私はただの戦闘エロとか敗北後イベントが多いゲームのゲーマーです 作:夢現図書館
『スレイヴ・オンライン』
それはフルダイブ型VRMMORPGの一種である。スレイヴ、それは言うまでもなく服従や奴隷を意味する単語であり、その名称から察せられる通りコレは俗に言うアダルトゲーム、18禁と呼ばれるゲームだ。
一応、内容的には18禁。だが利用者は10代前半も多い傾向にある。この手の運営にしては珍しくセキリュティやプレイヤーのプライバシー保護には大いに力を入れておりプレイヤー自身が故意にバラさない限りアカウントバレが起きない様に手を尽くしており、そう言う意味では運営はプレイヤーに対してかなり寛容かつ手厚いサポートを行なっている。
先ず、アカウントが二重制でありユーザーアカウントとログインアカウントがあり、ユーザーアカウントは決して公開されないようにされている。二重ロックのアカウント版と考えれば良いだろう。
この『スレイヴ・オンライン』にログイン出来るのは女性のみであり、男性は参加出来ない仕様になっており、それでも多種多様で現実ではあり得ないようなプレイが数多く実装されているのが特徴であった。
『スレイヴ・オンライン』は『スレイヴ大陸』を舞台にしたファンタジーの世界観を基本としている。冒険の拠点となる城下町や各地の町。ダンジョンとしての役割を担う森林地帯や廃墟、古城や洞窟、遺跡。
他にも浮遊地帯や深海地域と言った様々なロケーションも存在しているが、ファンタジーの世界観一辺倒とは限らずこの手の世界観に有りがちな和風の地域も存在し、現代風の設備や概念はオーパーツと言う形で登場もしている。
プレイヤーは冒険者と言う設定となっており、ギルドからクエストを受けて探索したり、モンスターの討伐と言ったロールプレイングを楽しむ事が出来る。
勿論、クエストを受けずとも広大なオープンワールドなので自由気ままに様々なロケーションの地域を見て回ったりと言った冒険を楽しむ事が出来るのが大きなセールスポイントとなっていた。
当然ながらこれは18禁のゲームである為、ゲーム内容も性的な内容を多分に含まれており、装飾品や衣装も扇情的なモノが含まれている。プレイ内容は基本的にNPCが相手にあるのだがコレがかなり作り込まれており宛ら感情を持つ人間が相手しているのかと錯覚する程の出来であるとレビューでは好評を得ている。
さて、中でも1番の特徴的なシステムの1つとして『スレイヴ状態』が存在する。
このゲーム内で実装されている状態異常の一種であり、ゲーム内でプレイヤーのHPが0になった時や特殊な攻撃を受けた際に陥る一定時間陥る状態異常だ。
この状態の効果時間内に、エナミーに接近された時や他のプレイヤーによる特殊なアイテムを使用されると捕縛される。
捕縛された時、職業が強制的に『奴隷』や『囚人』等となり、エナミーであればそのエナミーの拠点へと連行され虜囚にされたり何らかの形で更なる状況に移行する場合がある。
プレイヤーの場合はオークションに出品されたり、SMプレイの対象にされたりと言った目に遭う事になる。
『奴隷』や『囚人』になった場合、全ての所持品は一時的に使用不可となり、エナミーや他のプレイヤーに強制的に装備させられる(裸の場合もある)。『奴隷』や『囚人』は指定された時間の経過や特定額までゲーム内通貨を獲得すれば身柄は解放され安全地帯の指定された位置にてリスポーンし所持品も全て復活する仕様となっている。その為、永続的に『奴隷』や『囚人』となっている事は無い。
『スレイヴ状態』では瀕死と言う表現の役割もある為か基本的に少しずつしか動けないが捕縛されないまま時間が経過するとHPが半分程回復して自然回復し解除される。また、被虐趣味のプレイヤーの要望に応えHPの有無に関わらずエナミーや他プレイヤーに対して降伏する形で自ら『スレイヴ状態』になる事も出来る様になっている。
このゲームは基本プレイ無料のアイテム課金制のよく見られる分かりやすいシステムを採用している。課金内容は基本的にコスチューム関連や消耗品の詰め合わせのお助けパックが中心であり、『コレが無ければクリア出来ない』と言う内容は無いと言うかなり良心的。寧ろコレで清算取れるのか不安になるプレイヤーがいる程だ。
『サーヴァル城』
『スレイヴ大陸』における最大級の王城でありその城下町。ログインしたプレイヤーが全員、此処からスタートする最初の城下町である。
その城下町には様々な施設が存在しており冒険を始める為の準備エリアとしても機能している。マイルーム機能の民宿(課金制)や消耗品を扱う雑貨屋や飲食店、他にもクエストを受注する為のギルド。装備品を製作する為の鍛冶屋なども世界観に合わせた施設が軒を連ねる。
少しアングラな場所に行けば『奴隷』を販売するオークション会場やちょっと変わったアイテムを売っている露店。城下町の中央に存在して王城の近くには『囚人』を幽閉する為の監獄施設も存在しており、此処だけでもゲームをプレイするに当たってはかなり充実した設備が整っている。勿論、他の拠点となる町も存在しており尚且つその場所にしか存在しない施設もある。
城下町を行き交う人々はかなり特徴的な装いをしている女性が多い。そう言う者達は殆どがプレイヤーだ。男性は全員がNPCであるが、まるで目移りしたかの様な反応を見せる為、本当にNPCなのかと疑うほどの精巧さを感じる。勿論、女性のNPCも存在している。
その城下町の大通りを1人のプレイヤーが歩いていた。
「……。ふぅ、仕事も一段落したし漸く遊べる。暫くはご無沙汰だったな。新しいイベントとか開催していないかな」
可愛らしい顔立ちをした少女であった。銀色の長い髪を伸ばしておりゲーム内でありながらも手入れがズボラなのか或いは単に寝起きなのか少々、跳ねている。こんな所まで拘る運営は変態だろう。
銀髪の美少女、正にその言葉が似合う。囚人服も似合うだろうしオークションで出品されれば高額で取引されそうな、そんな少女であった。
プレイヤーネーム、スレイ・アンバー。
それがこの『スレイヴ・オンライン』での彼女の名前であった。