ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
クリスマスから日数は経過して今日は31日。
俺達は二人で俺の実家近くの温泉宿に泊まりに行くことにしていた。
ヘブンズ・ヴァルキリー幹部との顔合わせから数日。
俺達は年末年始の時間を二人きりで過ごすため、結婚前の婚前旅行と称して計画していたのだが、なんと冴子さんが個室の露天風呂付き温泉旅館を手配してくれていた。
ちょうど年末の社員旅行と重なっており、俺達は二日間の二人旅行の後に彼女達の社員旅行に同行させてもらえることになった。
あの後加奈ちゃんの同僚だった美女四人に質問攻めにあって大変であった。
咲良はからかうし、冴子さんは煽るし、朝霧さんは四人に混ざってくっ付こうとしてくるし。
加奈ちゃんは俺がからかわれている姿を見て何故かご機嫌になっており、その日の夜は濃厚なサービスをしてくれた。
再会してから初めての二人きりの小旅行。
帰省ラッシュに引っかからない為に少し日にちをずらして車での移動を開始する。
幸いなことに俺の実家はさほど遠いわけでもなく、隣の県に移動するだけで済む。
実は加奈ちゃんはうちの家族には何度か会ったことがある。
高校の時から付き合ってた俺達なので、加奈ちゃんはうちには来たことがあるのだ。
受験勉強シーズンだったので色気のある話にはならなかったが、一緒にご飯を食べたりしたこともあるので電話で加奈ちゃんと寄りを戻したことを伝えると子供のようにはしゃいでいた。
母親は加奈ちゃんにも泊まって欲しいと願っていたが、精神的負担のこともあるし、正直俺も実家で根掘り葉掘り聞かれるのは避けたかったので遠慮することにした。
「加奈ちゃん~お久しぶりねぇ。随分綺麗になっちゃってぇ」
「お久しぶりですおばさま」
「あらあら。そんなに他人行儀な呼び方しなくていいのよ。だって家族になるんだもの。ゆっくりしてってねぇ」
「親父は?」
「町内会の集まりで出かけてる。夜まで帰ってこないわ。バカよねぇ。こんなに綺麗な加奈ちゃんが来てくれてるのにむさ苦しいおっさん共の集まりに行っちゃうなんて」
「あはは、恐縮です」
家族には俺達が来月末には籍を入れることを伝えてある。
伝える事にメリットはないので加奈ちゃんの詳しい事情については伏せている。
事実をまんま伝えるわけにはいかないので、寄りを戻すまでの経緯も少し事実をアレンジしたストーリーを考えて伝えておいた。
色々あったが寄りを戻して現在は仲睦まじくしていることさえ伝われば十分だろう。
「もう、せっかく加奈ちゃん連れてくるなら泊まっていけば良いのに」
「だからさ。旅行も兼ねてるんだってば。それに母さんはしゃいじゃうし」
「陰キャ童貞の息子が将来の娘を連れてくるんだからはしゃがない方が無理よ」
「陰キャ童貞は余計だ」
「あはは。変わってないですね。このやり取り見るのも久しぶり」
「加奈ちゃんは随分と変わったわよねぇ。やっぱり別れてる間はこんなのより良い男と付き合ってた?」
「こんなのとはなんだこんなのとは」
「いいえ。お付き合いした男性は克明君だけです。それ以外は見向きしたこともありませんッ」
他の男になびいていたような事を言われて加奈ちゃんの口調が少し尖る。
俺としては嬉しかったりしたが、一方の母親は少し口調を荒げる加奈ちゃんに面食らっているようだった。
「あらあらごめんなさい。悪意があったわけじゃないのよ。こいつ不器用だから加奈ちゃんに振られたら一生独身だろうし、母親としては心配でねぇ」
「ナチュラルに息子をディスるのやめてもらえません?」
そんな会話を続けること小一時間。
加奈ちゃんと母者はすっかり仲良しこよしとなり、そろそろ予約していた旅館に出かけるには丁度良い時間になっていた。
「あ、しまった……お父さんのビールとおつまみ買ってくるの忘れてたわ。克明、あんたちょっとひとっ走り行ってきて」
「ええ? 俺達もう宿に行く時間なんだが……」
「少しくらい良いでしょ。加奈ちゃんともう少しお話したいからぁ。お願い息子~」
「分かった、分かったから猫なで声出すな気色悪い」
フリーダム過ぎる母の言動に辟易しながら渋々でかけることにする。
加奈ちゃんももう少し母と話したいらしく、俺は一人で出かけることになった。
◇◇◇◇◇
【side加奈子】
克明君が買い物に出かけ、私は彼のお母さんと二人きりになった。
お茶のお替わりを入れてくれる彼女の気遣いに感謝しつつ、二人で談笑する時間は続いた。
そして克明君が出かけて少し経ち……、湯飲みを置いて私の目を見つめる。
真剣さが滲み出るその表情に雰囲気が変わったことを察し、私は口元を引き締める。
「あの……」
「加奈ちゃん。あなた、苦労したみたいね」
「え?」
彼女は私の手をそっと握り、見つめてくる。
突然のことにどうして良いか分からず、フリーズしてしまっていると、優しい瞳で見つめながら微笑んだ。
苦労した、なんて言われ、何を言って良いか分からなくなる。
「そ、その……」
「ああ、心配しないで。あいつから直接何かを聞いたわけじゃないから。あの不器用なバカ息子が考えたストーリーなんですぐに嘘だって分かったけど、あなたのこと見たらなんとなく事情は分かったから。あいつ、ここ数年ずっと仏頂面してたからね」
私は彼のお母さんの口からここ数年間の様子を聞くこととなった。
私を探している間の彼は、たまに帰ってきてもどこか浮かない顔をしてすぐに帰ってしまうし、私との事を聞いても適当にはぐらかして答えようとしないので何かあったに違いないと察していたらしい。
そして、彼女は握った私の手を優しく撫でてこう言った。
「苦労したのね……。どれだけ頑張っていたか手を見ればわかるわ」
「手、ですか……?」
「あいつと離れてた数年で何をしていたかは聞かないわ。どんな事情があるかも分からないし、言う必要はないのよ」
克明君のお母さんは私の手を見て何をやっていたのか、察しているのかもしれない。
私の手には水を沢山使う事でできる手荒れの跡がまだ少し残っている。
ここ1ヶ月ほどでだいぶ良くはなったが、まだ見る人が見れば分かるくらいには残っていた。
あのオイルでだいぶ消えるのは早かった筈なのに……。
でも、多分この人はそれだけで判断したわけではないと思う。
私には、夜の人間独特の匂いがまだ残っているのだろう。
「何があったのかは分からないし、無理には聞かないけど、心配しなくても大丈夫だからね」
「え?」
「あの子があんな顔を見せるのはあなたといるからだし、そんな加奈ちゃんだから、私は家族として迎え入れることに反対はない。むしろ大歓迎よ。ここはあなたの実家になる。だから、困ったことがあったらいつでも相談に乗るからね。男相手じゃ相談し辛いこともあるでしょ?」
「はい……ありがとう、御座います」
優しい言葉に涙が零れそうになる。
温かい手のぬくもりが染み入るように身体の芯まで入り込んできて、そのことが溢れる涙を更に零れさせた。
「戻ってきてくれて、ありがとうね。息子を、よろしくお願いします」
詳しい事情を話したわけじゃない。
でも彼女の目は、全てを悟っていることを如実に伝えてくれる。
彼女はそれを全部理解した上で、何も聞かずに受け入れてくれたのだ。
「私……、ずっと、忘れなかったです。克明君以外の人を好きだったことなんて、一瞬もありませんでしたから……ッ」
「うんうん。分かってる。ちゃんと分かってるよ」
側に寄り添ってそっと抱き締めてくれる優しいぬくもり。
嗚呼、どうして克明君の周りには、こんなにも優しい人達ばかりなのだろうか……。
「ありがとう、ございます……。本当に、本当に……ありがとう……うぅ、うぇえぇ」
「きっといっぱい苦労したんだね。頑張ったね加奈ちゃん。本当によく頑張った」
奇しくも克明君が私にかけてくれた言葉と全く同じだと気が付いて、やっぱり親子なのだと、感動を禁じ得なかった。
彼女は詳しいことは何も聞かず、堪えきれずに泣きじゃくる私を優しく撫でてくれた。
まるで本当のお母さんみたいに……。