ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
※志藤克明が月宮加奈子と再会をした翌日の事※
ここはオフィス街の一角にある大きな高層ビル。
雲を突き抜けるのではないかと思わんばかりの高いビルは、その界隈、いや日本でも一番の大企業として君臨する水無月コーポレーションの本社であった。
一人の男がビルの最上階に向かうエレベーターに乗り込み、上へ上へと昇っていく。
その男、”井上祐太朗”は自身が勤めている商社ビルの最上階に赴いていた。
彼は克明が"部長"と呼んだ男その人であった。
地上200メートルに迫る高層ビルの最上階に位置するその部屋は、彼らの勤める会社を取り仕切る男が仕事をしている場所となっている。
やがて数分の時間を要して最上階へと到着したエレベーターの扉が開き、祐太朗は一歩を踏み出した。
神聖な空気が辺りを包み、心が空くような清涼感に満ちている雰囲気に心が現れる気持ちになった。
祐太朗は真っ直ぐに歩き、目の前にあるカウンターに座る女性に声をかける。
「ようこそ。ご用件をどうぞ」
「失礼します。社長に面会をお願いしております、井上です」
「お待ちしておりました井上部長。社長がお待ちですので中へどうぞ」
受付に座っている妙齢の女性が応対する。
カウンターになっている受付には二人の美女が座り、片方は黒髪の眼鏡姿。
もう片方は赤みがかった艶髪と大きな胸が特徴である。
座っているとわかりにくいが、二人共が身長140センチ前後という小柄な体格をしており、大人びた容姿と相反して小さな身体をしているので、実は椅子に座るその下では足が地面に付いていないのである。
そして愛らしい顔立ちは男性の庇護欲をそそる姿をしている。
その愛らしい容姿も相まって彼女達二人は社内では有名な美人秘書として名を馳せていた。
祐太朗は二人に挨拶をして社長室へと足を向ける。
重厚なブラウン色の扉を両手で開き、清潔感と高級感に溢れる絨毯を踏みしめ中へと入る。
「待っていたよ井上部長。調子はどうかな?」
「お陰様で順調です」
その男、彼らの勤める商社を取り仕切る社長である”里中(さとなか) 源治(げんじ)”は、訪問者である祐太朗を笑顔で迎え入れる。
その社長室は高級感溢れるソファと様々な調度品が飾られているが、その全てが一つの流れを汲んでいるように調和して統一感を醸しだしていた。
祐太朗はいつも通り彼に促されるままに机の前に立ち、うやうやしく一礼をする。
「それで、どんな要件かな? 君が私に折り入って話があるというのは中々に珍しい。わざわざホットラインからアポイントを取ってくるということは、よほど急ぎの用事かな?」
源治は社長の椅子に座ったまま、目の前に立つ祐太朗を見つめた。
「ええ。志藤克明が月宮加奈子と再会を果たしました」
「おおそうか。そろそろかと思っていた。丁度例の組織の大部分が討伐し終わったと連絡が入った所だ。その後の傾向はどうだ?」
「はい。しばらくは静観することになりそうですが、月宮加奈子を狙う権力者や風俗店が捜索に乗り出すかもしれません。ヤクザ組織もそれどころではないでしょうが、末端組織がどう動くのかまでは」
「だろうな。それに関しては既に手を打ってあると先ほど連絡があった」
「なんと。さすがですね。では"あの御方"が?」
「ああ。直接動かれていたそうだ。組織のボスも引っ捕らえて幹部達も軒並みお縄にしたらしい」
「そうでしたか。それで、具体的にはどうするので?」
「まずは我が社で管理するマンションに引っ越せるように誘導する事になっている。あそこはセキュリティが高いのでおいそれと追っ手も入ってこられないはずだ。常駐のコンシェルジュにボディガードを混ぜてあるらしい」
「なるほど。しかし、なぜ志藤は"あの御方"の庇護を受ける事に? 私も5年前から彼を見守っていますが、そろそろ理由を教えてもらってもいいのではないでしょうか」
「なんでも組織を潰すきっかけは月宮加奈子のおかげだそうだ。彼女が例の男を精神的に追い詰めた影響で組織に隙ができた」
「そうでしたか。断片的にしか聞いておりませんが、志藤の5年間は辛く苦しいものでした。私も側で見ていてキツかったですよ」
彼は克明の直属の上司であり、入社前のボクシングジム時代からずっと見守ってきた仲であった。
「とりあえず近況を聞こうか」
祐太朗は克明が現在置かれている状況を詳しく伝えた。
あくまで克明から聞いている範囲での情報であり、詳しい事は分からないが、自分の知っている限りの情報を源治に伝える。
祐太朗の話を聞き終えた源治は、真剣な表情でその内容を聞き入れるが、そのあまりの堅苦しい物言いに笑いが漏れる。
「ふふ。らしくないな
クスリと笑う社長の口調が変わり、祐太朗の態度も少しだけ緊張が緩む。
それはまるで上司と部下から、友人の関係へと変わったかのように。
「叶いませんね里中さんには。では、おほん……志藤は俺の大切な後輩です。この数年間の苦行は、俺もすぐ側で見てきているのでよく知っていますが、その苦労はもう報われて良い頃です。これ以上余計な苦しみを味わう必要はないでしょう。恋人の方も然りです」
「ふむ。確かにそのとおりだ」
「彼らはもう十分に試練を受けた。それに組織の規模がデカ過ぎるから敵が本腰入れて探し出したら彼らには再び悲劇が降りかかる。そこから手を打っても手遅れになるはずだ。ここでデウス・エクス・マキナが登場しても誰も文句は言わんでしょう?」
「デウス・エクス・マキナ。つまるところ、文字通りの神の登場だな。言い得て妙だ。彼はお前のお気に入りだけあって誠実で真っ直ぐで、愚かしいほどにクソ真面目だ。まるで誰かさんを見ているようだぞ」
「勘弁してくださいよ。それってあなたが"あの御方"から言われたことそのままでしょ?」
「はっはっは……確かにそのとおり。詰まるところ似たもの同士ということだ。さて、全ての種明かしまでは今しばらく待つようにとの事だ。組織の壊滅に伴って散り散りになった残党の捕縛が残っている」
「ではその間、彼らにちょっかいを出す者がいるのでは?」
「ふむ……それに関しては確認しておきたい事がある。少し待て」
里中は社長机の脇にある内線受話器を手に取り、お目当ての人物に直接繋がるホットラインのボタンをプッシュする。
しばらくして、恐らく通話が始まったのであろう。
里中は受話器の向こう側にいる人物と話し始める。
「里中です。……ええ、ええ……ではそのように。……承知しました。彼に伝えましょう」
ややあって、数分もしないうちに通話は終了し、里中が受話器を置く。
不適な笑みを浮かべ、その表情が二人の予想が全くそのとおりになっている事を予見させた。
「今のは会長ですか?」
「ああ。俺達の予想通りだ。既に手は打ってあるとよ」
「それはまた……いつもながら本当に凄いですね」
「というか、恐らく組織の抗争を誘発したのは会長だ。いや、そこら辺の腹黒い事を考えるのは桜子様か愛沢相談役……つまり"奉龍院"のお二方のどっちかだろう。あそこは非合法なやり方が行きすぎててちょっとお仕置きが必要だと以前から言っていたからな」
「それはまた……なんとも数奇な話ですね。志藤が恋人と再会できたのは、回り回って会長のおかげということに?」
「だがこうも言われた。《彼の試練はまだ終わっていない。私が動いた事はしばらく伝えないように》とのことだ」
「そうですか。会長が既に動いてくださっているなら、最終的に悪い事にはならないでしょうね」
「ああ、だが管理の外にいる雑魚個人が独断で月宮加奈子略取のために動くこともあるだろう。小競り合いのような小さなトラブルは起こると思われる。志藤克明はしっかりと試練に立ち向かう必要がある。心が弱る事もあろう。お前がしっかり支えてやれ」
「勿論です。委細承知しました」
「とりあえず件(くだん)の風俗店は"例の彼女"が直営店に加えたそうだ。雑魚チンピラが月宮加奈子を付け狙っても逐一動きは把握できるようにしてあるとさ」
「例の彼女、というと……ああ、あの妙に色気のある?」
「そう。彼女だ。彼女が運営するグループに吸収され、幹部全員が首をすげ替えられる事が決まっている。だから月宮加奈子が今後ヤクザの影に怯える必要は無い。だが、彼女と志藤が絆を育てるために、今しばらくは伝えてはならない、とのことだ」
「なるほど。分かりました、いや、納得はしたくないですが、会長のご命令では仕方ありません」
「そして志藤の方からお前を頼るまで手を出すな、とも言われている。ただし、のっぴきならない状況になったらその限りではない。それはお前の裁量に任せるとの事だ」
「そうですか。中々判断が難しい所ですね」
「それから月宮加奈子に関しては会長からボディーガードを手配するので心配しなくていいそうだ」
「ボディーガードですか。一体誰が」
「そのうち分かる。既に接触できるように配置済みだ。お前も会ったことあるぞ」
「月宮加奈子の経歴を考えると……ひょっとしてミルフィミー様ですか」
「正解だ。ミルフィミー・アーガス。身の回りを守りつつ、月宮加奈子に寄り添えるほどの経歴を持っているのは彼女しかいないだろう」
その名を聞いて安心した祐太朗は自分の役目を果たす為に社長室を後にした。
…………
………
……
「ではよろしく頼む」
目的の人物へ電話をし終え、再び椅子に深く腰掛けた源治は、今し方電話の向こう側にいた人物に少し疲労感を漂わせた。
「ふう、なんとも彼女のテンションには付いていき難いものがあるな。ちゃんと日本語は堪能なはずなのに、なんで外人かぶれみたいなしゃべり方をするんだか……」
コンコン……
「どうぞ」
「失礼します社長。少しよろしいですか?」
「構わない。入りたまえ」
専属の秘書たる二人の女性が部屋へと入ってくる。
二人ともその眉が非常に整っているが、その片割れは、機嫌が悪いのか逆ハの字につり上がっていた。
「な、なにかな友梨佳君?」
「社長……そんなに秘書の仕事を奪って楽しいですか?」
因みに秘書の女性は社長である源治と名字が同じなので名前で呼んでいる。
明らかに機嫌の悪い秘書の一人を宥めるように、できるだけ穏やかな口調を心がけた。
「いやいや、そんなまさか。一体なんのことを言っているのかね君は。そんなに怒っては綺麗な顔が台無しだよ。いや、怒った顔も素敵だけどね」
「褒めて誤魔化してもダメです! もうっ、お父さんっ! ちゃんと雑用を私達に回してくれなきゃ後で困るっていつも言ってるじゃないっ! 電話から何からぜ~~んぶ自分でやっちゃうんだから。そんなんだからワンマン社長って言われちゃうんだよ!」
「いやいや、我が社にはちゃんと優秀な部下がごまんといるぞ。あと、会社ではちゃんと社長って呼ぼうね」
「ダメ~っ! 部下に仕事も振れないような上司は社長とはみとめませ~んっ」
「友梨佳ちゃん友梨佳ちゃん、その辺にしてあげようよ。お父さんも悪気があった訳じゃないから」
友梨佳と呼ばれた秘書を宥めるのは、もう一人の社長秘書、瑠璃と呼ばれる女性だった。
瑠璃はぷんすか怒りまくる友梨佳を宥めながら苦笑を浮かべている。
「そうだよ友梨佳くん。ちょっとしたお茶目なミスじゃないか」
「何回もやったらそれはミスじゃなくて悪意でしょ? そういうこと言うなら今夜の晩ご飯は、お父さんの唐揚げだけ下味付けてあげないんだから」
「ま、待ってくれ友梨佳ッ。それは非常に困る。出汁の利いていない唐揚げなんて単なるカリカリ肉と変わらないじゃないか。せめてお肉に下味は付けてくれよっ!」
「仕事奪っちゃうお父さんには味のしないカリカリ肉で十分だもーんっ。素材の味を楽しめば?」
「分かった分かったから。今度からちゃんと気を付けるから。許してくれよ友梨佳様~」
社長も形無しである。
そこには日本トップの企業を支える敏腕社長の姿はなく、奥さんの尻に敷かれた亭主がいるのみであった。
(さて、将来有望な若者を守るには、もう一手くらいは必要かな……あの男、じゃなかった。【彼女】に連絡を取るか……)
部下からの頼みに全力で応えるために思案を巡らせつつ、一生懸命に奥さんのご機嫌を取る社長なのであった。