ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
「まずは、あなたが志藤さん達と同じ高校に転入する前後の話からするわ。雪菜ちゃん、あなた雪乃がどこで働いていたか、知ってる?」
先輩と雪乃さんは、両親との死別後に別々に暮らし始めている。
まだ高校生だった先輩は親戚の家に引き取られ、雪乃さんは先輩の経済的支援の為に離れて暮らし、内緒で風俗務めを始めている。
「いいえ……」
「風俗」
「ッ⁉」
そのことを伝えることは今までなく、先輩も知らなかったようだ。
息を呑み、顔色が変わる先輩に思わず身体が強張った。しかし隣に座った加奈ちゃんが先輩の手を握り、心を強く持つように励ました。
「そんな、まさか私の為に……?」
「叔父さん夫婦はあなたの学費は負担しないと言ってきた。だけどあなたには大学に行って欲しかったから、私が稼ぐので高校卒業までは面倒を見て欲しいってお願いしたの」
「嘘……私、何にも知らなくて……」
「いいの。余計な事を考えずに進学して欲しかったから、叔父さんと叔母さんには黙っててもらうようにお願いしたから。言っておくけど、私は自分が犠牲になったなんて思ってないわよ」
「でも」
「いいんだって。どっちにしても十分な貯金ができるまでは、風俗で働くのは決めてたから。お父さんとお母さんが死んじゃったのは、きっかけみたいなものだったのよ」
「お姉ちゃん……」
「でも黙っててごめん。堂々と言える仕事じゃないのは分かっていたから、心配かけたくなかったのよ」
「ごめんなさいお姉ちゃん。全然知らなくて、嫌な態度取っちゃった……ごめんなさい」
「いいのよ。妹だもの。嫌なところも全部知ってるし、そんな事私には問題じゃない。私の方こそ、伝えるべきかどうか、迷ってしまっていたからギクシャクしてしまっていたわね」
「うん、寂しかった。でも私の為だったんだよね。ごめんねお姉ちゃん……」
「私の方こそ……ごめんね」
お互いに言いたいことが言えない状態でギクシャクしてしまっていた二人の顔は、力が抜けたように笑顔を浮かべた。
しかし安心もしていられない。話はここからが本番なのだ。
「雪菜ちゃん」
「冴子さん……まだ、なんですよね。これで全部じゃない……。もっと、辛いことが」
「そうね。むしろ、ある意味ではここから本番よ。覚悟はいい?」
「う、うん。大丈夫」
「志藤さん、お願いします」
「はい。先輩、少しよろしいですか?」
あらかじめ打ち合わせていたことを実行する時がやってきた。
「うん、どうしたの志藤君?」
「手を握ってみてもいいですか?」
「いいけど、一体……」
「まあ、とにかく、まずは」
困惑しながらも、スッと差し出された先輩のその手を握り絞めた。
だが、その瞬間に先輩の悲鳴が上がる。
「嫌ッ! ……あ、あれ……? なんで……」
反射的に引き剥がすように手を引っ込める姿は、嫌悪感を丸出しにした悲痛な表情をしていた。
「理由、分かりますか先輩。先輩は俺のこと、顔を青くしながら拒否するほど嫌いですか?」
「ち、違うッ。こんな筈は……どうして……?」
「もう一度。今度は先輩から触ってみてください」
青ざめた顔色は唇まで紫色に変わり、ワナワナと震えだした指先が恐る恐る近づいてくる。
やはり時期尚早だったか。最悪の形でトラウマの記憶が戻ってしまう可能性もあるが……。
いや、最悪なのは俺達の目が届いていないところで戻ってしまう事だ。
彼女の今後を考えるなら、今ここで荒療治をやった方が、最終的な傷は少なくて済むはず。
「はぁ……ぁ、ぁ……ダメ……なんでだろ。分かんない。分かんないけど、触るのが、怖い」
「どうしてだと思います? 先輩は、男性があまり得意じゃなかったですけど、ここまででしたか?」
高校時代の先輩は人付き合いは人並みだが、男性は少し苦手だった。
俺は陰キャで人畜無害だったので範囲外であったが、いや、今から考えれば俺が恋愛対象だったからか。
とにかく男性と接するのがあまり得意ではない先輩が、あんな目にあってしまえばこうなるのは必然と言えた。
「違う……確かに男の子と喋るのは苦手だった。でも、これは……あれ……私、私は」
瞳孔が開き、ワナワナと震え出す先輩を見て、たまらず雪乃さんが抱き締める。
「お姉ちゃん、ぁ、ああ、はぁ、はぁ、お姉ちゃん、あれ? 私、なんで、なにか、何か忘れてる気がするっ……」
「雪菜っ、大丈夫……。大丈夫だから。無理して思い出さなくていいから」
「雪乃っ」
「冴子姉さん、やっぱりダメ。まだ早いわ」
冴子さんと雪乃さんで意見が対立しそうになっているが、俺もまだ早いかと思った。
手に触ろうとするだけでこの反応では、真実を知ったら一気に記憶がフラッシュバックしてしまうかもしれない。
「そうね。まだ全てを伝える時ではないかもしれない」
「はぁ、はぁ、はぁ……これ、なんでなの? なんで?」
「雪菜、いいのよ。思い出さなくていい。大丈夫だから。記憶が戻らなくてもお姉ちゃんが一緒にいる。もうあなたを置いてどっかに行ったりしないから。だから無理しないで」
悲痛な声で抱き締める雪乃さんの表情が居た堪れない。加奈ちゃんも同じように反対側で身を寄せ、髪を撫でて落ち着ける。
流石は実の姉と加奈ちゃんというべきか。パニックを引き起こしていた先輩をあっと言う間に落ち着けてしまった。
「はぁ、はぁ……」
「雪菜。もう休みましょう」
「……」
「雪菜……?」
先輩は下を向いたまま動かなくなった。荒くなっていた呼吸も落ち着き、まるで嵐の前の静けさを体現しているかのようだった。
「どうしたの雪菜?」
「雪菜先輩……大丈夫ですか?」
「思い出した……」
「え?」
「思い出したよ、お姉ちゃん。私……もう汚れちゃってるんだった」
「雪菜ッ、あなた」
「触らないでっ!」
突如として二人を突き放す雪菜先輩に、俺達は絶句するしかなかった。
「二人ともダメだよ。私、もう汚れてるの。汚くない所なんて残ってない……」
ガタガタと震え出す先輩に誰も近づくことができなかった。この状態の先輩がどういう心境なのか、誰よりもよく分かっている人達ばかりだったからだ。
「私、お姉ちゃんを守りたかった……。身代わりになればお姉ちゃんには手を出さないって……」
「まさか……」
そうか。雪乃さんが妹を盾に取られていたのと同じように、雪菜先輩も姉を人質に取られて犯されるしかなかったのだ。
「私思い出した。お姉ちゃんが私の為に風俗で働いていた事も、私の為にお金に騙されて酷い組織に捕まっちゃった事も……全部教えてもらってた。だから私が身体を差し出せば、お姉ちゃんにはこれ以上酷い事しないからって……私、自分で受け入れたの」
「そんな……雪菜。あなた」
「先輩も、騙されてた」
「先輩…」
「ダメッ! 何も言わないで。志藤君に慰められるのが一番辛いの……」
「え……」
「志藤君……私、今でも好きなの。あなたのことが、大好き……だからこそ辛い。こんな汚れた自分を見られるのが、死ぬことより辛いのよっ」
誰も、何も言えなかった。
その言葉が彼女の全てを表していたからだ。
いや、違う。言えなかったのではない。言わなかったのだ。
その気持ちがどれだけの地獄を生み出すか、俺は誰よりも理解している。理解していないといけない人間だから。
そこで分かった。先輩が俺を拒否したのは、俺が【男】だからじゃない。
【俺】だったから、あれほど強い拒否反応が出たのだ。
他の男で試していないから予測でしかないが、これだけの判断材料があれば十分に確信できる。
「もうだめッ、耐えられないッ」
俺は思考を巡らせていた1秒にも満たない時間に、先輩は次の動きを始めていた。
だけどそれは許さない。俺はその1秒よりも先に動き、先輩を抱きしめた。
「いやあぁあああっ! 嫌ッ、いやぁっ! 抱き締めないでっ! 優しくしないでっ、慰めないでっ!」
「いいえ、抱きしめます。優しくします。慰めます。あなたを絶対に死なせません。自殺なんて絶対にさせませんよ」
「志藤くぅん……お願い死なせて……。思い出しちゃったから……。汚い男達に、犯されて汚された私なんて、生きててもしょうがないから……」
「いいえ違います。俺はその汚れを取り払う為にいるんです」
「どういう……こと?」
「雪菜ちゃん……ここにいる全員、あなたと同じなのよ」
先輩を落ち着かせる為にゆっくりと抱きしめる力を緩める。
加奈ちゃん達の言葉のおかげで、少しずつ話を聞く耳を傾けてくれたのが幸いした。
そうして、加奈ちゃん、冴子さん、そして雪乃さんが組織に囚われていた過去を、先輩に全て明かす事となった。