ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
克明君との新居生活が始まって、間もなく3週間が経とうとしている。
私は相変わらず家の中に閉じこもり、掃除、洗濯、夕食の下拵えにトレーニングと……。
出来るだけ体がなまったりしないように磨きながら、彼の帰ってくる家を心地良い環境に保つための毎日を送っていた。
ほとんど専業主婦みたいなものだから、やることは意外と多かったりするのだけど、やっぱり二人暮らしな上に彼があまりものを溜めたり汚したりすることがないので早い段階で終わってしまったりする。
やることがないのでネットを見たり追加でトレーニングしたりして時間を過ごしているものの、少しずつ退屈さを感じるようになってきてしまった。
今と言う時間がとても尊く、また外に出られないのは贅沢な悩みであることは分かってるけど、やはり外に遊びに行くことに憧れは抱いてしまう。
大学生活という人生で最も楽しい時期を棒に振ってきた私は、手に入れた平穏を享受することに慣れ始めた弊害として、自由への憧れを強く抱くようになっていった。
とはいえ、やはり組織の恐ろしさは私が身に染みて分かっているので、彼の努力の全てを台無しにしない為にも軽率な行動はできない。
冴子さんと水無月コーポレーションの社長さんがバックアップに付いてくれているので、もうかなり安全であることは言われている。
克明君だってそこら辺はしっかり理解してくれてるから、日曜日にはお出かけに連れて行ってくれるし、できるだけ私が気張らしできるように配慮してくれている。
だけど、やっぱりストレスは少しずつ溜まっていた。
こんなことを考えてはいけない。彼が守ってくれる。
それだけで十分な筈なのに。
――ぴんぽ~ん
そんな事を考えていると、最近は割と頻繁になってきた内側のインターホンが鳴る音がする。
誰が来たのかおおよその予想が付く音に、私はすぐに液晶が目を確認する。
いくら最近は慣れてきたとはいっても、油断してはいけない。
だから反射的に対応するのではなく、ちゃんと誰が来たのか確認する作業を怠らない。
自分自身の不幸回避の為だけではなく、私のために本当に色々してくれる克明君の努力を、自分の我が儘による油断一つで台無しにするわけにはいけない。
『ハァ~イ! ツキミヤさぁ~ん! ミルフィでぇスッ』
「いらっしゃいませぇ。今開けますね」
ミルフィさんはそんな私の少し退屈な日常を潤してくれる唯一の存在と言っても良い。
オンラインの英語教師の仕事はかなり自由が利く上に、私が克明君との時間を過ごしている時が最も忙しくなる時間帯だそうだ。
だから彼女とは頻繁にお喋りの為に部屋に招き入れたりしている。
しばらくの間は下の階にあるラウンジで過ごしていたが、段々と打ち解けてきたこともあって、お互いの部屋を行き来できるようにもなってきた。
正直、この人を本当に信用しきって良いのか疑問が浮かんでしまうことはある。
だけど、以前にも考察したように、一刻も早く私を取り戻したい筈の組織がこんな回りくどい手段を用いるとは思えないので、彼女が誰かしらの回し者である可能性は低いと思っている。
「ツキミヤさん。たまにはお出かけしませんか? ショッピングモールに新しいカフェが出来たんデス。割引券持ってるから一緒に行こうよッ!」
「え、えっと……」
「乗り気じゃナイ? いくら外が苦手でも、ずっとお部屋の中にいて息が詰まりませんか?」
ミルフィさんの気遣いは嬉しいけれど、やはり私は安易に出かけるわけにはいかない。
一応"外が苦手"、という理由で外出できない事は伝えてある。
だけど、彼女に本当の事を告げていない以上、あまり断ってばかりも申し訳ない。
それに、雑多なショッピングモールなら見つかる可能性は低いかもしれない、という思いも頭をかすめる。
どうしよう。一応克明君にも伺いを立てなきゃいけないけど……。
仕事の邪魔をするのは悪いよね……。
私は悩んだ末、彼に伺いを立てて出かけてみたいと伝える事にした。
「じゃあ、少し上がって待っててください」
「イエースッ。お邪魔します」
ミルフィさんをリビングに通し、クローゼットのある部屋に入る。
私はスマホを取り出し彼の番号を呼び出す。
仕事の邪魔をするのは悪いけど、何も言わずに出かけちゃうのはもっと違う気がする。
『もしもし? どうしたの加奈ちゃん?』
「あ、克明君、お仕事中にゴメンね」
『ああ。今は小休止してるところだから構わないよ。それより何かあった?』
「うん、実はね……」
私はミルフィさんとの事を伝え、モールにあるカフェに出かけてみたい事を告げた。
『そうだね。ずっと家の中も息が詰まるし、油断はできないけど……』
彼は少し考えた後、間を開けてお出かけを承諾してくれた。
『分かった。でも、どこで誰が見てるか分からないし、本当に気を付けてね』
「うん、十分気を付けるね」
『それでわざわざ電話してくれたんだね。ありがとう、後で聞かされたら気が気でなかったよ』
「私も……同じ事思ってた。ゴメンね我が儘言って……」
『ああ、気持ちは理解できるから』
「30分おきくらいに連絡入れるようにするね」
『分かった。今日は早く帰れると思うから』
「うん、美味しいもの作って待ってる」
『ああ。じゃあ本当に気を付けて』
「うん、行ってきます。あのね、一つ考えたんだけど……」
『うん? どうしたの?』
「ミルフィさんには、ある程度本当のこと話してみたいんだけど、どう思う?」
『それは……少し危険かな……彼女が悪い人では無いのは分かるけど、人の口に戸は立てられないって言うし』
「やっぱり、ダメかな」
『そうだね。でも、例えば少しイヤな事があって男の人が苦手、くらいには伝えても良いとは思うよ』
「うん、それは分かってくれてる。だから、もう一歩踏み込んだ事情も話してみたい……」
『ミルフィさんの事、信じたいんだね』
「うん……他人を疑ってばかりは、辛いから……」
『分かった。どちらにしても、いずれは踏み出さないといけない時はやってくるだろうからね。ミルフィさんを信じてみよう』
「ありがとう、克明君」
『お礼なんていいさ。加奈ちゃんが幸せになることが第一優先だからね』
「うん、じゃあ行ってくるね」
『うん、いってらっしゃい』
◇◇◇◇◇
私はミルフィさんに事情を説明した。
「Oh shit! sorry加奈子さん。そうとは知らず無神経だったね」
「いえ、こっちこそ話せなくてごめんなさい」
「ノンノンッ。重たい事情は話せなくて当然よ……でも、やっぱりミルフィの思った通りです。加奈子さんにはシンパシー感じてたヨ。実はね、ミルフィも同じなんデス」
「え……それは」
ミルフィさんは、自分が過去に何をして、何をされてきたのか話してくれた。
それは、私と同じだった。
娼婦として、好きでもない男に抱かれてくることでしか生きる事ができなかった環境。
生まれ育ったスラム街で、そうすることでしか身の安全を立てながら生活することができなかった事情を……。
平和な日本で生まれ育った私とは、不本意ないきさつとは言え危険度のレベルが違う。
そんな環境でも逞しく生き、それもこんなに明るく笑えるミルフィさんを、私は"なんて強い人なんだろう"と、尊敬の念を禁じ得なかった。
「そうだったんですね。私もミルフィさんにはシンパシーを感じてましたけど、私なんかよりずっと」
「そんな事ないヨ。好きでもない男に身体を開かないといけない辛さは、世界共通ね。よく話してくれたヨ。心配ゴムヨーでぇスッ。ミルフィが悪い男から守ってあげるネッ。こう見えてミルフィとっても強いデスッ」
ミルフィさんはおどけるように力こぶを作ってみせる。
明るく笑いながら私の気持ちを理解してくれる彼女に、私は心からの感謝を送った。
そしてこの日から、私は少しずつ彼女と一緒に外に出かけられるようになっていった。