勇者ルカがダンジョンにいるのは間違っているだろうか 作:柔らかいもち
もんむすの世界にも女神はいるのですが、性格がドブカスで暇つぶしだろうと自分の意志で地上に君臨することはないです。
あと敵が多すぎて速攻で送還されそう。道を歩けば敵を作り、呼吸するように味方を減らす女神なので。
「ミノタウロスに殺されかけてそれを間一髪のところで助けられて、まず真っ先にやることがお礼を言うとか名前を伺うとかじゃなくて血まみれのままダンジョンからギルドまで走ってきて、大声で恩人の情報をギルド職員にねだる……ベル君みたいな冒険者は私も初めてだよ」
「す、すみませぇん……」
リュー・リオンさんに助けられたお礼を言うために立ち上がろうとした
シャワーを借りてさっぱりした後にギルド本部のロビーに設けられている小さな一室で説教を受けた後、どうしてリュー・リオンさんの情報を知りたがっているのか尋ねられ、よせばいいのに初恋の人の些細なことでもいいから知りたいと浮かれていたのが運の尽き。エイナさんの忠告を無視して到達階層を増やしたことやそのせいで死にかけたことなど全て語ってしまった。
血まみれで街を爆走したことについては苦笑しながら手のかかる弟の面倒を見る姉のような態度で許してくれたのに、今のエイナさんは表情を歪めて絶対零度の視線を降り注いでくる。それを受ける僕は恐ろしい猛牛に襲われた恐怖が今になってぶり返し、気を抜けば漏らしてしまいそうな膀胱を必死になって締めなおした。
返す言葉もなく縮こまる僕にエイナさんはこれ見よがしにため息を吐くけど、仕方なさそうに苦笑を浮かべて当たり障りのないことを教えてくれた。エイナさん大好き。素直な気持ちを伝えたら返事は
とりあえず教えてもらったことは――。
本名、リュー・リオン。都市最強派閥に数えられる【アストレア・ファミリア】所属のエルフ。
剣の腕も一流なのに、戦況をひっくり返す必殺の『魔法』も扱える魔法剣士。女性冒険者で剣技や『魔法』でオラリオ最高と呼ばれる人物はいるが、どちらも一流以上にこなせるのは全種族を含めても数えられるほどであるため、エルフの冒険者が理想とするエルフの戦士であると言われているのだとか。
二つ名の【疾風】の由来は風のように素早く戦場を駆け抜け数多の敵を打ち倒す姿から。あと『エルフの慣習』が強いらしく、気安く触れようとすると神だろうが老若男女関係なく打ちのめされ、本名も第一級冒険者として有名になるまでギルド以外には伏せていたほど。
でも一部の仲の良い女性には恥ずかしがりながらも抱き着かれていたり、いちゃもんをつけられた街娘を暴漢から助けて惚れさせることは数知れず。男神様達からは『キマシタワー製造機』と呼ばれている……なんだろうキマシタワーって?
「あ、あの、冒険者としてじゃなくて、趣味とか好きな食べ物とか、そういった情報を……あと、好きな人の性別を……」
「……ああ、ベル君もリオン氏を好きになっちゃったんだ。同性の私から見ても美人でかっこいいもんね……
上目遣いで指をもじもじと合わせながら僕が尋ねると、エイナさんは赤くなった僕の顔を見て察したようだ。生温かい目になりながら紅茶を口に含み、ほっそりした顎に指を当てて考え込む。その際に組まれた腕がスーツを押し上げる胸を強調したが、そっと目を逸らした。
「恋人がいるなんて話は聞いたことがないし、『どんな女がタイプだ?』って神様に聞かれて凄く怒ったらしいから恋愛対象は男性だと思う――って、これもうギルドの職務に関係ない! はい、これで私が持ってるリオン氏の情報はなし!」
「そ、そんなぁ……!」
いけずなエイナさんにがっくりうなだれながら、僕は見えないようにガッツポーズを取った。とりあえず男ってだけで可能性がゼロになるとかなくて良かった。
まぁ、リオンさんが同性愛者だって心配はしてなかったけども。彼女ほど潔癖なエルフだったら、同性愛は言い方は悪いけど『怪物趣味』の次くらいに敬遠しそうだし!
『むしろエルフらしいエルフほどきっかけがあればあっさり百合になるゾイ☆』
不安になることを言わないで、
恋愛相談に使った部屋を退出し、『魔石』等の換金に付き合ってギルドの玄関前まで見送りに来てくれたエイナさんの『女性は強くて頼りがいのある男性に魅力を感じる』という助言を胸に、リオンさんに振り向いてもらえる男になるよう頑張るぞ! と決意を新たにしながら僕は帰路を駆けだした。
「ルカ君がいるからリオン氏の強さと頼もしさの
少年の憧れの女性が靡くことは万が一にもないとはいえ、ベルの憧れの女性と同じ家に住んでいるハイスペック男のことを少年の初恋を守るために黙っていた優しいハーフエルフは静かに
♦♦♦
「今日の報告だけど、遂にリオンの武器の調整が終わったわ!」
すっかり夜も更けた時間帯。【アストレア・ファミリア】の
司会進行を務めるのはアリーゼ。神座に腰を下ろすアストレアの横で音頭を取る彼女に団員達の目が向けられる。
「本当に大丈夫なの先輩? 注文があるなら遠慮なく言ってくれていいからね」
「セシル、大丈夫でございますよ。貴方の武器を使ったエルフ様はミノタウロスを八つ裂きにするほど機嫌がようございましたので」
「どうしてお前が勝手に答えるんだ、輝夜! 気分が高揚して無意味な虐殺を行ったような事実はない! それとセシル、貴方の武器に文句などありません」
「ならいいけどよ。これ以上金がかかるのは勘弁だぜ」
「素材の値段だけでゼロが八個も並んでましたからね……」
武器を手掛けた鍛冶師として使い手の感想を尋ねるセシルに輝夜が応じ、勝手に答えられたことと今日の出来事を悪意のある解釈で捻じ曲げようとしたことに沸点の低いリューが激昂する。すぐに始まる好敵手同士の言い争いに派閥の財政を管理するライラとリリの
「仕方ないじゃない。リオンの武器が壊れちゃったんだから」
「別にそれはいいんですよ、それは……『ついでに全員の武器も一新しちゃいましょう!』ってとんでもない
「私ね!」
「イラッ★」
「目の色が『深層』より暗いですよ、リリルカ……」
自慢することでもないのにドヤ顔を浮かべて胸を張るアリーゼにリリが青筋を浮かべ、彼女の怒りは最もであると思いつつ自分も原因の一端を担っているため、
武器を新調した者達は全員が気まずそうに目を逸らした。お馬鹿っぽい振る舞いが目立つが決して愚か者ではないアリーゼだが、金に関することでリリを言い負かすことはできない。代わりに
「ルカ君がいなかったら、また雑草と塩のひどい
「二度とアストレア様にあんなのを食べさせたくないからね。お手柄だよ、ルカ!」
包容力と母性の塊であるヒューマンのマリューと姉のようなアマゾネスのイスカが手放しで賞賛し、他の面々も追従するように褒めたたえる。いやいやそれほどでもへへへ……と謙遜しているのかわからないルカに、唯一リューだけは不満そうな目を向ける。
「はいはい、ルカも褒めたしお金の話はナシナシ! 下がったら後は上がるだけよ! 武器も新調して
アリーゼが仲間達を見渡す。
新入りだがLv.2であるイセリナ、シャウ、ウランダ。
鍛冶師であるセシル、優れた指揮官であるリリルカ、稀有な『魔法』を持つ春姫達Lv.3。
ライラを除いたネーゼ達、【アストレア・ファミリア】古参のLv.4。
女性の
アリーゼ、輝夜、リューのLv.6。
「遠慮なく頼りにさせてもらうわよ、ルカ!」
「うん、任せて」
【アストレア・ファミリア】の全員が認める、派閥内最強のLv.7であるルカ。
「さあ、『遠征』に向けて明日から頑張るわよ、皆! ――正義の剣と翼に誓って!」
『正義の剣と翼に誓って!!』
アストレアに見守られながら、正義の眷属達は今日も誓いを新たにするのだった。
「――まっ、その前に
「台無しだアリーゼ!」
「……バチコーン☆」
誤魔化すようにウィンクした尊敬する友の頬に初めて拳を叩きこみたくなったエルフがいたとかいないとか。
♦♦♦
当時、
横暴の擬人化みたいな師匠のことだから理不尽と過酷を嬉々として押し付けてくる変神の眷属にさせられるのではと戦々恐々していた僕にとって、アストレア様の眷属になれたのは幸福だった。すごく優しいし、家事をこなすことにお礼を言ってくれるし、意味の分からない理由で怒ったりしない。
訓練も限界の限界の限界を見極めたスパルタだが、『試練を乗り越えられるまで限界を幾度でも超えろ』と見極めも糞もなく千尋の谷に両手足をへし折って蹴り落してくる師匠よりずっと教えることに向いている。
だから僕はアストレア様を尊敬し、信用し、信頼している。
「ルカ、しばらくご無沙汰だったでしょう。【ステイタス】を更新するから私の部屋にいらっしゃい」
「さぁ、服を脱いで寝転んで頂戴」
「……」
その言葉に僅かに逡巡しながらも僕は平服とシャツを脱ぐ。上半身を包むものが一切なくなった状態で、アストレア様に促されるまま
女神の部屋にある
なるべく呼吸の数を減らそうとしたけど無駄な努力だった。
「始めるわね」
背中に感じる女神の柔らかさと温もり、軽いけれど確かに存在する重みが僕に性的刺激を与える中、アストレア様の細い指が踊る。何度も何度も、僕の肌を這いまわる指はまるで弱い所を探すよう。そして作業中に体勢を変えるための身じろぎは、アストレア様が身にまとう薄い衣では隠し切れない魅惑的な丸みを帯びる臀部を僕に押し付ける。
不敬とわかっていても、男の本能を制御することは不可能だった。女神の
「終わったわ」
かけられるアストレア様の声は死刑宣告に等しい。彼女が背中から退いたとしても、股間を大きくしたまま起き上がれる訳がない。恥ずかしくて思わずシーツに顔を埋めると、沁みついたアストレア様の甘い匂いが鼻腔から入り込み、頭がふわふわしたような気持ちにさせてくる。
そんな僕の背中からアストレア様は腰を上げ……僕の体をひっくり返してきた。誤魔化しようがないほどズボンが押し上げられた下半身が女神の前に晒し上げられる。
「また大きくしてしまったの?」
「あぅぅぅ……ごめんなさい、アストレア様……」
「仕方ないわね……」
困ったような笑みを浮かべていたのも束の間、アストレア様は僕のズボンと下着を引き下げた。衣服から解放されて垂直に持ち上がったペニスに指を添え、その上に跨るように腰を下ろしていく。緊張と期待に縛られる僕は抵抗することもできなかった。
僕の目にはアストレアが着ている白い衣に隠されて見えなかったが、ペニスは確実に女神の蜜壺へ導かれていった。鋭敏になった亀頭に湿り気を帯びた膣口に触れ、そして――。
「あ、あぁぁぁぁ……!」
にゅぐ……とアストレア様の蜜壺に僕のモノが侵入してしまった。優しく、正しく、清らかな女神の最も神聖な所と汚らわしい雄の欲望を注ぎ込むための器官が繋がってしまっている。
アストレア様の膣内は極上の一言では表せないほどの快楽をもたらした。落ち着くような温かさの膣壁に包み込まれながら、柔らかい淫肉が揉みしだくように竿に絡みついてくる。いくつもの肉ヒダがカリ首を艶めかしくなぞり、独特の弾力を持つ子宮口が亀頭と密着するように覆いかぶさってくる。
挿入して十秒も経っていないのに、もう射精感が込み上げてきてしまった。
「アストレア様、抜いてぇ……もう、出ちゃう……!」
「ルカはいっぱい頑張ってるから、そのご褒美……我慢しなくていいわ」
微笑むアストレア様の蜜壺が更に艶めかしくうねる。
波打つ肉壁は厭らしい水音を響かせながらペニスを締め付け、肉ヒダの一枚一枚が独立した舌のようににゅるにゅると亀頭を這いまわる。密着していた子宮口はペニスの奥にある子種を求めてちゅうちゅうと吸い上げてきた。
そんな脳まで蕩けるような甘い刺激を僕が耐えられるはずもなく――。
「あ、ぁぁぁぁ――」
ドクドクと脈動を始める肉竿。女神の膣内に烏滸がましくも侵入したペニスは子宮口に押し当てた先端から本能のままに精液を吐き出していた。アストレア様の最も神聖で汚してはならない
「ごめんなさい、アストレア様……」
背徳感と罪悪感にまみれた射精はとても長く続いた。アストレア様が着ている純白の衣にシミを作るのは、膣内に収まらず溢れてしまった白濁液。穢れを知らない純白の対極にある欲望で濁った体液を注ぎ込んでしまったことを見せつけられているようで、僕は涙交じりに謝罪することしかできなかった。
「謝らないで、私がしたくてしてあげていることだから」
「でもぉ……」
「それに、まだ貴方のモノは満足していないみたい」
あれだけの量を出したというのに、僕のペニスは萎えるどころか硬さを保ったままだった。まだ女神を汚したいと望む自分自身に絶望する僕を犯すアストレア様は決して嫌そうな様子を見せずに優しく笑う。
それどころかぐちゅぐちゅと結合部で入り混じった体液が泡立つほど激しく腰を動かし始める。
蜜壺の入り口はペニスが抜けないように締め付けられ、膣内にある突起とヒダが擦り付けられる。隙間なく絡みついてくる淫肉で膣内は狭くなっているのに、一度出した精液と滲み出る愛液が潤滑油となり、ぬめった肉壁に締め上げられながらペニス全体が激しく扱かれる。
アストレア様の体内で扱かれ、もみくちゃにされ、弄ばれる。甘い弾力のある膣肉の感触と亀頭を淫靡に撫でまわしてくるヒダの刺激は天国にいるような心地で、僕を容易く昇天させた。
「ふぁぁぁ……」
快楽に蕩けて腰の力を緩めた僕の性器から精液が噴き出し、再びアストレア様の子宮に注ぎ込まれる。押し出された古い精液は蜜壺の入り口から溢れ出し、僕のお腹を伝って
ひとしきり精を出し終えて体を弛緩させる僕に跨ったままアストレア様は口を開いた。
「ルカの精液、凄く熱くてやけどしちゃいそう……それに量も凄くて、私が超越存在じゃなかったら赤ちゃんができていたかもしれないわね」
「……」
下界の住人と神々では子を成せない。そんな当たり前のことに何故かショックを受けながら僕は眠りについた。
すやすやと寝息を立てるあどけない顔立ちの少年の紫紺の髪をアストレアは優しく撫でる。既に年齢は二十歳を超えているため青年と呼ぶべきなのだろうが、『
背中に回して撫でて思い返すのは少年に刻まれているアストレアの『恩恵』。
「ルカ……貴方は何も悪くない。だから、自分を責めないでね」
全ての基本アビリティが限界を超えているのは
【
【
【
【
輝夜のように業を重ねて血が濃くなった一族、もしくは先祖に特別な存在がいる一族に発現する血統系スキル。それが二つもある時点でめっちゃヤバい。初めて『恩恵』を刻んだ時はパチパチと瞬き、目をゴシゴシこすって二度見したほどだ。
そして残りの二つ。あえてアストレアが
これらのスキルをルカは知らない。アストレアも教えるつもりはない。
「……」
お腹を撫でる。既にかき出して綺麗にしたとはいえ、まだルカの精液が残っているような気がして頬が赤くなった。
「……おやすみなさい、ルカ。いい夢を」
愛しい眷属の額に唇を落とし、アストレアも瞳を閉じた。
ルカにはもう一つスキルがある。
ルカが一定以上の好感度を持つ相手に性的接触をされた時、恩恵なしの時より身体能力が下がる。
そして好感度の高い相手からの性的刺激で限界を迎えた時、獲得【経験値】を消耗する。
ルカの師匠がスキルになるほど調教した結果。いったい何者なんだ……。