ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
雪乃さんのマンションに到着した俺達。
早速出迎えてくれた雪乃さんは先輩の顔を見て泣きそうになっている。
マンションへ先に帰ったのは対面していると常に泣きそうになってしまうかららしい。
忙しくて中々お見舞いにいく時間が取れない中、それでも暇を見つけては会いに行っていた雪乃さん。
本来は冴子さんからしばらく休暇を取っても良いと言われていた筈だが、それだと妹にべったりして何も手に付かなくなるなどの理由で断ったそうだ。
なんとも真面目な雪乃さんらしい。
テンション高めで料理を運ぶ咲良と、手伝いを始めた加奈ちゃんが台所に入っていくのを見届け、俺は先輩と2人で話してみることにした。
ソファに座る仕草はどこかのご令嬢かと思うほど上品で、お淑やかなお嬢様という感じだ。
思わず魅入ってしまうほどに美しい。
「ふう、ごめんね。まだあんまり外を出歩くほど力が戻ってなくて。ちょっと疲れちゃった」
「お疲れ様です。でも楽しいのはこれからですからね」
「あはは、そうだね。ねえ、しばらく咲良ちゃん以外の話し相手いなかったんだ。ヒマな時でいいから話し相手になってくれないかな。なんかお姉ちゃんから志藤君と積極的に話しなさいって言われてるんだ」
「そうなんですか。俺としては未婚の女性と二人きりというのは立場的にアレなんで、加奈ちゃんが一緒にいる状況でなら構いませんよ」
雪乃さんから先輩の話し相手になってほしいとあらかじめ言われている。
数年間を眠って過ごしてきた彼女の現在を知る者はほぼいない。
友達のいない状態で1人を過ごすというのは寂しいものだ。
俺とて加奈ちゃんを探し続けた五年間で、最初期の頃は非常に孤独だった。
人に恵まれて腐らずに済んだから、雪乃さんの気持ちは痛いほど分かるというものだ。
良いお姉さんだ。妹思いで優しく、心配りも忘れない。今もこちらを伺いつつ、妹の話し相手の邪魔をしないように距離を置いている。
先輩との再会を果たしたあの日、雪乃さんは自分の目の前の光景が現実だと信じられるようになるまで相当な時間が掛かっていた。
死んだと思っていた妹が生きていたのだから当然だろう。だけどその取り乱し方は普段の彼女に戻るまで相当な時間を要したのだ。
先輩には組織の事は話していない。それに加奈ちゃん達が風俗事業に従事している事も折を見て話すが、今の段階では内緒にしている段階だ。
「それにしても、志藤君と加奈ちゃんの変わり様は凄いね。凄くかっこよくなってるし、加奈ちゃんは凄く綺麗になってるし」
「まあ社会人になりましたし、俺も加奈ちゃんのために陰キャのままじゃいられなかったので。昔の俺はあまり格好いい人間じゃなかったですからね」
「そんなことないよ。私は昔の志藤君も好きだったよ」
「はは、それは光栄です。でも俺陰キャでしたけど」
「志藤君の人柄は生徒会でよく知ってるし、加奈ちゃんがいるから諦めてたんだけど、実は私、志藤君のことずっと好きだったんだ」
「え、ええっ、せ、先輩が俺をッ⁉」
考えもしなかった衝撃の事実をカミングアウトされて思わず動揺してしまう。
「そう。でも加奈ちゃんがいるから早々に諦めちゃった。多分あの頃はまだ付き合ってないか付き合いたてくらいだと思うけど、2人の雰囲気見てたら全然入り込む隙間ないなって思って」
どうやら思いがけない事実が隠れていたらしい。
仮に高校時代に先輩に告白でもされたら、俺はみっともなく舞い上がってしまっていたに違いない。
いや、加奈ちゃんがいる限り決して移ろったりはしない筈だが、先輩は美人過ぎる。
会えなくなってから7年という時間が経過した今でもその美貌は健在。いや、大人になった分だけそれに磨きが掛かっている。
とはいえ、仮に高校時代に告白されていたとしても、俺は彼女と付き合う選択はしなかっただろう。
「そうですね。仮に先輩が想いを伝えてくれても、俺はきっと応えられなかったと思います」
「うん、分かってる。だから早々に諦めて、四大じゃなくて短大にしたんだ。早く就職してお姉ちゃんを助けたかったから。お姉ちゃんったら絶対に大学は行きなさいって就職許してくれなかったんだよ」
「雪乃さんは妹さん想いってことですよ」
「あ、ねえねえ。そういえばお姉ちゃんとはどこで知り合ったの?」
「仕事関係ですね」
俺達の関係はあらかじめ話し合って決めてある。雪乃さんは冴子さんの部下で、ヘブンズ・ヴァルキリーグループは水無月コーポレーションの子会社と言うことになっている。
「凄いなぁ。水無月コーポレーションって言えば日本一の大企業だよ。しかも花形部署の若手ホープ。出世頭だもんね」
「そんなこと誰が言ったんですか?」
「お姉ちゃんと冴子さんと加奈ちゃん。皆言ってるよ」
「随分買われてますね。まあそのくらい頑張るつもりではいますけど、俺より凄い人は部署の中でいっぱい居るので、俺だけが凄いわけじゃないですからね」
「それでも社長からの覚えがいいのは志藤君だけって話じゃない。冴子さんがあんなに人を褒めるって中々無いことだからさ」
雪乃さん、雪菜先輩姉妹と冴子さんは幼馴染みに近い関係だったな。
「そういえば冴子さんとは幼馴染みでしたね」
「そうそう。お姉ちゃんの家庭教師だったの。家も近くだったし、家族ぐるみの付き合いだったんだ。私も勉強教えてもらっててね、優しくて綺麗で、穏やかで落ち着いてて、お姉ちゃんも私も冴子さんに憧れてたんだ。でも、あの頃の冴子さんに比べると、今は凄くギラギラしててらしくないなぁ」
「まあ時間も経ってますし、責任ある立場ですから顔付きくらい変わりますよ」
「あ、そうだね。ごめん。どうも私、まだ学生気分が抜けないみたい。もう20代後半だもんね」
「仕方ありませんよ。ずっと眠っていたんですから精神的には大学生のままってことじゃないですか」
先輩的には冴子さんのイメージは学生の頃で止まっている。本人も今の姿は後天的にできたもので、本来は違うと言っていた。
冴子さんとの夜が明けた後、デートの約束を取り付けた時に、本来の自分を見せると言っていたので失っている訳ではないのだろう。
事実として、冴子さんはいつ如何なる時でもかなりの厚化粧をしている。
あの夜ですらそれを落とす事はしなかった。お風呂の後もわざわざ化粧し直したくらいだし。
「でも早く社会復帰しないとね。なんだか自分だけ世界から置いてけぼりにされちゃってる感じがするし」
「ゆっくりやりましょう。俺達も協力しますから、あんまり焦らないで」
「うん、ありがとう。友達もいないし、心強いよ。さっきはごめんなさい」
「え、何がですか?」
「色々なこと。なんかさ、私の時間だけ5年分? 眠っていた分だけ遅れてるから、2人に何か失礼なこと言ってないか、不安で」
「大丈夫ですよそんな心配しなくても。さっきも言いましたけど、ズレてるならゆっくり時間をかけて直せばいいんです」
「うん。そうだね」
やはりどこか精神的に不安定になりつつあるな。
「でもね、なんか変なの」
「変?」
「うまく言葉にはできないんだけど、覚えてない五年間の記憶を思い出すのが怖い。思い出したら、私は私でいられなくなっちゃうような気がする」
「それなら無理して思い出そうとしない方が良いです。事故の後遺症はないって検査では出てますけど、目に見えない部分で影響が出るかもしれない。大丈夫、時間は沢山あるんですから」
「うん、そうだね。ありがとう」
俺は彼女の手に触れ、慎重に握り絞める。いやらしくならないように、両手で覆って安心させるようにさすってみせた。
「イヤッ!」
「先輩……」
突然の拒否反応。急激に変わる態度に胸が痛んだ。
やはり記憶はなくとも、男に対する潜在的な恐怖を身体が覚えているのだろうか。
「……ぁ、あれ? なんだろう……急に。ごめんなさい。志藤君が嫌な訳じゃ……あれ?」
「やっぱり疲れてるんですよ。食事を食べて楽しく過ごしながら気分転換しましょう」
「そ、そうね。もっとちゃんと体力取り戻して元気にならなきゃね」
垂れてきた汗を拭いながら呼吸を整える先輩を見て、やはりまだまだ簡単に終わる話ではないということを痛いほど実感した。