ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
◇1日目◇
勝負は翌日から早速始まった。俺も会社が始まるまでの数日間は何か手伝えることがあると思い付いていくことにする。
加奈ちゃんがやったことは、まず従業員との心の距離を縮めることだった。
ボーイ・キャストの一人一人に丁寧な挨拶をし、この店をもり立てていくことに尽力すると宣言していた。
だが成果は芳しくない。もともと潰れかけの場末風俗だけあって熱量のない返事をする者ばかりだったからだ。
中には「お前が客を取ればよくね?」などと皮肉交じりに嘲笑する者もいて、加奈ちゃんを歓迎する人はほとんどいなかった。
しかし中にはそうでない者もいる。昨日の顔合わせで懐柔したボーイの一人だ。好色的な視線を向けるのは仕方なかったが、一人だけ加奈ちゃんの言うことを否定しない素直なヤツだった。
ちなみに今の段階では加奈ちゃんがルナであることは明かしていない。自分のネームバリューを店の客引きに使わない為だ。
それに伝説の風俗嬢がプロデュース、なんて宣伝文句でも使おうものなら昔のファンが大挙して押し寄せてくることは想像に難くない。
「ルナにサービスしてもらえる」と拡大解釈をする人が出てくるのは自明の理だろう。
一日目はその彼以外の収穫はほとんどないまま終えることになった。
◇2日目◇
加奈ちゃんは朝の六時に起床し、店舗に赴いて開店時間まで掃除をすると言いだした。
俺も手伝って入り口の掃除、玄関マットの交換、ソファなどの内装にこびり付いたヤニやホコリを徹底的に拭き取った。
接客の基本はまず第一に清潔感が大事だ。サラリーマンの俺も普段から可能な限り清潔感を大事にせよと井上部長に厳しく指導されてきたし、風俗業界においてもそれは同じである。
なので二人で店舗内の汚れを徹底して清掃し、古くなった備品を磨き上げた。
店舗営業中は客に顔を見られるとマズいのでサラシで胸をギュウギュウに締め付けて、ニット帽とマスクで顔を隠しながら店舗の営業を見守った。
しかし加奈ちゃんの美貌はそんな事で隠しきれるものではない。2,3人の客から女性清掃員についての問い合わせがあったという報告を受けた。
◇3日目◇
清潔感が第一。その心情を念頭に置いて部屋の内装に手を加えた。
部屋の中は男女の乱れあいによって生じた体液の痕跡がそこかしこに残っている。いくら掃除で拭き取っても長い年月で蓄積した痕跡を消すことは難しい。
「やっぱり店舗を改装した方がいいかも……」
「本格的な改装となると時間もお金もかかるから、難しいかもしれないね。冴子さんに掛け合ってみようか」
「うーん、でもそれだと勝負に不公平にならないかな……」
「いや、商売に必要な経費を請求することは不公平でもなんでもないさ。それに、最終的な売り上げが向こうより勝っている必要があるんだから、今から必要経費はできるだけ見積もっておいた方が良い」
「そうだね。ありがとう克明君」
やはり加奈ちゃんは人を動かす力はあっても、自分で抱え込んでしまう性格が災いして中々思い切ったことが決断しにくいみたいだ。
そういったことを後押しするための助っ人が必要かもしれない。俺が1ヶ月会社を休んでもいいが、それだと彼女の成長の為にならない部分も出てくるかもしれない。
これはあの人に救援を依頼するのがいいかもしれない。
俺達は早速店舗改装に必要な経費をお願いしに行ったのだが、返ってきた答えは芳しいものではなかった。
「風営法によって店舗は大幅な改装をすることがかなり難しいのです。業者を入れて施工をしてもらうのは困難と言わざるを得ません」
「そうですか」
聞くところによると、風俗店というのは現在の法律では大幅な店舗改築や建て替えなどはほぼ不可能な状態にあるらしい。
同一性の保持という条件によって壁紙の張り替えすら困難らしい。そんなことを言われたらソファを買い換えることすら出来ないではないか。
想像以上に風俗業界というのは世間からの風当たりが強いようだ。
「ですが抜け道はあります。現在あの店舗はヘブンズ・ヴァルキリーが経営権を買い取ったばかり。オーナーが変わった場合に限り改装が認められるケースがありますので、今回はそれを利用しましょう。改装の度合いによって店舗を休業しないといけません」
「いっその事1週間くらいかけて改装しようと思います。あの建物はとても古くて建て替えは不可能でしょうから、せめて内装だけでもリニューアルしないとお客様は寄りつかないです」
「私個人としては否はありませんが、勝負を対等にすると言った以上、それらの経費を回収する見込みがなければゴーサインを出す事はできません」
「はい。明日までに事業計画表を提出します」
◇4日目◇
加奈ちゃんは店舗を急遽休みにした。もちろん出勤者の給料は保証する形を取り、文句が出ないようにした上でだ。
やるべきことは店舗の清潔感を取り戻すことだ。
間に合わなければ俺が私財を投じても良かったが、それはルール違反だと加奈ちゃんに却下された。
なので正式な手続きを踏んでお金を出してもらい、内装に必要な手配を全て済ませていく。
店舗の休みに合わせて従業員に呼びかけ、食事会を開くことにした。食事会というか飲み会と言っても良いかもしれない。
場所はシルキィ・ミルク。宴会用の大部屋を貸し切りにしてもらい、フルコース料理でもてなした。
「皆さん、急にこんな若輩者に指揮されて戸惑いもあると思います。実は1ヶ月後の本社会議で私達の店舗が閉鎖されるかどうかの瀬戸際なんです。ですのでなんとしても売り上げを上げて皆さんの職場を守りたいと考えています」
それでも反応は芳しくなかった。皆一様に「あーソーですかー。がんばってねー」みたいな返事しかしない。
食事会の空気は最悪で、例のボーイ以外は加奈ちゃんの話を真面目に聞こうとはしなかった。
加奈ちゃんは寝ないで事業計画表を作成し、冴子さんに提出するための食事会が終わり次第本社へと赴いた。
……
「牧野千咲の店舗から報告が上がってきました」
「「ッ!」」
売り上げ報告書らしきものを手に取った冴子さんの表情は非常に険しかった。
「牧野は一日目から出勤して客を取り、ここ4日で驚異的な売り上げを叩き出しています。彼女の勢いに当てられてキャスト達が奮戦しているのも影響しているようです。接客満足度のアンケートの平均点が以前よりかなりアップしました。サイトの口コミにも好意的な意見が増えたようです」
様々なデータを引き合いに出して知らされたのは、牧野千咲が驚異的な快進撃を続けているという事実だった。
どのような内容かは分からないが、これまでの売り上げ平均を明らかに上回る数値らしい。
「大丈夫です。まだ勝負は始まったばかり。私は経営は素人ですが、お客様の心を掴むノウハウにはそれなりに知識があります。後はキャストの皆さんのやる気を引き出す為の導線と環境を整えたいんです」
加奈ちゃんが夜なべして作った事業計画表を冴子さんに提出し目を通してもらう。
その瞬間に彼女の目つきは劇的に変わり、経営者の顔になる。これまでの優しげで穏やかな顔付きから、厳しい上司の表情に変わったことで少しビビってしまった。
「これ、本気ですか月宮さん」
「はい。1ヶ月後に彼女に勝つためにはこれくらいしないとダメだと思いました。加えて私は自分が現場に出ることも、ルナのネームバリューを使う事もできませんから」
「なるほど。分かりました。ですがこのままではとても承認することはできませんので、いくつか見直しをしてください」
冴子さんは計画書を戻し、どこを見直したら良いかを考えて欲しいと言ってきた。加奈ちゃんは直ぐに計画の見直しを始め、何度も考えては突き返されを繰り返した。
しかし冴子さんは合格ラインを満たす計画を出せるまで何度でも見直した。
答えを与えることはないものの、突き放すことはせずに根気よく付き合ってくれた。
ようやく合格のお許しが出たのは夜中を回ってからであり、眠い目を擦って喜ぶ顔は、何かを達成したという新しい喜びを感じており微笑ましいものだった。