※この作品はR-18です。

ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話   作:かくろう

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◇SとMの関係◇

「克明君、私そろそろ働いてみたいと思うんだ」

「そうだね。結婚も決まったし、新しい事を始めるには丁度良いタイミングかもしれない」

「うん。一度冴子さんに話を聞きに行って自分にできる事を増やしたいって思ってるの」

 

 加奈ちゃんは自分の過去から逃げない選択をした。ぶっちゃけこのまま風俗業界と縁を切っても誰一人咎める者はいない。

 むしろ冴子さんや社長だってそうする事が正しい事だと言っている。

 その一方で、加奈ちゃんの才能をフルに生かす環境がそこである事も理解しているのだ。

 

 だから彼女自身にそれを選んでほしいと願っている。そして彼女はそれに応えたいと思っているようだ。

 どのような未来になろうとも、俺は加奈ちゃんと一緒に歩んでいくと決めたのだからそれを尊重したい。

 

「それじゃあ早速アポを取ってみようか。丁度今日で仕事納めだから一緒に行こう。ついでに冴子さんに拘束プレイのコツとか聞きたいし」

「ふふ、そうだね。エッチの仕方、もっとバリエーション増やしちゃお♡ もっと克明君が興奮できるように頑張るね」

 

◇◇◇

 

 こんな会話があったのが夕べのこと。

 そんな訳で早速冴子さんにアポを取ろうとおもった矢先に食事のお誘いがあった訳だ。

 

 さて、今日は仕事納めの前にもう一つやるべきことが残っている。

 

 午後の仕事を終え、約束していた社長とのアポに向かう。

 相変わらずエントランスから続く専用エレベーターのフロアは空気感が違う。

 

 長いエレベーターを昇り、美人秘書のお二人に挨拶をして扉を開く。

 

「おう、来たな志藤」

「失礼します社長。お時間を取っていただきありがとうございます」

「構わんよ。その後が気になっていたところだ。近況を聞かせてくれ。まずは茶でも飲みながらな。おーい友梨佳くーん」

 

『分かってますから大声出さないでくださいねっ!』

 

 相変わらずの仲良し夫婦のようだ。このやり取りを聞くのも2回目だけど、以前聞いた時には気が付かなかった互いの信頼関係の深さが分かる。

 

 瑠璃さんの出してくれたお茶菓子を摘まみながら近況を報告した。

 社長は俺の話を余すことなく聞いてくれる。

 

「今日は社長にお願いあってきました」

「ああ、言ってみろ」

 

 社長は加奈ちゃんの体の事情を知っている。そのことで治療費の融資をお願いしにきた。

 

「加奈ちゃんの治療には莫大なお金が掛かります。一生掛かってもそれを準備する覚悟はありますが、それでは加奈ちゃんはずっと苦しむことになる」

 

「分かっている。皆まで言うな。既にその準備はできているぞ」

「え?」

 

「君の性格上そういうことを他人に頼むのは憚るのかと思っていた。だから先日の話を聞いてから準備の為に動いていたのだ。恋人の為に思い切った決断をする。ますます気に入ったぞ志藤」

「あ、あの、それはどういう……」

 

「なに。君には感謝していると言っただろう。できるサポートは全てやるとも言ったはずだ。水無月コーポレーションの社長が『できる事は全てやる』と宣言したのだ。何も遠慮することはないさ。君が自分で決断するのを待っていたのだ」

 

 どうやら社長は俺が経済的支援を頼みにくることも想定済みだったらしい。

 そしてその額の巨大さから俺が遠慮するだろうことも、それを押し切るまでの決断をすることも、全て想定して準備を進めてくれていた。

 

「さて、君の願う加奈子君の治療費用に関してだが、これは私一人の手にはあまる案件だと判断した」

「と、いいますと?」

「いかに水無月コーポレーションの社長とはいえ、俺個人の財産は大したものではない。動かせる金には限度がある。が、篠宮会長なら話は別だ」

 

「なるほど」

 

「というより、篠宮会長ならもっと予想もつかない解決方法を提案してくれるかもしれない。あの方は一般常識というものがとことん通じない御方だ。金では解決できない突飛な方法を知っているかもしれないぞ」

「そ、それはつまり、篠宮会長に直接お伺いを立てるということでしょうか」

 

「そうだ。近く、かの御方の使いの人が現われる。俺の口から誰がそうなのかを伝えることはできないが」

「分かりました」

「そう気を張らなくていい。君はいつも通り、加奈子君のために全力を尽くしていればいいんだよ」

 

「そうですね。ありがとうございます」

 

 こうして社長から聞いた新たな展開に胸が高鳴る。一体どんな人が接触してくるのか。

 とはいえ、俺は今まで通りに過ごしていればいいということらしいから、あまり気張りすぎないように構えておこう。

 

◇◇◇

 

 次の日の夜。

 俺達は冴子さんと会食をするためにシルキィ・ミルクに向かっていた。

 

「前の時はお料理楽しむ余裕なかったから、楽しみだね」

「ああ。冴子さんが一番いいコースを予約してくれたって言ってたからね。しかしアフタークリスマスパーティーなんて単語は初めてだからちょっと不安だ」

「え、なんで?」

「いやだって……なんかミルク店長って俺のこと見る目がちょっとねっとりしているというか。そういうのだから怖いっていうかねぇ」

「あはは。じゃあ私は克明君が寝取られないようにしっかり捕まえておかなくちゃ」

「頼むよ加奈ちゃん。俺お尻の開発は勘弁だからさ」

「あはは。克明君のお尻をペロペロしていいのは私だけだもんね」

 

 スゲぇこと言い出すな加奈ちゃんは。なんだかこういう冗談を言えるようになるまで精神が回復したとも言えるから、これもいい事と捉えてよさそうだ。

 

「それじゃあまたローションマットプレイをお願いしようかな」

「うん♪」

 

 加奈ちゃんのもたらす快楽は極上の一言だ。このところは実に楽しそうな顔でサービスしてくれることが多くなった。

 

 上書きも順調に進んでいる。クリスマスの夜を最後に発作を起こすこともなくなり、日常生活でも精神が乱れることもない。

 

 まだ一人で出歩くことはできないが、誰かと一緒なら軽い変装でも外出できるようになってきたのは大きい。

 

 組織は崩壊した。それ以外も冴子さんが睨みを効かせてくれている。

 とはいえ再会からまだ2ヶ月しか経っていないことを考えれば楽観視していいとは思えない。

 

 俺達が完全な安息を得る日はいつ来るだろうか。

 

「克明君……大丈夫?」

「あ、ああ。ごめん。ちょっと考え事してた。さ、行こう」

「うん。何かあったら言ってね」

「分かってるよ。ありがとう」

 

 シルキィ・ミルクの扉を開き、加奈ちゃんと共に店に入る。

 そこで視界に映った光景に思わず変な声が出そうになった。

 

「おわっ! こ、これは」

 

『いらっしゃいませ~♪』

 

 そこはウサギのパラダイス。なんとウェイトレスの女の子達が全員バニーガールの姿をしているではないか。

 レオタード調のスーツにうさ耳バンド。色とりどり様々なカラーで出迎える女の子達に面食らった。

 

「うわ、これは……目のやり場に困るな……」

 

 しかも女の子のレベルが異様に高い。

 スタイルもさることながら、顔面偏差値とでも言おうか。

 

 アイドル顔負けの可愛い女の子が立ち並び、中々に際どい食い込みのバニースーツは非常に目のやり場に困る。

 

 

「克明君、あんまり見ちゃダメ」

 

 ちょっと拗ねたような声で袖を引っ張る仕草が可愛い。

 俺が加奈ちゃんを独占したいように、加奈ちゃんも俺を独占したがって嫉妬してくれるのは、なんだか嬉しくなってしまう。

 

「今夜はバニーで頼む」

「うん♡」

 

 隙あらばイチャつくネタにする俺達を咎められる者はおるまい。

 

 加奈ちゃんの嬉しそうな表情と言ったら堪らない気持ちにさせてくれるではないか。

 

 バニーガールの一人に案内されて、奥の部屋へと入っていく。

 

 一つ一つのスペースが半個室みたいにソファを囲むようにしてカーテンで区切られている。

 

 しかし、俺達はそのスペースではなく、更に地下へと降って高級感に溢れる内装のエリアに案内されていく。

 

 その中でももっとも奥まった場所にある一番高そうな部屋の扉を開いた。

 多分、見た中で最も高級感に溢れた完全な個室だった。

 

 両開きになっている大きな扉が荘厳な音を立てながら開いていく。

 中は大きめなソファと低いテーブルが置かれ、幻想的な水槽とイルミネーションのような光で彩られた色彩豊かで暗めの照明がお洒落な内装をしていた。

 

「綺麗……」

「こんばんは志藤さん、月宮さん。今日は来て下さってありがとうございます」

「こちらこそ、お招きいただきありがとうございます」

 

「さあ、今日は美味しいものを沢山食べましょう。どうぞ座ってください」

 

 冴子さんに促されてソファへの座る。

 今日はSMのプロである彼女にSとMとの関係性についてご教授願いたいと伝えてある。

 

 それがまさかこんなに高級なお店に呼んでもらえるとは思っていなかったので、二人して面食らって緊張してしまっているところだ。

 

「まずはオードブルから頂きましょう。ミルク、始めてちょうだい」

「はあ~い♡ ようこそお二人さん☆ 今日はミルクが腕によりをかけて作っちゃうわよんっ」

 

 扉を開けて入って来たのはどぎついバニー衣装に身を包んだミルク店長である。

 オードブルの皿を手に乗せて歩く様はキャットウォークのようにクネクネと足を交差させている。

 妙に様になっているが、如何せん体躯がデカ過ぎて怖さの方が先に来ている。

 

「うふふ♡ あら加奈子ちゃん。随分いい顔をするようになったじゃない。前にお店に来たときとは大分顔色が違うわ」

「ありがとうございます。お陰様で順調に回復してます」

「良かったわ。今日は乙女の美肌に良いものを特選して作ったから沢山食べてね」

「はい、楽しみにしてました」

 

 オードブルから始まって次々に出てくる料理のレベルの高さに舌鼓を打ち続けた。

 

 そして、いよいよ話題は本題に入っていく。

 俺達は昨日までの俺達の関係性について赤裸々に告白し、SとM。

 つまり、ご主人様とメス奴隷の関係について、どのように進めていくべきかを相談することにした。

 

◇◇◇

 

「そうですね。月宮さんは受け手側としてご主人様である志藤さんを導かないといけません。M側の経験値が高い月宮さんは、ご主人様である志藤さんのブレーキを外してあげる役目があると思って良いでしょう」

「な、なるほど……、受けてばかりではダメ、なんですね」

 

「そうです。逆に、Sというのは究極の奉仕者と言っても良い」

「Sが奉仕者、ですか?」

「そう。一見するとMに奉仕されているように見えて、実はMの求めることを常に考えて先取りする奉仕者でもある」

 

 うーむ、なるほど。

 

「相手の身体を気遣って中々思い切った事ができない。それは志藤さんの優しい性格から予想はできます」

 

 正にそのとおりだった。

 俺は加奈ちゃんの望む強いセックスに対してどうしても躊躇してしまう。

 

「まず、大前提として人は人を傷つけることに対してブレーキが掛かるように潜在意識に刻みつけられています」

 

 潜在意識というのは聞いたことがある。

 無意識とか深層意識という言い方もある、人の心の内側にあるデータの集積所のようなものらしい。

 

「それは命を傷つけることに対するブレーキです。人間という生き物の魂が標準装備で身につけている」

 

 つまり、相手に対して無意識下において、強いセックスで相手が傷付くことに強くブレーキが掛かるようになっている。

 

「だからそれを『相手を信頼していないのはではないか』なんて自責の念に駆られる必要はありません。それは精神性が高い証拠だから、人間としてのレベルが高い証拠です」

「人間としての、レベル……」

「そう。魂の精神レベルと言い換えても構いません。逆にあなたが未経験で予備知識もないのに、躊躇なくそういうことをできてしまう人間であるなら、恐らく彼女を幸せにすることは難しくなるでしょうね」

「どういう事です?」

 

「痛みと快楽は紙一重の関係にあります。それを信頼関係という地盤の上で行うことでSMはプレイとして成立している。セックスとは本来、命を育む行為。本来なら痛みは必要ありません」

 

 確かにその通りだ。様々なプレイは心同士を通わせる為のエッセンスという言い方もできる。

 

「だから心同士が通わないSMプレイは単なる暴力行為であり、一方的で動物的な快楽の追求であり、そこに未経験のあなたが『加奈ちゃんを気持ちよくするんだ』と言って強いセックスを躊躇なくできる人間なら、それは単なる快楽に対するブレーキの緩い快楽主義者の要素を含んでいる」

 

 快楽、主義者か……それは本当に気を付けた方が良いな。

 

 加奈ちゃんとのセックスは、とても甘美で溺れそうになってしまうのは事実だから。

 

「無論、加奈ちゃんを満足させることよりも、自分の考えを優先させた事、【自分のやりたいやり方】を優先させた事は反省点としてあげる必要はあると思います。それでも、相手を傷つける可能性のある行為への躊躇には、そう言った理由があることも知っておくとよいでしょう」

 

「な、なるほど……それは反省すべきですね」

「逆に、月宮さんの側にも問題はあると思います」

 

「は、はい。教えてください」

 

「聞く限り、月宮さんは受け身すぎるのです。【これで十分だから】と、今まで志藤さんに強い要求はしてこなかったのではありませんか?」

 

「はい……でも、私は本当に不満なことはなかったので」

「でも、志藤さんはそれを思い悩むことになった。それは【自分は満足している】というエゴで志藤さんの心の声をシャットアウトしているのと同義ではありませんか?」

 

「……ッ、それは、確かに……」

 

「互いに思いやっているようでいて、一番肝心な相手の深い部分には理解が及ばず、それが届いていない。互いが互いにやりたいことをしているだけになっていませんか?」

 

「い、言い返せないです……」

「ふふ、少し意地悪を言ってしまいましたね。お互い経験値がないのですもの。齟齬が出るのは当然です。M側はS側が遠慮しなくても済むような、気持ちよく嗜虐的な行為に及べるような反応をして、Sの欲望を自分にぶつけて良いんだという安心感を引き出してあげればいいんです。喘ぎ声であったり、表情であったり、快楽を伝える言葉であったりね」

 

「具体的にはどういう風に進めていけば良いんでしょうか?」

 

「まず、SMには【セーフワード】や【ギブアップサイン】という取り決めごとがあります。お互いの合意のもとに行う以上、ここまではOK、ここからはアウト、というラインが分かるようなルール決めをあらかじめしておく必要があるんです」

 

「そ、そうか……そんな簡単なことで良かったんだ」

「そうですね。月宮さんの側がもっと遠慮しなくて済むように志藤さんを導いてあげればいいのではないでしょうか」

「そ、そうか……私、克明君に委ね、いえ、甘えてたんだ」

 

「言い方の是非はともかく、例え信頼関係があったとしても、心の内側というのは自分ですらよく分からないことが多いものです」

 

 確かに、自分の気持ちだってよく分からなくなるのは、あることだな。

 

「だから答えは簡単。今日貴方達がしたように、お互いしっかりと話し合って、外部の意見を取り入れて、また話し合い、そして実行に移す。これを繰り返すだけでいいんです。貴方達は私のところに相談にきた。志藤さんはちゃんと月宮さんの事を思いやり、自分が足りていないことを自覚しているからこそ、外部の意見を取り入れようと思ったはず」

 

「そうでありたいと思っています」

 

「あの男がそんな取り決めをする筈がありませんから、そういった経験はなかったでしょう?」

 

「はい、いつも一方的に追い詰められてばかりで……そう言ったことを決めたことはありませんでした」

 

「やはりあの男は社会的地位はあっても、調教師としても三流四流。いえ、五流以下。お話にならないレベルでお粗末です」

「……」

 

「月宮さん……あなたが羨ましいです。志藤さんという魂のパートナーがいて。あの男がしていたのは調教ではなく、単なる暴力です。あなたはずっと性暴力に晒され続け、それに対して必死に抗ってきた」

 

「そのとおりです。私はあの男から受ける快楽にずっと抗ってきました」

 

「だから貴方達は、お互いが初心者と同義。いきなり上手く行かないのは当然です。だから私のところに相談に来たのは正解ですよ」

「はい、ありがとうございます」

「今の話で、もう一つ分かったことがあります」

 

「なんでしょうか」

「月宮さんが望んでいる上書きを、志藤さんが躊躇なく、いえ、気持ちよく行えるように、加奈ちゃんは徹底したM奴隷の要素を鍛える必要がありますね」

 

「M奴隷の要素、ですか……」

「上書きをしてもらっている立場である以上、ご主人様である志藤さんが、それを気持ちよく行えるようにM奴隷、いえ、"愛奴隷"として一流にならなければならない」

 

「愛……奴隷……いい言葉です。そうなりたいです……」

 

「例えば、今回の相談事である乱暴なセックス。これは普通の人間なら躊躇するのは当たり前。よほどの腰ふり猿野郎でなければ、子宮にペニスを叩き付けるような激しいセックスには一定の躊躇が生まれるのは当然であり、月宮さんは志藤さんをそういう人間であると分かっていた筈でしょう」

 

「はい、そのとおりでした。私は、克明君に甘えすぎていたんだと思います」

 

「だから、志藤さんがその行為を気持ちよく行えるように、あなたが志藤さんの加虐性を引き出してあげればいいんです。そしてそれは志藤さんの側も同じ事が言える」

 

「はいっ」

 

「あなたが本気で加奈ちゃんを上書きしてあげたいと思うのなら、そこに対する躊躇を行うことは、相手を思いやっていることにはならないことを覚えておいてください」

 

 

「本当に勉強になります」

「私も、自分が受け身になりすぎていることに気が付かせてもらえて、本当に有り難かったです」

「お力になれたなら幸いでした」

 

 冴子さんの話はこれからの俺達にとって非常に有意義になるものばかりであった。

 経験値もさることながら、分かりやすく俺達の問題点を分析できる頭の良さも相まって理解しやすかった。

 

「冴子さん。私、あのお話を承ろうと思います。冴子さんの元で働かせてください」

「そうですか。よろしくお願いします。月宮さんが来てくれるなら非常に心強いです」

 

 食事もデザートまで食べ終わり、歓談をしながら話がまとまり始める。

 食後の紅茶を飲み終わってそろそろお開きかと思われた頃、冴子さんがもう一つ伝えたいことがあると言い始めた。

 

「実は、お二人に会っていただきたい人がいます。特に月宮さんには関係の深い人ですので、今日はここにお呼びしています」

 

「私に、ですか? いったい……」

 

 加奈ちゃんの人間関係で知り合いというのは知らない。ということは、行方不明だった五年間の知り合いということだろうか。

 

 何かに思い当たったようで、加奈ちゃんの目がみるみる見開いていく。

 

「ま、まさか……」

「呼んできますね。少々お待ちください」

 

 程なくして戻ってきた冴子さんと共に現われたのは、長く黒い髪が特徴的な女性だった。

 

「雪乃……さん?」

 

 その名を呼ぶ加奈ちゃんの瞳には、大粒の涙が浮かび上がっていた。

 

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