ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
長い長い沈黙を破り、加奈ちゃんが重い口を開く。
「……聞かないんだね……どうしてここに来たのか。なんでいなくなったのか」
「良いよ。話したくなるまで無理には聞かない。今言えることは、きっと辛いことがあっただろう加奈ちゃんが、最後に頼ってくれたのが俺であることが、何よりも嬉しい」
根拠はない。予想でしかない。
だが、そうとうに追い詰められてのことだということは、頭の悪い俺でもなんとなく分かる。
「克明君……」
「ここは、加奈ちゃんにとってなんにも心配せずに居ていい場所だから。俺は、加奈ちゃんとまた恋人になることができた。それだけで十分だから」
本当は知りたい気持ちはある。だが、十分であるという言葉も、偽らざる俺の本音だ。
その言葉に何か感じ入ることがあったのか、口を開き始めた加奈ちゃんの目尻からポロポロと大粒の涙がこぼれ落ちる。
「本当に……優しい……やっぱり優しいね、克明くん……う……うぅうっ、ゴメン、ゴメンね……私……ずっと、貴方に……」
嗚咽を漏らし始めた加奈ちゃんの手を握り、できるだけ慈しみを込めて優しく撫でた。
事情は分からない。しかし、目の前で泣き崩れる女の子を無碍に扱うことなど俺にはできなかった。
「隣、良い?」
コクン、と頷く加奈ちゃんの許しを得て、俺はテーブルに突っ伏してさめざめと泣く彼女の側へ行き、以前と同じように肩を抱いた。
涙を流した彼女の体温が俺の胸に飛び込んでくる。
勢い余って後ろへ押し倒されたが、抵抗することなく身体を横たえて抱き締め、背中をさすってやる。
「あのね、私、今日まで……その……」
「いいよ」
「え?」
「無理してしゃべらなくていい。もちろんしゃべることで楽になるなら聞くけど、でも……加奈ちゃん今、辛いだろ?」
「ああ…やっぱり、やっぱり分かってくれる。克明君……ごめんなさい……今更……今更戻ってきてしまって」
「違うよ。戻ってきてくれたんだ。俺はずっと、加奈ちゃんを諦められなかった。別れ話をされたって、戻ってきて欲しかったんだ。俺に落ち度があるなら、また好きになってもらえるように頑張りたかった。他の誰かを好きになったのなら、また好きになってもらえるように……」
「違うの……あの日から、1日だってあなたの事忘れたことなかった。ずっと、あの頃から変わってない。私、克明君が、今でも好き……好きじゃなかった瞬間(とき)なんて、一瞬もなかったから……」
その言葉が、俺をどれだけ歓喜の渦に巻き込んだのだろうか。
詳しい事情は分からないが、どうやら俺のことが嫌いになって別れた訳ではなさそうであることが確定し、俺は安堵した。
そうなってくると、他に好きな人ができたというのも、恐らくは何か本当の事情を隠すための嘘なのだろう。
都合の良い解釈かもしれない。
妄想と未練を引きずった痛い男の痛い発想かもしれない。
加奈ちゃんにとって、俺は都合の良い存在なのかもしれない。
だが、そんなことはどうでもよかったし、そうだとしても構わない。
加奈ちゃんをずっと好きで居続けたと豪語しているのに、その加奈ちゃんの言葉をしっかりと信じ切れない、情けない男だった。
ついさっき信じられると思い直したばかりだというのに、もうブレている。
「ありがとう、嬉しいよ。今は何も聞かないから。ゆっくり休んで。気分がスッキリしたら、少しずつで良いから、聞かせて欲しい。無理なら、言わなくて良い。過去はどうでもいい。俺は、加奈ちゃんとのこれからを考えたい」
正直に言えば、気にならないといえば嘘になる。だが、加奈ちゃんが悲しんでいて、それを救えるのは俺しかいない。
そのためにできることが、抱き締めることであるならば、過去になにがあったかなど、些末な問題に過ぎない。
「うん……ひっぐ……かつ、あきくん……うぇ、うぁあああ……会いたかった……ずっと、会いたかったよぉ……ぁああ……うわぁああん」
彼女は再び泣き出した。今度は悲しみの涙ではなく、安心と喜びの涙であることを、確信した。
「俺も、会いたかったよ。ずっとずっと、探し続けてたんだ。正直もう諦めかけたこともあったけど、諦めなくてよかった。戻ってきてくれて、ありがとう」
「ひぐっ……、うぇえ、克明くん、ごめん、ごめんねっ」
「さっきの答えだけど、俺からもお願いするよ。もう一度、俺の彼女になってください……好きです。この気持ちはずっと変わってないから」
「ありがとう……ありがとう克明君……大好き、私も、ずっと変わってないからっ」
「ベッド行こうか。今日はもう眠ろう」
「うん……」
俺達はコタツを這い出て寝床に向かう。
ベッドの上に彼女を横たえ、毛布と掛け布団を掛けてやる。
「克明君……」
「ゆっくり休んで。明日は会社が休みだから、気分転換にどこか出かけよう。1日ここでゴロゴロしたって良い。復縁祝いに何か美味しいもの食べようよ」
おどけて見せる俺に、彼女は柔らかい笑顔を見せた。
本当は普通に仕事があるのだが、俺はもう休むと決めていた。
朝になったら連絡をしなければならない。
理由などなんでもいい。とにかく俺は休む。加奈ちゃんの側にいると決めたのだ。
朝になったら風邪を引いたとでも電話すればいい。
「眠るまで手を握ってるから。安心してお休み」
「ありがとう……大……好き……」
緊張の糸が切れたのか、力尽きたようにまぶたをゆっくりと下ろしていく加奈ちゃん。
俺は彼女の手をしっかりと握り絞め、髪を撫でる。
「すぅ……すぅ……」
それから待つことしばらく。
握り絞めた手に籠もった力が抜けたのと同時に、ゆっくりと手を離して俺も毛布をかぶる。
できるなら抱き締め合って眠りたかったが、あまりにも女らしく成長した彼女の体温を感じて理性を保てる自信がなかった。
頭では憔悴した彼女を休ませ、癒やしてあげたいと思っている。
しかし、肉体と本能は……、長年募らせた愛しさと愛欲の情動を押さえ込める自信がなかったのだ。
さて、一体どんな事情で戻ってきたのか、今のところは見当も付かないが……。どうしたものか。
正直なところ、復縁を了承したのは女々しい下心に他ならない。
例え加奈ちゃんが他の男と過ごした時間があれど、俺にとって加奈ちゃん以上に好きになれる女性はいなかった。
本当に弱気になって、新しい恋愛を見つけようと動こうとした時期もほんの少しだけあったが、どうしても加奈ちゃんと比べてしまうのだ。
どれだけ容姿が綺麗でも、どれだけ性格がよくても、俺にとって加奈ちゃん以上の女性など考えられなかった。
過去の女と比べてばかりの男など失礼極まりない。
勿論そんなことを面と向かって口にするほど痛い男ではないつもりだが、心の内側ではどうしても比べてしまい、良い感じになっても、新しい恋愛に熱が入らなかったのだ。
そんな状態が続き、結局新しい恋人ができるでもなく、今日まで独り身を貫いてきた。
過去を振り切ることも、新しい一歩を踏み出す勇気もなかったのだと言われれば、まったく否定も反論もできない。
まあ良い。どんな事情があったにせよ、俺達は再び会うことができた。
これからゆっくりと関係を修復すればいい。仮に彼女にとって、今の俺が何かの代用品であっても一向に構わない。
何もかもが昔のままとはいかないだろうが、俺も精神的に成長してるはずだ。
明日からの二人の日々を慮(おもんぱか)りながら、俺も眠りについた。
そして……。