ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
幸せになる決意の儀式。
世間の認識がどうであれ、俺達にとってこの会場はそれを促す明確な要素となるだろう。
「そうだった……結婚したら、こういうこともするのが普通だもんね……すっかり忘れちゃってた」
「忙しかったし、色々と大変だったからね。だけど、そろそろ良いと思うんだ。他の皆も後押ししてくれる」
この決意をする前、俺はハーレムの女性陣全員に意思確認を行った。
元々反対されることは有り得ないことは分かっていたが、それでも全員の意思を確認せずにはいられなかった。
いずれ彼女達ともあげたいと思っている結婚式。
だが俺にとってもっとも優先すべきなのは、最愛の妻である加奈ちゃんとの誓いの儀式だろう。
「ようっ! 待ってたぜお二人さんッ!」
「え、成田君?」
「おう、悪い。予約時間はまだ早かったんだが、気が急いてな」
「ははは、分かる分かる。今日は他に予約もないから気にすんな」
俺達を出迎えてくれた式場案内係のスタッフ。
それはかつての高校時代の友人である成田であった。
実は以前の同窓会で名刺交換をしており、その関係でいずれの時には必要になるだろうと予約をお願いしておいたのだ。
「いやぁ、二人がまだ式を挙げてないって聞いたからビジネスチャンスだと思ってさ。志藤に名刺渡しておいて正解だったな」
「事実なんだろうけど言ったら絶対アウトな営業トークだなそれは」
あまりにも露骨すぎる商売根性丸出しの営業トークである。
チャラい見た目にはなったが、こういう友達を緊張させない雰囲気作りが上手いところは変わってない。
会場は地域で一番大きくて設備が整っており、人気の式場となっている。
調べて見たら水無月のグループ会社が経営している所でもあり、社割が効いてお得であった。
「そんじゃプランの一覧と式場の中身見学してみっか」
成田の案内で式場を見て回った俺達。
煌びやかな内装と、美しいウェディングドレスのサンプルを見学するうちに加奈ちゃんのテンションも上がっていっているみたいだ。
成田の営業トークは適当に聞き流し、二人でこの式場で結婚式を挙げたときのことを想像しながら未来への希望を見出す。
ちなみに成田は同級生テンションで余計な業界の内情までペラペラしゃべり出したので全然営業と関係なくなっていた。
しかし同窓会での騒ぎについては一切触れる事なく、最後には『幸せになってくれて嬉しいぜ』と祝福の言葉を贈ってくれた。
「あれ……あの子達……」
「え? ……あ」
施設内の案内が一通り終わり、式場から帰ろうとした矢先、俺達2人の前に見覚えのある人物がスタッフと共に入って来た。
「ぁ……て、店長」
「ご無沙汰しております」
「お久しぶりです……その、お元気でした、か?」
それはかつて、牧野千咲との勝負の最中に店を去ったボーイの男だった。
俺と同じ名前であり、かつて加奈ちゃんと鳥籠時代に出会ってしまった彼だ。
勝負が終わり、罪を償うために彼は店を去った。その後の話は人伝に聞いていたが、実際に会うのは数ヶ月ぶりだ。
そしてもう一人。彼の隣に意外な人物が寄り添うように佇んでいる。
「お久しぶりです店長」
「お久しぶりです、れいみさん。いえ、もうその名前ではなかったですね」
彼女はかつて、牧野千咲のスパイとしてうちの店に潜り込んでいた風俗嬢であり、あの女の卑劣なやり方に嫌気が差してこちら側に寝返った人だ。
勝負が終わってしばらく加奈ちゃんの店で働いていたが、借金の完済を機に退職している。
それからの足取りは知らなかったが、結婚式場で彼と一緒に居ると言うことは、そういう事なのだろう。
「お付き合いされていたんですね」
「はい。色々ありまして」
そういえば、二人は以前に同じ店で働いていた知古の仲だったらしい。
れいみさんに付いていた痛客の本番強要から、彼が体を張って救った。
当時のれいみさんはそのことに何の感慨も湧いていなかったが、加奈ちゃんの店舗で起こった騒動をきっかけに彼のことを思い出し、それから気になる存在になっていったと、二人は話してくれた。
二人の語る"色々"は、一組の男女がカップルになっていく非常にドラマチックな馴れ初め話だった。
意外すぎる再会に俺達も笑顔が漏れる。
「ここに来ていると言うことは、そういうことなんですね?」
「はい。来月には式を挙げようと思っています。家族と親類だけの小さなものですけど」
「おめでとうございます。私も嬉しいです」
「店長も、そうなんですね」
「はい」
一組のカップルが幸せを掴む。それは自分に近しい分だけ喜びも大きくなるということだ。
「月宮店長。改めて、今までのこと、すみませんでした。どうか、幸せになってください」
「ありがとうございます。どうかお二人でお幸せに」
「はい。絶対に頑張ります。お腹の子の為にも」
「え……」
加奈ちゃんの表情に、陰りのようなものが差し込んだのを見逃さなかった。
「赤ちゃん、いるの?」
「はい。十代の頃に遊びすぎたせいで、できにくい体だったんですけど……、こんな私の元にも、来てくれたんです。赤ちゃん……」
一瞬の陰り。しかしそれは本当に一瞬で、すぐに笑顔になって祝福し始めた。
「そうなんですねっ! おめでとうございますっ!」
「ありがとうございます……。もういい年なんで、本当に救われました」
れいみさんは自分のお腹を愛おしそうにさすっている。
本来なら祝福の一つも笑顔で送りたい所だが、今の俺はそれどころではなかった。
加奈ちゃんの笑顔が痛々しい。それでも彼女は精一杯の祝福の言葉を贈り、その奥に隠れた感情を表に出すことはなかった。
◇◇◇
「幸せそうだったね……あの二人」
「……そうだね」
式場を後にした俺達は、帰りの車の中で重たい空気を味わっていた。
加奈ちゃんの気持ちが痛いほど分かってしまう。俺は何を言うべきか迷い、何も言わないことにした。
こういう時は余計なことを言わない方が良い。
俺は必要な時に手を差し出すだけでいい。いや、それ以外できる事はないだろう。
まったく……本当に無力だ、俺は。どれだけでも加奈ちゃんの為に体を張るつもりでいる。
だけど、こういう時、俺は何もできない。
「克明君…」
「いいよ、言って。吐き出して」
「やっぱり、分かってくれるんだ。ごめんね、今から、凄く酷い事いうね」
「ああ。ちゃんと聞いてるから」
「嫉妬……しちゃった……。羨ましいって、思っちゃった……なんで、私は、って、思っちゃった……」
「……」
「私、悪い事何もしてないっ。ただただ被害にあっただけなのにっ! なんでこんなに苦しまなくちゃいけないのっ⁉ どうしてっ、どうして…私はただ、克明君との、大好きな人との、子供が欲しいだけなのに。れいみさんには赤ちゃんができて、私はなんでできないのっ! ズルい、ズルいよ……なんでなの? 私、被害者なのに……。それとも、私が悪いの? レイプした男達全部許さないといけないの?」
加奈ちゃんの独白は続く。被害者である自分ができなくて、他の人はできるなんてズルい。
卑劣な男達を許すことなんてできない。なのに許さなくちゃいけない。
同じ環境に居た人なのに、自分にできなくてあの人にはできるのは何故?
頭が混乱しているのだろう。色々な角度から他人に嫉妬する言葉を吐き出し続けた。
正直俺だってズルいと思ってしまったくらいだ。
「なんなんだろうね……心の中の憎しみって……確かに男の人は憎いよ。でもそれで大好きな克明君との赤ちゃんまで否定するなんて……どうしてなんだろう……。もう頭がおかしくなりそうだよ。なんでなんだろうね、ホント、なんでなんだろう」
慰めの言葉は幾つも思いつく。しかしどれも正解ではない。どれも彼女の心を救うには至らない。
いや、むしろ逆に傷を深くするだろう。俺にできることは、加奈ちゃんの歩幅に合わせて隣に居ることだ。
違う違うッ! 加奈ちゃんを放置していい事なんて何もない。
加奈ちゃんは破滅の方向に向かう癖がある。いくら経験を積み、どれだけ強くなったとしても、人の本質はそう簡単には変わらない。
これだけ追い詰められた時にこそ、そういう傾向は強く出るものだろう。
「加奈ちゃん……下手な慰めは言わない。俺達はずっとそれに向き合うって決めたから」
「うん、そうだね。ごめん……弱音吐いちゃって」
「そうじゃないよ。弱音は、絶対に隠さないで。これは俺達2人の問題なんだから」
「2人の……うん、そうだね」
ハンドルを握る手に力が籠もる。自分の無力さに腹が立って仕方なかった。
片方の手はハンドルに。もう片方は妻の手を。込める力に想いを込めたいが、それがなんなのか分からなくて辛い。
「加奈ちゃんの苦しみは、俺が半分背負う。だけど、どうしたって背負えない部分があるのが、凄くもどかしい。できれば代わってあげたい。正解の背負い方が分からない自分が、凄く腹立たしい」
「克明君……うん。ありがとう……。ごめん、1人で悩んでた」
「悩みは2人の物だから、弱音は全部聞く。八つ当たりしたっていい。全部受け止める」
「でも、克明君の負担ばっかり増えちゃう」
「負担させてくれよ。子供ができなくたって、なんて月並みなことは言わない。俺達の子供は必ず迎えよう。絶対に諦めない。だけど、加奈ちゃんが壊れる前に、俺が止める。死にたくなるくらい辛くなっても、絶対に死なせない。加奈ちゃんは寿命以外では絶対に死なせない」
「克明君…」
「だから、辛くなったら田舎に引っ込んで何も考えずに暮らすのだっていいと思う。大変だろうけど、お金はあるんだし、無理して都会で暮らさなくてもいい。例えばの話、俺は加奈ちゃんの為ならいつでもハーレム解散したっていい。皆には悪いけど、加奈ちゃん以上に優先することなんてないから」
「ありがとう…克明君。でも解散はなし。皆の存在は、私にとっても心の支えだから」
「分かってる。それくらいの心構えだって話さ。気楽に考えようなんてことは言えないけど、俺は加奈ちゃんが居てくれればって思っているのも事実だから。辛くなったら、投げ出したっていい。まだ二十代だし、何年も掛けて克服できることだってあると思う」
「うん、そうだね。焦っちゃった……」
「辛いよね。篠宮会長も酷い人だよ。こんな試練与えるなんてさ」
「ふふ、うん、ありがとう。そうだよね。長い目で見てもいいよね」
「ああ、本当は一刻も早く解決したいよ。加奈ちゃんを苦しみから解き放ってあげたい」
「うん。克明君……慰めてくれる?」
「もちろん。さあ、俺達の家に帰ろう」
時間は掛かる。だけど2人で乗り越えるから、苦しみも悲しみも一緒に背負うと誓う夜だった。
「お願い、今夜はめちゃくちゃにしてほしい」
「なら、少し刺激的なこと、してみようか」
加奈ちゃんの願いならどんなことだってしてあげたい。
その日の夜は、今までに無いくらい激しくお互いを求め合った。
今まであまりしてこなかった過激なことも、この日の俺達はどんなことでもできてしまう。
全てを使い切って、裸で抱き合って、幾度放っても萎えることのなかった精力が尽き果てた頃、朝日と共に2人で新たに誓い合う。
篠宮会長の遣いの人から邸宅に来て欲しいと連絡があったのは、流石に疲れすぎてもう1日休みをもらって2人の時間を過ごしていた昼下がりのことだった。