※この作品はR-18です。

黒髪ショートカット王子様系幼馴染のオレへの執着が怖い!   作:クリームパイ太郎

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王子様は成長している!

「ふぅ……」

 

「……」

 

 王子様のなんとも悩ましげな吐息が漏れる。

 

 妙に艶っぽい響きに、課題をする手が一瞬止まってしまった。

 

 一瞬だけだ。

 

 オレは何事もなかったかのように辞書を片手に英訳を続ける。

 

 本日はオレの部屋で課題を片付けていたんだが、王子様の様子が若干おかしい。

 

 いつものようにオレの数倍の速度で、しかも辞書無しで英訳を片付けた王子様は、手持ち無沙汰なのかスマホを眺めていたんだけど。

 

「……ぁ、ん」

 

「……っ」

 

 先程よりも熱めの蕩けるような王子様のため息に、思わずシャープペンを持つ手が力んでしまった。

 

 安物のペン軸からミシリと嫌な音が聞こえ、HBの芯が折れ飛ぶ。

 

 チラリと王子様を見れば、心なしか頬が赤い。

 

 なんかちょっとだけ苦しそう?

 

 モゾモゾと身体を動かしているけど、その様子は居心地の悪い体勢を直しているというか、手の届かない場所が痒いみたいな?

 

 あ! チ◯ポジ直したいんだけど、教室だから堂々と位置修正できないときのオレの仕草に似てるかもっ!?

 

「それはボクが直してあげるから、気軽に声をかけてくれればいいよ?

 丁寧に所定位置まで移動してあげよう!

 ついでに、お口で処理もしてしまえば一石二鳥だね?」

 

「そこまで考えてないし、なんでオレの考えてることが事細かに判るんだよっ!?」

 

「ふふ、そんなことは朝飯前の夕食後のえっちの最中だね」

 

「意味わからん!?」

 

「まぁ、キミのことならなんでも察することができるようになったってことかな?

 以前よりも詳細に感じ取れるようになったと思うよ?」

 

 怖すぎる!?

 

 冗談めかして言っているが、王子様の顔は嘘をついているようには見えない。

 

 ……というか、以前っていつ頃からだ?

 

「あぁ、だいたい物心がついた頃だよ。

 その頃のキミはまだまだ可愛らしい幼児だったけど、表情が豊かだったからね。

 考えていることは察することができた。

 それが長じてキミの思考はトレースできるようになったし、最近に至ってはちょっとした仕草だけでキミの考えていることが脳内に浮かぶようになったんだ。

 まだ100%ではないから、いずれ完璧にしてみせるよ、テレパシーのようにっ!」

 

「だからオレの心を読むな!」

 

 夢見るようにうっとりとした表情でオレへと説明する王子様。

 

 目が真っ黒で深くなっている。

 

 それってオレはもう王子様に対して隠し事はできないってことにならないか?

 

 やましい事をするつもりなんてないんだが、それはそれで困るというか。

 

 世の中には言わなくて良いことだってあるし、心のうちにしまっておいた方が良いことだってあるだろう?

 

「ふふ、気がついてないみたいだね?

 キミはしゃべっていないんだけど、ボクがキミの心を読んで受け答えしているってことはあったよ?」

 

「ま、まじでっ!?」

 

 ってことはすでに日常の中に刷り込まれている!?

 

 やばいぞ。

 

 自然になりすぎて、どの会話が王子様が読み取った会話で、どの会話がきちんとしゃべっていたかなんてもうわからない。

 

「……ふむ」

 

 まぁ、いいか。

 

 王子様が洞察力も観察力も思考力も並外れているのは知っている。

 

 要するに勘が鋭いってことだから、外れることもあるだろうさ。

 

 もしかしたら便利に働く場面もある……かもしれない。

 

 早速試してみよう。

 

「……」

 

「ふふ、どうしたんだい、ボクのことをじっと見て?

 そんなに熱い眼差しで見つめられたら、ボク困っちゃう……」

 

 くねくねしている王子様の言葉は一旦無視して、念話を送るような気持ちで王子様に細かなお願いを脳内で送ってみる。

 

 なるべく具体的に普段は取らないような選択肢が良いかもしれない。今まで考えたこともなかったようなこと。

 

 ――今日の夕飯は穴子飯が食べたい。汁物は潮汁だ。海鮮づくし! デザートは何か和菓子がいいだろう。オマエが好きな和菓子……シベリアとかどうだ?

 

 と、具体的かつ今までオレが食ったことないメニューを頭に思い浮かべてみる。

 

 王子様の深い瞳を見つめながら念じていると、なぜか王子様の頬が少しずつ紅潮してきて、目が潤み始めた。

 

「そ、そんな……ふふ、もう、キミ、そんなこと想像したら、ボク、ホントに困っちゃうよ?

 でも、キミが望むんだったらボクは一向に構わないんだ。

 なんせボクはキミのカノジョなんだからね!」

 

 ……は?

 

 い、いや、そんな変なこと考えていないんだけど?

 

「もうしょうがないなぁ。

 ボクの穴をおかし……とか、潮を……だなんて。

 穴だなんて露骨な言い方されちゃったら……いいよ、キミの性癖はボクが全部受け止めてあげるからね?

 でも最後のシベリアってどんなプレイなんだい?

 ふふ、またボクの知らないえっちなことをするつもりだろう?

 ボク、今夜もきっと徹底的に辱められちゃうんだね?

 楽しみだよ?」

 

「そ、そんなこと想像しとらんわいっ!」

 

「ふふ、いいんだよ?

 普段は口にするのも憚られるようなことを脳内で想像してボクに伝えたかったんだろう?」

 

「い、いや、だから……」

 

「ちなみに穴ってどこの穴だい?」

 

「オレが想像したのは穴子飯と潮汁が食いたいってことだよっ!

 シベリアってのは和菓子だ!!」

 

「うんうん、判っているよ?

 皆まで言う必要なんてないさ?」

 

 何か慈しみをもった綺麗な表情を王子様から向けられてしまった。

 

 まぁ、王子様の読心も完璧じゃないみたいだ。

 

 なぜかオレの方がエロいことを望んでいて、王子様が快く受け入れるみたいな流れになってしまったけど、収穫はあった。

 

 くっ、仕方ない。ここは一時撤退だ。

 

 話題を変えよう……というか、元に戻そう。

 

 オレは態とらしい咳払いをしてから、王子様へ話題を振り直した。

 

「で、オマエ、どうかしたのか?

 さっきからなんか色っぽ……苦しそうだけど」

 

「ん?

 あぁ、すまない。

 気が散ってしまったかい?」

 

「まぁ、気になったといえばそうなんだが。

 風邪とかじゃないだろうな?」

 

 病気だったとしたら、王子様がなんと言おうと部屋に帰して寝かしつけてやるぞ。

 

 コイツは自分の体調よりもオレと一緒に居ることを優先しそうだからな。

 

「えっと、その……ね?」

 

 ちょっと顔は赤いけど、これは照れているだけだろう。

 

 あと、王子様が風邪をひいたのは、生まれたときから15年以上の付き合いだが見たことがない。

 

 ふむ、もじもじと恥ずかしげにしている仕草はとても可愛らしい。

 

 見ていて飽きないので、王子様からの返答を待ってみよう。

 

「……これはキミのせいでもあると思うんだ」

 

「そうなのか?

 だったら取れる限りの責任は取るけども……」

 

「ふふ、ありがとう。

 でも、その心配は無用だよ。

 なんせ右も左もキミのモノだからね!」

 

 な、なんのことだ?

 

 右? 左? ふたつあるってこと?

 

 オレが首を傾げていると、王子様はあっさりと白状した。

 

「うん、実は胸が大きくなってしまってね。

 ブラジャーがきついんだ」

 

「そ、そうか……」

 

 それってオレのせいなのか?

 

「まったく!

 キミのせいに決まっているだろう?

 毎晩毎晩、暇があればボクの胸を揉みしだいてねぶり倒して、挟んだり挟まったり、引っ張ったり摘んだり!

 ボクの女性ホルモン分泌を促すものだから、少し大きくなってしまったようなんだ。

 まぁ、キミは大きい方が好きだから、成長する分には問題ないんだけど?」

 

 王子様が重たそうに両手で支え持って、ただでさえ大きな胸を強調した!

 

「そこまで頻繁ではないよっ!」

 

 暇があればって、それじゃオレが常に王子様の胸を触ってるみたいじゃないか!

 

「でも、毎晩なのは間違いないよね?」

 

「そ、それは……」

 

「晩だけじゃなくて日中も……」

 

「それはたまにだから!」

 

「そうだね。

 一週間のうち三回以上を()()()というならそうかもしれない」

 

「あ、う……」

 

「朝からってのはたまにって言ってもいいかもしれないね?」

 

「ぅ、お……」

 

 まったくもって否定できる部分がない!?

 

 オレが金魚のように口をパクパクさせて何も言えないでいると、王子様が説明を始めた。

 

「所持しているブラジャーの全てが合わなくなってしまったわけじゃないんだけどね。

 キミ好みのデザインのモノを見つけたから通販してみたんだけど、今までのサイズで選んだら合わなかったんだ」

 

 意味深な流し目を送ってくる王子様。

 

 お、オレ好みのデザインか……

 

 白かな? 青かな? 薄グリーンとか? く、黒だったりして?

 

 思わずごくりと生唾を飲み込んでしまった。

 

「ふふ、そんな目で見なくても、後からちゃんと披露させてもらうよ?

 なんせキミに見てもらうために買ったんだし!

 あ、もちろん今すぐにでも……」

 

「そ、それじゃ……

 いや!

 後からで!」

 

 あ、危ないところだった。我知らず手を伸ばしていたし、頭の中は王子様の身につけているであろう下着のことでいっぱいだった。

 

 でも、踏み留まったぞ!

 

「もう、キミは変なところで我慢強いね?」

 

 節度を保っていないと、オレも王子様も再現知らずにヒートアップしてしまうからな。

 

 はっちゃけるのは休みの前日くらいにしないといかん!

 

「うーん、今後は通販で買うのは控えた方がいいかもしれないね。

 試着するか店員の方にアドバイスをもらいながら購入したほうが良さそうだ」

 

「そ、そうかもしれないな」

 

 女性の下着のことなんてオレにはわからん!

 

「そうだ!

 今度一緒に買いに行ってくれないか?」

 

「な、なにを?」

 

「ふふ、何をとぼけているんだい?

 もちろんボクの下着を、だよ!」

 

 さすがにハードルが高い!

 

「キミに選んでもらいたいんだ。キミ好みの下着を身につけたいだろう?

 なんせボクはキミのカノジョなんだからね!」

 

 それは嬉しんだけど!

 

 女性物の下着店なんて、男が入って大丈夫なのか?

 

「大丈夫。

 割とカップルも多かったりするから」

 

 ホントかよ、それ?

 

「キミとボクなら問題ないね。

 初々しい学生カップルだ!」

 

「それは否定しないけど……」

 

 やはり女性物の下着店に行くのは気が引ける。

 

「代わりにキミのパンツはボクが選んであげるから!」

 

「えー……」

 

 こいつが選ぶとやたら派手なんだよな。

 

 男物であんなサイケデリックなデザインをどこでみつけてくるのだろうという感じだ。

 

 ブーメランパンツばっかだし、透けてる場合もあるし。

 

 こいつ以外の誰に見せるでもないから、いいんだけどね。

 

「ふふふ……

 店員さんの礼儀正しい挨拶に迎えられるキミとボク。

 

 『本日はどうされましたか?』

 『あ、はい、ちょっと最近下着のサイズが合わなくなってしまって……』

 『成長期ですものね。

  そうしましたらサイズをお測りします』

 『お願いします。

  デザインはカレ好みのモノを選びたいので、清楚なデザインから淫らなデザインまで、何種類か用意してくれませんか?

  カレを悩殺して、獣のようになったカレに襲われたいんです!』

 『承知いたしました』

 

 って感じになると思うんだ!」

 

「やめてっ!?」

 

 身振り手振りまで交えて小芝居を繰り広げる王子様だが、その状況でオレは店員さんからどんな目で見られるっていうんだ!?

 

 なんだよ、淫らなデザインって!!

 

「いいじゃないか?

 毎晩、たわわに実ったボクの果実にむしゃぶりついているんだ。

 パッケージのデザインもキミが決めるべきだ!」

 

「パッケージ!?」

 

「ついでだ。

 育てたのもキミなんだから!

 『私が育てました』

 ってキミの写真を印刷したブラジャーを特注してしまおうよ!

 生産者表示だね?」

 

「オレが育てた!?」

 

「そうだよ?」

 

 ムニムニと左右から胸を持ち上げて、大きくなったことをオレへとアピールしてくる王子様。

 

()()はキミのために大きくなったんだ!

 その上、さらに成長してしまったのは間違いなく、キミが丹精込めて育て上げたからだろう?」

 

 丹精込めてって……どれだけオレが王子様の胸に執着しているんだって話だが。

 

 ……まぁ、間違いなく執着はしているな。

 

 とりあえず、想像してみる。

 

 王子様といざ事に及んで、脱がしてみたらデザインこそ可愛らしいのにオレの写真が印刷されている下着がまろび出てくる。

 

 写真には満面の笑みで写る自分。

 

「流石に萎えそうなんだが」

 

「ふむ、それは困るね。

 すぐにいきり立たせる自信はあるけど。

 スタートで躓くのはよろしくない。

 生産者表示の件ははボクの方で独自に進めて、こっそりと身に着けるようにするよ」

 

 やめるって選択肢はないんだな……

 

「キミのモノアピールなのでやめない!」

 

 と、堂々と問題になっている胸を張って、王子様は意気揚々と言い放った。

 

 その瞬間――

 

 

 

 

 ばるんっ!!!!

 

 

 

 

 

 拘束されていた()()が一気に解放された。

 

 思わず目が釘付けになってしまった。

 

 超新星爆発を目の前で目撃したような気分だっ!

 

 一瞬で一回り大きくなったのが目視できたのだ。あれだけ締め付けられていたら苦しいだろうよ。

 

「はぁ~……」

 

 なんとも開放感に満ちた、柔らかいため息を吐き出して、王子様は肩の力を抜いて脱力した。

 

 ここまで気の抜けた表情の王子様も珍しい。

 

「ふむ、やはりサイズの合わない下着は着けるものじゃないね」

 

 そう言いながら王子様はシャツの首周りを引っ張って、自分の胸を覗いている。

 

 我知らず首を伸ばして覗こうとしてしまったが、慌てて視線を逸らした。

 

「フロントホックが壊れてしまったみたいだ。

 キミ好みの清楚な中にもどこかエロスを感じる良いデザインだったんだけど。

 仕方ないね?」

 

「そ、そうか……」

 

「せっかくフロントホックを外すことに四苦八苦するキミを慈しみを持って眺めようと思っていたのに。

 残念だ。

 さらに手際の良いホックの外し方を優しくレクチャーすることで、いつでも素早く()()に入れるようにキミに練習してもらおうと思っていたのに。

 残念だ!」

 

 コイツはいったい何をしようとしていたのかっ!?

 

「ちなみにこっそり覗こうとしなくても、見たかったら堂々と言ってくれ!

 さぁ!!」

 

「み、見た……い、今はいいから!」

 

 れ、劣情には流されないぞ!

 

 そんなオレを尻目に王子様はシャツの首元から手を突っ込んで、何やらモゾモゾと手を動かしている。

 

 程なくして、するりとブラジャーが抜き取られた!

 

 王子様の大きなモノを支えるだけあってでかい。

 

 帽子みたいだ。

 

「下着が大きくなってしまうのもキミのせいだと思うんだ?」

 

「……はい」

 

 確かにデザインは凝っていて、レース地とメッシュで清楚な中にもちょっとエッチな感じもある。

 

 ちなみに色の予想は完全に外れていて薄紫だった。

 

「さて、さっき責任を取るって言ってたよね?」

 

 ほかほかの脱ぎたてブラジャーから目を離せないでいると、王子様が確認してきた。

 

「は! えっ!?

 あ、あぁ、言ったけど……」

 

 何をさせる気だ?

 

「ふふ、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ?

 むしろキミなら喜んでやってくれると思うんだ」

 

 王子様のにんまりとした笑顔がオレの警戒心を余計に煽る。

 

「何をすればいいんだ?」

 

「うん!

 持ってくれ」

 

「……持つ?」

 

 なにを?

 

「ふふ、とぼけないでくれよ?」

 

 恥じらう仕草とうっすらと朱に染まった頬っぺたの王子様は、両腕で重たそうに持ち上げた。

 

 解放された2つの丘はシャツの上からでもわかるほど豊か。

 

「下着で支えていないと、重たくてしょうがないんだ」

 

「持つ……」

 

「このままだと猫背になって姿勢が悪くなってしまうよ。

 重度の肩こりも併発してしまいそうだ」

 

「それは……大変だな」

 

 オレはふらふらと、誘われるように王子様へと近づいていく。

 

 まるで淡い光源に誘われる羽虫のようだ。

 

「キミがここまで育てたんだ。

 持ってくれるよね?」

 

「ああ……」

 

 そうだ。

 

 オレが王子様の胸を大きくしたんだから、責任をもたないと……

 

「ふふ、それではボクの背後に回ってくれないか?」

 

「背後……」

 

 オレは素直に王子様の後ろに腰を下ろした。

 

 真っ白な首筋が妙に色っぽい。

 

「さぁ、持ち上げてくれ」

 

「もち……あげる」

 

 どうやって?

 

「もう、しょうがないなぁ。

 簡単なことだろう?」

 

 王子様は背後にいるオレの手を取る。

 

 そして、優しげな眼差しでもってオレを自らの胸へと誘った。

 

「そう。

 下から。

 手を添えて。

 持ち上げるように。

 ん……

 あぁ、とてもいい感じだよ?

 一気に身体が軽くなった」

 

「お、お……」

 

 重たい!

 

 大きい!!

 

 柔らかいっ!!

 

 シャツ越しの感触に、オレの脳内に弾力があって柔らかいものが駆け巡る。

 

 餅、マシュマロ、プリン、ゼリー、わらび餅、白玉団子……

 

 そのどれよりも弾力があって、どれよりも柔らかい!!

 

 知ってたけど!

 

 何度も触ってるし、触るだけじゃなくていろいろしちゃってるけど!!

 

 こう、なんというか……新たな感動がっ!

 

 ちょっと動かしただけでも、簡単に指先が埋まっていく。

 

 それなのに元気良く跳ね返してきて、いつまでも触っていたい。

 

「ずいぶん熱心に……ぁ、持ってくれて、ふぁ、いるけど?

 いつも飽きるほど……ん、いろいろしている、んぁ……じゃないか?」

 

「飽きないな」

 

「ふふ、そうかい?」

 

 まったくもって飽きない。

 

 触ってるだけでは満足できないし、なんなら思いつくまま気の向くまま揉みしだきたい!

 

 自由に形を変えるくせに、あっという間に元の綺麗な形に戻るのだ。

 

 熱中するに決まっている。

 

 だが、今は王子様の胸を支えて少しでもリラックスさせてやらないとな!

 

 王子様が猫背になったら大変だ。

 

 肩こりも辛いし。

 

「あー、楽だ。

 楽ちんだ。

 キミのちん……も楽にしてあげようか?」

 

「後でいい」

 

「後ではして欲しいんだね」

 

 当たり前だ!

 

 今もガチガチで窮屈なのだ!

 

 拘束解放前の王子様と同じくくらいには苦しいと思う。

 

 だが、オレは暴走しそうになる衝動を抑えながら、辛抱強く王子様の胸を捧げ持った。

 

 たまに重さを確かめるように、たぷたぷしてみる!

 

「……ん」

 

 たぷたぷ!

 

「……ふぁ」

 

 たぷたぷたぷ!

 

「あん!」

 

 しばし小休止。今のオレの仕事は王子様をリラックスさせてやることだからな。

 

 こんなに重たいモノをぶら下げていたら、さぞ疲れることだろう。

 

「……ぁ、ぅ」

 

 王子様が小さく呻く。

 

 真っ白だった首筋がうっすらと桜色に染まる。

 

 たぷたぷたぷたぷ!

 

「あ、その、キミがボクの胸が好きなのは知っているけど……その」

 

 王子様が何か言い淀んでいるけど、オレはそれを無視して、王子様の背後から首筋に鼻先を擦り付けた。

 

「んっ!?」

 

 なんとも落ち着く良い匂いだ。

 

 その間もきちんと()()()を支えてやることは忘れない!

 

 腕が疲れてきたけど、王子様との根比べだ。

 

 と、しばらく待っていると、とうとう耐えられなくなったのか、王子様がオレを見上げてきた。

 

「うぅ、もういいだろう?」

 

 瞳には目一杯涙を溜めて。

 

「続き……してくれないのかい?」

 

 そこでオレも限界だった。

 

 支えていた手を離して、そのまま鷲掴みにする。

 

 流れのままに押し倒すと、王子様の胸がたゆんと揺れた。

 

「ボクの予定ではキミが胸を持ったらすぐに理性が吹き飛んで、獣のように襲いかかってもらうはずだったんだけど」

 

「ふっふっふ、オレもオマエの心を読めるから、思惑通りにはいかせないぞ」

 

 長い付き合いだ。王子様ほど詳細じゃなくても理解ることだってある。

 

「じゃあ、読んでみてくれ」

 

「お、おう……」

 

 王子様がじっとオレを見つめてくる。

 

「わかったかい?」

 

「あ、う、その……キスしてほしい、とか?」

 

「ちょっと強引にシャツを捲り上げて、貪るようにボクの胸に吸い付いたと思ったら、力強くパンツを引きずり下ろして、恥ずかしがるボクを無視して無理矢理両足を広げたと思ったら……んぅっ!?」

 

 

 

 

 

おしまい

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