ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
★闇深き悪鬼達の最後★
※克明と加奈子が再会する数日前※
「動くなッ!! 全員手を頭の上に組んで床に伏せろッ!!」
武装した特殊部隊が豪華で大きな屋敷の一室に突入を仕掛けていた。
ここはとある裏組織を牛耳る人物の持ち物であり、裏社会の人間が跋扈する悪の巣窟でもあった。
それは近代の歴史において裏社会を支配し続けてきた組織に、とうとう当局のメスが入った瞬間でもあった。
彼らは普通の警察ではない。もっともっと大きな、それこそ世界を裏から牛耳っている『とある家柄』が組織した超法規的特殊部隊である。
警察すら手を出すことが敵わなかった悪の組織の大討伐が実施され、加奈子はその混乱に乗じて逃げ出すことができた。
怒号と悲鳴が飛び交うなか、一人の男がツカツカとその修羅場の中を歩き進む。
この建物でもっとも権威ある存在が入室することを許される部屋の扉を無造作に蹴破った。
「何者だ……き、貴様はまさかっ!?」
その部屋に真ん中に、まるで王が座る玉座のような豪華なソファへと腰掛ける男が一人。
余裕ある態度は一瞬にして驚愕に変わり、部屋に侵入してきた青年を睨み付ける。
落ち着き払った態度は瓦解し、目の前に現われた男に驚愕と憎悪に満ちた顔で睨み付ける。
「長年に渡る婦女暴行。裏組織の大ボスにしてはやることがみみっちいな大ボスさんよ」
部隊を率いていた男は憎しみの視線などものともせずに言い放つ。
大組織の支配者として尊大な態度で最後を迎えようとしていた男は、青年の顔を見て一気に余裕をなくした。
若い青年であるにもかかわらず、その雰囲気は歴戦の猛将にも、老獪な戦略家にも、全てをひれ伏させる偉大な神にも見えるすさまじい威圧感と威光を放っていた。
「月宮加奈子はそんなに良い女だったか?」
「くっ、だ、黙れ若造がッ!」
パァンッ!!!
乾いた銃声が鳴り響き、青年の頬を鉄の弾丸がかすめていく。だが青年は一切怯えることもなく、その銃弾をかわした。
「は……?」
確かに頭を狙ったはずの男は呆けた声を出す。続けて何度も、頭、心臓、腹、脚を狙って銃撃し続けるも、それらは全て虚しく空を切った。
「じゅ、銃の弾を避けてる……?」
そのような不可思議な光景が目に映り、次の瞬間には窓を蹴破った特殊部隊に抑え込まれていた。
「女の人生を破壊する愉悦もここまでだな。一番欲しかった月宮加奈子は既に恋人の元へ戻ったぞ」
「オノレェええええっ!! 奉龍院めぇええっ!! "篠宮"めぇえええっ!!」
骨折寸前になるほど強い力で抑え込まれ、痛みに悶絶しながら青年を睨み付ける元支配者。
"篠宮"と呼ばれた男は連行されていく男を見送って一言呟く。
「裏社会の大ボスの最後もあっけないもんだな。さて、これで『彼』も心置きなく『彼女を癒やす事ができるだろう』」
この日、同じように裏社会のアジトが当局の粛正を受ける事案が同時多発的に発生しており、この男と同じように逮捕拘束されることになる。
表向きは裏社会同士の抗争というニュースが流れ、多くの幹部は死亡扱いとなった。
それだけではなく、名だたる大物政治家、大企業の重役、大物芸能プロダクションの取り締まり役。
表舞台で活躍していた者達がひっそりと当局の裁きを受けている。
それらは金で裏社会の甘い汁を啜ってきた亡者達であった。
人知れず裁かれる事となった悪の組織。
加奈子と並々ならぬ関係がある男達は今、最後の時を迎えていた。
加奈子の全てを蹂躙したこの男が、彼女を脅かすことはもうない。
克明がその意味を知るのは、もう少し後の話になる。
「将来有望な若者の未来を守るのが年長者の使命だ。頑張れよ、
謎に満ちた"篠宮"たる男は、夕日に照らされた『
◇◇◇◇◇
行方不明だった恋人が帰ってきた。
数年前、具体的な理由も告げずに俺の前からいなくなってしまった恋人【月宮加奈子】。
正確に言うなら理由はあった。他の人が好きになったから別れて欲しい。
たった一通のメール。それだけで俺達の関係は断ち切られた。
彼女の言葉をそのまま受け取るなら、俺はその誰かに寝取られたことになる。
だが、それは恐らく嘘だ。
まだ詳しい事情は聞けてないし、彼女が話してくれるか分からないが、夕べの彼女との会話を思い返す限り、加奈ちゃんは俺を1日も忘れなかったという。
単なるリップサービスとも思えない反応の仕方に、なんらかの事情があって俺の元から離れなければならなかったことはよく分かる。
だが、俺達の時間は取り戻された。
俺は彼女を信じてる。加奈ちゃんは、なにかのっぴきならない状況から逃げ出して、追い詰められて俺に助けを求めてきた。
それが何よりも嬉しかった。
彼女のために費やしてきた数年間が、無駄じゃなかったことが証明された嬉しさは、言葉で言い表すのは難しい。
俺達の失われた関係性は、これから取り戻していくんだ。
朝ご飯を済ませた俺達は、加奈ちゃんの生活品をどうするかを考えていた。
彼女の怯え方を考えると、迂闊に連れ出すことも置いていくこともできない。
かといってネットショップでは届くのに最低でも1日かそこらはかかる。
それでも大きな問題はなかろうが、どうしたものか。
「加奈ちゃん。生活用品も色々足りないだろうから買い出しに行きたいんだけど、どうかな?」
「う、うん……」
「怖いよね。大丈夫、俺が側についてるし、絶対に一人にしたりしないから」
「そう、だね。うん。怖がってばかりもいられないもんね」
「ああ。そうだ。知り合いに会ってもあれだから顔は隠していこうか。ニット帽あったかな」
クローゼットを探ってニット帽と防寒着になる服を取り出す。
あとはマスクでもすれば顔の判別はかなりし難くなるハズだ。
「あ……加奈ちゃん、これ」
「え……、あ、それ」
クローゼットの引き出しにあったのはピンク色の眼鏡ケースだった。
俺は眼鏡を掛けないのでこれは加奈ちゃんのものに他ならない。
「これ、私のメガネ?」
「昔ここに忘れていった予備用のヤツだったと思うんだけど、顔を隠すのに使えるかと思って」
「うん、ありがとう。凄く助かるよ」
ニット帽とダボダボの服、そしてメガネとマスクを身につけて変装は完璧だ。
加奈ちゃんの服は昨日再会した時に着ていた服しかなかったが、本人的には早く捨てたいようなニュアンスのことを言っていたので、服を買いに行くことにした。
何のための変装なのか、その理由についてはまだ聞いていないし、彼女の精神状態が安定するまでは聞かない事にしている。
「加奈ちゃん」
「うん」
「何があったか、まだ言わなくていいから。嫌なこと、無理なことは必ず言うようにしてくれ。何があっても加奈ちゃんを守るけど、俺が予想できない事が起こりそうなら、その時は教えてほしい」
「そう、だよね。うん、ありがとう」
「さて、まずは買い出しだね。服の着替えも沢山いるだろうから」
「うん、あの……」
「あ、お金は大丈夫だよ。そこは気にしなくていいからね」
ここ最近は仕事も順調になって給料も増えたから貯金はかなりある。
探偵への依頼料に合わせて、将来何かあった時の貯蓄も欠かしていなかったのが功を奏した。
手術代に使おうかという誘惑に駆られた事もあったが、それは思い留まった。
「うん、ごめんね……お金、なくて……」
「仕方ないよ。それに、彼氏なんだから、彼女に格好つけさせて欲しいかな」
「ありがとう……あとで何か埋め合わせするね」
「じゃあ加奈ちゃんの手料理を楽しみにさせてもらうね」
「うんっ。頑張ってお料理する」
「よし、出かけよう」
車に乗ってデパートまで赴く。
平日の昼間だけあって駐車場は比較的空いているのは幸いだ。
車を降りて店の入り口に向かおうとするが、何故か加奈ちゃんが車から降りてこなかった。
助手席のドアまで回って声をかけるが、なにやら緊張しているように見える。
元からあまり外向きな性格ではなかったが、こんな風に明らかな緊張をするタイプではなかったはず。
やはり何か対人恐怖症に近い状態なのかもしれない。
外に連れ出したのは失敗だったか。ネットショップで済ませればよかったかもしれない。
「怖かったら車で待ってても……いや、それだと余計怖いか。大丈夫、ずっと手を繋いでるし、俺が側にいるから」
「う、うん……ありがとう……」
「本当に大丈夫? もしイヤだったらネットショップで済ませようか? 2,3日我慢してもらうことになるけど」
「大丈夫。外に出かけるの久しぶりだから……うん、大丈夫」
手を握られたことで安心したのか、なんとか車から降りて買い物を始めることができた。
まだ完全に緊張が解けているわけではなさそうだが、先ほどまでの怯えにも似た震えは収まっていた。
この怯えは尋常じゃないな。今後は出かけるのも控えた方が良いかもしれない。