ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
閑話◇雪乃さんにとって最高のご褒美◇
加奈ちゃんを苦しめ続けてきた"あの男"を克服した。
後に残された俺達はスッキリした表情を浮かべる加奈ちゃんに惜しみない拍手を送った。
「さて、加奈子さんの克服すべき敵は全て排除いたしました。今後の人生は思う存分愛を育んでいただけますわ。そうそう、先ほどの銀行口座に入ったお金ですが、こちらのカードを使ってお使いいただけます。引き出すよりクレジットカードとしてご利用頂いた方が便利ですわ」
桜子様は愛沢副社長から受け取ったのとは別の光沢のあるカードを取り出して俺達に渡してきた。
どうやら世界最高峰のクレジットカードであり、世界中どこでも使うことができるらしい。
しかも信用度はそんじょそこらのカードとは比較にならないらしい(その気になればビルが買えるレベル)。
改めてとんでもないものをもらってしまった。ちなみに遠慮しようとするとあらゆる角度から逃げ道を塞いでくるので受け取る以外の選択肢は選べなかった。
「それでは次のご褒美に移りましょう。ここからは今日までのお二人に協力してくださった皆さんへの報酬となります。まずは冴子さん」
「は、はい」
「あなたには本格的に篠宮家の役員に加入してもらいましょう。会長も今回のあなたの働きに大変満足されていますよ」
「ありがとうございます。これからも誠心誠意働かせていただきます」
冴子さんへの報酬は篠宮家役員への加入だったらしい。その後ろ盾を手に入れればヘブンズ・ヴァルキリーグループは更なる盤石の地盤を手に入れることだろう。
「さて……、冴子さんと約束していたもう一つの報酬ですが、そちらは無しになりそうですね」
「はい。私は、志藤さんに……」
「皆まで言わずとも結構」
一体何の話だろう。しかし二人はそれ以上言及する気はないようだ。俺もそこから先を聞く必要はないように思うので聞かなかった。
単なる予想だが、もしかしたら俺がやろうとしている役目は、本当は里中社長が担うはずだったのではないだろうか。
たしか最初に面会した時に言っていた。バツイチ独身時代に行った風俗でお世話になったという話だったな。男性器に特有の悩みがあるらしい社長は、冴子さん以外は相手にしてもらえなかった、だったか。
社長と冴子さんの関係は、やはりただならぬ感情が行き交っていたのかもしれない。
「咲良ちゃんの報酬は」
「ウチは先輩に愛してもらえるから大満足ッス。もともと欲しいものなんてないッスから」
「そうですね。だけどあなたも大変頑張っていましたからね。それなりのご褒美を用意してますから楽しみにしててください♪」
「わーい♪ 深雪さん最高ッスッ」
「うふふ♪ それじゃあ後で準備させますからね。さて、最後に雪乃さん、あなたにもちゃんと報酬を準備しています」
「いえ、私も見返りは必要ありません。もともと加奈子に助けてもらった恩を返すのが目的でしたから、報酬など受け取る訳には参りません」
雪乃さんは表情を動かすことなく、静かにそう言った。
しかし愛沢副社長の柔らかい微笑みはそれを許すことはなかった。
「そう言わずに。どうあってもあなたに受け取ってもらわなければ困るのですよ」
「ど、どういう事でしょうか」
「そうですね。まずは現地に行って見てから判断しても遅くはないと思いますよ」
「し、しかし……」
「強情ですねぇ。まあいいでしょう。そうだ、加奈子さん」
「は、はい」
「子宮の治療を受ける篠宮家所有の私設病院にご案内しましょう。世界最先端の細胞再生医療の施設はここにしかありませんから、しばらくはここに通っていただくことになります」
「わ、分かりました」
雪乃さんへの褒美の話を中断し、加奈ちゃんの治療を行なう医療施設に案内してもらうことになった。
愛沢副社長はスマートフォンを操作して、何やら準備を促す指示を出していた。
やがて蓮井(はすい)さんというぴっちりとしたスーツを着た妙齢の女性が迎えに来て、お屋敷の敷地内を白いリムジンで移動することになった。
一つの屋敷内なのに移動が車でなんて、この建物の広さが半端ではないことが垣間見える。
「どうぞ、お乗りください」
蓮井さんが丁寧なお辞儀をしながらリムジンのドアを開いてくれる。
俺、加奈ちゃん、冴子さん、雪乃さんに咲良。そして愛沢副社長を乗せた車は、広い屋敷の整備された真っ白なアスファルトを音も無く静かに走行していく。
まるで純白でできたカーペットのごとく、くすみ一つ無い道路は材質が何でできているのか分からないほどに洗練された白だった。
「この屋敷の面積はどのくらいあるんだろう……。敷地内を車で移動するなんて」
「おおよそ日本の有名テーマパーク二つ分と同面積となっております。ランドとシーを合体させたのと同じくらい、と言えば分かりやすいでしょうか」
「それはまたとんでもない広さですね」
そんな広大な土地に一個人の屋敷が建っているなんて凄まじい以外の言葉が見つからないな。
俺の疑問を察してか、蓮井さんがこの屋敷の規模について説明してくれた。
「何しろ中に住んでいる人数もちょっとした町くらいの規模ですから」
「そ、そんなにですか?」
「ええ。篠宮様を中心として、あの方の奥様。そのお付きとなっている専属の使用人。その他様々な役割を担った組織が構成されて一つの集落を形成しています」
総規模ともなると万単位の人間がこの屋敷の何らかの役割を担って住み込みで働いているらしい。
単なる住宅なだけではなく、ここから世界の経済や政治を動かす重要な決定もされるような施設が隣接しているのだという。
そんな重要なことを俺達に喋ってしまって大丈夫なのかとも思ったが、一個人が知ったところでどうにかできる規模の組織ではないだろう。
あるいは、俺はもうこっち側の人間であるという示唆かもしれない。
だとするならば、これを漏洩することは重大な裏切り行為ともなりかねない、ということになるのだろう。
気を付けねば。
酒の席でうっかり喋ってクビになるなんて笑い話にもならないぞ。
「到着しました。あの建物です」
到着したのは和風の屋敷とは打って変わったコンクリート造りで3階建ての建築物だった。
外壁は純白。言われなければ病院とは気が付かない。むしろ美術館とか何かの記念館とか言われた方がしっくりくる。
あ、そうか。ここには篠宮家の関係者しか住んでないから、そもそも病院のマークを付ける必要がないのか。
でも人口も多いだろうに、大丈夫なんだろうか。と、考えていたら……またぞろ不思議パワーを発揮した愛沢副社長が俺の心の声に答え始めた。
「この屋敷の中で病気になる人は滅多にいませんから、そもそも病院が必要ありません。この施設は理由があって外部から入院している人向けなんですよ」
「そ、そうなんですね」
どうしてここの人達は考えている事を読んでくるんだろうか。本当に超能力でも使えるのかな。
なんて事を考えていたら車が停車し、ドアを開けてくれた。
「こちらです」
車から降車し、蓮井さんの案内で医療設備の奥へと進んでいく。
一目で医療施設であることが分かるほど中の構造は病院のそれに近いが、一般の病院よりは高級感に富んでいて、清潔感はあっても薬品クサい感じはしない。
「建物内には世界でここにしかない設備が沢山あります。日本の法律には縛られないので世界最先端と言うわけです」
「ここが独立国家って噂は本当なんですね」
「ええ。お金と利権をチラつかせたら簡単に政府から買い取れましたよ♪ 政治家って権力に弱いですから★」
凄い事をサラッと言うなこの人。流石は世界経済の重鎮と言われる奉龍院の人間ってことか。
改めて考えると、そんな人が上層部にいる水無月コーポレーションってとんでもない会社なんだな。
「加奈子さんの治療に使う設備は予約すれば24時間いつでも使えますから、仕事が休みの日に泊まりがけでいらっしゃるといいでしょう。温水プールに温泉付きのジャグジーもありますから、スパ感覚で利用できますよ」
「わぁ♪ 本当ですか」
「うふふ。さて、雪乃さんに会わせたい人は2階に入院しています。こちらへどうぞ」
「あの、深雪様、ここに一体何が?」
雪乃さんはここに連れて来られた意味がまだ分かっていないようで、複雑な表情で蓮井さんの後に付いていった。
そこに何が待っているのか……。
よくは分からないが今までの流れからいって雪乃さんにとって有益な話に違いないとは思う。
やがて到着したのは三階部分に当たる一番奥の部屋だった。
誰が入院しているのかプレートを見ようとするが、まだ影になっていて見えない。
愛沢副社長はその手前で足を止め、雪乃さんに向き直る。
「さて朝霧雪乃さん。ここにあなたに会わせたい人物が入院しています」
「一体、誰が?」
「あなたにとって最大のご褒美となる人物なのは間違いないと思います。その人物は、今から約六年前、とある交通事故によって一命を取り留めて篠宮家の病院に運ばれました。身元不明の上に意識が戻ったのは一年前。しかも記憶を失って自分が誰なのかも分からない状態でした」
「六年前……」
「そう、意識を取り戻し、記憶を取り戻しながらリハビリを続けていました。ようやく人と対面しても問題ない状態になったので、こちらに移送されてきたのです」
特別病室と書かれたプレートにランプが点灯しており、スライド式の白いドアとなっている。
「志藤さん、加奈子さん。あなた方お二人にも所縁のある人物ですよ。さあ、今からご対面といきましょう」
「え、俺達にも?」
「誰なんですか?」
ドアの脇には入院患者を示すであろうネームプレートが填め込まれており、手書きの文字でこう書かれていた。
「花井……雪菜(ゆきな)……?」
加奈ちゃんがそこに書かれている文字を音読すると、ガタッ、という音と共に雪乃さんが倒れ込んでくる。
丁度隣にいた俺に寄りかかるように脱力した彼女を寸でのところで受け止め、肩を抱いて倒れないように支える。
「っとと……だ、大丈夫ですか?」
慌てて受け止めるが、彼女は驚愕の表情で口を覆っており、戦慄(わなな)いて力なく足下をフラつかせた。
「そんな……、ま、まさか……」
「そうです。雪乃さんが一番会いたい人が、中で待っていますよ」
ニッコリと微笑む副社長の言葉に、現実を認識できていないように震え続ける雪乃さん。
彼女と同じ雪の文字……。それってもしかして……。
「本当……本当に……?」
「確かめてご覧なさい」
副社長が扉を軽くノックする。すると中からか細く滑らかな女性の声で返事があった。
『はい……』
「愛沢です。お連れしましたよ」
『どうぞ……』
「この、声……間違い、ない……」
現実かどうか判別が付かないかの如く、彼女の手は震えて中々扉を開こうとしない。
いや、正確には取っ手を持つ手に力が入らないらしい。
俺は彼女の支えになって手を添え、扉を開ける彼女の手を補助する。
俺の手伝いによって現実に引き戻ったのか、脱力していた全身に力を込めて、ゆっくりと扉を開く。
日の差し込む部屋は窓が開いており、柔らかく吹き込む風がカーテンを舞い上げ、その向こう側にいる人物を俺達に認識させた。
「ゆ、雪菜……?」
そこにはベッドに身を起こした一人の女性がこちらに視線を向けており、その姿はここにいる雪乃さんによく似た黒髪の女性であった。
「お姉……ちゃん。久し、ぶり……」
雪乃さんを少し幼くしたような可憐な女性が、こちらに向かって柔らかく微笑んでいた。
「本当に……本当に雪菜なのねっ……夢じゃ、ないんだよね?」
「う、ん……私……ちゃんと、生きて、るよ……おねえ、ちゃん」
雪乃さんが雪菜と呼ばれた人物の元へとフラフラ歩いて行く。
現実を少しずつ確かめるように、歩み寄って彼女の手を握る。
辿々しい喋りで言葉を紡ぐ女性。
その顔立ちは雪乃さんによく似ており、名前の響きからして死んでしまったという彼女の妹であることは間違いなさそうだった。
「雪菜ッ……雪菜ァアッ! ああぁあっ! 本当にッ、生きて、生きてて、くれた……ッ! 死んでしまったとばかりっ、ひぐっ、うぁあああ、雪菜ッ、生きててくれたんだっ!」
ボロボロと涙を溢れさせ、雪乃さんは雪菜さんにすがりつく。
「元気なのねッ!? 身体は、なんともないのっ!?」
「わたし、も……会えて、うれ、しい……まだ、ちゃんとしゃべれ、ない……けど、身体は、元気、だから……安心、して……」
雪菜さんと呼ばれた女性は泣きじゃくる雪乃さんの頭を撫で、慈しみと喜びに満ちた表情で微笑んでいた。
彼女の目尻からも同じくらい大粒の涙が次々にこぼれ落ち、やがて堪えきれなくなった嗚咽が決壊して大声で泣き始める。
「そっか……妹さん、生きてたんだね。良かった……でも」
加奈ちゃんも俺ももらい泣きをしてしまった。
だが、それと同じくらい気になっていることがある。
「ねぇ、克明君……あの人もしかして……」
「ああ。俺も気になってた。あの人は……」
その顔には見覚えがあった。
俺達が高校生の時分……。生徒会の上級生に花井雪菜という人物がいたのである。
「やっぱりそうだ。花井先輩だ……」
柔らかくて美しい目鼻立ち。
高校生当時からとんでもない美人として有名であり、経済的に厳しい状況によって私立から公立へ途中編入してきた苦労人だった。
そういえば、彼女には姉がいるという話をどこかで聞いたことがあった。
生徒会役員には俺達が委員会に参加し始めた頃と同時期くらいに入り、時折一緒に仕事を覚えながら仲良くさせてもらった思い出が蘇ってくる。
「あの……雪乃姉さんの妹さん、お亡くなりになったって聞いてました。いったいどういう経緯で?」
加奈ちゃんは二人の邪魔をしないように小声で愛沢副社長に問いかける。
「先ほども説明した通り、今から六年ほど前、彼女は瀕死の状態で病院に担ぎ込まれました。どうやら交通事故にあったらしく全身に酷いケガを負っていたのです」
副社長いわく、雪菜さんはここに担ぎ込まれた時点で命の危機に瀕した重体であった。
非合法組織の慰み者として弄ばれた挙げ句、非業の死を遂げたという。
どうもその途上で何らかの事情で車移動をしている最中に交通事故に遭い、瀕死の重傷を負いながらも今日まで治療によって生き長らえたのだという。
事故に遭った車には数人の男の亡骸が見るも無惨な状態で見つかり、助かったのはトランクで気絶していた彼女一人だったのだという。
事故の衝撃でトランクが開き、身を投げ出された為に救急隊の発見が早かったと予想される。
地面に投げ出される際に植木となっている花壇の土の上に落ちた為に衝撃を吸収し、骨折や打撲は負ったものの致命傷ではなかったそうだ。
「じゃあつまり、花井先輩も……?」
「ええ、鳥籠に囚われていた女性の一人です」
「そんな……」
つまり不幸中の幸いというべきか、その交通事故こそが彼女を鳥籠から解き放つ要因となったのだ。
搬送されたのが篠宮家の直轄病院であることも功を奏した。
如何に政財界に影響力を持つ組織だとはいえ、その上を行く篠宮の箱庭に入られては手の出しようがなかったのだろう。
デリケートな部位の裂傷や性病の類いも検出され、彼女のケガは事故によるものだけではなかったろう。
それでも集中的な治療によって命を取り留め、今こうして目の前で微笑んでいるではないか。
加奈ちゃんがこれから受けるのと同じ種類の徹底した治療によって肉体の損傷はほとんど処女と同じレベルに回復しているそうだ。
彼女との高校時代の記憶が思い出として蘇り、懐かしさと嬉しさで自然と笑顔が漏れていた。
しかし、副社長の口からはそうも言っていられない事情が明かされた。
「ただ、彼女の記憶は完全に戻っている訳ではありません。自分がどうして生死の境を彷徨っていたのか。その前後の記憶は抜け落ちています」
「え、じゃあ」
「はい。自分が陵辱された記憶は全て忘れています。思い出さない方がいいのでしょうが、それもなんのきっかけで蘇るか分かりません」
「なんてこった……。それじゃあ」
「ええ。あなたが守っておあげなさい。会長からもお願いされています」
「じゃあ、会長が仰っていたもう一人というのは……」
「そう。彼女のことです。今は忘れていますが、恐らく時間の問題と」
「分かりました。必要な時がきたら必ず」
彼女の辿ってきた道も過酷そのものだった。加奈ちゃんと同じように俺が?
それはまだ分からないが、何か必要に駆られる時がきたら必ず力になってあげたい。
雪乃さんがひとしきり涙を流し終えるまで待つこと30分。
落ち着きを取り戻した二人を交えて話をすることになった。
◇◇◇◇◇
「二人、とも……お久し……ぶり」
「花井先輩、お久しぶりです。俺達のこと、覚えててくれたんですね」
「う、ん……覚えてる、よ……。加奈子ちゃんも、元気、そう」
「雪菜先輩が雪乃姉さんの妹さんだったなんて、本当に驚きです。お亡くなりになったって聞いてたので、生きててくださって、本当に嬉しい……」
「私、も……二人と会えて、うれ、しい……。お姉ちゃん、とも……仲良く、して、くれて……あり、がとう」
「いいえ、私の方こそ、雪乃姉さんにいっぱい助けてもらいました」
花井先輩は篠宮直轄病院の優秀な医師による治療によって後遺症なく回復することが可能だそうで、そのことを聞いた雪乃さんは乾きかけていた頬を再び涙で濡らすのだった。
「おねえ、ちゃん……泣いてばかり、だね」
「だって、だってぇ……」
「あはは……まだ、喋れ、ないん、だから……あんまり、笑わせ、ない、で……」
辿々しい言葉の中に含まれる確かな喜びの感情が先輩の頬を緩ませる。
兎にも角にも、加奈ちゃんの脅威は去り、雪乃さんにとって全ての恩は返し終わった。
しかも死んだと思われていた妹の花井先輩まで生きており、彼女にとってこれ以上の褒美はないだろう。
確かに辿ってきた道のりは不幸の連続だ。安易にめでたしめでたしなんて言うべきじゃないのかもしれない。
だけど、あらゆる障害が取り除かれた今において、新しいスタートを切るという意味ではこれ以上はない。
そんな思いが胸いっぱいになり、安心と喜びからこの先の未来の明るさを想像せずにはいられないのだった。