ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
「良い……あなた、とっても良いわっ! ミルクのリビドーがドクドクしちゃうっ♡ インスピレーションが張り裂けそうよっ」
目の前に屈強なオカマがいた。
筋骨隆々な鋼の肉体を惜しげも無くタンクトップで見せびらかす身長二メートル越えの大巨漢。
しかしその頬には色濃いチークが塗られ、長い付け睫毛がバリバリに上向いている。
野太い声なのに全身をクネクネさせながらスケッチブックに筆を走らせているその乙女……いや、漢女(おとめ)の視線に耐え続けていた。
なんでこんな状況になったのか?
一体彼女?は何者なのか。
休日に出かけたアダルトショップで、俺はこの人に出会った。
出会ってしまったのである。
◇◇◇
――1時間前
今日は休日である。週明けには社長とアポイントを取っており、冴子さんを紹介してくださった経緯を伺うための時間を取ってもらっている。
まだ予断を許さない状況ではあるものの、加奈ちゃんが冴子さんを信じたいという思いを汲んで俺も彼女が味方である事を信じたい。
そのために俺ができる事と言えば、彼女が敵ではないという確信を得るための証拠を集める事だろう。
「克明君、準備できたよ」
「よし、それじゃあ出かけようか。本当に大丈夫?」
「うん。一人だとキツいけど、克明君がいれば平気」
加奈ちゃんはまだドアに近づくだけで吐き気が止まらなくなってしまうらしい。
その傷の深さたるや決して甘くみて良いものではない。
だけど加奈ちゃん自身が早く立ち直りたいという強い意思を持っているため、俺はできる限り彼女のリハビリに付き合うだけだ。
玄関のドアを開けると以前にも聞いたことのあるハイテンションなキンキン声が聞こえてくる。
「ハーイッ♡ グッモーニングお二人さーん。お休みの朝っぱらからデートなんてウラヤマしーデスねぇ!」
「おはようございますミルフィさん。今日も朝からハイテンションですね」
「イエースッ! 昨日はダーリンとラブラブチュッチュしてきたデースッ♡ ミルフィご機嫌モリモリよー」
どうやら昨日はお楽しみだったらしい。
こちらも同じようなものだったのでお相子だったということか。
「Oh、そうデース。加奈子さん、今度ミルフィと一緒に下のラウンジでお茶しまセンカ?」
「え、私ですか?」
「イエース。ミルフィ、オンラインの英語教師やってマース。授業の時以外はヒマネー。お話相手になってくれませんか?」
「う、うーん。克明君……」
ちょっと判断に困る所ではあるな。彼女が何かしら害を為す存在ではない事は分かるが、情報というのはどこから漏れるか分からない。
だけど、怖がってばかりもいられないのは事実だ。ご近所付き合い全部をシャットアウトしていては息も詰まるだろう。
「外に出るわけじゃないし、ラウンジ内なら大丈夫じゃないかな。俺は良いと思うよ」
「うん、そうだね。あそこまでならなんとか」
「ミルフィさん。実は彼女は事情があって一人で外には出られないんです。ラウンジ辺りなら頑張れると思うので、無理はさせないであげてください」
「すみません」
「Oh、そうでしたか。sorry。それならミルフィが遊びにいくデース。それならOK?」
うーむ。知り合って間もない人を家に入れるのはラウンジ以上にリスキーである可能性もあるな。
「それはもう少し仲良くなってからでいいと思います。どうかな加奈ちゃん」
「うん。私がラウンジまでいきますから」
「イエース。それならミルフィがドアの前まで迎えにいくデース」
明るい笑顔でそう言ってくれたミルフィさんの好意に甘えて加奈ちゃんは約束を取り付けた。
俺が仕事に行っている間は退屈で仕方ないだろうし、友達ができるのは願ってもない事だ。
隣人を疑ってばかりではキリがない。それは加奈ちゃんも分かっているだろうから俺は彼女の動向をしっかり見ておく必要がある。
ミルフィさんに別れを告げ、俺達はエレベーターを降りて地下駐車場へと向かった。
会社まで徒歩圏内にあるのとほぼ同じ距離にあるアダルトショップだが、一応警戒の意味で車で行くことにした。
ものの数分で着いてしまうので移動というほどのことではないが、こういう不便からは早く解放されたいものだな。
「さて、今日はエッチなアイテムをいっぱい買っちゃおうか」
「うん。私も、ちょっと楽しみ。克明君はどんなのが買いたいか決まってる?」
「まずは衣装だね。加奈ちゃんに似合うコスチュームを見繕うつもり。といってもああいう店に売ってるのは本当に簡易的な衣装だろうから、本格的なのはそのうちね」
「ふふ、なんだか私より張り切ってない?」
「だって楽しみだからね。加奈ちゃんにはどんな可愛い格好してもらおうかな」
「可愛いの選んでね」
「とびっきりエロエロなヤツ選んじゃおっかなぁ」
「あ、あんまり際どすぎるのはちょっと恥ずかしいかも」
「しかしそれでこそご奉仕に際立つというものじゃあーりませんか」
「あうぅ、克明君が意地悪だぁ」
なんて軽い会話をしながら車を走らせる事数分。
会社近くにあるアダルトショップ、シルキィ・ミルクに到着した。
この名前、最近どこかで誰かから聞いたような気がするんだけどなんだっけ?
地下への階段を降りてドアを開いて店内へと入っていく。
1人で入ることもあまりなかったが、恋人と一緒に入るというのは別種の興奮があるな。
「ふぁ……初めて入ったけど、こんな感じなんだ」
「独特の空気感だよね」
物珍しげにあたりを見回す加奈ちゃんを見て、トラウマのフラッシュバックは心配なさそうなことに安堵する。
アダルトショップと言えば性的なことを目的としたお店な訳だし、トラウマのフラッシュバックを一瞬心配したが、この様子では大丈夫そうだ。
「見てみたいものある?」
「うん、ちょっとドキドキする……」
お店の中は地下1階がアイドルグラビアやアダルトDVDのコーナー。
大人のおもちゃやコスプレ衣装は地下2階にあるようだ。
「カップルで入ると不思議な感じだね。とりあえず下を見て回ろう」
「うん」
エッチなDVDは流石に需要はないだろうから、2人で上の階まで昇る。
階段を上がると中々にエッチなデザインのバニーガールを着用したトルソーがお出迎えしてくれた。
いきなり目に入った卑猥なデザインに面食らう。
「ふわぁ……な、なんかすごくエッチなデザイン」
「バニーガールにこんなデザインを採用するとは。確かに凄くエッチだ」
「あら、いらっしゃいませぇ……♡♡」
突然聞こえてきた声にギョッとする。
なんだか妙に野太いのにクネクネしてそうな声を出す主の方へ目を向けると、そのあまりの容姿に俺達は二人して変な声を上げてしまいそうになった。
野太い声に視線を向けると、そのあまりの様相に2人してギョッとしてしまう。
それは一言で言い表すことが難しい、下手をすると異形のものである。
肩の幅だけでも狭いカウンターがギチギチになっており、明らかにサイズが合ってない。
座っているが身長はかなり大きいっぽい。
筋肉質で大柄。そのすさまじい胸筋の仕上がりに思わず視線が釘付けになる。
しかし見逃せないのはその広く大きな顔面いっぱいに塗られているチークだ。
まぶたはマスカラが塗りたくってあり、恐らくはつけまつげと思われるものがすさまじいカールを描いている。
黒々とした髪は熱気の籠もりそうなドレッドヘアに結ばれており、毛先にはなんとピンクのリボンでコーディネートされている。
少し狭い通路になっている店内には明らかに見合ってない巨躯は、どう考えても店の設計を間違えたとしか思えない。
「良いわね……」
「え?」
「あなた達、とっても良いわ♡」
何故か不意に声をかけてきた店員の巨人。
スックと立ち上がると、そのデカさが在り在りと分かる。絶対2メートル超えてるぞこの人。
「痛たっ……っとと……」
思った通り、すさまじい身長のデカさで天井に頭をぶつけて棚の商品が落ちてくる。
それを慣れた様子でキャッチし、棚に戻す。
「あ、あの……」
「ああ、ごめんなさい。申し遅れたわね。私は、ミルク」
「ミ、ミルク……さん?」
「そう。ミルク。ここの店長よ。この店は趣味でやってるの。普段は繁華街のバーを経営してるわ。良かったら飲みに来て」
タンクトップの隙間からスッと差し出された名刺を受け取ると、そこには"レストランBar シルキィ・ミルク"と書いてある。
なんだか名刺からフローラルな香りがした。
ミルクというのは源氏名みたいなものだろうか。
おかまバー的なものだとしたら結構勇気がいりそうだ。
ああそうか。部長が言っていたシルキィ・ミルクってこっちの事なんだな。思い出した思い出した。本当におかまバーだったら香澄さんが怒るのも無理はないかもしれないな。
あ、よく見ると名刺の下の方に小さく『店長 瓦乃丸(がわらのまる) 源之助(げんのすけ)』って書いてある。
この人の本名っぽいな。厳ついイメージにぴったりの名前だ。
「んんっ!? が、瓦ノ丸ッ!? こ、この名前って」
「珍しい名前でしょ? 厳つくてミルクのイメージにはそぐわないからちょっといやなのよね」
いやとてもピッタリだと思います、じゃなくて。この珍しい名前で他人というのは有り得ない。
あまりにも聞き覚えるのある名字にアゴが外れそうになった。
「あ、あの、瓦ノ丸冴子さんとは……」
「うふふ、そうよ。ひょっとしなくても貴方達、志藤克明さんと月宮加奈子さんね」
「は、はいそうです。冴子さんから聞いているんですか?」
「ええ。もし来店することがあれば贔屓してやってくれと言われているわ。そうそう、今度お姉ちゃんと密会するときがあったらウチのお店を使うといいわ。隠れ家的な場所にあるから人には見つかりにくいわよ」
「は、はあ……それはどうも」
そうだとしてもおかまバーはなぁ。ちょっと抵抗がある。
瓦ノ丸さんはそれを見透かしたように妖艶?な笑顔を浮かべて顔を近づけてくる。
こええよ。
「心配しなくてもお店にいるオカマはミルク一人よ。お酒と料理が売りのお店だから食事だけでもOKなの。家族連れもよく来店するから安心してちょうだい」
「そ、そうですか。機会があれば是非」
無難な答えを出しておき、とりあえず名刺はポケットにしまっておく。
「ところで……二人は随分スタイル良いけど、コスプレに興味はお有り?」
「えっと……」
「は、はい……ちょっと挑戦してみようかと」
それまで呆気にとられていた加奈ちゃんも、ミルク店長の問いかけに答え始めた。
「二人ともスタイルがとっても良いわ。光るものがある。よかったら店内に飾るパネル写真のモデルになってくれないかしら。もちろん顔は隠すし、髪型もウィッグをかぶれば身バレの心配もないわよ」
まさかいきなりそんな提案をされるとは思っておらず、どうして良いか分からなかったが、加奈ちゃんに関してはそれを了承するわけにはいかなかった。
「面白い提案ですが、俺達は遠慮させてもらいますよ」
「あらそう? 残念だわ。自信作なのに……まあ良いわ。ゆっくり見てってちょうだい」
厳つい見てくれの割には気の良い御仁のようで、あまりしつこく誘ってくることはなかった。
「え、自信作って?」
「ここで売ってる衣装って全部ミルクの手作りなのよ。結構評判よくて売れてるの」
「それは珍しい……」
「気が変わったらいつでも言ってちょうだい。衣装は全部試着OKだから、気に入ったのがあったらサイズ直しもできるわよ。特に彼女の方は、だいぶサイズが大変そうだしねぇ」
まさかアダルトショップにそんな本格的な衣装屋があるとは思わなかったな。
体型のわかりにくい加奈ちゃんの服装を見て一発でスタイルが良いことを見破った事には驚きだ。
「ねえ克明君……私、ちょっと着てみたいかも」
「大丈夫?」
「うん、傷が見えない奴なら」
加奈ちゃんが興味を示しているようなので、一着ばかり着てもらうことにした。
興味を示したのはメイド服だった。
そういえば加奈ちゃん、いつかコスプレしてみたいって昔言っていたな。
容姿に自信がないからできない、なんて言っていたが、俺としては全然そんなことはなかった。
「ど、どうかな……」
「おおっ!?」
カーテンを開き、メイド服姿の加奈ちゃんが恥ずかしそうに出てくる。
「良いッ、あなたとっても良いわっ!! 私のリビドーがギンギンに沸き上がってくるッ! ねえあなた、あなたのために一着メイド服を作らせてくれないかしら」
「え、ええっ!?」
「時間は取らせないわ。モデル代としてバイト料は出すから写真も撮らせてくれないかしら。もちろんその後で衣装はプレゼントするわよ」
凄まじい顔面圧力で勢いよく迫るオカマ店長に、加奈ちゃんは半ば反射的に首を縦に振ってしまう。
悪い人ではなさそうだけど、如何せん見た目の圧力が凄まじい。
結局ミルク店長に押し切られる形でメイド服作成のための採寸をすることになったのだが。
「あ、あの……男性の方には、ちょっと」
「心配しなくてもいいわ。彼氏にしてもらうから、ミルクの指示通りに動いてちょうだい」
ミルク店長の指示の元、メジャーを片手に加奈ちゃんのサイズを採寸していく。
見られることに抵抗を示す加奈ちゃんだったが……。
「心配しなくても、ミルクはプロよ。お客様がどのような秘密を抱えていようとも、それを口外するなんて愚行は絶対にしないわ」
そんな感じのことを言い、採寸用に薄手のワンピースを貸してくれた。
店長の採寸が終わり、完成したら連絡したいとして連絡先の交換を行った。
完成したものは俺が、もしくは二人で取りに来る約束をした。
まあ、予想としてはこの人は形(なり)は変だが悪い人ではない気がする。
とはいえ、対人恐怖症に近い症状の加奈ちゃんにとってはかなり難易度の高い人になりそうではあるな。
いくら店内とはいっても、この寒い時期にタンクトップなのだからその風貌は怪しいの一言だった。
「お買い上げありがとう。今度ともよろしくねぇ♡」
それから加奈ちゃんの気に入ったいくつかの衣装を購入。
大人のおもちゃ数点とローションやら何やらのグッズを購入し、数日後にはできあがるというメイド服を楽しみにして、ショップを後にした。