ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
ある日の事。
お隣のミルフィさんが我が家に遊びに来ていた。
このところはトラウマの発症もなりを潜めているのでそれなりに平和に過ごせている。
少しずつ追っ手の脅威は認識できなくなりつつある。
決して気を抜いてはいけないのは分かりつつも、バックアップしてくれる冴子さんや社長からは組織再編も一段落してかなり安心できる環境は整いつつあるとお墨付きをもらっている。
「会社で加奈ちゃんと待ち合わせですか?」
「イエースッ。もちろんミルフィがガッチリ護衛するので安心してくだサーイ」
「ふーむ。なるほど確かにそういうのにも少しずつ慣れていく必要はあるか」
歩いて10分ほどの距離にある我が家と会社で待ち合わせデートをしてはどうかという提案をしてくれた。
つまり俺の終業時間に合わせて加奈ちゃんが会社のエントランススペースに出向いて、アフターファイブデートを敢行しようということらしい。
「うん、私も外にお出かけするのに慣れていきたいなって思うんだ」
「よし分かった。それじゃあミルフィさん。加奈ちゃんをよろしくお願いします」
「お任せくだサーイ」
ミルフィさんは非常に頼りになる人だった。初めて会った時から体を鍛えている人なんだろうという予想はついたが、柔道、合気道、空手、拳法と近接格闘をオールラウンドでこなす超人であると知った時は驚きを隠せなかった。
一度ガチで腕相撲をしたのだが、瞬殺されて落ち込んだのが先日の事である。
先日のチンピラ程度ならガチで無双できるくらいのパワフルな女性なのは間違いないのだ。
もちろん人質を取られたりする危険もあるので一概には言えないが、ボクシングしかできない俺よりよほど実戦慣れしていると見える。
ミルフィさんは加奈ちゃんと同じく過酷な性経験をしてきたお人である事は聞いている。
そんな経緯もあって彼女にシンパシーを感じた加奈ちゃんの勘は当たっていた事になるのだが、彼女は何かと加奈ちゃんを気に掛けてくれるので友達以上の有り難みを感じていた。
◇◇◇
そんな訳で次の日に加奈ちゃんと待ち合わせデートの約束をし、ミルフィさんと共に会社のエントランスで待ち合わせをすることになっている。
というのも、新居での生活も始まり、自分も徐々に過去のトラウマを乗り越えていきたいから、少しずつ外に出る訓練をしたいということだった。
確かに外に出るのには一定の危険が伴う。
俺としては非常に心配だったが、しっかりとした変装をしているのと、出かける時はミルフィさんをショッピングに誘うなどして口実を作り、できるだけ一人にはならないようにしている。
手始めにマンションから徒歩10分圏内にある会社のエントランスで待ち合わせをし、そのままアフターファイブデートをしながら食事に出かけようと言うことになった。
師走に突入したこともあり、仕事はかなり忙しくなってきている。
しかし、優秀な人材の揃っている我が部署では全員が一致協力して仕事は定時圏内で終わらせ、残業は極力ゼロに近い時間で終わらせている。
「それじゃあお疲れさまでした」
「お疲れ~」
帰り際、いつものようにギャルッ娘の後輩である篠崎咲良が声をかけてきた。
「先輩ッ! 今日こそ浮気デートしましょうよ~」
「悪いな。今日は本命と待ち合わせデートなんだよ」
本気で突っ込むのも疲れてきたので適当にあしらう。
「マジッスカッ!! どんなもんか見に行っても良いっすかッ!!?」
「良いけど邪魔したらもうフォローしてやんねぇからな」
あれからしつこく浮気のお誘いをしてくる後輩の冗談を交わしつつ、終業の打刻をしてエレベーターに向かう。
「係長ッ、今日志藤先輩が彼女とデートらしいッス!!」
「ぬわぁにぃいいっ!」
「おいこら……」
大声を上げる篠崎の叫びで部署全域に知れ渡ってしまう。
しかもよりによって先日奥さんと離婚したばかりだという係長にチクりやがった。
絡まれるのを恐れて急ぎエレベーターに乗り込む。
「むぁああてぇえ志藤ぉおおおっ!! てめぇ残業代わりやが――」
ギリギリのところで扉が閉まって事なきを得る。
明日は何を言われるのやら……。
概ね祝福してくれる人達だけど、たまにからかってるのか本気なのか分からない時があるからやっかいだ。とりあえず篠崎は今度チョップを食らわせておこう。
エレベーターを降りて1階のエントランスに到着する。
扉が開いてセキュリティパネルに社員証パスをタッチしてゲートをくぐって辺りを見回した。
総合受付の横に広がるロビーに椅子が立ち並び、外来客が行き交う集団のなかに加奈ちゃんを探す。
加奈ちゃんは可愛いからすぐ分かるはずだ。
ざっと見渡してみると、自動ドア近くの来客用のソファに可憐な女性が座っているのを発見した。
「君はなんて可憐なんだ。まさしく僕と出会うために生まれてきたに違いないッ!!」
「っていきなりナンパされてるぅうっ!!」
あろうことか会社のロビーでナンパに勤しむ野郎がいる。
しかも俺の部署の同僚(独身、自称恋愛教授)ではないか。
悪目立ちする口説きかたをする同僚の奇行が周囲の目を引いてギャラリーが集まってしまっている。
「い、いえその……私、彼氏が居ますので、そういうのはちょっと」
「何を言うんだッ!! これはきっと運命。例え今は伴侶がいようとっ、僕という真のパートナーとの出会いがドラマチックなラブロマンスの始まりを告げ――」
「告げねぇよ馬鹿たれッ」
「ガフスッ!?」
勝手に一人で盛り上がる同僚の脳天にチョップを食らわし、襟首を掴んで後ろに引っ張る。
「ほげっ!? おいこら志藤ッ! 俺達の運命のプロローグの邪魔をするとは何事だっ」
「その子の連れは俺だ運命とやらがあるのならその相手はこの俺以外あり得ないそれにパートナーから奪うのはラブロマンスじゃなくてNTRって言うんだよ俺がこの宇宙で一番嫌いなジャンルだ殺すぞ」
「お、おう……永台詞を一息で言い切ってしまうほど冗談を全く受け付けてくれなさそうな雰囲気……マジなんだな」
「ナンパしたことをとやかくは言わないからそのヘンテコな厨二病なんとかした方がいいと思うよ」
普通に女の子を口説くにしてもあんな口上でなびく女がいるのだろうか。
顔面偏差値は非常に高いのに性格が残念すぎて全然もてないと評判のヤツだ。
まあ悪い奴ではない。
「え、じゃあ彼女がお前の……?」
「そうだ」
「初めまして……えっと、月宮です」
流石は加奈ちゃんと言うべきか。
怖いだろうにそんなことはおくびにも出さずに笑顔の挨拶をして彼に頭を下げる。
「は、はい……よろしくおねがいしましゅ……あの、変なこと言ってしゅみません」
「い、いえいえ、気にしてませんから……」
「……可憐だ……♡」
「さあ、そろそろ行こう」
呆けてぼんやりとした返事をする同僚は完全に堕ちていた。
可愛い加奈ちゃん相手なら惚れてしまうのも無理はないか。
だとしても彼氏いるっ言(つ)ってんのにグイグイいく神経が分からない。
しかも帽子とマスクと眼鏡でガチガチに固めている相手だ。
やはり加奈ちゃんの美貌はそんなもので隠しきれるものではないのかもしれない。
今後は出かけるのも控えた方が良いかもしれない。
失敗だった。
「お、おい志藤」
「そういう訳だから会社のなかでナンパとかしないでくれよな」
呆ける同僚を放置して加奈ちゃんの手を取り会社を後にした。
会社を退勤し、エントランスまで来てくれた加奈ちゃんとデートのために、俺達は繁華街の方へと手を繋いで歩いていた。
待ち合わせに会社のエントランスを選んだのは、家から近い安全な待ち合わせ場所として最適だと思ったからだ。
やはり変装しているとはいえ、加奈ちゃんはどう贔屓目に見ても男好きする可憐な容姿をしている。
愛くるしいフェイスに巨乳。芸術的な曲線を描くくびれ。そこから膨らむ丸みのある魅力的なお尻。
しかも今日は初めての待ち合わせデートということもあってか、以前に俺がプレゼントした一張羅を着込んでお化粧もしている。
男好きする要素をこれでもかと詰め込んだ絶世の美女。
いや、顔の可愛らしさを加味するなら美少女と呼んでも支障はない。
男が声をかけずにはいられないだろう。
俺はナンパとかしたことないしする勇気も湧かないが、加奈ちゃんくらい可愛いと男はどうしても放っておかない。
だから外に出るリハビリとして待ち合わせデートをすることになったのだが、ヘタに繁華街で待ち合わせをするとほぼ確実にナンパされるだろう。
拉致の危険性もある上に、トラウマから重度の男性恐怖症を患っている加奈ちゃんにとってそれほど過酷な状況はない。
つい先月あたりまで、男性が近づいてくるだけで過呼吸に陥っていたくらいだ。
かなり改善してきたとはいえ、そんな状態の加奈ちゃんを一人で待ち合わせ場所に待機させるのは非常に怖い。
だからこそ会社というナンパとは無縁な場所を選んだのに、まさか同部署の同僚がそれを実行するとは思わなかった。
「待たせてごめん。ミルフィさんは?」
「えっと、ここに来るまで一緒だったんだけど、なんかダーリンさんに会いに行くとかで会社の中に入って行っちゃって」
「え? ダーリンさんってこの会社の人なの?」
「どうもそうみたい」
世間って狭いんだなぁ。
それにしても、加奈ちゃんの事情を知っているのに放置して行ってしまうとは……。
少し油断していた。
こっちからお願いしている以上、彼女の行動に文句を付けるのは筋違いだけど、ちょっと恨みがましく思ってしまう。
「大丈夫だったかい?」
「うん、この頃はだいぶ平気」
「アイツも悪い奴じゃないんだけどね」
「なんか悪い事しちゃったね。克明君も、あんなに怒らなくても良かったのに」
「いやごめん。ちょっと冷静になれなかったよ」
悪気はないのだろうけど、ナンパしたのが知り合いで助かった。
チンピラとかだったら俺も理性的な行動取れる自信が無い。
加奈ちゃんを心配するあまり、神経がかなり過敏になっているようだ。
「まあアイツも明日になれば問題ないだろうから、今はデートを楽しもう」
良くも悪くも引きずらないのがアイツの良いところではある。
とりあえず今度ラーメンでも奢っておくとしよう。
そんなことを考えながら、俺達はデート地である映画館に向かう事にした。
「ルナさん……?」
エレベーターから降りてきた篠崎咲良が、限られた人しか知らない筈の源氏名を呟いている事を俺達は知らなかった。