ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
大きな広間に準備されたご馳走をいただきながら、俺は篠宮会長との親睦を深めていた。
「そうだ志藤。お前の持っている力を使いこなす為の訓練を受けて欲しい。今のままでは色々と大変だろう」
畏れ多くも会長自ら酒の酌をしてくれる。差し出したお猪口に注がれた日本酒は、すっきりした味わいで口当たりが良かった。
口にすると心が現われていくような清涼感に覆われ、なんというのだろうか、いわゆる潜在意識の奥そこから浄化されて軽くなっていく気がした。
これもまた、普通の酒ではないのだろう。
「それってこのところ起こっている色々な不思議パワーの事ですよね。コントロールできるようになるんでしょうか」
「やり方さえ知っていれば難しい事はする必要は無い。日常生活で心がける意識を増やすだけだ」
「そんな簡単な事でいいんですか?」
「その単純な作業が中々に面倒なのだよ。私のこの力を使いこなすのに随分かかったものだ」
「会長でもそんな時代があったのですか?」
「ああ。私はもともと水無月コーポレーションのしがない平社員に過ぎなかった。妻に浮気されたり横領の濡れ衣を着せられたり、そのせいで首になったりと散々な人生だったからな。はははっ」
会長の人生も、かなりの波瀾万丈だったらしい。人に歴史ありとはよく言ったものだ。
俺達は男同士、女同士で話が弾んでいった。
愛沢副社長が俺にしたことも玲緒奈さんがあっさりバラしてしまい、俺は赤面。会長は『ふむ、なら今夜はお仕置きだな』などと、ちょっと想像力の働くセリフで更に赤面だった。
そして宴もたけなわとなりかけた頃、俺は会長による経営の極意を酒の席で聞いていると小さな侵入者が会長に向かって突撃を仕掛けてきた。
トトトトトトトトッ
「ん?」
「はなしがナガイからたいくちゅだよコウゲキーーーーーっ」
「ぐほぉあああっ⁉」
会長は聞いたこともないような声を上げて体をくの字に曲げる。
「みーちゃん
「ゲホッ、げほっ! こらこら美緒奈ちゃんや。向こうの離れで遊んでなさいと言っただろう?」
突撃を仕掛けてきたのは、赤みがかった髪が綺麗な5歳くらいの美少女。
ここの女性は子供でも和服を着ているのか。よく見ると同じように着物を着用した幼い女の子が何人も部屋に入ってくるではないか。
見事な刺繍の入った高級そうな着物を着た美少女は、それらがはだけて乱れる事もお構いなしに暴れ回る。
もしかしなくても会長の娘さん達だろう。赤い髪の少女は玲緒奈さんにそっくりだった。
「おとーさまのお話長くてきらーいっ! はやくみーたんと昼ドラごっこしよーよー」
美緒奈ちゃんと呼ばれた幼女は、会長の脇腹を容赦なくズシズシとチョップしながら物騒なことを言いだした。
「誰だそんなドロドロした遊びを考えた奴はっ。もしかしなくてもフィルリーナだな」
「フィルリーナ?」
「私の妻の一人だ。君も社内で見たことがあるのではないかな。小粒のような背の低い金髪の女性だよ」
「あ、それってもしかして……」
思い当たる節はあった。入社したての頃に社内で迷子と間違えて声を掛けたことがある。会社の重役だと知った時はぶったまげたものだ。
確かロシア人の女性だった筈だ。あの人も会長の奥さんだったのか。
「こら美緒奈ちゃんっ。また変な遊び覚えてっ。フィルさんにはよく言って聞かせないと」
「やっぱりこの子は玲緒奈さんの娘さんなんですね」
「そうなんですよ。お義父さん大好きすぎて困っちゃいます」
「でもヤンデレ気質なところは昔の玲緒奈にそっくりだな」
「もうっ、お義父さん余計なこと言わないでっ!」
「みーたんもおとーさまと結婚するのーっ!」
「ははは。みーたんにはきっと素敵な彼氏が見つかるさ」
「えーっ。おとーさまより素敵な男性いないもーんっ。幼稚園の男の子って子供っぽいしー」
「そりゃ子供だからね。そうだなぁ。具体的には美緒奈が二十歳くらいになったら現われそうな気がするぞー。デッカくて大きくて器のデッカい大きな男の子が見えるのだ」
「でっかくておーきくて、
絶妙に意味の被ってる言葉だが、要するにめちゃくちゃ体のデカくて度量の広い男が将来の彼氏ってことなのかな。
「そうだ。きっと前途多難な男の子と出会うから、今のうちに良い女になっておきなさい」
「みーちゃんよく分かんなーい」
「源治おじさんくらいデッカいぞ」
「それならスキーッ♡ みーちゃんその人と結婚するーっ!」
どうやら美緒奈ちゃんとやらは既に運命の人がいるらしい。会長は予言のように確信を持って言い切っていた。
将来性抜群の美少女に見初められるまだ見ぬデッカい男を、ちょっと羨ましいと思った。
◇◇◇
宴会は終始賑やかに終わり、俺達はお土産まで渡されて篠宮邸を後にする。
「志藤、一応帰りに我が家の医療施設に寄っていくといい。既に万全の状態だと思うが、念のため最後の精密検査をして欲しいと報告を受けてな。わざわざここに来るのも手間だろう」
「分かりました。そうさせていただきます」
「それから、ルナ君の事だが」
「なんでしょうか」
「……いや、これは自分で真実を見た方がいいだろう」
「……分かりました。彼女を救う覚悟はもう決まっているので、敢えて言っていただかなくても大丈夫です」
「頼もしいな志藤。これからもよろしく頼む」
「はい。精一杯精進いたします」
ルナちゃんは、あれから1週間以上表に出てきていない。現在どうなっているかは分からないが、加奈ちゃんいわく、眠っているそうだ。
会長に別れを告げ、蓮井さんの運転する車で施設へと移動する。
ここは雪菜先輩と再会した場所でもあり、定期的に検査で通っているのですっかり馴染んできた。
「ふふ、篠宮会長って、なんだか人間離れした人ってイメージだったけど、子ども達にメロメロなところは普通の親って感じだね」
「ああ、賑やかで良い家族だよね」
「不思議だね。子ども達を見て、私も将来ああなれたら良いなって凄く思った。嫉妬とか、暗い感情が湧いてこないの。希望に溢れてる」
「それなら、会長が言っていた事も真実味がましてくるね」
「克明君、会長が言ってた憎しみが消えたかどうかの答えがそのうち分かるって、いつ分かるんだろうね」
「そうだね。できれば答えを教えて欲しかったけど、なんかネガティブな意味は含まれていない気がするよ」
「そんな雰囲気だね。消えてると、いいな……」
「大丈夫。きっと大丈夫さ」
そう、大丈夫だ。俺にはその確信があった。
なぜなら心の奥底に溜まっていた淀みは消滅し、その確信が俺の中にあった。今日会長に確認したのは、本当に最終確認だった。
そして会長の表情を見たことによって、予感は確信に変わったのだ。
二時間ほどの検査の後、医師に告げられた言葉によって、俺達の努力が実ったことを知らされた。
そう、文字通り実ったのだ。
「え……、今、なんて」
俺も加奈ちゃんも、検査結果を知らせてくれた医師の言葉を受け止めるのに時間がかかった。
その内容が衝撃的過ぎて、言葉の意味を咀嚼してくれない。
「おめでとうございますっ! お腹に赤ちゃんがいますよっ!」
「ほ、本当に……?」
「はい。まだ妊娠直後ですが、検査の結果は間違いなく」
「克明、くん」
俺は無言で加奈ちゃんを抱き寄せる。
現実を受け止め切れない加奈ちゃんは、妊娠を示す検査結果の紙と俺の顔を交互に見つめながらジワジワと涙が溢れてくる。
「良かった。良かったね加奈ちゃん。ありがとう、本当にありがとう」
「克明君ッ、克明君ッ! うわぁあ、うあわぁあああんっ! やっと、やっと夢が叶ったッ! 叶ったよぉっ! うわぁあ、ぁ、わぁああああっ!」
泣きじゃくる加奈ちゃんの声には歓喜が溢れ、俺達の長い戦いに一つの終止符が打たれたことを示していた。