ばれる展開は、想像の中でなら悪くないんだけど、ちょっとドラマ性に欠けるしね。

 

 カレとの初めてはもっと劇的で華やいだモノにしたい!

 

 そんなことを思いながら、うんうん唸って課題を続けるカレを眺める。

 

「……ふぅ」

 

 ため息を我慢できないほど、身体の奥が熱い。

 

 なんとかカレに押し倒してもらえないだろうか?

 

 課題に集中しているカレには申し訳ないけど、ここはボクのわがままに付き合ってもらおう。

 

 ボクは課題を確認するふりをしつつ、じりじりとカレににじり寄った。

 

 カレに気が付かれないように、肩が触れ合うほど、カレの体温が感じられるほど近づく。

 

 お風呂上がりのせいか石鹸の香りが強くて、残念ながらカレの良い匂いは薄くしか感じられない。

 

「ん?

 どうかしたか?」

 

「いや。

 間違っているところがないか確認しようと思って」

 

「ふーん」

 

 息のかかるくらい距離が近いのに、カレはなんとも思っていないのかツレない!

 

 むぅ、ちょっとは意識しろよ!

 

 こっちはキミの体温にどきどきしっぱなしだっていうのにっ!

 

 あぁ、くそっ!

 

 薄いとはいえカレの匂いを嗅いでしまったせいで、むらむらが余計に強くなってしまったよっ!!

 

「そ、そこの文章はinを使うよりもonの方がいいね。

 単語とセットで覚えてしまうのをおすすめするよ」

 

「ふむ、なるほど」

 

 こんなに近くにいるのに意にも介さないってのはどういうことなんだ!?

 

 いつもだったらもうちょっとこう……照れたり、どぎまぎしたりっていう反応が返ってくるんだけど

 

 ……まさかっ!?

 

 課題に集中するカレに気が付かれないように、ボクはカレの部屋のゴミ箱へ目を走らせた!

 

「なるほど」

 

 ゴミ箱が空っぽだ。

 

「ん? なんか間違ってるか?」

 

「いや、大丈夫だよ。

 ちょっとのどが渇いたね。

 麦茶を貰ってもいいかい?」

 

「あぁ、淹れてくるわ。

 ついでになんかおやつも食うか?」

 

「おかまいなく。

 キミは課題を続けてくれ。

 ボクが持ってこよう」

 

「あー……

 それじゃよろしく」

 

 勝手知ったるカレの家だ。

 

 自然を装ってカレの部屋から一時退出する。

 

 ボクは足音を忍ばせて、階下へ降りた。

 

 カレの家の裏手には、ゴミ収集日まで一時保管するゴミ置き場がある。

 

 ボクは勝手口から外に出ると、目的の(ブツ)を確認した。

 

「やっぱり……」

 

 カレの家の家庭用ゴミ袋に混ざって、ぱんぱんに膨らんだMサイズの取手付きポリ袋が無造作に転がっている。

 

 そして、ボクの鼻腔をくすぐる芳しい芳香。

 

 ボクのおなかの奥を蕩けさせる匂い立つ香り。

 

 この感じ……鮮度は30分以内だ!

 

 間違いないっ!

 

 カレは……

 

「賢者タイムだ」

 

 ぐぅぅぅ!

 

 オカズはなんだ?

 

 また浮気してるってことじゃないか!!

 

 ボク以外の雌猿で興奮するなんてありえないっ!

 

 畜生めっ!

 

 帰ったらカレのPCのログをチェックしなければ。

 

 今度は一体どんなモノをオカズにしたのやら。

 

 不快だ。

 

 腹立たしい。

 

 苛立たしい。

 

 癪に障るし、憤りを覚える!

 

 胸の奥がざらついて、心がささくれ立ってくる。

 

 わざわざ自分で()()なんてしなくてもいいだろう!

 

 ボクに一言言ってくれれば、いつだって……

 

 あぁ、もうっ!

 

 はやく! 早くカレと結ばれなくては!!

 

 こんな思いをし続けるのは我慢ならない。

 

 最早一刻の猶予もない。

 

 一秒だって待ちたくない。

 

 ボクが待ち切れない。

 

 このままじゃ近い内に限界を向かえたボクが暴走の果てに、カレを監き……

 

 いや、それは()()早い。

 

 最後の手段だ。

 

 カレが万が一、億が一……素粒子よりも小さい可能性だけど、ボクから離れようとした時にこそ、発動すべき計画なんだ。

 

 魅力的な計画すぎて、ついついそちらに流れてしまいそうになるけど。

 

 今はまだカレの素行も許容できるレベルだ。

 

 進学してからもカレとの仲は良好だし、関係も少しずつだけど進展している。

 

 ……しているはずだ!

 

 あぁ、ダメだ。

 

 ちょっと頭がオーバーヒート気味だ。

 

 今夜は少しばかり冷静になってカレとの関係を進めるための計画を練り直す必要がありそうだ。

 

「おっと……」

 

 そろそろ戻らないと怪しまれるかもしれない。

 

 ボクはカレの捨てたMサイズポリ袋を掴むと、ボクの家の庭へ投げ込んだ!

 

 よし!

 

 あとで回収して使()()()やる!!!!

 

 ボクは鼻息も荒く腕を組んで、放物線を描いて飛ぶポリ袋を見送った。

 

 

 

 

つづく

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