※この作品はR-18です。

私はただの戦闘エロとか敗北後イベントが多いゲームのゲーマーです   作:夢現図書館

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イベントへ向けて

 

 

 

 

「……ふぅ、今回はこのくらいで良いかな」

 

 ゴールド2倍クエストの討伐対象であったモンスターが光の粒となって消滅して行く。

 城下町近くの草原のフィールドであり、スレイは8回程、繰り返してゴールド2倍クエストを受注して資金を確保した。……先程、露天商で散財してしまった為にその補填も兼ねていた。

 

「取り敢えずゴールドは確保したし……今日はどうしようかな?」

 

 『スレイヴ・オンライン』は自由度が売りのゲームだ。特に定められた目標は無くプレイヤーは自由に探索が出来る。時々、イベントと称して目標が定められた達成に向けて挑戦する内容のクエストが発生するのだが、今は開催されていない。と言うよりもイベントとイベントの間の閑散とした時期だった。このゴールド2倍クエストもそのイベントの間に開催される類の小規模イベントであった。

 

「……次回のイベント告知は、と」

 

 少し移動して砂利道が通りその近くにある切り株に腰掛けてメニューウィンドウを開いて『お知らせ』の項目を流し見する。

 

「……『ジャマー団襲来イベント』? 成程、襲来イベントが予定されているんだ」

 

 『襲来イベント』とは各所に点在する町や城下町と言った拠点となる地域に対してイベント名を冠した種族によるモンスター群が大挙として襲来し、プレイヤー達はソレの迎撃を行うと言う趣旨の協力型イベントである。

 襲来するモンスターを無事撃退する事が成功すれば参加プレイヤー全員にイベント報酬が得られる。活躍すれば更に豪華な報酬が得られると言う訳だ。

 防衛が失敗した拠点は破壊されてしまい、暫く間は復興と言う名目で立ち入る事もその拠点の施設を使用する事が出来なくなり、ゲーム内に確実に影響を及ぼすイベントとなっている。

 ただし、『サーヴァル城』は襲撃対象に選ばれない(安全地帯が無くなる事を防止する為)。

 

 

 防衛戦の最中にHPが0になり『スレイヴ状態』になれば其の儘、捕縛される可能性もあるしモンスターの数も多くなりがちなので他のプレイヤーの救援が間に合わない可能性が高くなる。当然ながら捕縛された場合、其の儘何処かに連れ攫われる可能性もある。

 前回の襲来イベントは攻撃体力共に高い『ミノタウロス』であったが、今回は『ジャマー団』なるエナミー群のようである。

 

「……『ジャマー団』か。コレはコレで面倒臭いんだよね」

 

 『ジャマー団』とは『スレイヴ大陸』全土に活動の場を広げる敵対組織の一種である。

 『ジャマー団』の組織で構成されるエナミーも女性の『戦闘員』なる存在で占められており宛ら悪の組織だ。

 

 『スレイヴ・オンライン』上の設定では突如、異世界から現れた『スレイヴ大陸』に仇なすテロ組織として認知されており、オーパーツ等を使用し世界制服を目論む組織……と言う認識である。

 

「……『ジャマー団』の強さはピンキリだからね」

 

 モンスターに捕獲、捕縛されたプレイヤーはそのモンスターに『奴隷』として使役されるパターンがある。代表的なのはゴブリンに捕縛され、ゴブリンライダーの騎乗物して使われる。

 『ジャマー団』に捕獲された場合、職業が強制的に『戦闘員』に変更され、プレイヤーではなくモンスターとして扱われ、他のプレイヤーからもプレイヤーではなくモンスターとして認知される。

 時間経過か倒される事で安全地帯の特定箇所でリスポーンする仕様となっている。

 

 つまる所、『ジャマー団』の戦闘員の中には捕獲され戦闘員に上書きされたプレイヤーも含まれている可能性があると言う事。

 当然ながら、汎用モンスターの戦闘員よりも強くなる傾向がある。今回の襲撃イベントにも撃退対象として『戦闘員化プレイヤー』が出現する可能性があるので、防衛難易度は高くなりそうだ。その分、報酬も豪華になるのは明白だろう。

 

「……となれば参加しない訳にはいかないね」

 

 スレイのプレイ方針としてはイベントは積極的に参加する。何故ならイベントの報酬はプレイヤー側にとっても美味しい内容が多く、希少品も含まれている事が多いので参加しない手は無い。こう言った難易度に物議が醸しそうなイベントでもライトユーザーにもヘビーユーザーにも楽しめるように運営はちゃんと調整を日々、続けている。

 

 襲撃を受ける対象の拠点毎に難易度分けされており、報酬は豪華になるが高難度。報酬は少し控えめになるが低難度と言うように棲み分けが成されている。

 自分のプレイスタイルに合わせて選択するのが賢明と言える。下手に高難度に挑戦すればあっという間に倒されて他のプレイヤーの迷惑になる可能性があるからだ。

 

「……取り敢えず中堅所の難易度の所にしよう」

 

 イベント開始までまだ日数がある。

 この『スレイヴ・オンライン』にはファストトラベル機能が搭載されている。早い話がワープ機能。メニューウィンドウからマップを開いて指定箇所に瞬時に移動する事が可能である。

 

 1度、自力で訪れた事のある拠点や各所に点在するワープ地点に瞬時に移動出来る機能である。『スレイヴ・オンライン』は広大なオープンワールドである為、移動距離が非常に長くなりがちである。その為、プレイヤーは時短の為に積極的にワープ機能を利用している。

 かく言うスレイも急ぐ時は利用する時はあるのだが、基本的には自力で向かうようにしている。折角のオープンワールド、自分の足で移動して楽しむのも楽しみ方だと思っている。

 自分の足で移動する他にも馬車や船と言った乗り物も利用する事が出来る為、それらも含めて作り込まれたゲームと言える。

 

「『アレナシティ』が1番、近いかな……。良し、此処にしよう」

 

 現在地点から最も近い上で『襲来イベント』の難易度も中間程度になる拠点、『アレナシティ』に決めた。メニューウィンドウを開き更にマップウィンドウを開き、アレナシティの場所にピンを立てた。

 その直後、視界には光の粒子が列を成す様に現れる。コレは道標(ガイド)であり、マップに目的地のピンを立てると現在地からその目的地へ向かう最短ルートを光の粒子で表示される。

 オープンワールド故に目的地に辿り着けず迷うと言うストレスを軽減する為の措置である。

 

「それじゃあ、出発するとしますか」

 

 スレイは腰掛けていた切り株から立ち上がりアレナシティへと向けて出発した。

 

 

 

 

 

 

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