ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
「ああもうっ! どうして居なくなってしまうのよっ! 雪菜ッ!」
翌朝、雪菜先輩はいなくなっていた。
『少しだけ一人にさせてください。絶対に死んだりしないから心配しないで』という書き置きを残し、姿を消してしまったのだ。
昨日の話の中で、先輩は色々な事を思い出して心が過負荷状態になってしまったらしい。
キャパオーバーを起こして考える時間が欲しいとの事だが、心配しているのはそこだけではない。
加奈ちゃんと同じなら激しい男性恐怖症になっている筈だ。
それがどういう形で発現するか分からない以上、放置するのは非常に危険だ。
仮にナンパでもされようものならどのような悲劇が起こるか分からない。
それすらも自分自身で想定できていないとするならば、やはり先輩はまったく冷静ではなく、自暴自棄に近い状態だと考えた方が良さそうだ。
のんびりしている時間は無い。俺は部長に連絡して事情を話し、会社を休みにしてもらって探すことにした。
「ご心配なく。先輩の居場所は分かってます」
「どういう事ですか、志藤さん」
「お忘れですか? 彼女のスマホとサイフにはGPSが仕込まれています。まだ遠くには行っていないようなので追いかけましょう。既にまだ顔を知らないミルフィさんが追ってくれていますので」
「そ、そうでしたね。すみません……焦って忘れていました」
これはあらかじめ篠宮家で保護された人全員に施されていた処置であると、先輩が退院した日に愛沢副社長から教えてもらっていた事だ。
それから、先輩には悪いが夕べのうちに服に仕込ませてもらったGPSもある。
実は先輩がいなくなることは、あらかじめ想定されていた事なのだ。というのも、先輩が寝静まった後、ルナちゃんが現われて警告をした。
先輩は自分を責めている。自分をこの世で一番汚い存在だと思っているから、きっと危ないと。
だから先輩の衣服の内ポケットにマイクロ型のGPSチップを仕込んである。
なんだかご都合主義みたいな話だが、篠宮家の先見の明はもはや予知のレベルなので今更驚かない。
「ミルフィさんが近くにいるなら変な連中に絡まれる事はないでしょう。今はそっとしておくのがいいかもしれません」
「本当に大丈夫でしょうか」
「昨日は一気に情報を話しすぎました。こんがらがって自分を否定したくなってるのかもしれません……加奈ちゃんは俺がいることで解決しました。だけど……雪菜先輩には、あなたしかいないと思います。雪乃さん」
「わ、私、が……」
「そうです。俺は、高校時代の先輩しか知りません。彼女の全てを知っているのは姉であるあなたしかいないと思います」
実際に雪菜先輩が立ち直る為には、セックスによるトラウマの前に、彼女自身の心を強くするしかない。
この場合、加奈ちゃんの時とはかなり事情が違うと考えた方がいいだろう。
「大丈夫。俺も一緒に行きます。少し見守りましょう。何かあればすぐに対処すればいい」
「ありがとうございます。すぐに追いかけたい。お願いします」
「ええ、行きましょう」
先輩は町から少し離れた海沿いの方へ移動していた。静かな場所で過ごしたいのだろうと思う。
俺は車を走らせてすぐに移動を開始した。徒歩と電車なのでそうそう引き離される事はない。
マップに表示されたポイントとミルフィさんからの連絡で居場所を特定し、すぐに先輩の近くまで到着することができた。
しかし、一人になりたいと言った先輩の意思を尊重し、しばらくは見守る事にする。
◇◇◇
【side雪菜】
身体の奥に潜んでいる淀みのような熱量が自分の中を苛んでいる。
完全に思い出してしまった。何も知らなかった私に刻まれた男達の激しい暴力。
性の知識が不足していた私にとって、それは単純な恐怖という言葉では片付けられない狂気の沙汰に等しい。
私は逃げ出すように志藤君の家を飛び出し、直感の赴くままに電車に飛び乗った。
午前中たっぷりかけて移動した先には海沿いの町があり、海岸線に沿って道が続いていく静かな場所を見つけることができた。
まるでドラマのワンシーンにでも出てきそうなロマンチックな光景が、冬の寒さと相まって私の心を癒やしてくれる。
「ん……やだ、これ」
それとは裏腹にお腹の下からせり上がってくる黒い熱量が私を苛んだ。
セックスしたくて堪らない。誰でもいいからチンポ突っ込んで欲しい。気が付くとそんな事を考えている自分がいた。
だけどきっと後悔する。誰でもいいなんて本当は思っていない。絶対に思っていない。
私には裏の人格がいるという。セックスが大好きな自分の本性が、欲望を解放して具現化したのではないか、とすら思う。
そんな自分が嫌いで嫌いでたまらなく、それでも性的な疼きを止める事は困難だった。
守られた環境に身を置いていた時には気が付かなかった焦燥感が、段々と頭の中を暗い気持ちにさせていった。
心臓が痛い……。
汚れた自分なんて誰にも見て欲しくない。だけどセックスを身体が求めてる。
アバズレで淫乱になってしまった自分と、そんな自分を嫌悪している気持ちがぶつかり合って頭がおかしくなりそうだった。
余計な音がしない静かな場所は、私の心を少しだけ癒やしてくれるけど、自分と向き合う事で感じる汚さはどうしようもなかった。
「お姉ちゃん……志藤君」
私の為に体を売ってお金を稼いでくれていたお姉ちゃん。
学生時代から好きだった志藤君。
加奈ちゃんも冴子さんも咲良ちゃんも……皆が私の為に尽力してくれた。
それはとても有り難く、嬉しいことでもあると同時に、辛い事でもあった。
「優しさが、辛いなんて事があるんだなぁ……」
自分の声が風に吸い込まれていく。虚しく響く音は景色に飲み込まれ、まばらに歩いている人に届く事はない。
さざ波の音が心地良く響いている事に気が付くと、少しずつ頭の中もクリアになっていくようだった。
私の身体は、志藤君を求めてる。
そう、きっと裏の人格が志藤君を襲ったのも、近くにいた男性がたまたま志藤君だったからじゃない。
誰とも知らない怖い男の人に何度も犯されている時、思い浮かべるのはいつも彼の顔だった。
身体は卑劣な男達に犯されながら、頭の中では彼に抱かれているような妄想をして心を守っていた。
いや、きっと初めて犯された時に壊れてしまったんだ。
だから人生でたった一人だけ恋をしたあの人を思い浮かべ、妄想の中に閉じこもる事で心が死ぬことを防いでいた気がする。
押し潰されるように身体を犯してくる男達。それら全部を志藤君だと思い込んで、最後は自分から求めていた。
『もっと犯して♡』『全部あげるから♡』『セックス大好きなのっ♡』『おちんぽ気持ち良いッ♡』
自分の知識になかったセックスを幾度も教え込まれ、どんどんできないことが減っていった。
だけど、事故で記憶を失って、一度リセットされてしまった意識は、過去の狂った性的倫理に耐えられなかった。。
あの時平気で男性器を受け入れた自分は、あまりにも本来の自分とかけ離れている。
そのギャップは弱い心を容赦なく打ち砕いた。耐えられなかった。
汚くて倫理の砕け散った自分を見られるのが怖かった。それがバレるのが怖かった。
そんな壊れた自分を慰められるのがいやだった。
惨めで惨めで……、優しくされるほどに自分が否定されているような気がしてくる。
だったらいっそのこと、……いや、それこそダメだよ。
お姉ちゃんや皆の優しさ、思いやり、苦労。全部全部踏みにじる事になる。
私は、そこまで自暴自棄にはなれない。お姉ちゃんの気持ちが分かっているから。
自分だけが苦労してきた訳ではない。これは単なる被害者意識だ。
だから私は、きっと強くならなくちゃいけないんだ。
裏の私は、どう思ってるんだろう。この身体は、セックスを求めてる。後悔すると分かっていても、誰でもいいから性器を突っ込んで欲しいと思ってしまっている。
だけど、本当は分かってる。この体が誰を求めているかなんて、考えるまでもない。
「抱いて欲しい……志藤君に抱いて欲しい……」
私は踵を返し、お姉ちゃん達のいる志藤君の家へと帰るのだった。