ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
「そうですか。そんなに早い段階から気が付かれていたんですね」
雪乃さんが篠宮会長の遣いの方だと気が付いたのは、勝負の最中で加奈ちゃんが疲弊している時だった。
助け船を出しつつも、どこか一歩引いている態度が気になったからだ。
雪乃さんは加奈ちゃんに感謝していた。鳥籠から解き放ってくれた張本人として、多大な恩を感じているのは普段の態度からも明らかだった。
なのに加奈ちゃんの身体が掛かっている勝負の1ヶ月では手伝う事に終始していて加奈ちゃんを直接フォローすることは少なかった印象だ。
まるで彼女の成長を見守るかのようにだ。確かに冷静な人ではあるが、加奈ちゃんがストーカー客に襲われて発狂している最中も何もしなかった。
明らかに彼女の行動原理と矛盾している様子が見て取れたからだ。
咲良にしても同じだ。彼女の場合はいつでも全力で物事に取り組んでるが、やはりどこか一歩引いている印象が否めなかった。
性格が思い切っているので分かりにくかったが、付き合いが長いが故にほんのりとした遠慮が滲み出ているのが分かった。
「いやぁ、人の事そんだけ見てるって絶妙にキモいっすね先輩って。流石っすよ」
「ディスるのか褒めるのかどっちかにしてくれよ。まあアレだ。態度に違和感を感じただけで、確証があったわけじゃないからな。加奈ちゃんラブのお前が微妙に遠慮するのはらしくないし」
「それだけで分かっちゃうのがスゲぇんですよ」
「まあ、というよりは二人は会長の直接の遣いじゃないんでしょ?」
「え、それも分かっちゃうんですか?」
そう、社長から聞いた時、「近いうちに現われる」という言い方をしていた。つまりその時点で既に出会っている二人が直接の遣いの人だと言い方から矛盾していることになる。
正確に言えば雪乃さんに関してはその日の夜に出会った訳だから言った通りになっている。
じゃあなんで咲良もその候補であると思ったのかと言えば、勘働きの他にくすぶるような予感も一緒にあったからだ。
篠宮会長がどこまで見通していたのかは不明だが、人の心を見るという彼なら加奈ちゃんの本心を見通した上で俺への情愛を最初から持っていた咲良にもなんらかの役目を与えるのではないかと感じていた。
思えば咲良はずっと俺の側にいて、牧野との勝負が始まったらすぐに加奈ちゃんに寄り添ってくれた。
「なあ咲良……お前ってひょっとして、最初から俺の監視……いや、見守り役だったんじゃないか?」
「……ふへへ、その通りッス。といっても、役目を負っていた訳じゃなくって段々そうなっていっただけですけどね」
「どういうこと?」
「ようするに、先輩の部下をやってると、井上部長とかから時々聞かれるわけッスよ。調子はどうだとか、志藤の教育はどう思うとか。段々聞かれる度に先輩の事にフォーカスしていって、加奈子さんの事件がある数ヶ月前くらいから部長に言われたんス。志藤の様子を逐一報告するようにって」
「そうか。恐らく井上部長も篠宮会長から言われていたんだろうな、社長を通して」
「だと思います。ウチもハッキリとお役目を仰せつかったのは最近で……。それらの事を"ある御方"に報告していました」
「ある御方? 里中社長や篠宮会長じゃなくてか?」
「そうです。その方こそ、真の遣いの方なんッス。多分そろそろお呼びが掛かる頃ッスよ」
咲良の言葉と同時に俺のスマホが着信音を鳴らし始めた。画面を見ると里中社長の名前が表示されている。
「はい、志藤です」
『やあ志藤。そろそろ答えに辿り着いている頃だと思ってな。どうだ? 誰が会長の遣いか分かったか?』
「ええ、たった今その答え合わせをしていた所です。本当の遣いの方が別にいらっしゃるということですが?」
『その通りだ。実はその御方がお前に会いたいと仰っている。明日の終業後、社長室に来てくれ』
「分かりました」
まるでここで見ていたかのように言い当ててくるな。なんだろう、実は監視員とかに見張られているんだろうか?
『ちなみにお前のことを見張っている探偵とかはいないぞ』
「よ、よく考えてる事がお分かりで……」
たまにこの人エスパーなんじゃないかって思うぞ。見てもいないのに言い当てすぎだろう。
人の心が読めるとしか思えない言動をしてくるから不思議だ。
そんな訳で、次の日に真なる会長の遣いに会うことになった。