※この作品はR-18です。

放浪記   作:三島莞爾

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世界観紹介

人間、妖怪、神ありとあらゆる種族が共存する現実世界。
登場人物

神苑(しんえん) 日靈(ひるめ)・・・かつて天照大御神に仕えていた上級神。
顔つきは童顔身長は170糎(センチ)。顔つきは小中校生のようだが年齢は数千歳のババア。
強力な神通力を有していたが皇居と靖国に防護結界を張ったためもう力は残っていない。
NBC攻撃後、荒廃した日本全国を旅し息子を探している。
愛車の97式側車付自動二輪車で各地を転々と放浪する。

チェシャ・・・日靈の息子と特に仲がいい式神。
猫又の妖怪で黒髪長髪の男の娘。
主人を探すために今は日靈と共に生活を送っている。


放浪記

 

序章

 

冷たい混凝土(コンクリート)の部屋で儂はラジオをから流れてくるノイズ交じりの音声を聞きながす。

ボサボサに伸びた自分の黒髪を指でくるくると回し聴覚を研ぎ澄ます。

(皇居および靖国の警備には陸上自衛隊第32普通科連隊が・・・任務に就き・・・その後残存部隊による化学班を編成し復旧作業を・・・)

「日靈さん・・・いま帰りましたにゃ・・・」

声がする方向を向くとひどく汚れた和服に身を包み頭に生えた猫耳をピョコピョコと動かしている男が目に入る。

「チェシャか・・・そうじゃ外の状況は」

「皇居周辺は少しずつですが法治区域になりつつありますにゃ~」

チェシャは疲れたように両手に抱えていたプラスチック容器をテーブルに置く。

彼が蓋を開けると独特の匂いが部屋に立ち込める。

「横須賀の闇市から仕入れて来たものにゃ・・・」

容器を覗くと濁った薄茶色の汁にグリーンピースや人参の欠片と煙草の箱が顔を覗かせていた。

「残飯雑炊か懐かしいのぅ・・・戦後直後これには助けられたものじゃ」

儂は割りばしで雑炊を啜る。

「よいのぅ・・・栄養もニコチンも同時に取れて・・・先に言っておくが噛み切れぬ肉が入っておるかもしれぬから・・・当たったら吐き出せよ?」

「はぁ・・・」

困惑した顔で雑炊を食す・・・が特に何もなく物の数秒で完食する。

詰まらなそうな表情で見ていると「なんですにゃ?」

呆れた目線を送られる。

「ん・・・つまらんのぅ・・・ほれこれじゃよ・・・噛み切れぬ肉」

儂は箸でそれを挟み袋に捨てた。

薄ピンクの物体を見て怪訝っそうな表情をして問いかけてきた。

「なんですかにゃ?」

「ん?ヤンキーの避妊具じゃ・・・まさか本当に入っておるとは・・・」

「・・・」

答えてやると今にも吐きそうな表情で口を押えている彼をみて若干の笑みが浮かぶ。

「日靈さん・・・悪趣味すぎますよ・・・うえぇ」

「すまんすまん・・・娯楽が少なくてのぅ・・・すこし気が紛れたわい」

「それは・・・そうと横須賀の治安は酷いものでしたにゃ」

雑巾で口元を引きながら言葉を紡ぐ。

「一帯の在日米軍の大半は掠奪を行う賊徒と化して生き残った自衛隊と武力衝突が起こってますにゃ」

「チェシャ・・・ご苦労じゃったな・・・一服する」

儂はそう言い残し部屋を出て暗く冷たい階段を上がり地上にでる。

辺りは瓦礫まみれで所々火柱が上がっている。

正直ここが復旧途中の九段下とは到底思えなかった。

一本の煙草を口にくわえマッチで火をつける。

ゆっくりと煙を吸い込みそしてゆっくりと煙を吐いた。

「息子も心配じゃが・・・日本も・・・横須賀と東京との連絡線が復旧できればある程度の国防力は・・・」

急いで煙草を吸ったせいか先端が尖り辛みが増す・・・それに顔を顰めた。

最後にもう一回吸い煙を吐き出すと埃と塵とで汚れた空気に同化して消えていった。

 

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