ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
婚前小旅行一日目。
温泉旅館へと到着した俺達は、早速自慢の温泉を楽しむことにした。
「はぁ……あったかくて気持ち良い……。冬の海っていうのも風流だね」
「船とか何にもないからもの寂しい光景だけど、夏とかなら漁(いさ)り火とか見えて幻想的な風景が見られるらしい。でも、広い海を独占してるみたいで悪くないね」
「うん。他に邪魔するものがないっていいね」
夕刻のオレンジに染まった冬の海。
夏の漁り火のある光景に比べると華やかさはないが、夜になると真っ暗で何も見えなくなる何もない海は、夕方という条件でのみ風流が生まれる。
今日は風が穏やかで露天風呂に入るのにはうってつけの気候だ。
海辺を歩く人もおらず、覗かれる心配もない。
意外だったのは旅館という名前の場所としては珍しく、建物が4階建てで非常に広く作られており、旅館というよりホテルに近かった。
高い位置に設置された大理石でできた湯船に二人で浸かり、ゆったりと身体を伸ばして温まる。
背中を預ける加奈ちゃんの体温がお湯と一緒に伝わり、二人のぬくもりでお風呂の気持ち良さも一層強くなる。
「はぁ……幸せぇ」
冬の露天風呂の温度は非常に高い。
加奈ちゃんの白い肌が真っ赤になり、お湯の高温具合がよく分かる。
加奈ちゃんは反対を向いて俺と向かい合う。
ピタリとくっ付いた頬を胸板に当てて幸せそうに溜息を漏らした。
柔らかい感触が下腹部でムニュリと潰れて心地良い感触が当たる。
「こんなに幸せで……時々怖くなるなぁ……」
「どうしたんだい急に?」
「だって……今までを思えば、こんなに天国みたいに幸せな状況、想像できなかった。ねえ、私、本当にもう狙われないのかな……」
そうなのだ。
加奈ちゃんの身はまだ完全に安全かというとそうではない。
加奈ちゃん自身の男性恐怖症もそうだが、ヤクザ運営の組織や、加奈ちゃんを飼っていた男の仲間が略取の為に動いている可能性が捨てきれない以上、本当の意味で安息の日は訪れない。
社長の話ではこれまで関わってきた者達は全て淘汰されたが、これから出てくる分については油断してはいけないとも言われていた。
冴子さんからも同じことを聞いている。それは果たして今の加奈ちゃんが完全に安心してはいけないという示唆とも思える。
俺は加奈ちゃんを命がけで守ると決めているが、果たして俺個人でどこまで守り切れるだろうか。
近々篠宮会長からの使者がコンタクトを取ってくると言われたが、その兆しは未だにない。
それとも、雪乃さんがそうだったりするのだろうか。
あるいは先日の加奈ちゃんの同僚だった女性四人の誰か。
まさかまさかの大穴で咲良がそうだったりするのだろうか。
「克明君……ちゅ♡」
「おう……どうしたんだい?」
ぼんやりと考え事をしていると加奈ちゃんの柔らかな唇が頬を濡らした。
思わずドキッとする微笑みを向けられて我に返った。
「ん、なんか考え事?」
「ああ。ごめんごめん。俺も幸せを噛み締めてたんだ」
「そっか……でも、なんか少し深刻だったような気がしたから……」
「ああ。そうだね。ゴメン、多分、加奈ちゃんと同じ心配事が頭をよぎってた」
「ごめん暗い話題振っちゃった。せっかく楽しい旅行なのに」
「いやいや。謝らないで。この間話したこと、覚えてる?」
「ひょっとして篠宮会長のこと?」
「ああ。里中社長から、近々会長の使者の方がコンタクトを取ってくると言われてるけど、まだそれらしき人とは会っていない。もしかしたら雪乃さんや先日の会社の人達かなとも思ったんだけど」
「ううん。私は何も聞いてない」
「だよね。だからどういうことなのかまだ分からない。だけど篠宮会長との面会が叶えば、俺達の心配事もなくなるかもしれない」
篠宮家、そして奉龍院家という二つの名家は、加奈ちゃんの言う"あの男"が唯一恐れていた組織だという。
特に会長の篠宮隆行氏。この御方は人の心……引いては魂を見ると言われている。
言うなれば行動に魂が籠もっているかどうかが重要になってくる。
「期待しちゃうよね……。そんな凄い人が力を貸してくれるんじゃないかって、そうであるなら早く助けてって……思っちゃうんだ」
「それはムリもないよ。俺だって思ってたよ。そんな凄い力があるんなら、どうして加奈ちゃんの傷が深くなる前に助けてくれなかったのかってね」
「そうだよね。鳥籠の中で何度もその名前を聞いたよ。篠宮の名前を聞くだけで不機嫌になって、……、うっ……」
「加奈ちゃん……っ」
加奈ちゃんの様子がおかしくなり始めた。
あの男のことを思い出したのだろう。これは話をしている場合じゃなさそうだ。