カードゲーム『マジックスピリット』~ありがとうおじさん!このデッキめっちゃ強いね!~ 作:あぶらんか
カードゲーム「マジックスピリット」がすべてを支配する世界。法律も、教育も、恋愛さえも、このゲームの勝敗で決まる。街のいたるところで召喚器が鳴り響き、モンスターや魔法が飛び交う光景は日常だ。強い奴は尊敬され、弱い奴は見下される。そんな世界で、気弱な少年ユウタは今日も肩をすぼめて歩いていた。
「ユウタ、また負けたのか?」
赤野流星(アカノ・リュウセイ)が笑いながら肩を叩いてくる。赤髪をなびかせた快活な少年で、赤属性のドラゴンデッキを操る天才だ。全国大会でもベスト16に入った実績を持つ彼は、ユウタの幼馴染であり、頼れる親友でもある。
「う、うん……でも、まぁ、いいよ。慣れてるし……」
ユウタは小さくうなずく。身長は低く、目はいつも下を向きがち。マジックスピリットが下手くそで、学校ではいつもカモにされていた。友達の流星がいてくれるからなんとか耐えられているようなものだ。
「リュウセイ、ユウタくんをいじめないでよ。ね、シズクちゃんもそう思うよね?」
光院寺アカリが口を挟む。金髪のロングヘアを揺らし、光属性の輝くデッキを愛用するお嬢様だ。財閥の娘で、召喚器だって最新型。高飛車だけど、ユウタには妙に優しい。
「うん、アカリちゃんの言う通り。ユウタくん、気にしないでね。」
青原シズクがにっこり笑う。流星の幼馴染で、青属性の水系デッキを使うクールな美少女だ。長い黒髪と澄んだ瞳が印象的で、どこかミステリアスな雰囲気を持つ。ユウタは彼女の優しさにいつもドキドキしてしまう。
「う、うん……ありがとう、みんな……」
ユウタは顔を赤らめてうつむく。気弱で、友達に恵まれていることが信じられない日々だった。
そんなユウタの人生が変わったのは、ある日のおじさんとの出会いだ。おじさんは転生者らしい。工場でミンチになったあと、なぜかこの世界に紛れ込んだと笑いながら話していた。恰幅がよく、禿げ頭で、どこか不潔そうなその男は、ユウタにこう言った。
「ぐひっ、ユウタ坊や。お前、弱っちいなぁ。こんな世界じゃ女にすら舐められるよぉ。でもなぁ、おじさんが助けてやるよぉ。」
おじさんはニヤニヤしながら、古びたデッキケースを渡してきた。
「これはおじさんの秘蔵っ子だよぉ。粘液獣デッキだ。20年後の環境で無双した最強のカード群だよぉ。使いこなせれば、お前だって天下取れるぜぇ。」
ユウタは半信半疑だった。粘液獣なんて雑魚モンスターのイメージしかない。でも、おじさんのデッキを使ってみると――驚くほど強かった。特殊効果のコンボが噛み合い、相手の動きを封じ込めて一気に勝負を決める。おじさんがくれた召喚器にセットして試しに遊んでみたら、学校のカースト上位の奴らを次々とボコボコにできた。
「す、すごい……! おじさん、ありがとう!」
ユウタの目が輝いた。おじさんは「ぐふっ、女も泣かせてやれよぉ」と下品に笑った。
そして今日。放課後の公園。流星が部活でいない隙に、ユウタはシズクに近づいた。心臓がバクバクしてる。気弱な自分がこんな大胆な行動に出るなんて、夢にも思わなかった。でも、おじさんのデッキを手に入れてから、何かが変わった気がする。
「シズクちゃん……あの、僕と、マジックスピリットで勝負しない?」
ユウタは震える声で言った。シズクが少し驚いた顔で振り返る。
「……ユウタくんが? 珍しいね。いいよ、相手してあげる。」
彼女の柔らかな笑顔に、ユウタの胸がさらに高鳴る。
「で、でもさ……賭けを、したいんだ……」
「賭け?」
シズクが首をかしげる。ユウタは目をそらしつつ、勇気を振り絞った。
「僕が勝ったら……シズクちゃんと、エ、エッチなこと……してもいいかな?」
一瞬、静寂が流れた。シズクの瞳がユウタをじっと見つめる。ユウタは顔を真っ赤にしてうつむく。しまった、やっぱり怒られる――そう思った瞬間、シズクがくすっと笑った。
「ふふっ、ユウタくんって意外と大胆なんだね。いいよ、その条件で勝負しよっか。」
「えっ!?」
ユウタが目を丸くする。まさか受け入れてくれるなんて。シズクは平然と召喚器を手に持つ。
「でも、私が勝ったら、ユウタくんには1週間、私の荷物持ちになってね。それでいい?」
「う、うん! いいよ!」
ユウタは慌てて頷いた。内心、勝てる自信があった。おじさんの粘液獣デッキは、試した限り無敵だったから。
「じゃあ、いくよ。バトルスタート!」
二人が同時に叫ぶ。召喚器が光り、フィールドが展開される。シズクの青属性デッキは水の精霊や海獣を軸にしたトリッキーな動きが特徴だ。ユウタは緊張しながらも、デッキを信じた。
「私のターン、ドロー! 3コストで【アクア・メイデン】召喚!」
シズクがカードを場に出す。美しい水の乙女が現れ、しなやかな動きでユウタを挑発する。
「この子、攻撃力は低いけど、相手のモンスターを1体眠らせちゃう効果があるの。どうする?」
シズクの声は冷静で、少し意地悪な響きさえあった。
「うっ……僕のターン、ドロー! 2コストで【粘液獣・開花】召喚!」
ユウタがカードを出す。ドロドロした粘液獣が場に広がり、気持ち悪い見た目にシズクが眉をひそめる。
「その子は毎ターン増殖する。次のターンには2体になるんだ。」
「ふーん、気持ち悪いね。でも、それだけじゃ私には勝てないよ?」
シズクが余裕の笑みを浮かべる。
2ターン目。シズクがさらに【シー・サーペント】を召喚し、ユウタの粘液獣を攻撃するが、粘液獣は分裂して数を増やす。3ターン目、ユウタが切り札を出す。
「【触覚持ち粘液獣】召喚! この子が場にいる限り、デッキや手札からの直接発動を封じるよ!」
「えっ!?」
シズクの顔が初めて強張る。彼女のデッキは魔法カードのコンボが生命線。それが封じられたら――。
「ユウタくん、ずいぶん強くなったね……でも、まだ終わらないよ!」
シズクが必死に反撃するが、粘液獣の増殖と妨害効果に押され、じわじわと追い詰められる。5ターン目、ユウタの粘液獣軍団がシズクのモンスターを全滅させ、ダイレクトアタックが決まる。
「私の負け……だね。」
シズクが召喚器を下ろし、静かに認めた。ユウタは信じられない気持ちで震えた。
「やった……僕、勝ったんだ……!」
「うん、おめでとう。約束は約束だから……ね?」
シズクがユウタに近づき、耳元で囁く。その甘い声に、ユウタの頭が沸騰しそうになる。
「公園の裏の茂みに……行こっか。誰も見てないよ。」
シズクがユウタの手を引く。ユウタは真っ赤になりながらついて行った。
茂みの奥で、シズクはユウタを木に押し付けるようにして向き合った。
「ユウタくん、私のこと……どうしたい?」
「え、えっと……キ、キスとか……したい、かな……」
ユウタがどもる。シズクは目を細めて微笑む。
「ふふっ、いいよ。それじゃ――」
シズクの柔らかい唇がユウタに触れる。初めての感触にユウタは目を閉じ、頭が真っ白になった。シズクの手がユウタのズボンに伸び、下着越しに硬くなったものを撫でる。
「うわっ、シズクちゃん!?」
「賭けは賭けだよ。ユウタくんが勝ったんだから、私、ちゃんと従うから……ね?」
シズクがズボンを下ろし、ユウタのモノを握る。そのままゆっくり扱き始めると、ユウタは我慢できずに喘ぎ声を漏らした。
「シズクちゃん……気持ちいいよぉ……!」
「ふふっ、よかった。ユウタくん、可愛い声出すね。」
シズクがさらに激しく手を動かす。ユウタはあっという間に限界を迎え、シズクの手の中で果ててしまった。
「うぁっ……!」
白い液体がシズクの手に飛び散る。彼女はそれを平然と見つめ、微笑んだ。
「ユウタくん、初めてだったんだね。気持ちよかった?」
「う、うん……ごめん、汚しちゃって……」
「いいよ。これくらい、マジックスピリットの賭けだし。」
シズクがティッシュで手を拭きながら立ち上がる。ユウタはまだ息を整えきれず、ぼーっと彼女を見上げていた。
「また勝負しようね、ユウタくん。次はもっとすごいこと、賭けちゃおうか?」
シズクがウインクして去っていく。ユウタは呆然とその背中を見送りながら、心の中で誓った。
「僕……もっと強くなるよ……!」
気弱だった少年が、一歩踏み出した瞬間だった。おじさんのデッキが、ユウタの人生をどこまで変えるのか――それはまだ、誰も知らない。
次回「流星のドラゴンvs粘液獣の罠」
乞うご期待!