ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
◇【side 加奈子】一人の時間の救世主◇
克明君と再会して早くも1週間。
彼が会社に出かけてからは一人の時間が始まる。
家が広いので掃除のし甲斐があるから思いのほか退屈はしなかった。
掃除をして、トレーニングをして、汗を流して、自分の時間を過ごす。
ほんの2週間前まであった筈の性的陵辱の日々から解放された実感は、このところ少しずつ強くなっているように思う。
だけど、まだ怖い。あのドアの向こうからヤクザが攻め入ってきて、私は再びあの地獄に連れ戻されるのではないか。そんな予感がしてならない。
三日ほど前にも悪夢にうなされて叫んでしまい、克明君に抱いてもらう事があった。
夢の中でまでフラッシュバックに苦しまされるのは本当に苦痛で、彼にも申し訳なかったのだ。
悪夢は現実よりも感触がリアルで恐怖が一層強かった。鞭の痛み、縄の締め付け、ロウソクの熱。
幾人もの男達が触手のように絡みつき、夢の中で私は幾度も幾度も犯された。
すべてが苦痛でしかなかった。克明君との時間を取り戻して幸せを感じるほどに、皮肉にもその苦痛は増大してしまった。
そしてそれよりも苦しかったのが、そんな苦痛にどうしようもなく感じてしまう自分自身の淫らな本性だ。
克明君の上書きがトラウマを浄化してくれるのは本当だ。感謝しかないし、何も返せないのが申し訳なく思う。
だけど、私の中にはまだまだ残っている。確実に巣食っている。悪夢のような感触と、汚濁にまみれた男達の粘液の残滓が……。
「はぁ……また暗いことばっかり考えちゃう」
ピンポーンッ♪
ビクリと身体が強張り、恐怖で思考が停止する。しかしすぐにインターホンの音だと自覚した。
こんな風に静かな真昼の事ですら恐怖を感じてしまう。
夜に一人だったらと思うと怖くてたまらない。
ピンポーンッ♪
「あれ、これって確か内側の音だ」
再び鳴り出すインターホンの音は、下の玄関ではなく内側のものだった。
「あ、ミルフィさん」
カメラに写っているのは金髪の美女。明るくて人なつっこいニコニコした笑顔で玄関の前に立っている。
無視することもできるけど、先日の一件で悪い人では無さそうであることは分かっているので応答することにした。
外部の人と接触するのは一定の怖さがある。
この人が組織の回し者である可能性も捨てきれないからだ。
だけど、どうやらここには先に住んでいたみたいだし、あの人達ならこんな回りくどいことをするだろうか、という思考もある。
なぜなら私達がここに引っ越す事が分かっているなら、それが完了する前にあのアパートに襲撃をかけてきてもおかしくないからだ。
あの男が死んだ以上、私を自分のペットにしようと横から奪おうとする者や、お店のキャストとして一刻も早く取り戻したいと考える者がいる筈。
そう考えると今更ながらに肝が冷える思いだが、そのことから考えても彼女が敵である可能性は高くはなさそうに思える。
それに加えてこの人からは、どういう訳か悪意らしきものを感じない。
組織の人間からは、独特の空気感というか、ヒリついたような怖さを感じることが多かった。
一見非常に穏やかで紳士的な態度でも、内側には粘つくような嫌らしさや、煮え立つような凶暴性を感じるのだ。
だけどこの人からは、太陽みたいなぬくもりすら感じる。
それはまるで、いつも私が克明君に感じているのと同様の……本当に他人に対して邪気のない、悪意とは無縁の人間性だった。
『ハーイッ! ツキミヤさ~ンッ! ミルフィお菓子作ったネッ。良かったらブランチしませんか? お近づきの印ネッ』
「え、あ、はい」
『下のラウンジ予約してるヨ。一緒にお茶しまショー』
ミルフィさんはかなりグイグイ来る人だった。
私は部屋に招き入れないといけないかと心配になったが、広いラウンジであるなら少しは安心できる。
そんな風に感じてその提案に乗ることにした。
正直、人恋しさに飢えていた面も大きかった。
克明君さえいてくれれば十分だと思っているのは間違いない。
それでも、対人恐怖症である筈の私が、どういうわけか彼女からはそう言った忌避感のようなものを全く感じなかったことも大きく起因しているように思えた。
ミルフィさんは本当に明るくて優しい、とても良い人だった。
無邪気な性格であるのに様々な知識への造詣が深く、会話のレベルが高い。
私はいつの間にか彼女への警戒心を解き、疑心暗鬼である筈の心がほぐれていくのを自覚した。
彼女からは、そういう擦れた感じがまるでしない。
本当に純粋な、それでいてもの凄い人生経験を積んでいるような、そういう一種の深みのようなものを感じる。
それに……どうしてだろう。
彼女には、何故だかシンパシーを感じる気がする。
自分と似た匂いがする。
私はこんなに明るい笑顔を振りまくことはできないはずなのに、どうしてだか彼女からは、自分と同じ匂いを纏っているような空気感を感じる。
娼婦、いや、彼女の場合は情婦だろうか。
恐らく彼女も、相当に濃厚な人生経験を豊富に持っているような予感がする。
それも、辛い経験という意味で。
私と同じ匂いがする。
確信がある訳じゃない。ほとんど直感みたいなものだけど。
そんな予感に身を任せて人を信じて良いはずもないけど、どういうわけだか彼女は信じられるような気がした。
「え、じゃあ愛人は自分から受け入れたんですか?」
「イエースッ。ダーリンは結婚してくれるって言ってたけど、ミルフィはこの立場が気に入ってるネ。縛るのも縛られるのもノーセンキュー。そんなミルフィをダーリンは受け入れてくれたね。だから立場はMistressでも、心はwifeと同じよ」
ラウンジのテーブル席に座り、ミルフィさんが用意してくれたクッキーやパウンドケーキを頂きながらドリンクを楽しんだ。
ここのラウンジでは様々なサービスが提供され、お店でお金を払うレベルのオシャレな飲み物を自分で作る事ができる。
しかも全部無料だった。
こんなマンションが本当に存在しているのが信じられないくらい至れり尽くせりのサービスに、私の感覚は狂いっぱなしだった。
彼女は自宅でオンラインの英語教師を兼業しながら愛人生活を送っているらしい。
週に一回ほどのペースで彼女の言うところの"ダーリン"はやってくるらしく、その日以外はかなり自由に生きていると、とても楽しそうに笑う。
経済的な支援も受けているが、英語教師の収入だけで生活のほとんどは賄えており、ダーリンさんからもらっている援助資金は祖国の貧しい地域に寄付しているらしい。
初対面なのに自分の事をオープンに話してくれる彼女に心を許した私は、ここでの生活について色々な事を聞かせてもらった。
下の階にはジムも併設されているので、時々身体を動かしに行くから今度一緒に運動することになった。
それに加えて近くのショッピングモールにはホットヨガのスタジオもあるので、ダーリンさんの為に綺麗な身体を維持するのに利用しているらしい。
女性専用の完全会員制スタジオなので、男性と接触する心配もそれほどなさそうなのが安心感を生んだ。
まだまだしばらくは外に出られないが、ほとぼりが冷めたら通ってみるのも良いかもしれない。
ミルフィさんは片言の日本語をしゃべっているが、とても頭の良い人に思えた。
明け透けな性格の中に、時々垣間見える思慮深い空気感。
人間としての深さ。凄味。
やっぱり、普通の人じゃないのは分かる。
私が接してきたエグゼクティブ達と同じくらい、しかし別種の凄味のようなものだ。
恐らく、こういう人を本物の上位者というのかもしれない。
ねじ曲がった心を持っていない、本当の人生の超越者とでも言おうか。
他人に悪意を向けなくても幸福感を得られる本物の成功者。
私を蹂躙してきた悪魔達とは真逆の空気だ。
それに、一見するとスレンダーの巨乳でスタイルがとても良いが、その筋肉の付き方が普通の人とは何かが違う。
いつだったか、品評会で遠くから見た事がある格闘技が得意な女性と同じ感じがする。
「おっぱい大きいと大変ネ。ちゃんとサイズの合ったブラ付けてマスか?」
「え、あ、えっと……中々身体に合ったものが見つからなくて」
「それならミルフィ御用達のランジェリーショップがそこのショッピングモールにあるネ。一緒に買い物しにいきまセンカ?」
「あ、その……今わたし、働いてなくて。彼のお給料だけで生活してるから無駄遣いはできないんです」
「ソウナンですか。サイズはいくつデス?」
「えっと、105㎝のN。アンダーは63です」
「It's just rightッ! それならミルフィのお古があるから差し上げまーす」
「え、でも……」
「心配しなくても未使用でバイ菌なんて付いてないデスよ。買ったのは良いけど使わずにいたら大きくなっちゃったデース」
ペロリと舌を出す仕草が可愛い。
多分年上の人なのに、思わず年下の女の子みたいに思えてしまう。
冗談を言う仕草も可愛らしく、本当に無邪気でほとんど同年代の女の子とおしゃべりしているような感覚になってくる。
私は、本当に数年ぶりに心から楽しくお喋りすることができている事にようやく気が付いた。
なんの警戒心も必要無く、疑心暗鬼にならずに済むような相手との駆け引きなしのお喋り。
学生時代に戻ったような、失われた時間を取り戻せたような。
今日初めて会ったはずなのに、まるで遠い昔から親友だったかのような、不思議な気分にさせてくれるミルフィさんに、私は本当に心からの感謝を送るのだった。