ガチレ〇プからの調教でズタボロにされた恋人を鍛え上げた絶倫ボディで徹底上書きする話 作:かくろう
◇守る女◇
ここは都心から少し離れた場所にある、一般の住宅街からは隔絶された、とある邸宅。
ミルフィはいつものように迎えの車に乗車してその邸宅へと向かっていた。
緊張の面持ちで廊下を進み、足早に目的の部屋を目指している。
元は奉龍院という、日本でも屈指の財閥として名高い名家の屋敷であり、現在は全てを裏から支配統率する現人神とも噂される男「篠宮隆行」とその妻達が暮らす邸宅となっていた。
ミルフィは現在に至るまで様々な使命を請け負いながら彼の為に働いてきた。
今日は全ての指揮権を統括する名家の主として会うことになっているため、ミルフィは神の御前に出る巫女のように、身を清めてから赴いている。
古式ゆかしい日本邸宅ということもあり、神の御前に出向く際には和服の着用を義務づけられている。
彼女もそのしきたりに倣って白を基調とした色鮮やかな和服を着用していた。
「ミルフィミー・アーガス、参りました」
ミルフィはしっかりとした日本語で自分が到着したことを神に告げる。
通された奥座敷の広い空間に座布団が一つだけ敷かれ、その奥には御簾(みす)という薄い幕が張ってある。
正座をし、頭を垂れ、恭しく礼をしながらかの者の到着を待つ。
やがて空間全体が暖かく、荘厳でありながら柔らかい空気に包まれ、自らの夫でありながら神である男がそこにやってきた事をミルフィに知らせてくれる。
「わざわざ来てもらって済まなかったなミルフィ。楽にしてくれ」
御簾の向こう側で神が微笑みを浮かべたのを知覚し、ミルフィの心臓は高鳴った。
自分を可愛がってくれるこの後の時間が待ち遠しいが、今はしっかりと仕事をこなす姿勢を維持しなければならない。
「報告を聞こう」
…………
………
……
「なるほど。チンピラ二人の撃退劇。カリスマの片鱗は徐々に見えてきているな。しかしそのトラウマの根深さは楽観視できず……か」
ミルフィは先日のナンパ男撃退劇の顛末を篠宮に聞かせる。
「はい。スイッチが入った状態での月宮加奈子は、そこらのチンピラ相手ではもはや
「そうか。ならばもしもの保険で残しておいたレイプ犯の主犯格の男はもはや用済みだな」
「はい。現在は逃亡中ですが冴子が追っ手を差し向けています。捕縛も時間の問題でしょう」
「ふむ……。その男、気を付けた方がいいな。よからぬトラブルを巻き起こす予感がする」
その言葉を聞いてミルフィの体が強張った。彼の言葉は予感であって予感ではない。
ほぼ確実に起こる未来と言っても過言ではない、まさしく予知とも言えるほどに精度が高かった。
「では月宮加奈子の警護を強化します。その他のマイナス要素に関しては」
「心配するな。月宮加奈子を狙う可能性のある上位層の不穏分子は全て排除済みだ。金持ち連中が月宮加奈子を狙うことはもうないように処置してある」
「承知いたしました。ですが、それなら何故主犯の男も処置してくださらないのですか」
「それは冴子に任せてある。彼女もあの程度の小物を捕らえる仕事をこなせないようではこの先やっていけまい」
「しかし、冴子もまた被害者の一人。未だに悪夢にうなされる毎日を送っていると聞きます。朝霧雪乃の件もありますし……。既に他のことで手一杯の状態なのでは。これ以上の負担を強いるのは酷ではないかと思います」
「ならばミルフィがフォローしてあげなさい。今度来る時に飛びきりのご褒美を準備して待っているからね」
それでミルフィは何も言えなくなってしまう。
彼はそれをやれと言っている。それは決して悪い意味ではなく、はにかんだ困り笑顔で熱量が上がる。
「ダーリンはイジワルだよ……」
「心配しなくとも彼女のカルマは既に大部分が浄化され切っている。決して悪い事にはならんさ」
「分かりました。全て仰せのままに致します」
「月宮加奈子の試練に関してはもう一人、因縁のある相手が残っている。こちらは表立った犯罪行為を行っていないので積極的な処罰はできない。そのうち因果応報はあるだろうが」
男性に対する強い忌避感を持っている加奈子だが、女なら対抗もしやすいだろう。
何より、加奈子は長年にわたって悪辣な男達と接するうちに、自分でも気が付いていないほど精神的なタフネスを身につけている。
これは、恐怖に支配されて従うのではなく、必ず克明の元へと帰るんだという強い意志を持って、自分の『女』を全力で使って男達をコントロールする年月を過ごしてきたからにほかならない。
今は恐怖心の方が勝っているが、それを克服した暁には相当な女傑になれる才能を有していた。
但し、それは彼女が孤独であったならという条件が付く。
克明の恋人でいる限り、そんな才能を発揮して男達を翻弄する必要がある未来はやってこないだろう。
だが、恐怖心を克服した先で、その才能の片鱗をみせることはあるかもしれない。
その加奈子を持ってすれば、一人の傲慢な女など今さら敵では無い。
ミルフィはトラウマ克服のとっかかりとして、自分の不幸の原因となった女への復讐をさせる事が有効ではないかと考えていた。
「その女、牧野千咲でしたか。確か主犯格の男と交際していたのでしたね」
「ああ。現在は男と別れて別の地域で風俗嬢をやっている。大学を卒業した後にアパレルメーカーに就職したようだが、金遣いが荒くて借金まみれになったようだな。資金繰りに困って風俗に勤め始めたようだが……」
「傲慢な性格のせいで干されかけている、でしたか」
「ああ。見目は麗しいので男受けはするようだが、すぐにボロが出てしまうようだな」
ミルフィはこの使命を仰せつかる前に見た報告書の記憶を呼び起こした。
最初はキャバクラに勤めていた。
だが他者を見下す傲慢な性格から他のキャストとのトラブルが絶えず、指名客を枕営業などで強引に奪うなどの行為で恨みを買って1年を待たずに退職。
いくつかの店舗を経由した後、最近になって風俗へ転向し、猫をかぶりながら指名を取れるようになる。
が、やはり傲慢な性格でトラブルが絶えない、と。
「どうやら冴子が吸収した店舗の一つに雇われていたようだ。何らかの理由を付けて近くの店舗に呼び寄せよう」
「承知致しました。では店舗近くで偶然出くわすようにタイミングを計るということですね」
「やり方は任せるが、どこかのタイミングで鉢合わせるようにコントロールしよう」
「やはり、月宮加奈子は普通の世界に戻すつもりはないのですか?」
「それは彼女自身が決めることだ。これは彼女自身のカルマがそうさせているのだからな。私はそれらの浄化を助けているに過ぎない」
それはミルフィにも分かっていた。個人として力になることはできても、組織や陰謀をなんとかする力のない自分を悔やむ。
いくら屈強な男を圧倒する力があっても、心の闇を晴らすことはできない。
握り絞めた拳に力が籠もり、無力に打ちひしがれた。その様子を御簾越しに見つめる篠宮が助け船を出した。
「ミルフィ、この住所に行ってみるといい。恐らくだが逃亡中の男は牧野千咲の家に転がり込むだろう。そこで志藤克明と月宮加奈子に対して一悶着起こすはずだ」
「分かりました。直ぐに行動を開始します」
その言葉を聞き、ミルフィは今夜"ダーリン"との逢瀬であることも振り切って直ぐさま行動を開始した。