ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
◇5日目◇
夜中まで掛かって許諾を得た店舗改装の為、1週間の休業をすることになった。加奈ちゃんは休業中にするべきことがあるとしてキャスト達とコンタクトを取ることにした。
俺の正月休みは今日までなので、一緒に行動できない明日からはこの人に護衛をお願いすることにした。
「へいへーいッ加奈ちゃんっ! ミルフィが来たからにはモー安心ネー☆ 最近頼ってくれなくて寂しかったデースッ☆」
最後に会ったのは年末にやった年越しパーティーの時だから数日前の筈だが、随分久しぶりに会った気がするな。
相変わらずテンションが天上を突き抜けているミルフィさんは、最近は咲良とよく遊んでいるらしい。
牧野千咲との対決を知った咲良は自分も何か手伝いたいと申し出ており、なんと退職手続きを早めてもらって来週から有休消化期間に入るそうだ。
加奈ちゃんの為にそこまでしてくれる咲良には本当に感謝だな。
「ありがとうミルちゃん。心強いよ」
「勤務中のボディガードはバッチお任せデース。イカガワシー男はミルフィのマーシャルアーツでバラバラにして殺りマースッ!」
「バラバラ殺人はマズいですよミルフィさん」
「変な虫が寄ってこないとも限らないデース。風俗店は男の欲望が渦巻く場所ネ。美人店長の噂は直ぐに流れてしまうヨー。加奈ちゃんはなるべくお店には出ない方がイイネ―」
「ええ。でも皆さんの信頼を勝ち取る為にはできるだけ現場に出ないといけませんから。新参者の店長が重役出勤はできません」
「相変わらず大真面目デスネー。加奈ちゃんのそういう所大好きヨ。でも加奈ちゃん、実技指導はそのうちやらないとダメね。いっそのことやる気の無いスタッフは首にして人を入れ替えるのも一つの手段だと思いマース」
「自らそうしたいと願い出る人以外はその手段はとらないように考えてます。私の都合で切り捨てるようなことをすれば、二度と信用してもらえなくなるでしょう」
加奈ちゃんは決意の籠もった瞳でそう宣言するが、それを聞いていたミルフィさんの空気が変わった。
「甘いこと言ってる自覚、ある?」
ミルフィさんの日本語がハッキリとした流暢なものになる。いつもの明るくて飄々とした空気が張り詰めたものに変わり、厳しい表情を見せた。
「あなたは自分の意地と志藤さんとの未来をちゃんと天秤に掛けて言ってる?」
「え?」
「確かに心の成長は大切だよ。でもね、それは本来5年10年掛けるのが当たり前なんだよ。絶対に負けないって言い聞かせるように言うけど、もし負けたら他の男に抱かれなきゃいけないんだよ? その時に志藤さんがどれだけ悲しい思いをするかちゃんと考えてるの? 意地とプライドと勢いだけで言ってない? あなたの中に本当に牧野千咲への復讐心はないと言える? 過去の因縁で復讐したくて勝負を仕掛けてない?」
「そんなことはっ」
「ないって言い切れる? 今のあなたには味方も多い。だから負けないって思ってない? それらが全部機能する保証なんてどこにもないって理解した上で勝負を仕掛けてる?」
一気呵成にまくし立てられて加奈ちゃんは何も言い返せなかった。俺は割って入ろうと身を乗り出すものの、フと向けられた意味ありげな視線で思い留まる。
彼女が言っていることは、俺も僅かな可能性として考えていたことだ。加奈ちゃんとルナちゃん混ぜこぜになった今の状態は、果たして正常な判断が出来ているのだろうかと。
ずっと心配だったんだ。加奈ちゃんが前を向こうと頑張っているから応援しようと思っていたが、一歩間違えば再びトラウマを深くしてしまうかもしれない。
あんな勝負に負けたからって約束を守る必要なんてないし、絶対にそんなことをさせるつもりはない。
いざとなったら逃げてしまえば良いし、冴子さんだってそう言っている。
いかに加奈ちゃん自身が前を向く為だとはいえ、危険な綱渡りであることに変わりないのだ。
ミルフィさんは俺にも聞けなかった加奈ちゃんの本心を引き出そうとしている。もしかしたら加奈ちゃん自身も気が付いていない心の状態を自覚させようとしているのかもしれない。
「私……は……」
「ちゃんと考えて加奈ちゃん。あなたは誰のために勝とうとしているの? 自分のため? 志藤さんのため? それとも二人の未来のため?」
しかしこの聞き方では加奈ちゃんがどう答えても否定されるような気がする。どれも正解に思えるし、どれも思い上がりに思えるし、どれを選んでも間違いであるようにも聞こえる。
「それはもちろん二人のッ」
「本当にそう言い切れる? 復讐したいって思ってない? 憎い女にザマアミロって言いたいって、本当に僅かでも思ってないって言い切れる?」
それの何が悪いのか。何も悪くないと思う。俺達は聖人君子じゃない。加奈ちゃんが望めば俺はあの女に復讐することだって厭わない。人生を破壊されたんだ。相手の人生くらい破壊したって誰に憚れるものか。
だけどこうも思う。そんな憎しみに囚われて人生を棒に振るのは馬鹿馬鹿しい。
加奈ちゃんの心情を思えば復讐だって間違った感情とは思わない。憎い相手にキッチリ復讐して、溜飲を下げたって誰にも文句は言われない筈だ。
むしろその方が前を向くには健全とすら言える。
しかし、行きすぎた復讐は己の身すら破壊しかねない。恐らくミルフィさんは加奈ちゃんの奥底に眠っている復讐心がないか試しているのではなかろうか。
「私……私は……」
「吐き出して加奈ちゃん。溜め込んだ本音を吐き出さないと前には進めない。あなたが思っている本音を全部、志藤さんに伝えなきゃ」
俺は本当に無意識に、反射的に加奈ちゃんを抱き締めた。強く強く腕を回して搔き抱くと、弾かれるように加奈ちゃんも抱き締め返してくる。
「悔しい……です。本当は悔しいんですっ! 克明君と引き離されてッ! 私の人生をめちゃくちゃにしたあの人が今ものうのうと生きているのが許せないッ。そのうえ今になって現われて、また私の人生邪魔しようとしてっ。なんで私があの人の為に逃げなきゃいけないのっ! 私負けたくないッ。あんな人に絶対負けたくないんです」
「イエースッ! やっと良い子ちゃんの仮面を外してくれたデスネー。我慢は禁物。ムカつくヤツはGo ToHellさせてやりまショー♪」
「いやいやミルフィさん。加奈ちゃんはそんなバイオレンスな性格じゃありませんから」
「ノンノーン。女は秘密を胸に秘めて美しくなるのデース。そしてそれを明かすのは愛する貴方だけネ」
「ミルちゃん……」
「加奈ちゃんも我慢は禁物ですヨー。拳の威力が欲しい時はミルフィにお任せネー。非力な女の子でも三日三晩内蔵グチャグチャに出来るお手軽パンチを伝授シマース」
物騒な事をのたまうミルフィさんだが、いつものエセ外国人喋りに戻っている。どうやら加奈ちゃんへの問いかけは終わったらしい。
「加奈ちゃん、こっちおいで」
俺から加奈ちゃんを奪い取るように暴力的なおっぱいに顔を埋めさせる。
美女同士のハグだから見た目は非常に麗しい。加奈ちゃんはとうとう感極まって泣き始める。
「ミルちゃん」
「イジワル言ってごめんなさいデース。でも心配ナッシング。どんな結果になってもミルちゃん味方ネ。負けても問題ありまセーン。あの女ぶっ飛ばしてジエンドでフィニッシュッ」
むちゃくちゃなことを言っているが、あの女相手にまともにルールを守る必要はないと言える。
繰り返すがこの勝負にはこっちにメリットが全く無いし、勝負の行方がどうなろうと加奈ちゃんが不幸になるなら全部放棄してしまえばいい。
元々牧野千咲は外国行きの船に乗せて処刑する予定だったと聞いた。冴子さんにとっても加奈ちゃんが勝負に負けることにメリットはない。
だから加奈ちゃんには敗北は絶対にないと言える。安心して成長に挑戦していいんだ。
ミルフィさんはその環境にあっても成長の為に痛みを伴う覚悟ができているかを問いかけていたのだろう。
吹っ切れた加奈ちゃんは、これまでにないほど躍進的な活躍を見せることになる。