ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
飛行機に乗って北海道へ新婚旅行。
温泉宿を会長から手配されていたが、せっかくだから普通の旅行もしようということで観光をすることになった。
各地の観光名所を回って、レジャーを楽しむ。色々と多くのことがあったが、そこは割愛しよう。
不思議な体験もした。俗に言う……いや、やめておこう。なんだか現実離れしすぎていて言葉にするのがちょっと怖いくらいだ。
それはともかく、指定された場所の空港に行くと、約束の場所に蓮井さんが来てくれていた。
ヘリコプターで移動するならヘリポートではないのかと思ったが、なんとプライベートジェットで連れて行ってくれるらしい。
「会長からのサプライズだそうです。ファーストクラス基準でお寛ぎいただけますので、現地までの数時間はここでお過ごしください」
「え、けっこう離れてるんですか?」
「北海道からだと二時間ほど掛かります。本州の県境にある山林地帯を丸ごと所有しておりますので」
流石は篠宮家。物事のスケールがとんでもないな。
ちなみに本州までの空路はかなりゆっくりとした速度で航行するらしい。
文明の最高級を存分に味わう為に、敢えて二時間かけて向かってくれるとの事だった。
やがて到着した温泉宿。
大自然に囲まれた荘厳な佇まいの日本屋敷は、山の景色と同化して自然との調和を見事に体現している立派なものだった。
食べたことないような山海の珍味を堪能し、山間から見える雲の絨毯を眺めながら乾杯をする日本酒の味は一生の思い出となった。
どうやらここは篠宮会長の別荘も兼ねているらしく、広い屋敷に仲居さんや料理人などの使用人さんがいる以外は俺達の貸し切りだった。
そして……。
「嗚呼、幸せぇ……幻想的だね」
「うん。こんな地下の洞窟に温泉があるなんてね……しかも……」
「うん……このお湯、なんか不思議な感じがする」
身体の底からエネルギーが湧き上がってくるような不思議な温泉に二人で入る。
石造りの灯籠から漏れるオレンジ色の灯りに照らされた薄暗い空間は、岩の中に含まれる水晶の影響なのかそこかしこに光が反射して幻想的なプリズムを演出している。
会長の奥さんである紗綾様からここの招待状を頂いた時、この温泉にだけは必ず入るように指示されているのだ。
だからこの旅館に到着した際に、真っ先にこの温泉を目指して身を清め、自然が作り出す幻想的な美しさに酔いしれた。
この旅館には三つの温泉が存在しており、その中でもここは本当に心が、いや、魂が磨かれていくような不思議な感覚に陥らせてくれた。
自分達の心が根刮ぎ浄化されていくような清涼感を味わい、俺達は心の底に溜まった膿を洗い流してもらうような気分で二人だけの時間を楽しんでいた。
「凄いよね……篠宮家の人達って、本当に神様みたいな人達ばっかりで」
「ああ。本当にね。まさかあんなことまでできるとは思ってなかったな」
何の話をしているのかというと、先日の会長との謁見の際に、指をパチンと鳴らした時に起こった奇蹟の現象についてだ。
あの時、冴子さんと加奈ちゃんの淫紋やピアス穴が完璧に治療された。
そして他の皆にどのような変化が出たのかは、しばらく謎だったのだが……。
「まさか処女に戻るなんてな」
そう、加奈ちゃん以外の全員が、処女に戻っていたのである。
望まぬ性経験しかできなかった彼女達から、俺以外の痕跡を削除したという意味合いだと、あとから紗綾様に聞かせてもらった。
会長もそれが彼女達にとってご褒美となるかは分からなかったが、改めて人生のリスタートをして欲しいという願いを込めてくれたと聞いている。
それもまた、有り難い話だった。
もちろん、彼女達全員との"初めての再現"は、とびきり甘い雰囲気でさせてもらったのである。
ちなみに加奈ちゃんが対象外だった理由は、既に妊娠していた事と、俺と加奈ちゃんの魂の繋がりがあまりにも強固で干渉できなかったかららしい。
◇◇◇
そしてその夜。母体に負担は掛けられないのでセックスは控えた俺達は、二人で身を寄せ合いながら月夜の風を楽しんでいた。
夜も更けてきて、そろそろ眠ろうとかという時間になった頃、加奈ちゃんが俺の手をギュッと握って訴えかけた。
「ぁ……」
「どうしたの?」
「ルナが、目を覚ました。話があるって……。交代するね。……」
「どうしたの?」
「克明君……今から目を覚ますルナのお願い、必ず聞いてあげてほしい」
「それは勿論……どういう事? 何か特別な意味が?」
「うん。私達にとって、凄く大切な事」
この時、加奈ちゃんは一瞬にして全てを悟っていたんだと思う。
目を覚ましたばかりだというルナちゃんの願いを瞬時に理解し、それを俺に訴えてきたのだから。
「分かった。必ず叶えてあげる」
「うん……それじゃあ、交代するね……」
加奈ちゃんは一度目を閉じ、体の力を抜いて椅子の背もたれに体重を預ける。
「ん……」
「ルナちゃん?」
「おはよう、克明君」
「おはよう。今回は随分ゆっくりだったね」
「うん。風が気持ちいいから、目が覚めちゃった」
窓を開け放ち、夏の山奥の風が心地良い。
差し込む月明かりが照らすルナちゃんは、名前が示す通りの月の女神のように美しい。
その柔らかい微笑みには、全ての感情が内包されている気がする。
「克明君……♡ おめでとう、これでようやくパパだね♪」
俺は微笑み返し、そのまま手を握る。
「ありがとうルナちゃん」
「結婚したら、加奈子の事はなんて呼ぶの? やっぱりママって?」
「そうだなぁ。子供の前ではそうするかも。でもやっぱり、普段はこれからも変わらない気がするよ」
「そっかぁ。ふふ。じゃあ私は、パパって、呼ぼうかな」
「改めて言われると照れくさいね」
「うふふ、そうだね。んん……ふぅ……良い匂い♡ 克明君。愛してる」
「俺も。愛してるよ、ルナちゃん」
ルナちゃんは何かを言いかけて、それをやめた。そして、想いの全てを込めた愛をつぶやく。
「克明君……。愛してる。私、克明君に会えてよかった。あのね」
「うん、どうしたの?」
「私、やっと分かったの」
「分かったって、何が?」
「自分の役割。私がこれからやるべき事。全部、分かった。だから……」
そして続くルナちゃんの言葉に、俺は言い知れぬ感情を抱いた。
悲しみとは違う、少しの寂しさと、嬉しさと、胸の空くような悟りの感情。
それを表現する的確な日本語は、恐らく存在しない。俺の語彙力ではこの気持ちの全てを表現するのは不可能だった。
だけど一つだけ、ハッキリとした感情がわかっている。
「ルナちゃん。愛してる。必ず君の事を、『世界で一番幸せな女の子にしてあげるからね』」
「ふふ、うん♪ ありがとう」
「ところで、何かお願いがあるんだよね? なんでも言ってみて」
「ううん。もういいの。それはもう叶ったから」
ポスッと胸板に頭を乗せて抱きつくルナちゃんを抱きしめ返した。
「ねぇ、キスして」
「もちろん」
望まれるままに、抱きしめたルナちゃんにベーゼを被せる。
それは恋人同士の愛情を確かめるものでありながら、親愛の情を示す家族同士の確かめ合いのようでもあった。
「ん……はぁ♡ 柔らかくて温かい」
もう一度抱きしめたルナちゃんの髪を撫で、甘えるように擦り付けてくる彼女の匂いを嗅いだ。
彼女もまた、俺の体温を感じながら幸せを噛み締めているようだ。
それ以上の言葉は必要無い。それを表している気がする。
抱きしめて、互いの匂いを嗅いで、体温を確かめ合って、どのくらいの時間が経過しただろうか。
やがて柔らかい夜の風が二人を吹き抜けた頃、ルナちゃんは満足げな微笑みを浮かべて、もう一度キスをした。
「じゃあ、そろそろ行くね」
「ああ。最後にもう一度……愛してる」
「私も、愛してる。克明君も、加奈子の事も、支えてくれた皆の事も……。これからも、ずっとずっと一緒だよ」
「ああ。ずっとずっと一緒だ」
小さな声で、呟く言葉は俺の鼓膜に一抹の希望を残していった。
『またね、パパ♡』
それが、加奈ちゃんの声で聞くルナちゃんの最後の言葉となった。
◇◇◇
そして――
◇◇◇