ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
◇彼女の子宮に希望は宿るか◇
週明け。
俺達の元に社長から連絡が入り、篠宮家……つまり先代社長の所有する病院を紹介してもらえる事になった。
これで加奈ちゃんの体も治っていく。そんな希望に胸を躍らせながら診察に向かった。
「結論から申し上げましょう。残念ながら子供を妊娠することは限り無く難しい状態にあります」
「そんな……」
だが、その希望は打ち砕かれた。
医者の説明する所によれば、加奈ちゃんの子宮はかなり前の段階から破壊されて使い物にならない状態にされてしまったらしい。
俺の激しい上書きによってダメにしてしまったのかと心配になったが、そこは関係ないらしい。
詳しい検査をした結果、子宮のかなり奥の方が壊死して細胞が破損してしまっているのだ。
つまり加奈ちゃんの言うところの「あの男」による巨根セックスが原因であるという事になる。
外面的な傷は時間の経過で塞がっており、今後もセックスをする分には問題ないらしい。
だが……例えば長いバイブで子宮の深い部分を抉ったりすると、傷が開いて危険なので俺のペニスサイズ程度でのセックスが丁度良いと言うことになる。
俺は自分のコンプレックスである短小ペニスに生まれて初めて感謝した。
「もう、何も方法はないのでしょうか?」
すがるような思いで問いかけると、医者は少しの思案の後に口を開いた。
「方法が無いわけではありません。最新式の治療設備で手術を受ければ再生医療によって治療は可能です……しかし、それには莫大な治療費が必要になります」
「そう……ですか……」
治療費に掛かる総額を聞いて、俺は絶望的な気分になる。
俺が一生身を粉にして働いても払える金額ではなかったからだ。
「現在この治療法は発展途上にありますので、将来的に常識的金額に落ち着くかもしれません」
加奈ちゃんのせいではないのに、泣いて落ち込む彼女に掛ける言葉が見つからない。
こんな酷い話があるだろうか。
また移植手術や体外受精という手段も提案してくれたが、加奈ちゃんの悲しみを癒やすには至らなかった。
無論、方法があるのならそれを選択肢に入れることは最終的には是となる場合もあるだろう。
しかし加奈ちゃんの心情はそれを希望と捉えることはなかった。
俺の子種を自らの胎内で育てる事のできない事実に絶望し、それらの話を受け入れることが出来なかったのである。
「ごめんなさい……ごめんなさい克明君。赤ちゃん産んであげられない……」
「大丈夫。俺達の時間はまだ始まったばかりだ。焦らなくていいよ。時間が経てば別の方法も見つかるかもしれないし、第一に俺には加奈ちゃんがいてくれればそれでいい」
「うん……ありがとう」
クソッタレめ。どうして何の罪もない加奈ちゃんがこんな辛い目に遭わなければいけないんだろう。
既に相手はこの世にはおらず、恨みをぶつける事もできない。
「少し、歩こうか」
「うん」
ジッとしているとネガティブにばかり意識が向いてしまう。
気休めにもならないだろうが、病院の中庭に綺麗な並木道とため池になっている公園があったので散歩することにした。
「加奈ちゃんゴメン。どれだけ頭をひねっても、俺には気休めにもならない言葉しか浮かんでこない」
「ううん。いいの。迷惑かけてごめん」
「迷惑なんてあるわけないよ。今は焦らずにいこう。俺達まだ再会して1ヶ月も経ってないんだ。今からお金を貯めるよ。治療費の足しになるか分からないけど、何もしないよりはいい」
はっきりいってサラリーマンがどう足掻いたところで届く金額ではなかった。
だけど10年くらい一生懸命働けば目処を付けられるくらいの金額は貯まるだろう。
それを足がかりにして、何年かかっても返済すればいい。
しかし、それをするとなるととても慎ましく暮らしていかないといけなくなる。
どっちの将来を選ぶべきか……。しこりが残る事に変わりない。
待てよ……いっその事社長や冴子さんに融資を頼むか……。
いやダメだ……。既に多くのことでよくしてもらってるのに、そんな図々しいことは……。
違う違う……。加奈ちゃんのためなんだ。そんな事に躊躇するなんて間違ってる。
よし、社長と冴子さんに掛け合ってみよう。加奈ちゃんに感謝しているというならそのくらいのお金は出してもらわないと。
だけど俺の考えを見透かしたように、加奈ちゃんは俺の手をグッと握り絞めた。
「いいの。そんな事しなくていいよ。私には克明君がいてくれるだけで十分幸せだから。私のために無理はしないで。私も働くから、二人で将来に備えようよ」
「加奈ちゃん」
隣を歩く加奈ちゃんの手を強く握り、無力な自分に腹を立てながら顔を寄せる。
こんな時、俺には何もしてあげられない。加奈ちゃんの苦しみを背負ってあげることすらできない。
「俺だけは何があっても一緒にいるから。今は考えるのはよそう。子宮外妊娠とか、人工授精とか、なんだったら養子をもらうって手段もある。だけどそれは、今の俺達には希望にならないから。俺達の幸せを掴み取る事を最優先にしようよ」
「うん、そうだね。なんか暗くなっちゃった。そうだ、ミルク店長のところによってみようよ。そろそろメイド服が出来てる頃でしょ?」
「ああ。そういえば出来上がったってメールがあったんだ。今から取りに行こうか」
「うんっ!」
そうして俺達は病院を後にして、お互いの時間を楽しむためにシルキィ・ミルクへと向かうのだった。
◇◇◇
克明達が歩いていた中庭を一望できる病室。
そこは重大な精神的障害を抱えた重篤患者が収容されている特別な病室であった。
景色を一望できる大きな窓には強固なガラスが貼られており、患者の飛び降り防止のために二重構造ではめ殺しになっていた。
そこにいるのは一人の女。自我を失い、心を破壊された女だった。
「失礼しまーす」
病室に入ってきた看護師の声に女は微かに反応を示す。
いつもなら声に反応して看護師の方へと顔を向けるのだが、その日は珍しく病室の窓に釘付けになっていた。
「あら、珍しいですね。何か良いものでも見つけたんですか?」
看護師の声に女は反応を示す。微かに呻くような声を出して、窓の外に指を差して呟いた。
「か……な……こ……」
「え? 今なんていいましたっ!? もう一度言って下さいっ!」
「かな……こ……。加奈、子……」
窓のガラスに身を乗り出し、指紋を付けながら再び言葉を呟いた。
「加奈子……元気そうで、良かっ、た」
「あ、こ、言葉が……自我が戻ったんですね?」
彼女はこの1ヶ月自我を失っていた。
目的を果たした彼女は全ての力を使い果たし、ずっとこの病院でほとんど寝たきりになっていたのである。
「分かりますかっ! あなた、自分の名前が言えますかっ」
「名前……わたし、の……名前……」
「そうですっ。あなたの名前。言えますか?」
女は自身の長い黒髪を口の中に引っかけながら苦しげな呼吸で言葉をしぼり出す。
その名を口にする彼女の顔に、みるみる生気宿っていった。
「名前……ゆき、の……朝霧……雪乃」
「そうですよっ! 朝霧さんっ。朝霧雪乃さんですよっ。先生を呼んできますからっ、自分をしっかり持っててくださいねっ!」
慌てて病室を飛び出していく看護師の背中を見送った彼女は、徐々にクリアになっていく思考の中で加奈子の顔をハッキリと思い出した。
その女、加奈子を組織の混乱の最中に逃がした奉龍院の手引き者、【朝霧 雪乃】と加奈子達の再会は、もうしばらく後の事になる。