ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
涙声の紗綾様が知らせてくれた篠宮会長の回復。
しばらくは絶対安静とのことで、俺達は1週間後の面会を約束していた。
心の憎しみを克服した俺は仕事に復帰し、これまで迷惑を掛けていた分だけ張り切って遅れを取り戻していった。
「凄いですわ克明さん。復帰してからの業績の上がり方がうなぎ登りです。もうすぐにでも社長になっていただきたいですわ」
「いやいや。もう少し修行させてくださいよ。……いや、やりましょうか。まだまだ学ぶことは多いので、しばらくは名前だけになりますけど」
「はいっ! 私、精一杯支えますから♡」
相変わらずやるべきことは変わらない。ヘブンズ・ヴァルキリーを業界でもっともクリーンな会社にし、女性が働きやすい環境を実現するのが冴子さんの夢だ。
そしてそれは俺の夢にもなった。愛する人の叶えたい夢は、俺自身の夢になる。
だからそのために身を粉にして働くことになんの躊躇いもない。
最近は咲良が加奈ちゃんと入れ替わりで店長業務に携わるようになり、加奈ちゃんは組織運営側に回り始めている。
それでも現場仕事が好きな加奈ちゃんは時折顔を見せているようだ。
冴子さん的には社長秘書になってもらってはどうかと提案されている。
それもいいかもしれないな。
それから雪菜先輩もヘブンズ・ヴァルキリーに正式に就職した。
事務員以外の仕事も徐々にこなすようになっていき、普通のOLとして社会復帰している。
劇的に変わったのは俺が苦しみを引き受けた直後からだ。
心の負担が軽くなった女性陣の快進撃は凄まじいものがあった。
もともと能力の高い彼女達の培ってきた努力が、邪魔をしていた心の壁が取り払われた瞬間に本来の潜在能力を発揮するのは自明の理だろう。
つまり、俺達の人生における素材要素のほとんどは排除されたわけだ。
◇◇◇
篠宮会長からの呼び出しがあったのは、その翌日だった。
俺は加奈ちゃん、冴子さん、雪乃さん、雪菜先輩、そして咲良の5人を引き連れて迎えの車に乗った。
迎えに来てくれたのはまたしても桜子様だった。
しかし以前と違い、その表情には余裕がなかった。
「先日の無礼な態度、この通りお詫びいたします。そして主の命を救って頂いたこと、この桜子、心よりの感謝を送りますわ」
「お互いの大切な人の為ですから、俺は気にしていません。どうか頭を上げてください。謝罪も感謝も受け取りましょう」
「ありがとうございます。わたくしの愚行で皆様と篠宮家との関係が悪くなったらどうするのかと、紗綾お姉様にこっぴどく叱られてしまいました。わたくしもまだまだ未熟に御座います」
篠宮家にとって、俺は大事な後継者候補と認識されている。故にその妻である加奈ちゃん、引いてはルナちゃんを軽視して見殺しにしようとしたことは大きな怒りを買うことになったらしい。
しかしそれは俺とて同じことだ。ルナちゃんを犠牲にしてまで会長を救いたいとは思えなかった事から、やはり大切な人に死んで欲しくないという思いはお互い様だと思う。
「会長のご様子はいかがですか?」
「それは実際にお会いになれば分かると思いますわ。以前とはかなり印象が違うでしょうけど、驚かないでくださいね」
「元気になられたと思って良いんでしょうか」
桜子様はそれ以上答えることなく意味深な微笑みを浮かべた。そこに含まれた意味を考えるに、ポジティブな内容である事は間違いなさそうだ。
◇◇◇
「あ、加奈ちゃん久しぶり~」
「玲緒奈さんっ、お久しぶりです」
屋敷の入り口に到着すると、出迎えてくれたのは赤みがかった髪が美しく、小さめのリボンでハーフアップに纏めた美少女だった。いや美女といった方が良いか。
先日うちに遊びに来た――厳密には篠宮家の使者としてやってきた彼女とは、その日以来定期的に連絡を取り合う仲になったようだ。
「ひょっとして、キングキャッスルの?」
「志藤さんもお久しぶりです。昔一度だけお店でお目にかかってますけど、こうして篠宮家の者として顔を合わせるのは初めてですね」
「あ、はい。覚えてます。一回しかいけませんでしたけど、凄く楽しかったのを覚えてます」
「覚えててくれたんですね。余裕ができたからまた来て下さいね」
「ありがとうございます。それと、加奈ちゃんに道を示してくれたそうで、それに関しても感謝してます」
「いえ、私は父から賜った使命を全うしたに過ぎません」
「父?」
「篠宮隆行です。彼とは義理の親子の関係でしたけど、私が昔から男性として意識していたのでアタックしたんです」
「そ、それは中々アグレッシブですね」
「あはは。あ、そうだ。会長に謁見する前に、深雪さんに会っていってください」
「副社長に?」
「はい、というか、隣の部屋に隠れてるので引っ張り出しますね」
玲緒奈さんがそう言った瞬間に【ガタンッ】という派手な音が鳴り、明らかに誰かいることを知らせた。
「し、志藤さん……」
「あ、副社長」
ススゥーとゆっくりとした速度で襖が開き、こっそりと覗くように顔を見せた愛沢副社長。
バツが悪そうな顔で何か言いたげにしながらも、中々奥の部屋から出てこようとしない。
「んもうっ。深雪さんっ。志藤さんに謝るんじゃなかったんですか?」
「は、はい……。えっと」
なんだか思春期の少女みたいに恥ずかしがって中々言葉を発しようとしない。
しかしその気持ちはよく分かる。
俺だってちょっと恥ずかしいのと気まずいのが混じって変な気持ちになってしまってるからだ。
「大変に申し訳ございませんでした」
「い、いえっ、頭を上げてください愛沢副社長」
篠宮会長の謁見の前に、入り口のところで待っていた愛沢副社長から土下座される事になった。
しかし彼女のやったことも、夫を救うためにやむなしという事情があっての事。
事情は会長の犠牲の下にルナちゃんを救って欲しいと感じた俺も同じであるので、その謝罪を受け入れつつ和解した。
「お互いに大切な人を守りたいと思っての事です。俺はあなたの謝罪を受け入れるし、むしろそのおかげで今の結果を手に入れる事ができた。そのことで感謝しています」
「ありがとうございます……それから加奈子さん、並びに志藤家の恋人たる皆様、皆様の夫となる男性に不誠実を働きましたこと、謹んでお詫び申し上げます」
「そ、そんなっ、頭を上げてください深雪様」
「そうですよ。事情は聞いています」
「確かにちょっと複雑っすけど、反対の立場ならウチらもきっとそうしたと思うッス」
「だから頭をあげてください、愛沢さん」
冴子さん、雪乃さん、咲良、雪菜。それぞれが副社長の謝罪を受け入れ、和解することになった。
やはり事情を聞いても恨み言や苦言を呈する人は一人もおらず、むしろ反対の立場なら自分達も同じ事をしたであろうということで、気持ちの共有という形を取ることになった。
「よかったですね深雪さん。ほら、良かったじゃないですか、素直に謝って」
「そ、そうね。変なことしなくてよかった」
「変なこと?」
「深雪さんったら、ついさっきまで志藤さんの頭を金属バットでかち割って記憶を飛ばそうとか考えてましたからね」
「ちょっ、そんな怖いことしようとしてたんですか?」
「ほ、本気でそんなことしようとは思っていませんわっ! あんな気持ちになるのは初めてで、私も余裕がありませんでした。……いえ、これは言い訳ですね。大変失礼いたしました」
「あ~、それは俺も同じですし、お互いそのことはもう忘れましょう」
「そうしていただけると助かります。では会長のところへご案内いたします。こちらへどうぞ」
◇◇◇
愛沢副社長とのひと幕があり、以前に謁見した場所へとやってきた。
「お待ちしておりました、志藤さん」
紗綾様が出迎えてくれた部屋には、篠宮会長はいなかった。
「
それどころか、以前は降りていた御簾が上がっており、そこには会長が座るのであろう玉座を彷彿とさせる座椅子が鎮座している。
しかしそこに居るはずの会長は空席であり、さっきまで人が座っていたような形跡が見て取れる。
「か、克明君……あ、あそこ」
「え?」
加奈ちゃんの指さす方向。
それは障子の開いた日本庭園が見渡せる縁側の廊下である。
この邸宅において存在する唯一の男性。
夏祭りにでも出かけるような甚兵衛を着用した黒髪の男性の後ろ姿があった。
確認するまでもなく分かる。あの人が……。
「やあ、よく来てくれたね」
「あ、あなたが……ッ⁉」
着物をカッチリと着用した女性達に囲まれた、非常にラフな格好の男性。その軽さが、却って彼の特別感を増大させている。
「そう。私が篠宮隆行だ。妻達が迷惑を掛けたようだが、全ては私の責任だ。君たちには大変世話になった」
「い、いえ。俺達は……自分達にできる事をしただけです」
「素晴らしかった。お陰様でこの通り、すっかり元気になることができたよ」
そこに立っているのは、とても里中社長よりも年上の方とは思えないほど、若々しくて精気に満ちあふれている大きな男性だった。
身長は俺と同じくらいなのに、どうしてだか途轍もなく大きく見える。
今までの事から痩せた老人をイメージしていただけに、黒々とした健康的な髪の毛と、筋骨隆々とした逞しい筋肉が衣服を盛り上げている精強な人物は予想外に過ぎる。
正直老人にはまったく見えない。里中社長も若々しい方だったが、彼はそれ以上に生命力に満ちあふれている。
浮かべている穏やかな微笑みが、吸い込まれそうな透明感を醸し出していた。
波紋一つない静かなる湖面のようでありながら、内側には太陽の如き莫大なエネルギーが満ち満ちているような力強さを感じる……そういうイメージだ。
以前に謁見した時のような、御簾越しにも分かる弱々しい老人ではない。あまりにも精強すぎて膝を付きそうになった。
「さあ、話をしよう。君たちには伝えても伝えても足りないくらいの感謝をしなければならない」
井上部長とリングで対峙した時とはまるで違う、目の前に立っただけで存在次元そのものが高すぎるのが分かる。
感じるのは、安らぎと歓喜だ。まるで遠い昔から探し求めていた誰かに、ようやく再会できたような懐かしさすら感じる。
会長はゆったりとした足取りで台座の上に座り、自然と俺達もそれに続く。
「さて、こうして君たちと直接顔を合わせることができた事を嬉しく思う。改めて、私が篠宮と奉龍院の長、篠宮隆行だ。このたびは妻達の願いを叶え、私の命を救ってくれたことに感謝したい」
「俺はルナちゃんを救いたかった。それが結果に結びついただけです。会長がルナちゃんの憎しみを連れて行くと聞いた時、正直有り難いと思ってしまっていました」
「しかし君たちは我々を救ってくれた。過程はどうあれ、勇気ある決断をしてくれたことには変わりない。他者の苦しみを背負い、それを自らの力で克服できる。素晴らしい挑戦だった」
「会長、ルナちゃんの憎しみは、消すことができたのでしょうか」
「その答えは君たち自身が既に得ているのではないかな? 私の口から言うまでもないだろう」
それは何よりも、自分自身の中にある答えを後押ししてくれる。会長は確信に満ちた瞳で俺達に微笑み掛けた。
「答えはいずれ分かる。さて、今回のことで私は君に後継者になってほしい気持ちが一層強くなったよ。無論、無理強いをするつもりはないが、水無月コーポレーションの後釜も、あと10年か15年で君に渡るような予感がする」
「い、いえ。俺よりもまず井上部長の方が相応しいと思います。今はヘブンズ・ヴァルキリーで手一杯ですので」
「それもまた良しだ。いずれにしても志藤が篠宮と奉龍院に多大な貢献をしてくれたことに変わりはない。何か目に見える形での礼をせねばなるまい。物や金では表しきれない感謝だ。私なりに何がいいか考えてみたのだが、受け取ってくれるかな?」
「いえ、でもお礼なんて」
「受け取ってくれ志藤。リスタートを切るに相応しい礼を準備している。加奈子君。それに志藤の妻となる者達よ。君たちにとってこのお礼が希望となることを願っている。受け取ってくれ」
会長は指をパチンと慣らし、その場に静寂が訪れる。
目に見えた変化はなく、俺達は何が起こったのか分からずに固まってしまった。
「あ、あの、今のは一体……?」
「ふむ、そうだな。冴子君」
「は、はい。なんでしょうか」
「少しだけ席を外し、自分の体に変化がないか調べてみてくれないか。隣に部屋を用意してある。玲緒奈。ご案内して」
「はい。では冴子さん。こちらへどうぞ」
わけも分からず、冴子さんは隣の部屋へと連れ出された。
体に変化とはどういう事なのか。
その答えは1分もしないうちに示されることになる。
「か、加奈子さん、一緒に来て下さいっ」
「え、どうしたんですか?」
「いいからこっちへ」
襖が開いたと思ったら、慌てた様子で冴子さんが飛び出してくる。
加奈ちゃんの腕を掴んで連行し、隣の部屋に引っ込んでしまった。
『あーーーーっ!』
「な、なんだッ⁉」
「か、克明君……。ちょ、ちょっと来てほしいの」
これもまた訳も分からず、加奈ちゃんに請われるままに隣の部屋に移動する。
「これ、見て」
何を思ったのか、加奈ちゃんはブラウスをスカートから引き出してたくし上げる。
突然のことで驚いたのだが、その理由に更なる驚愕を味わうことになる。
「こ、これって……」
「うん……。消えてるの。淫紋が」
「私もです。全身に刻まれた淫紋の全てが、真っさらになって……」
「なんだって……」
よく見るとピアスの穴も綺麗に塞がっている。恐らく全身に開けられた穴の全てが綺麗に治療されていると思われる。
自然と塞がってはいたが、やはり痕は残ってしまっていただけに、一切何もなかったかのように完治しているのは驚愕だった。
「もう、一生消えないと思ってたのに……これって」
冴子さんの体には無数の淫紋が刻みつけられている。それは手術して綺麗に消せる代物ではなく、加奈ちゃんの子宮の上に至っては卑猥で悪趣味な紋様が刻印されていた。
俺達はそれを乗り越える為に、意味合いの書き換えを幾度も行なってきた。
「か、会長……これは」
「既に君たちにとっては呪いではなくなった事かと思う。しかし、体に望まぬ紋様が刻まれているというのは気持ちの良いものではないと思ってね。どうしたって過去の忌まわしい記憶からは逃れられない」
「確かにそうですが、俺達は既にそれらの過去を乗り越えています」
「ああ。その通りだ。だからこそ、全てを乗り越えた君たちの体を真っさらに戻すことができた。憎しみに囚われていた頃なら、こうはならなかっただろう。消えた淫紋は心の成長だと思ってくれ。形に表したいのなら新たな紋様を刻むのもいいだろう。君たちには不要だと、私は思うがね」
「ありがとうございます……会長。新しい門出に、相応しいご褒美でした」
「裏を返せば、このくらいのことしか私にはできないのだ。他人の妻たる女性の体の事だからデリケートな話でもある。妻達にやってもらおうと思ったが、こればかりは私の力でないと無理だったのだ。許してほしい」
「いえ、そんな。ありがとうございます」
「ちなみに他の皆に関しても体の内部に蓄積したダメージも修復しておいた。目に見えるものではないので、徐々に実感していくだろう」
手品でもなんでもない。本当に魔法のようなことができてしまうんだな。
加奈ちゃんの素肌は、まるで始めから何もなかったかのように綺麗なお腹に戻っていたし、ふと見やると咲良の耳に空いていたピアスの穴も塞がっている。
体の内部という話だから、もしかしたら目に見えないレイプのダメージが、まだ残っていたのかもしれない。
「会長は本当に人間なんですか?」
「ははは。そうとは言い切れない部分があるのは確かだな」
失礼なのは承知だったが、聞かずにはいられない。
今までにも断片的に感じてきた会長の超絶能力だが、こうして直接、しかも目の前でやられてしまっては信じるしかない。
「さあ、堅苦しい話はこれくらいにしよう。ささやかだが宴の席を設けた。妻達が腕によりを掛けたので、是非食べていってくれ」
会長の計らいで設けられた食事の席では、これまで謎に包まれていた篠宮家の色々を教えてもらうことになった。
思った通り、奉龍院とは都市伝説にもなっている不可思議要素のオンパレードであり、一般の人には信じてもらえないであろう陰陽道や風水などのオカルトチックな要素も普通に使いこなすぶっ飛び家系であった。
普通の人間にとってはオカルトでも、ここの人達にとっては"あって当たり前"のものなのだ。
いわく、訓練の仕方さえ知っていればどんな人も使いこなす事ができるらしい。
しかしその訓練というのが地味に面倒で、日常生活で自然と鍛える動作をしていないと中々身につかない。
会食は終始和やかな雰囲気で進み、会長はこれまで神のように荘厳なイメージだったのが、俺達と変わらない普通の人である事が分かって嬉しかったひと幕もあった。